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日本がアブナイ!

平和で平穏で楽しい生活が一番!・・・脱アベ・スガ、反超保守&新自由主義。左右問わず、mew基準で、政治や競馬、スポーツなどについて。写真はトロットスター・・・↓PC画面のリンク1~5は無効

設計書類偽造問題・・・何でも「官から民へ」にするのはアブナイ!(2)

耐震強度偽造問題で、国土交通省は23日、姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)が
作成した構造計算書を基に、建築確認審査や完了検査を行った指定確認検査機関「イーホ
ームズ」(東京都新宿区)を24日に立ち入り検査することを決めた。「東日本住宅評価
センター」(横浜市)も近く検査する。
 国交省は、審査や検査が適切に行われれば偽造の発見は可能だったとみており、2社の
業務実態を確認した上で、指定取り消しや改善命令などの処分を検討している。
 イーホームズは国交省に対し、22日に文書で回答。必要書類がそろわないまま審査を
行った不備は認める一方、「偽造を見逃した結果責任はあるが、審査のやり方そのものは
適切だった」と主張している。 <共同通信>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 はじめに、私は建築や建築確認等に関わる知識はほとんどないので、もし間違えたこと
を書いた場合は、是非、指摘して頂きたい。
 また、私は指定確認検査機関(以下、検査機関)のイーホームズ社を取り立てて批難
する意図で、この投稿を書くわけではないということも付言しておきたい。
 実は、今回の問題が発覚したのは、イーホームズの監査において姉歯設計事務所の書類
の不備や不審な点が見つかり、同社が国交省に連絡をしたことによるのだという。その
意味では、イーホームズは未然に多くの人たちの生命、身体、財産を大きな危険から守っ
た立役者なのであり、そのことはおおいに評価したいと考えている。

 それにもかかわらず、イーホームズが責任を追及されてしまうのは、主に二つの理由
が挙げられる。
 一つは、実際の建築確認申請の際に、姉歯設計事務所が大臣認定番号が欠けるなど
不備のある書類を提出していたにもかかわらず、その申請を受理し、そのまま検査確認
を進めてしまったからである。もし、申請を受理しなければ、または不備のある書類の
内容をチェックしていれば、今回の問題はもっと早く防止できたと考えられている。
(尚、東日本住宅評価センターも、同様に不備のある書類を受け付けていたことから
検査の対象になった。)

 もう一つは、今回発覚した違法建築物の中には、ある程度建築に関する知識や経験側
のある検査員ならば、書類や現物を見た時に明らかに強度に問題があるとわかるような
ものがあったからである。(その規模の建物にしては、鉄骨や鉄筋が細すぎたり、数が
少なすぎるようなものが少なくなかったという。)
 そこで書類や現物を見た時に、何故そのことに気付き得なかったのか、果たしてきち
んと審査や検査をしていたのかということが問題視されているのである。

 民間の検査機関は、国と地方公共団体(以下、地公体)が行なう建築確認業務を委託
されているのであり、地公体の建築主事や検査員同様に、公共的な視点をもって第三者
的な立場から、建物の安全性などをチェックしなければならないという責務がある。
書類や現場の建物を審査、検査する際には、それらに違法性や問題が存在しないかどう
か注意深くチェックをして、問題があれば精査し、ケースによっては地公体に報告を
して工事を停止または中止をさせなければならない立場にある。逆に言えば、そのため
に建築確認や検査の制度が存在するのである。
 だが、今回は民間の検査機関が関与しながら、実際にはその機能を果たせず、事件
を未然に防ぐことができなかった。

 それゆえ、国交省の北側大臣は、民間委託の制度も含めて「全体的に見直しが必要
かも知れない」との発言もしている。

<つづきは、↓ More をクリック>



私は何も官が民より優れているとか、官の組織や人間が全て公僕としての自覚を持ち、
公共的な視点や正義感などをもってマジメに仕事に取り組んでいると言う気は全くない。
 官だって、いい加減な仕事をやる人はいる。とりあえず目の前にある仕事を片付け
ようぐらいの気持ちでいる人も少なくないだろう。また官にも有形無形のしがらみや
圧力の影響が及ぶことがあることも否定しない。
 
 実のところ、私は今回の件は(その他の多くの問題や事件にも共通することだが)、
官民云々以前に、一人の人間or社会人orプロとしてのモラルやプライドの問題(ひい
ては生き方の問題)なのではないかと思っている面が強いのである。

 だが、残念ながら、現実の社会はなかなかそのような理念だけではやっていけない
のが実情である。官民かかわらず、自分が属する組織の方向性もあるし、自分自身や
家族などの生活や利益もある。
 そのような観点も含めて、官と民、どちらが建築確認の審査やその後の検査業務に
適しているか・・・どちらが違法性や問題点を見つけて未然に防止しやすかったかと
その可能性の大小を問われれば、私は官の方であったと思う。
(ただし、官も一箇所、違法建築の確認申請に関わってしまったようだが。^^;)

  先述のように、今回の構造計算書の偽造が発覚したのは、イーホームズの内部監査が
きっかけであったという。書類の抜き取り調査をした際に、姉歯設計事務所が扱った
書類に不備が見つかり、書類の精査や姉歯氏へのききとりを行なった結果、偽造が判明
し、国交省に報告を行なったことから、事件が明るみに出た。
 これが定期監査なのか、何か問題があってのことなのかはわからないが、イーホーム
ズの監査陣が今回の偽造に気付いたことは、不幸中の幸いであっただろう。

 だが、逆に言えば、何故、監査の際には問題視された書類の不備が、実際の建築確認
の際には見逃されたのかという疑問が呈されてしまう。
 監査と通常業務とでは、書類をチェックする注意深さが違って来るのかも知れないが
国交省は、省令で決められた基本的、形式的なチェックを行なっていれば、申請書類が
適正ではないことがわかり、未然に問題は防止できたはずだと主張している。

 国交省や専門家たちが一番問題にしているのは、姉歯氏が作成しイーホームズに提出
した構造計算書に大臣認識番号や添付すべき大臣認定書が欠けるものが多かったことで
ある。構造計算を行なうには、国交省が認定した計算ソフトを使用するケースが多い
そうなのだが、もしそのソフトを適正に用いて計算したならば、書類の正副各ページに
大臣認識番号が印字されるような仕組みになっているらしい。それと併せて、大臣認定
書が添付されることによって、その計算書の数字の真正さが担保されるのだという。
<姉歯氏が不正な数値を入力し偽造した計算書には、認識番号の印字がなされなかった
が、それを他の計算書に紛れ込ませる形で提出したらしい。)
 それゆえ、もしこの認識番号や正式な認定書が欠けることに気付いていたなら、その
確認申請書類はそのまま受理されるべきではなく、もし認識番号がないことがおかしい
と思えば、偽造の疑いもあるので書類の数字を精査すべき義務があったのだという。
<私はその省令の該当部分を見たいと思って探してみたのだが、残念ながら、よくわか
らず見つけ切れなかった。もしご存知の方がいらしたら、教えて頂きたい。>

 この件については、イーホームズ側にも言い分があるらしい。(同社HP参照)
 だが、東日本については、認識番号をチェックすることが必要だということの認識
すらなかったらしい。
<今回、大問題となっているので、各検査機関は今後、認識番号チェックに努めると
思われるが、国交省も重要なチェック項目についてはマニュアル等を配布し、徹底す
べきであろう。>

 ただこの件や建築確認について、色々調べて行くうちに、これらの作業が本当に大変
であることがわかった。大きな規模の建物の建築確認書類になると、書面や図面が何百
枚にも及ぶことがあるようなのだ。しかも民間の検査機関は、官よりもスピーディで
あるがことが売りなので(通常、官の半分の期間で確認審査を行なうらしい)、わずか
1~2週間で大量の書類をチェックしなければならないことが多いようだ。
 しかも多くの検査機関では、専門的な知識や経験を持ち、資格をとっている検査員が
不足しており、形式的な事項のチェックに関しては、あまり知識のない補助員にさせて
いるのが実情だという。(国交省から行政指導を受けている検査機関も少なくない。)
 そのように時間に追われた中では、とりあえず必要な書類や記載事項がそろっている
かどうかを確認するだけでも手いっぱいで、膨大な書類の一部である構造計算書の一枚
一枚の認識番号の印字までチェックしている余裕はないかも知れないと思う。また組織
や担当の者が、認定されたPCソフトによる計算に間違いがあるはずはないという思い
込みをしてしまっていた場合には、尚更、その部分のチェックは甘くなってしまうかも
知れない。

 姉歯氏は、初めて偽造の計算書を提出した時に、おそらく申請が通らないだろうと
予測していたのにOKになってしまい「あ、通っちゃった、と思った」と話していた。
そして、それが「イーホームズは検査が甘い。ここを使えば大丈夫だ」という認識を
持つことにつながるのである。

 <中途半端で申し訳ないのですけど・・・つづく> THANKS
Commented by home-9 at 2005-11-24 06:25 x
TBさせて頂いたhome-9と申します。
建物の構造は最も大切でありながら、居住者には見えない。
であるからこそ、構造計算は大事だし、かつては地方自体により建築確認や検査が行われてきました。これを効率化、迅速化の名の下に、民間で出来ることは民間でという、いわゆる構造改革の一環として、建築確認・検査を「民営化」してしまった。
今回の不正行為の背景は、ゼネコン主導による検査の骨抜きにあります。
従って、政府の責任は免れないと思います。
Commented by mew-run7 at 2005-11-25 00:22
home-9さん、TB&コメント有難うございます。

このように公共的な視点をもって公正中立な立場で検査すべき業務を
民間委託したこと・・・とりわけ建築業者や金融機関など身内の企業から
出資を受けているような民間企業に委託できるようにしたことについては
政府にも問題があったように思います。
何でもスピード、効率、利益追求の社会になることに危惧感を覚えている今日この頃です。
Commented by at 2005-11-25 09:42 x
しっかし、自分の生活の為とはいえ、いろんな業種・業態で偽装が横行してますね。
なんでもかんでも自分の都合を最優先。
まぁ~、自分が可愛い人が多い事、、。

賢いだけならいいんだけど、ずる賢い人が金をせしめる世の中って何か変だな。
自分がやられて嫌な事は相手にするなって親に教わらなかったかな?

最後にお金を出して買う人達が、もっともっと下から突き上げないとなぁ。
こういう時にこそ議員さんに仕事をしてもらおう。
きちんと処理できない議員は次の選挙の時考えればいいし。
国民がもっともっと声をあげないと。

つ~ことで、死んだじいちゃん、ばあちゃんに、この事報告してくる。
Commented by mew-run7 at 2005-11-26 05:33
若さん、コメント有難うございます。

まあ、私だって自分が一番かわいかったりするのですけど。
自分がかわいいからこそ、自分がやられてイヤなことは、できるだけ
他人にもしない方がいいかな~って思う部分もあるのですよね。
(実際は、多少は他の人にとってイヤなこともやってるかも知れないけど。^^;)

でも、相変わらず、他人事みたいにして、この件を見ている人が多いかも。
何で、こんなに自分は大丈夫って思う人が多いのでしょう?

ちなみに、この件に関しては、政治家の声もほとんどきこえて来ませんよね。
何か「国はどう対応するのかな~」って傍観している感じがするです。
こういう時にこそ、政治家の姿勢って問われるのかも知れませんね。


Commented by HRD at 2005-11-26 09:04 x
前篇でコメントしましたHRDです。

>どちらが違法性や問題点を見つけて未然に防止しやすかったかと
その可能性の大小を問われれば、私は官の方であったと思う。

品質とコストと納期の3つの要素をバランスよくまとめることこそ、企業として当たり前なハナシだとおもうのですが、その基本が出来ていないことにあきれています。
私はすこし補足したいのは「利益を得るためには品質を落とすべからず」という当然なことを、同企業はできていない。JRの件、イーホームズも「計画性がなく目先だけ」に走った感があり、一企業の問題としか思えないです。
貴殿の言われる、「その可能性の大小を問われれば、私は官の方であった」に関しては、私の言う3要素のうち、納期とコストを無視していいと考えたら、正解かなと納得しました。
ただ残念なことに「官も一箇所、違法建築の確認申請に関わってしまった」らしいのですね。官は3要素のうち品質だけ考えればいいのに?

日本にありがちなパターンとして、やたら内容が多い資料になっていないか? と思います。コレに尽きないですかね? 直接関係ないですが日本製品のマニュアル、厚いだけでみづらくって。
Commented by きくり゛せの at 2005-11-26 16:22 x
官から民への方針は改革として間違っていない。ただ、民の検査員は天下りなのである。面倒だからといってやる気がないのである。だから検査員も他人任せ。これがダメ業者の1ページである。小嶋社長は国会議員に政治献金しているしこのあたりに癒着がありまた倒産を意図しているらしい。とにかく今回の件は根が深く国民をバカにしているしあまりの保身の故の責任のなすりあいである。こうした腐った業界は淘汰しないといけない。国民よもっと怒れ。
Commented by mew-run7 at 2005-11-26 22:50
HRDさん、コメント有難うございます。

(2)の冒頭にも書きましたけど、結局は官でも民でも、その組織や人間の
モラルや(いい意味での)プライドの問題に尽きるとは思っている部分も
あるのですけど。
これは今回の件に限らず、モラルはひたすら低下していますし、そして
ともかく目先の利益とか、目先の快楽とか、そういうものを求めがちに
なっているような気がします。

官民比較は、このあとも少し続けてみたいと思っています。

確かに書類が多いのも、問題かも知れません。ただ、細部に関わるもの
まで書類で残しておかないと、何かあった時にチェックのしようがなくなって
しまうので、難しいところだと思います。
不思議なことに日本の契約書は、アメリカの契約書などに比べると何分の一
の量しかないんですよね。
Commented by mew-run7 at 2005-11-26 22:58
きくり゛せの さん、コメント有難うございます。

「官から民へ」をする時には、民間側には官の天下りがたくさん行くでしょうね。
特に幹部の方は、国や地公体とのパイプを持っておきたいでしょうし。
官も再就職先が確保できて、お互いの利害が一致してしまいます。

イーホームズの検査員が、元・地公体の建築主事などだったというのも
そのような意味合いもあるかも知れません。
また、民間には資格&知識、経験を持つ検査員が少ないので(それまで
ずっと官がやっていたので)、そういう人たちに頼らざるを得ない側面も
あるのかな~と思います。

いずれにせよ、この話が国民というか一般市民をバカにしているものだと
いうことに異論はありません。
問題を起こした企業でも政治家でも何でも、きちんと自然淘汰されるような
社会になって欲しいと思います。
Commented by yam at 2005-11-28 07:05 x
>問題を起こした企業でも政治家でも何でも、きちんと自然淘汰されるような社会になって欲しいと思います。

自然淘汰、じゃまずいでしょ? 人工淘汰、でなくては。
まあ。。何世代も関東大震災クラスがこなけりゃ、貴重な資産として代々相続されるはずだったんだろうが。

(自然淘汰、ってのは 大地震のこと?でも、関東大震災や神戸地震クラスじゃなく、震度5.5位でちょっくら様子を見てみたい、というのはあるな。。 ヒューザーとしては 大震災を期待したろうが。。みんなでコケレバこわくない。。保険会社も支払い免除)

タケベッチがいみじくも申されたように、当分、建築物の審査が厳しくなるんだろうか。それはいいことだ。
すでに入居しているひとたちにとっては、余計な詮索するな、ということになるか? 売ろうとすると、これからは市場が強度計算をやりなおせ!というだろう。 でしょ?竹中先生。
Commented by mew-run7 at 2005-11-29 03:32
yamさん、コメント有難うございます。

そうですね。国民が人為的に淘汰させて行くべきですね。

たぶん自民党には、「何とかうまく対処して、コトの拡大を防いでくれ。
折角、建築業界の景気がよくなりつつあるのに、これじゃあ、困ってしまう」
という要望が多くなっているのでしょうね~。

この件に関して、竹中先生のコメントも是非伺いたいものですが・・・
市場原理としては、ここから既に建ったマンションやビルの構造を検査
できる会社が、儲かることになるのかも知れませんね。
by mew-run7 | 2005-11-24 02:38 | 政治・社会一般 | Comments(10)

by mew-run7