野田・谷垣の玉虫色決着の背景&野田・谷垣おろし、造反の動きも
2012年 08月 09日
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*印がついた報道記事は、記事の最後のMore部分にあるです。
今週にはいって激化していた「野田首相vs.自民党」のドタバタの攻防は、結局、決して想定外ではなかったものの、やはりチョット拍子抜けするような「玉虫色決着」で終わった。(@@)
8日夜、野田首相と谷垣総裁が会談を行ない、一体改革法案を成立させた後、「近いうちに国民に信を問う」ことで合意。公明党の山口代表も了承した。
これで自民党は、10日に行なわれる予定の参院採決に協力することに。また、当面は、内閣不信任案や参院問責決議案を出すことも控えるという。(・・)
野田首相としては、とりあえず最大の危機をクリアして、ほっと一息というところ。また、谷垣総裁は、もしかしたら、それなりの覚悟を決めて、最後は自分の思いを通そうとしたのかな~と思う部分もあるのだが・・・。
ただ、この曖昧な決着のつけ方は、「一件落着」と言えるものではないだろう。 これが、却って自民党、民主党の双方の議員から反発を招き、さらなる大きな騒動&混乱につながる可能性も十分にある。^_^;
* * * * *
8日も、事態が二転三転することになったのだが。すご~く大雑把に経緯を書くなら・・・。
自民党は7日夜、8日の午前中までに野田首相が解散確約を行なうことを要求。
それに対して、民主党は国対の会談で「法案成立後、近い将来国民の信を問う」という回答案を提示したのだが、自民党は時期が明確でないとして、再回答を求めた。
<尚、自民党は文書化も求めていたが、民主党側はそれは強く拒否した。>
野田首相側は、解散時期は明示できないとして、協議は平行線に。自民党内には、夕方、不信任案提出を決めようとする動きが出た。
しかし、野田首相と谷垣総裁は、公明党が提案していた3党の党首会談を行なう意向を示し、結論を出すのは夜に持ち越されることになった。^^;
野田首相は、夕方5時半から民主党の両院議員総会に出席し、「解散時期は明示できない」と明言。その後、谷垣総裁と1時間ほど電話で話し合いを行なったものの、なかなか協議が調わず。最後の手段として、まず、民主&自民の2党による党首会談が行なわれることになった。
2党による会談は、30分ほど行なわれたのだが。途中で他の役員が退席し、野田氏と谷垣氏は2人きりで話をしたとのこと。その後、公明党の山口代表も加わり、野田氏と谷垣氏が出した結論を確認&了承。わずか5分ほどで3党による党首会談を終えた。(++)
* * * * *
野田首相は会談後に行なった記者会見で、『二つのことを確認した。一つは、3党合意を踏まえて、一体改革関連法案については早期に成立を期すということ。二つ目は、一体改革関連法案が成立した暁には、近いうちに国民に信を問う』ことだと発表。
そして、谷垣総裁と山口代表と、自分が政治生命を賭けた法案に関し、決めなければいけない時に、先送りしない政治について改めてお互い確認できたこと、また両党首が不信任案等を出さないという厳しい重たい決断をしたことに感謝の意をあらわした。(・・)
谷垣総裁の方も記者会見を行なったのだが。「(野田首相を)信頼して、必ず信頼に応える行動をしていただけると。『近いうち』というのは意味の重い言葉であると受け止めています」と発言。(NNN8月8日)
記者に「確約になるのか」と問われ、『「近いうちに信を問うということが、(解散の)確約でなくて何なのか」。谷垣氏は会談終了後の記者会見で、険しい表情で何回も繰り返した。そして、首相と2人だけになった場面について問われると、ようやく笑みを浮かべ「(解散について)私の考えを方を開陳したし、首相も考え方を開陳した」と思わせぶりに語った』という。(時事通信8月8日)
<ちなみに、TVのニュースで見たのによれば、自民党幹部が「『近い将来』の『将来』をとるのが大変だった」と語っていたらしい。^^;>
* * * * *
また、公明党は、ずっと3党合意案を守ることを主張しており、自民党に不信任案提出の話が出ていることに不快感を示して、党首会談による事態打開を行なうように要望。
それこそ、7日には公明党幹部が「自民党が何ら努力をしないまま合意を破棄するなら、次期衆院選での選挙協力を見直すかもしれない」と、ある種、脅しに近い発言まで行なっていたほどなので。<たぶん、この脅しは、その後も続いていたと思う。>
昨夜の党首会談で、何とかうまく決着がつけることができて、山口代表も、かなり安堵したような&やや満足気な表情をしているように見えた。(・・)
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でも、昨夜、ニュースの映像を見ていて、mewの目に、一番、嬉しそうな顔をしているように映ったのは、民主党の輿石幹事長だった。
『民主党の輿石幹事長は、記者団に対し、「これまで私が言ってきたのは、『解散したくない』ということではなくて、今は『解散できる状況ではない』ということだ。衆議院の選挙制度を改革するための法案の取り扱いはどうするのか。違憲状態で衆議院選挙を行うのか。また、赤字国債発行法案の取り扱いについてもどうするのか。『近いうちに信を問う』ということばにこだわる必要はない」と述べました。
そのうえで、輿石氏は記者団が、「『近いうちに信を問う』というのは、今の国会中に衆議院を解散するということか」と質問したのに対し、「いや、そんなことはない。近いうちは近いうちだ」と述べました。(NHK8月8日)』
何分にも輿石幹事長は、一環して早期解散回避を主張して色々と動いて来ただけに、ここで解散時期の確約を行なうことだけは、どうしても阻止したかったところ。
輿石氏は、今度は、いかに解散総選挙を先送りさせるか、アレコレと策を練っていることだろう。^_^;
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谷垣総裁がこのような譲歩を行なった背景には、後述するように、公明党や自民党長老派、さらには財務省、財界からの強い要望(圧力、脅し?)などなどもあったと思うのだが。
谷垣氏は、もし自分が大きく譲歩した場合、党内の強硬派からの突き上げが激しくなって、下手すれば、総裁の座を失う可能性があることはわかっていたはずで。それにもかかわらず、上のような決断をしたのは、総裁としてというより、ひとりの政治家として、消費税増税という大きな仕事or使命を達成することを重視したからではないかと思ったりもする。(・・)
谷垣氏は、小泉政権の頃から、消費税増税を強く訴えていたし。また、それを実現するために、民主党側と結託して、やや強引に3党協議に踏み切っていたわけで。野田氏が、党内の反対を押し切り3党協議を強行&小沢切りまで行なったのを見て、
自分もあとに引けないと、最後の最後は、そういう個人レベルの思いで、覚悟をもって、決断するに至ったのではないかと察するところがある。(@@)
<これは、あくまで邪推だけど。2人はともかく消費税増税法案だけは成立させようと。そして、もし政局的にこじれるようなことになった場合は、潔く党首の座をおりようという話をしたかも知れない。また、もしかしたら、政界再編に向けた動きに関する話などもした可能性もある。^^;>
* * * * *
もちろん谷垣総裁&執行部にとっては、公明党が「選挙協力の見直し」までクチにして、自民党側に3党合意を守ることを迫ったことも大きかったと思うし。
<次の衆参院選は公明党が選挙協力を行なうことを前提に準備を進めているので、もし協力が得られなくなったら、折角、解散総選挙が実現しても、悲惨な結果になってしまうおそれがあるからね~。(・・)>
また、自民党長老派からの圧力も、無視できないものがあっただろう。
特に09年の総裁選で谷垣氏を当選させ、ここまで支援し続けて来た森喜朗氏は、今回の騒動&谷垣氏の対応にかなりお怒りの様子だったのだ。
『自民党の森喜朗元首相は7日夜のBSフジの番組で、谷垣禎一総裁ら党執行部が消費増税法案の成立と引き換えに野田佳彦首相に衆院解散の確約を求めていることについて「首相は絶対に解散を確約してはいけない。言えないことを言えというのは頭がおかしくなったと思いたくなる」と批判した。
9月の党総裁選で谷垣氏の再選を支持したとする自身の発言については「今のようなことを谷垣さんがやっているようでは、がっかりだ」と語った。「(法案の)3党合意をなくして喜ぶのは『国民の生活が第一』の小沢一郎代表だけだ」とも指摘した。(毎日新聞8月8日)』
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森氏は、以前からあのナベツネ氏とタッグを組んでおり、07年に自民党政権がねじれ国会状態に陥ってから近時に至るまで、自民&民主党の大連立を実現させようと、何度も画策しているのだが。
その大きな目的の一つは、財務省や財界の要望に応えて、早く消費税増税を実現させるためだと言われている。^^;
http://mewrun7.exblog.jp/17457117/
3月に『野田ー谷垣密談のウラに、ナベ&勝の影が?』に書いたのだが。ナベツネ氏は、財務省TOPの勝次官や野田&谷垣氏とつながっており、野田氏が次期首相になるように後押ししたという話もあるし。
また、森氏と野田氏は同じ早大雄弁会のOBとしてつながりがあるため、森氏は尚更に野田氏を応援。野田氏が首相になってからも、野田側近でやはり雄弁会OBの手塚首相補佐官が間にはいって、常に森氏と連絡をとっていたという。
そして、森氏としては、自分が支持している野田首相&谷垣総裁が協力して、消費税増税法案の成立&民自連立を実行に移して欲しいと考えていただけに、ここで両者が対立して全てがアウトになるようなことは、何とか防ぎたかったのではないかと思われる。(・・)
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実は、昨日は、経済界からの圧力もすさまじいものがあったのだ。(@@)
経団連の米倉会長は、わざわざ緊急の記者会見を開いたとのこと。(~_~;)
『経団連の米倉会長は、消費税増税法案の扱いと衆議院の解散時期をめぐって政治が混乱していることについて強い不快感を示し、あらためて法案の早期成立を求めました。
「僕は本当に理解できない。こういう土壇場にきて全てが政局化するというようなことは、まさに党利党略ということなんで。法案を3党合意に基づいて早期に成立させていただきたい」(経団連 米倉弘昌会長)
経団連の米倉会長は緊急に開いた記者会見でこのように述べ、法案が成立しなければ、国内外に日本の財政に対する不信を招くと指摘しました。(TBS8月8日)』
また『長谷川閑史経済同友会代表幹事は8日、「(民主、自民、公明の)3党合意に基づいて決めた日本にとって最重要の法案を犠牲にしても解散を求めることが理解できない」と厳しく批判した』という。(産経新聞8月8日)
実際、ここで消費税増税法案が急に破談になったとなれば、マーケットへの影響も大きいだけに、他の経済団体や大企業の関係者、また投資・金融系のアナリストなどからも、危機感を示すような意見が相次いでおり、それも野田、谷垣両陣営にプレッシャーを与える要因になったのではないかと思う部分がある。(・・)
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とはいえ、このような姑息な(=その場しのぎの+通例・ヒキョ~な)&曖昧な決着のつけ方では、アンチ谷垣・野田陣営が納得するはずもあるまい。(@@)
政界やマスコミでは、果たして「近いうち」とはいつ頃のことを指すのか、アレコレと憶測が飛び交っているのであるが。
自民党の強硬派は、「今国会中だ」「遅くとも9月中、民自の代表選が行なわれる前だ」との解釈を主張しているようなのだが。民主党の執行部は「今国会中は、絶対にない」「衆院の定数是正が必要なので、早くとも10~11月まではムリ」と語っているとのこと。
野田首相と谷垣総裁の間では、解散時期を明示しての密約があったのか否かという点に関しても、疑問が呈されている。^^;
この「近いうち」論争は、今後、与野党内で、新たな火種になることは間違いないだろう。(**)
* * * * *
また、自民党では谷垣総裁が、最終的に野田首相に譲歩したことに「弱腰だ」「ふらついている」などの批判が続出しており、今後、「谷垣おろし」の動きが加速する可能性が極めて大きい。(~_~;)
ちなみに自公以外の野党が提出した衆院不信任案の決議は、今日9日の夕方に行なわれる見通しなのだが。自公は、反対に回って野田政権を信任したことになるのはイヤなので、現段階では、自民党は欠席、公明党は否決か棄権をする予定だとのこと。
でも、自民党強硬派の中には、この議決の際に造反をして、賛成に回る議員が出るのではないかという話もある。<一体改革法案の参院採決でも、造反する人が出るかも?^^;>
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民主党の場合は、早期解散に反対or慎重な議員が多いこともあり、野田首相が、曖昧であれ「解散解約」を行なったことに対して、反発の声が強まっている様子。
こちらも、「野田おろし」の動きが出ることは必至だろう。(・・)
今週にはいって、早くも「野田おろし」に関する報道記事がチラホラと出ているのだが。反野田陣営の動きだけではなく、『首相退陣論、急浮上 「岡田新代表」仙谷氏画策か』というタイトルで、野田陣営の仙谷氏が首相交代を画策しているなどと報じるものもあったりして。(全文*1)(・o・)
民主党内は、早期解散の阻止をしたい議員、野田首相の消費税やTPP、原発推進、安保軍事などの政策に反対の議員も含めて、ここから激しく動くことになりそうだ。(@@)
さらに、民主党でも、不信任案に賛成に回って、新たに造反&離党する議員が出る可能性が大きい。<既に小林興起氏は、造反&離党を宣言している。鳩山由紀夫氏や松野頼久氏、その周辺もビミョ~なところ。>
民主党は、小沢Gなどの離党によって、衆院議員の数が250名に激減。あと11人の離党者が出れば過半数割れにするため、まさに危険な状況にあるわけで。もし不信任案自体は否決されても、多数の造反者が出ることになれば、野田内閣の総辞職や野田政権の崩壊につながる可能性もある。(~_~;)
ただ、民主党内には、もしここで造反離党者が多数出て、民主党政権の崩壊を招くことになれば、「自民党の思うツボになる」という意見もあることから、鳩山氏は「刻々と変化している状況を、冷静に把握をして、その中で分析しながら、行動を決めていくのが大事だと」として、今後の動きに関して慎重に判断するつもりのようだ。(・・)
* * * * *
そして、小沢新党「生活」をはじめ消費税増税に反対する&不信任案を提出した野党各党の議員にしてみれば、今回の決着で一体化法案が成立する可能性が大きくなったのは痛いところだが。
でも、野田首相や谷垣総裁が消費税増税の3党協議に続いて、また密室談合の3党会談で曖昧な決着の仕方をとったことで、自民党や民主党に対する批判が増えるのは、各党にとってプラス要素になることで。
自公を除く野党5党は、8日夜に記者会見を開き、早速、次のような批判を行なったという。
『生活の鈴木克昌氏は「法案成立前に国民の信を問うべきだ。全力を挙げて成立を阻止していく」と強調。共産党の穀田恵二氏は「これほど国民不在の党利党略はない。三党合意は、消費税大増税の連立と言わなければならない」と批判した。
社民党の照屋寛徳氏は「三党による談合の政治が、著しく国会審議を形骸化させてきた。民主主義の破壊だ」と指摘。みんなの党の水野賢一氏は「三党で合意すると、あとは問答無用という国会運営が行われてきた。増税法案の合意は、その最も悪質なものだ」と語った。新党きづなの豊田潤多郎氏は「国民を裏切る野合で、断じて許せない」と述べた。(東京新聞8月9日)』
また、自民党内や民主党内で様々な争いが起きたり、造反&離党者が出たりする可能性が高くなれば、野田政権を倒しやすくなるわけで。9日の議決までに、おそらく様々な形で、造反&離党を呼びかけて行くのではないかと察する。(・・)
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何分にも、「近いうち」合意が発表されたのは、昨夜9時頃になってからのことなので。各党の議員は、今日の朝からそれぞれのグループで集まり、今後の対応を検討するのではないかと思うのだが。
お盆前の9、10日にも何があっても不思議はないし。それこそお盆明けには、政界&政局が大きく動くようなことが起きる可能性もあるのではないかと思うmewなのであった。(@@)
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『首相退陣論、急浮上 「岡田新代表」仙谷氏画策か
産経新聞 8月8日(水)7時55分配信
消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の参院採決をめぐり、自民党が衆院解散・総選挙を求めて野田佳彦首相に揺さぶりをかける中、民主党内から首相退陣論がにわかに浮上してきた。首相が解散に打って出るのを思いとどまらせる狙いがあるとみられるが、もはや事態は風雲急を告げている。(坂井広志)
「こうなったら解散か総辞職しかないな…」
仙谷由人政調会長代行は最近、自民党関係者にこう語り、感触を探った。
仙谷氏の発言は法案可決と引き換えに「退陣もやむなし」と言っているに等しい。仙谷氏は自民党との大連立論者として知られるだけに「岡田克也新代表の下で大連立を狙っている」との情報も民主党内を駆け巡った。情報戦の一環との見方もあるが、信憑(しんぴょう)性をもってこうした情報が流れるのには理由がある。
◆命運を握る凌雲会
首相の出身グループ「花斉会」は約20人の“弱小派閥”。野田政権を支えてきたのは「花斉会」よりも、むしろ党内グループ「凌雲会」(約40人)に所属する仙谷氏や前原誠司政調会長といえる。
凌雲会の中心メンバーと岡田副総理にソッポを向かれた途端に、代表が辞任に追い込まれる構図は、菅直人政権のときと変わっていないのだ。昨年6月に当時首相だった菅氏に退陣の説得に当たったのも仙谷、岡田両氏らだった。
自民党が8日に参院に首相問責決議案を提出すれば可決される公算は大きい。可決されれば、審議は全面的に止まり、一体改革法案の今国会成立は絶望的だ。
解散も首相の選択肢ではあるが、党内の大勢は「解散回避」。首相の外堀は徐々に埋められようとしており、党幹部から「解散阻止」という言葉は出ても「退陣阻止」との言葉は聞かれない。
輿石東(こしいし・あずま)幹事長は7日、国会内の幹事長室で周囲に「解散させないことが最優先だ」と強調した。樽床伸二幹事長代行も同日、官邸に乗り込み、首相に「8日の両院議員総会を前に解散を約束したら大変なことになる」とくぎを刺した。
◆鳩山氏の鼻息荒く
首相が窮地に追い込まれているのとは対照的に、抵抗勢力の筆頭格、鳩山由紀夫元首相の鼻息は荒い。7日昼のグループ会合で「慌ただしさが募ってきた。刻々と変化している状況を冷静に分析し行動を決めていく」と結束を確認した。
増税反対の民主党議員による「消費税研究会」の7日夕の会合では、講師に招かれた桜井充・参院一体改革特別委員会筆頭理事がこう皮肉った。
「この何カ月間は何だったのか。単純に言うと民主党が分裂して終わったと。そういうことです」
出席者からは「首相は責任を取って辞めるしかない」との声が飛び出した。桜井氏も「問責決議案は通る。問責が通った方がまた(代表選再選で)首相になったら参院は全く動かないんですよ」と言い切った。
首相周辺は「退陣するぐらいなら解散に打って出る」と強気を装うが、首相が解散戦略を描き切れずにいるのを党内の多くは見透かしている。』
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おまけ
『「野田降ろし」じわり…解散反対が大勢の民主
読売新聞 8月8日(水)13時28分配信
民主党内で「野田降ろし」の動きがじわりと始まっている。
社会保障・税一体改革関連法案の成立と引き換えに、野田首相が衆院解散に応じるのではないかとの見方が出ているからだ。党内では早期解散反対論が大勢を占めており、首相の出方次第では、消費増税反対派以外にも退陣論が広がる可能性がある。
消費増税法案の衆院採決で造反した議員はここぞとばかりに、退陣要求の声を上げ始めた。
6日の山田正彦元農相、松野頼久元官房副長官、川内博史衆院議員ら約10人が開いた会合に続き、7日も造反議員で組織する「消費税研究会」の会合で「首相は責任をとってやめるほかない」(福田昭夫衆院議員)
などと首相批判が渦巻いた。
消費増税を巡り、首相とは対立関係になかった議員からも、距離を置く発言が出てきた。
消費税研究会にはこの日、参院一体改革特別委員会の民主党筆頭理事を務める桜井充政調会長代理が講師に呼ばれた。桜井氏は首相問責決議案の可決が避けられない情勢になっていることを踏まえ、首相をこう突き放した。
「問責が通った人がまた首相になっても、参院(では法案)が全く通らない」
首相の政権運営への不満が広がる背景には、首相と、大方の議員との間で認識のギャップがある。首相は一体改革関連法案の成立を最優先する方針だが、成立より解散時期を遅らせる方が大事だと考える議員は多い。
自民党は、首相に解散の確約を強硬に迫っている。首相周辺は「解散の確約はしない」と強調するが、首相が政治生命をかけると公言してきた法案だけに「独断で解散を確約しようとするのではないか」という警戒感は党内に強い。執行部内にも「首相が解散の動きを見せたら引きずり下ろす」と息巻く向きもあるという。
具体的な方法として、両院議員総会の開催を求め、首相に直接辞任を迫る方法も語られ始めた』