菅が小沢Gに呼びかけ&岡田、長妻、新聞の愚行に呆れる+原子力が軍事利用可能に
2012年 06月 24日
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*印がついた報道記事は、記事の最後のMore部分にあるです。
先週21日、東京新聞が一面TOPで『「原子力の憲法」こっそり変更』という記事を掲載。mewはギョッとさせられることになった。(゚Д゚)
ちなみに、副題は『規制委設置法 付則で「安全保障」目的追加~軍事利用への懸念も』だったのだが。(全文*1)
先週20日、国民が気づかないうちに、国会にてトンでもない法改正が行なわれていたというのだ。(-"-)
20日に原子力規制委員会を設置するための法案が成立したのだが。その時に、この法案の付則の中で、「原子力の憲法」といわれる原子力基本法に重大な変更が加えられていたというのだ。
平和目的に限るはずの原子力利用について「わが国の安全保障に資すること」も目的とする項目が追加され、軍事利用もできるように変えたのである。(**)
毎日新聞23日の社説は、『核兵器の保有など軍事目的に転用する意図があると疑われても仕方ない。「非核三原則」「平和主義」の国是を揺るがしかねない問題だ』と批判している。
<しかも、同じ20日には、宇宙航空研究開発機構法なるものも改正され、「平和目的に限り」としていた規定を削除。防衛軍事利用を可能にする文言に変えられたという。(-_-;)>
* * * * *
『追加された「安全保障に資する」の部分は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた』とのこと。
『自公案作成の中心となった塩崎恭久衆院議員は「核の技術を持っているという安全保障上の意味はある」と指摘。「日本を守るため、原子力の技術を安全保障からも理解しないといけない。(反対は)見たくないものを見ない人たちの議論だ」と話した』という。
このブログでも何度も書いていることだが。自民党の議員を中心にして、多くの保守タカ派の政治家や識者が、原発政策の維持or推進を主張する最大の理由は、原発を核兵器を作るための施設として利用することを考えているからである。(・・)
<この他に原子力エネルギーを軍艦や潜水艦に利用するなどの軍事転用も検討されている。>
日本は、自民党政権下で、原発政策を推進して来たのだが。彼らは、いわば国策として、原発の安保軍事利用も計画。原発や核燃料サイクル施設を核兵器を作るのための材料や設備としてとらえ、実際にその研究も進めて来た。
また、日本がいざとなれば核兵器を作る能力を備えておくこと自体が、他国への抑止力になると主張。それゆえに、脱原発政策を進めて、各地の原発や核燃料サイクル施設をなくすことは容認できないと考えているのである。(-"-)
<昨年、菅前首相が脱原発の方向に舵を切ろうとした時に、菅バッシングが強まった大きな理由の一つもここにある。(6月内閣不信任案を可決しようとしたのも、そうかも。)
実際、昨年5月末には、その国策に関わって来た歴代の首相や党幹部(森、安倍、谷垣、鳩山(由)、平沼氏など)が集まり、「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」なる勉強会を設置。今後の原発政策について協議をしたと言われている。>
* * * * *
原子力基本法は、自民党政権が原発の導入&原子力の研究開発を行なうに当たり、1955年に制定されたという。
これは、『日本が核武装しないことを決めた最初の法律だ。「情報の完全な公開」「民主的な研究体制」「外国に依存しない自主性」の3原則を条件に原子力研究を推進することを国内外に宣言した。(北海道新聞6月21日)』
当時、日本が原発導入をすることに、国内外で懸念する声が強かったことから、「公開、民主、自主」の3原則や平和利用の目的などを明記。「原子力の憲法」とも呼ばれ、日本の非核三原則の原点にもなっている。
そのような大事な基本法を34年ぶりに改正するというだけでも、重大なことなのだが。今回の改正は、下位の原子力規制委員会設置法という法律の付則(条文の最後についているおまけの部分)で変更されたとのこと。
しかも閣議決定をされた政府案ではなく、民自公で作った議員立法によって行なわれ、衆院を通過するまで国会のホームページにも掲載されず、この変更に関する審議はほとんど行なわれず。国民やメディアが気づかないうちに「こっそり」と行なわれていたのである。(~_~;) <共産党の佐々木氏が追及していたようだが。^^;>
* * * * *
また、東京新聞がこれに気づき、21日朝刊TOPで報道。その日の夜に、最近、原発問題に重きを置き出したテレビ朝日の「報道ステーション」が<東京新聞が報じたとして>、この件をやや大きく取り上げ、毎日新聞も記事を出したのだが。<後日になって、社説を出した新聞社もった。>
ネットで見る限り、日本の他のメディアは21~2日には、この件を全く報じていなかったor報じようとはしなかったのだ。(-_-;)
逆に、韓国やロシアなど外国メディアの方が敏感に反応したようで、韓国各紙は22日、「日本、ついに核武装の道を開いた」(朝鮮日報)など、警戒感をあらわにした記事を掲載していたとのこと。
藤村官房長官や枝野官房長官が、「軍事転用の意図はない」と強調し、火消しに走ったという。^^;
報道ステーションは、この基本法の改正は、菅政権で見直しを求められた核燃料サイクル施設(特に高速増殖炉もんじゅ)の維持のために行なわれたのではないかという見方をしていたのだが。
これらは、まさに核兵器の材料作りやアジアを対象にした原発利権(商業&安保)に関わっているものであるだけに、mewも今回の法改正には、そのような目的もあったのではないかと考えている。(**)
核燃料リサイクル&もんじゅの問題も含め、この件はまた改めて取り上げたいと思うのだが。民自公の談合協議だけで重要法案が次々と、しかも、こそっと決められて行く状態を早く終わらせないと、「本当に日本はどんどんとアブナい国になってしまうぞ~!」と、大きな声で言いたいmewなのだった。(@@)
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話は変わって、民主党の党分裂問題に関する話を・・・。
まず、コメント欄にも、投稿を頂いたのだが。菅前首相が23日、自分のブログに「小沢グループと呼ばれている皆さんへの呼びかけ」という記事を載せていたという話が、いくつかのメディアで報じられていて、ちょっとビックラ&唖然としてしまったところがあった。(・o・)
『1年前、私に対する不信任案に小沢氏は賛成すると言って、造反しようとした。目的は小沢氏の思う通りにならない私(総理)を引きずり下ろすため。今回もテーマは違うが目的は全く同じ。
過去において小沢氏は何度も同じことをやってきた。その都度大半の「小沢グループ」の顔ぶれは変わっている。しかし、新たに取り込まれた「小沢グループ」の議員が小沢氏個人の駒として使われているという構造は変わらない。
小沢グループと呼ばれている皆さん、ぜひ目を覚ましてほしい。小沢氏の個利個略のために、駒として利用されることがないように、目を覚ましてほしい。そして小沢氏の呪縛から離れて、自らの判断で、行動してほしい。』
* * * * *
mewは、菅氏がこのような文をオフィシャル・ブログに載せたこと自体、軽率&失当だと思う。(失投だとも言えるかも。^^;)
また、小沢Gの議員を単に「駒」だというのも失礼なことだ。(-"-)
<ぶっちゃけた話、この記事を読んで「菅は一体、何やってんの?Oッカじゃな~い?」と呆れたです。(@@)>
率直なところ、mewには、菅氏が言いたいことを理解できる部分が大きい。
mewも、小沢氏が民主党内にも、自民党的な「派閥」&「数の力」の要素を持ち込んだことをあまり好ましく思っていないところがあるし。2人が野党時代からうまく行かない部分が色々あったのも知っている。
それに、結局は「卵が先か鶏が先か」みたいな話になってしまうので、その間のアレコレは飛ばすとして、昨年6月に小沢氏らが自民党と組んで、菅内閣の不信任案を可決しようとしたことは、大きな問題がある行為だったと思っている。
* * * * *
正直を言えば、mewは、小沢氏が、菅内閣が当時行なっていたことor政策で、具体的にどのようなことに問題があると主張して、不信任案を可決することにしたのか、今でもよくわからないところがあるし。(~_~;)
<そもそも、脱小沢路線をとったことがダメとか。やることなすことがダメとか、そういう次元の話ではなくてね。^^; それとも、小沢氏が何か具体的なことを提案or要求したのに、菅氏がきき入れなかったのかはわからないけど。^^;>
もちろん菅前首相の震災&原発事故対策には、問題があった部分もあるとは思うけど。ただ、あの時は、東日本大震災&福島原発事故が起きてから、まだ3ヶ月も立っておらず。本来だったら、与野党議員がそれぞれの思いや考えは、とりあえずぐっと封じ込めて、できるだけ政府に協力して、震災&事故対応を行なわなければならない時に、よりによって同じ与党の議員が、野党の自民党と組んで、内閣不信任案を可決しようとすることは、mew的に見て「あり得ない」or「あってはいけない」ことだったし。
被災地の人たちが、「一体、国会は、こんな時に何をやっているのか」と失望しているのを見て、今でも本当に申し訳なく思っているところがある。_(。。)_
また、mew個人としては、菅前首相は4~5月に脱原発政策のプランを立てて、G8でもその一部を発表し、「さあ、これから」という時だったので、あの不信任案をきっかけにして、菅前首相が8月末に辞任に追い込まれ、そのプランの実現をできなかったことは、残念に思うところがある。<逆に言えば、先述したように、自民党が不信任案提出を急いだ大きな要因の一つは、脱原発阻止にあったのよね。^^;>
* * * * *
ちなみに、菅前首相は、昨年6月に、小沢氏と鳩山氏が不信任案に賛成するかもという話をきいて、「自分は小沢さんも、鳩山さんもおろそうとしたことはないのに、何故?」とショックを受けていたとのこと。
<実際、小沢氏が代表時代、自民との連立の件や西松事件などで、党内から辞任せよという声が上がった時も、菅氏はそれに加わっていないし。鳩山氏に首相辞任圧力がかかっていた時も、菅氏は鳩山首相の続投を支持していたわけで。<その後、脱小沢路線に転じたのだけど、それは「卵と鶏」なので、今回はパス。>
それもあって、尚更に菅氏個人として、小沢氏に対して悪感情を抱いていたとしても、また、あの不信任案からちょうど1年後に、また小沢氏の動きによって、党分裂騒動が生じていることに不快感を覚えたとしても不思議はない。(~_~;)
でも、たとえそうだとしても、今度の小沢氏の動きには、それなりの大義があるわけで。<だから、中間派の議員にも支持する人がいるんだもん。このようなことを一方的に、公のブログに記すことは、mewは、同じ党でやって来た現役の国会議員&元代表(&元首相)として適切な行為だとは思わないし。
あまりにも子供じみた、あさはかで、やや感情的なやり方なのではないかとも感じるところがあった。(-"-)
<もし本気で小沢Gの議員に呼びかけをしたいと思ったのであれば、あのような文面&やり方では、ますます反発を買って逆効果になるだけで、意味がない思うし。
結局、党分裂を願う人たちやメディアが喜ぶネタを提供しただけ&菅直人という政治家の評価を落とすことにつながっただけではないだろうか?_(。。)_>
また、実は、久々に菅氏のブログを読んだのであるが。菅氏は、社会保障制度の安定&経済危機回避のために消費税増税を行なうことには賛成の立場ゆえ、その点では今回の法案成立を重視しているのは、まだ理解できるのだけど。
「野田政権も「脱原発依存」の方向を変えてはいないと、私は理解している」と書いていたのには、「はあ?」と思ってしまうところがあった。(゚Д゚)
それとも、あれは野田首相に「約束どおり『脱原発依存』の方針を守るんだろうな」という念押しをするために書いたのだろうか?(@@)
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もう一つ、昨日、mewが「はあ?何、言ってんの?」とツッコミたくなったのが、岡田副総理のこの発言だ。(・o・)
『岡田副総理は23日、自民党の谷垣総裁ら同党幹部が、社会保障・税一体改革関連法案への対応を巡って民主党の分裂をあおる発言をしていることについて、「(公明党を含めて)3党合意に至っているので、足の引っ張り合いのようなことはすべきではない。お互い敬意を持って接するべきで、ちょっと悲しい」と反発した。兵庫県伊丹市内で記者団に答えた。(読売新聞6月23日)』
* * * * *
民自公の修正案の採決を控えて、民主党で党分裂騒動がどんどん激化しているのを見て、自民党の幹部は、「してやったり」とかなりお喜びの様子。^^;
「もっと、やれぇ~」「とっとと、小沢Gを切れ~」「早く分裂&弱体化して、解散&下野しろ~」とばかりに、毎日、アチコチであおって下さっている。(@@)
『自民党の谷垣禎一総裁は23日、京都市内で開かれた同党の会合で「9月8日までの国会を戦い抜き、解散総選挙を獲得すると約束したい」と述べた。消費増税関連法案の修正では合意したが、早期解散を求める姿勢は変えない考えを強調したものだ。
消費増税法案の3党合意については「マニフェストを撤回したことがはっきりしている」と明言。民主党の小沢一郎元代表のグループが離党の動きを見せていることには「民主党政権が分裂の瀬戸際にひんしていることは間違いない。政権担当能力を失ってきたことが明らかになりつつある」と指摘。会合後、記者団に「政権政党がどっちを向いて歩むのか分からない。(民主党議員の)それぞれがどの方向を目指すか、旗幟(きし)鮮明にしないと政治がおかしくなる」と、民主党の分裂を促した。
また、自民党の伊吹文明元幹事長は同じ会合で「民主党を割らなければならない。過半数がなくなれば自民・公明両党に助けてもらわねば(国会審議で)出口に行けない。まず(衆院の)採決でどれだけ割れるかを見極める」と述べた。 (朝日新聞6月23日)』
<旗幟鮮明→(戦場で敵味方がはっきりわかるように)旗じるしのあざやかなこと。主義・主張のはっきりしていること。用例・私につくのか、敵に回るのか、旗幟鮮明にしなくてはならない。(アチコチより)>
* * * * *
岡田副総理は、上述のような発言がなされているのを知って、「足の引っ張り合いのようなことはすべきではない。お互い敬意を持って接するべきで、ちょっと悲しい」と言ったというのだ。^^;、
まず、岡田くんには、自党の議員に対しても「足の引っ張り合いのようなことはせずに、お互い敬意を持って接するべきなんじゃないですか?」と言いたい。
あんなに自民党的な派閥争いを嫌って、民主党ではグループにずっとはいらず、生真面目にやって来た岡田くんが、小沢グループを批判する発言を繰り返したり、中間派の議員の取り込みをはかって、アレコレと説得工作したりしているという報道を見るたびに、mewは本当に「哀しい」気持ちになっているんだよ。(ノ_-。)
でも、もっと呆れた&哀しく思ったのは、岡田くんの認識に関してだ。
まさか、岡田くんは「自民党が修正協議&合意に応じたのは、民主党の分裂や小沢G切りを実現し、党を弱体化させ、解散に追い込んで、自民党が政権の座を取り戻すためだ」ということに気づいていないってことないよね。(~_~;)
<毎日のように、新聞記事やTVニュースでも言われていたから、わかっているはずだよね。^^;それとも、それを前提にして、分裂してダメになって行く政党にも敬意を払って欲しいと言っているのかしらん?(>_<)>
* * * * *
そう言えば、昨日の朝、長妻昭氏がTBSの「サタズバッ」に出演して話していたのを見た時も、チョット不安に思ったとこがあったのだ。
長妻氏が、マジメな顔で「決して、マニフェストを撤回したわけではない」「国民会議で協議して、1年後にはいい形で実現することを考えている」と主張していたからだ。^^;
もし長妻氏が本当にそう思っているとしたら、彼もかなり「おめでたい」人なのかも知れない。(~_~;)
もし民主党が衆院で今の勢力を保ったまま、来年の参院選でも勝てば、話は別かも知れないけど。<それを夢見ているのかな~?(@@)>
現実問題としては、伊吹幹事長が言っていたように、もし党が分裂して自公に頼る度合いが増せば、しかも、もし解散後に下野したり、自民党と連立を組んだりすることになれば、民主党のマニフェストなんてなきものにされることぐらい、長妻くんはわかっていないのだろうか?^^;
<この件は改めて書きたいけど。もし谷垣総裁が再選できず、安倍氏orその周辺が新総裁になったら、民主・自民の連立話はご破算になる可能性があるということも、民主党の議員はアタマに入れておくべきだろう。>
* * * * *
グチグチついでに、さらにもう一つ呆れたことを。
前記事で、小沢氏の妻の手紙のコピーが、民主党のほぼ全議員に郵送されていたという話を書いたのだが。<野田陣営がやったのか、自民党などが絡んでいるのかわからないけどね。^^;>
一般に、大手新聞社やTVは、この手のゴシップ的な週刊誌ネタを扱うのは慎重になるもので、実際、しばらくはスル~していたのだけど。このコピーが郵送されてから、いかにもそれが政治的な事件であるかのようにして取り上げて、ついでにそのゴシップの内容まで報じる新聞が次々と出たのには、本当に「えげつない」と感じて、怒るよりも呆れてしまったところがあった。_(。。)_
・・・というわけで、今回は何だかグダグダ書いてしまったのだけど。<少しはストレス解消になるかな~?^^;>
でも、やっぱ野田&前原陣営や自民党に政権を委ねることになって、日本がアブナくなってしまうのはイヤなので、「何とかしなくちゃ」と自分に言い聞かせているmewなのだった。(@@)
THANKS
p.s. でも、今日はハッピー・サプライズが一つ。ずっと応援して来たネコパンチ(馬)が、何と宝塚記念(GI)に出走することになったのだ。
それこそどの党の政治家たちにも「あまりしょ~もないことばかりやっていると、ネコパンチを食らわせちゃうぞ!」と言いたい気分。( ^-^)=o エイッ
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『原子力の憲法」こっそり変更
二十日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力の憲法」ともいわれる原子力基本法の基本方針が変更された。基本方針の変更は三十四年ぶり。法案は衆院を通過するまで国会のホームページに掲載されておらず、国民の目に触れない形で、ほとんど議論もなく重大な変更が行われていた。
設置法案は、民主党と自民、公明両党の修正協議を経て今月十五日、衆院環境委員長名で提出された。
基本法の変更は、末尾にある付則の一二条に盛り込まれた。原子力の研究や利用を「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に」とした基本法二条に一項を追加。原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として」行うとした。
追加された「安全保障に資する」の部分は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた。各党関係者によると、異論はなかったという。
修正協議前に衆院に提出された自公案にも同様の表現があり、先月末の本会議で公明の江田康幸議員は「原子炉等規制法には、輸送時の核物質の防護に関する規定がある。核燃料の技術は軍事転用が可能で、(国際原子力機関=IAEAの)保障措置(査察)に関する規定もある。これらはわが国の安全保障にかかわるものなので、究極の目的として(基本法に)明記した」と答弁。あくまでも核防護の観点から追加したと説明している。
一方、自公案作成の中心となった塩崎恭久衆院議員は「核の技術を持っているという安全保障上の意味はある」と指摘。「日本を守るため、原子力の技術を安全保障からも理解しないといけない。(反対は)見たくないものを見ない人たちの議論だ」と話した。
日本初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹らが創設した知識人の集まり「世界平和アピール七人委員会」は十九日、「実質的な軍事利用に道を開く可能性を否定できない」「国益を損ない、禍根を残す」とする緊急アピールを発表した。
◆手続きやり直しを
原子力規制委員会設置法の付則で原子力基本法が変更されたことは、二つの点で大きな問題がある。
一つは手続きの問題だ。平和主義や「公開・民主・自主」の三原則を定めた基本法二条は、原子力開発の指針となる重要な条項だ。もし正面から改めることになれば、二〇〇六年に教育基本法が改定された時のように、国民の間で議論が起きることは間違いない。
ましてや福島原発事故の後である。
ところが、設置法の付則という形で、より上位にある基本法があっさりと変更されてしまった。設置法案の概要や要綱のどこを読んでも、基本法の変更は記されていない。
法案は衆院通過後の今月十八日の時点でも国会のホームページに掲載されなかった。これでは国民はチェックのしようがない。
もう一つの問題は、「安全確保」は「安全保障に資する」ことを目的とするという文言を挿入したことだ。
ここで言う「安全保障」は、定義について明確な説明がなく、核の軍事利用につながる懸念がぬぐえない。
この日は改正宇宙航空研究開発機構法も成立した。「平和目的」に限定された条項が変更され、防衛利用への参加を可能にした。
これでは、どさくさに紛れ、政府が核や宇宙の軍事利用を進めようとしていると疑念を持たれるのも当然だ。
今回のような手法は公正さに欠け、許されるべきではない。政府は付則を早急に撤廃し、手続きをやり直すべきだ。(加古陽治、宮尾幹成)
<原子力基本法> 原子力の研究と開発、利用の基本方針を掲げた法律。中曽根康弘元首相らが中心となって法案を作成し、1955(昭和30)年12月、自民、社会両党の共同提案で成立した。科学者の国会といわれる日本学術会議が主張した「公開・民主・自主」の3原則が盛り込まれている。原子力船むつの放射線漏れ事故(74年)を受け、原子力安全委員会を創設した78年の改正で、基本方針に「安全の確保を旨として」の文言が追加された。東京新聞6月21日』