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「国家安保戦略」&「新防衛大綱」のやや詳しい要旨 (13年12月17日) 





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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】



参考資料とするために、国家安保戦略と新防衛大綱の要旨(やや詳しいバージョン)をアップしておく。  

【国家安全保障戦略(NSS)】(要旨) 


<1 策定の趣旨>
 我が国の安全保障をめぐる環境が一層厳しさを増している中、国際社会の中で進むべき針路を定め、国家安全保障のための方策に政府全体として取り組むことが必要である。
 この戦略では、国際協調主義に基づく積極的平和主義を明らかにし、国益について検証し、国家安全保障の目標を示す。戦略内容は、おおむね10年程度の期間を念頭に置いたものであり、政策の実施過程を通じて国家安全保障会議(NSC)において定期的に体系的な評価を行い、適時・適切に発展させていく。

<2 国家安全保障の基本理念>

 1 我が国が掲げる理念

 2 我が国の国益と国家安全保障の目標
 〈国家安全保障の目標〉
 我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な抑止力を強化し、我が国に直接脅威が及ぶことを防止するとともに、万が一脅威が及ぶ場合には、これを排除し、かつ被害を最小化すること。

<3 我が国を取り巻く安全保障環境と国家安全保障上の課題>

 1 グローバルな安全保障環境と課題

 (1)パワーバランスの変化及び技術革新の急速な進展
 新興国(中国、インドなど)の台頭により国家間のパワーバランスが変化している。特に、中国は国際社会で存在感を高めている。
 米国は安全保障政策及び経済政策上の重点をアジア太平洋地域にシフトさせる方針を明らかにしている。
 非国家主体によるテロや犯罪の脅威が拡大しつつある。
 (2)大量破壊兵器などの拡散の脅威
 北朝鮮、イランによる核・ミサイル開発問題は大きな脅威である。
 (3)国際テロの脅威
 (4)国際公共財に関するリスク
 海洋においては近年、資源の確保や自国の安全保障の観点から、力を背景とした一方的な現状変更を図る動きが増加しつつある。シーレーンの安定や航行の自由が脅かされる危険性も高まっている。
 (5)「人間の安全保障」に関する課題
 (6)リスクを抱えるグローバル経済

 2 アジア太平洋地域における安全保障環境と課題
 (1)アジア太平洋地域の戦略環境の特性
 (2)北朝鮮の軍事力の増強と挑発行為
 北朝鮮は、核兵器を始めとする大量破壊兵器や弾道ミサイルの能力を増強するとともに、軍事的な挑発行為や我が国などに対する様々な挑発的言動により、地域の緊張を高めている。我が国に対する脅威が質的に深刻化している。
 金正恩(キムジョンウン)体制の確立が進められる中、北朝鮮内の情勢を引き続き注視する必要がある。北朝鮮による拉致問題を含む人権侵害問題は、我が国の主権と国民の生命・安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき喫緊の課題である。
 (3)中国の急速な台頭と様々な領域への積極的進出
 十分な透明性を欠いた中で、軍事力を広範かつ急速に強化している。東シナ海、南シナ海などの海空域において、既存の国際秩序とは相いれない独自の主張に基づき、力による現状の変更の試みとみられる対応(尖閣諸島付近の領海侵入・領空侵犯、独自の「防空識別区」の設定など)を示している。

<4 我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチ>

 国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、日米同盟を基軸としつつ、各国との協力関係を拡大・深化させるとともに、我が国が有する多様な資源を有効に活用し、総合的な施策を推進する必要がある。

 1 我が国自身の能力・役割の強化・拡大
 (1)安定した国際環境創出のための外交の強化
 (2)我が国を守り抜く総合的な防衛体制の構築
 厳しい安全保障環境の中、戦略環境の変化や国力・国情に応じ、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備し、統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用に努める。自衛隊の体制整備にあたっては、統合的・総合的視点から重要となる機能を優先しつつ、各種事態の抑止・対処のための体制を強化する。
 (3)領域保全に関する取組の強化
 領域警備に当たる法執行機関の能力強化や、海洋監視能力の強化を進める。国境離島の保全・管理・振興に積極的な取り組みを推進するとともに、国境離島などにおける土地利用などの在り方について検討する。
 (4)海洋安全保障の確保
 (5)サイバーセキュリティーの強化
 (6)国際テロ対策の強化
 (7)情報機能の強化
 (8)防衛装備・技術協力
 武器輸出三原則などがこれまで果たしてきた役割にも十分配意した上で、移転を禁止する場合の明確化、移転を認め得る場合の限定及び厳格審査、目的外使用及び第三国移転に係る適正管理の確保などに留意しつつ、武器などの海外移転に関し、新たな安全保障環境に適合する明確な原則を定めることとする。
 (9)宇宙空間の安定的利用の確保及び安全保障分野での活用の推進
 (10)技術力の強化

 2 日米同盟の強化
 (1)幅広い分野における日米間の安全保障・防衛協力の更なる強化
 国内における関連の検討作業と整合的な形で「日米防衛協力のための指針」を見直し。
 (2)安定的な米軍プレゼンスの確保
 在日米軍駐留経費負担などの施策のほか、抑止力を向上しつつ、沖縄を始めとする地元の負担を軽減するため、在日米軍再編を日米合意に従って着実に実施する。

 3 国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交・安全保障協力の強化
 中国には、大局的見地かつ中長期的見地から、「戦略的互恵関係」の構築に向けて取り組み、地域の平和と安定及び繁栄のために責任ある建設的役割を果たすよう促すとともに、力による現状変更の試みとみられる対応については、事態をエスカレートさせることなく、冷静かつ毅然(きぜん)として対応していく。
 北朝鮮の拉致・核ミサイル開発といった諸懸案については、日朝平壌宣言、6者協議共同声明及び国連安全保障理事会(安保理)決議に基づき、包括的な解決に向けて、北朝鮮に具体的な行動を求めていく。拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ないとの基本認識で全力を尽くす。
 ロシアとの間では、安全保障及びエネルギー分野を始めとするあらゆる分野で協力を進め、日ロ関係を全体として高める。最大の懸案である北方領土問題は、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する方針で交渉を行う。

 4 国際社会の平和と安定のための国際的努力への積極的寄与
 (1)国連外交の強化
 安保理改革・我が国の常任理事国入りの実現に向けた取り組みを推進する。
 (2)法の支配の強化
 (3)軍縮・不拡散に係る国際努力の主導
 (4)国際平和協力の推進
 国連平和維持活動(PKO)などに一層積極的に協力する。PKOと政府の途上国援助(ODA)事業との連携の推進、ODAと能力構築支援の戦略的な活用を図る。
 (5)国際テロ対策における国際協力の推進

 5 地球規模課題解決のための普遍的価値を通じた協力の強化
 (1)普遍的価値の共有
 (2)開発問題及び地球規模課題への対応と「人間の安全保障」の実現
 (3)開発途上国の人材育成に対する協力
 (4)自由貿易体制の維持・強化
 環太平洋経済連携協定(TPP)、日・欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)、日中韓自由貿易協定(FTA)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの経済連携の取り組みを推進。こうした取り組みを通じ、アジア太平洋地域の活力と繁栄を強化する。
 (5)エネルギー・環境問題への対応
 エネルギーを含む資源の安定供給に向けた各種取り組みに、外交的手段を積極的に活用し、供給源の多角化などに取り組む。気候変動分野に関しては、攻めの温暖化外交戦略を展開する。
 (6)人と人との交流の強化
 2020年に開催される東京五輪・パラリンピックなどを活用し、個人レベルでの友好関係を構築する。

 6 国家安全保障を支える国内基盤の強化と内外における理解促進
 (1)防衛生産・技術基盤の維持・強化
 防衛装備品の効果的・効率的な取得に努めるとともに、国際競争力の強化を含め、防衛生産・技術基盤を維持・強化していく。
 (2)情報発信の強化
 (3)社会的基盤の強化
 国民一人一人が、地域と世界の平和と安定を願いつつ、国家安全保障を身近な問題として捉え、その重要性や複雑性を深く認識することが不可欠。
 諸外国やその国民に対する敬意を表し、我が国と郷土を愛する心を養う。
 領土・主権に関する問題などの安全保障分野に関する啓発や自衛隊、在日米軍などの活動の現状への理解を広げる取り組みなどを推進する。
 (4)知的基盤の強化

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【新防衛大綱】 (要旨)

2013年12月17日「新防衛大綱(要旨)」

<1 策定の趣旨>

<2 我が国を取り巻く安全保障環境>

 1 国家間では平時でも有事でもない事態、いわばグレーゾーンの事態が増加傾向にあり、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散は、依然として大きな懸念。海洋では、公海の自由が不当に侵害されるような状況が生じている。

 2 アジア太平洋地域は、領土や主権、海洋の経済権益をめぐるグレーゾーンの事態が長期化傾向にあり、重大な事態に転じる可能性が懸念される。
 北朝鮮は、国際社会からの自制要求を顧みず、核実験を実施。核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も排除できない。北朝鮮の核、ミサイル開発は、我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっている。
 中国は、東シナ海や南シナ海を始めとする海空域における活動を急速に拡大・活発化。力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的とも言える対応を示している。我が国領海への断続的な侵入や我が国領空の侵犯、独自の主張に基づく「東シナ海防空識別区」の設定といった公海上空の飛行の自由を妨げるような動きは不測の事態を招きかねない。また、軍の艦艇や航空機による太平洋への進出を常態化させ、我が国の北方を含む形で活動領域を一層拡大するなど、より前方の海空域での活動を拡大・活発化させている。中国の軍事動向については、我が国として強く懸念。地域・国際社会の安全保障上でも懸念される。
 米国は、安全保障を含む戦略の重点をよりアジア太平洋地域に置くとの方針(リバランス)を明確にし、地域への関与、プレゼンスの維持・強化を進めている。この地域での力を背景とした現状変更の試みにも、同盟国、友好国などと連携し、これを阻止する姿勢を明確にしている。

 3 我が国にとって、法の支配、航行の自由などの基本的ルールに基づく「開かれ安定した海洋」の秩序を強化し、海上交通および航空交通の安全を確保することが、平和と繁栄の基礎である。我が国は自然災害が多発することに加え、都市部に産業・人口・情報基盤が集中。沿岸部に原子力発電所などの重要施設が多数存在しているという安全保障上の脆弱(ぜいじゃく)性を抱えている。
 4 以上を踏まえると、我が国を取り巻く安全保障環境は、一層厳しさを増している。安全保障上の課題や不安定要因は、多様かつ広範であり、一国のみでは対応が困難。利益を共有する各国が、協調しつつ積極的に対応する必要性がさらに増大している。


<3 我が国の防衛の基本方針>

 1 基本方針
 国際協調主義に基づく積極的平和主義の観点から、日米同盟を基軸として、各国との協力関係を拡大・深化させ、世界の平和と安定、繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与する。
 日本国憲法の下、専守防衛に徹し、軍事大国にならないとの基本方針に従い、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備する。核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は不可欠である。

 2 我が国自身の努力
 国家安全保障会議の司令塔機能の下、各種事態の抑止に努める。
 今後の防衛力は、幅広い後方支援基盤の確立に配意し、即応性や持続性、強靱(きょうじん)性、連接性も重視した統合機動防衛力を構築する。

 3 日米同盟の強化
 「日米防衛協力のための指針」の見直しを進め、日米防衛協力を更に強化し、日米同盟の抑止力及び対処力を強化していく。情報協力及び情報保全の取り組み、装備・技術面など幅広い分野での協力関係を強化・拡大し、安定的かつ効果的な同盟関係を構築する。
 在日米軍再編を着実に進め、米軍の抑止力を維持し、地元の負担を軽減していく。沖縄県の普天間飛行場の移設を含む在沖縄米軍施設・区域の整理・統合・縮小、負担の分散などで負担軽減を図っていく。

 4 安全保障協力の積極的な推進
 日米韓・日米豪の3国間の枠組みによる協力関係を強化し、米国の同盟国相互の連携を推進する。ロシアと、外務・防衛閣僚会合を始めとする安全保障対話、部隊間交流を推進する。東南アジア諸国との関係を一層強化し、防災面の協力を強化。インドとは海洋安全保障分野を始め幅広い分野で関係の強化を図る。


<4 防衛力の在り方>

 1 防衛力の役割
 島嶼(とうしょ)部に対する攻撃には、配置部隊に加え、侵攻阻止に必要な部隊を速やかに機動展開し、海上や航空の優勢を確保しつつ、侵略を阻止・排除し、侵攻があった場合は奪回する。
 弾道ミサイル発射の兆候を早期に察知し、多層的な防護態勢で、機動的かつ持続的に対応。同時並行的にゲリラ・特殊部隊による攻撃が発生した場合は、原発などの重要施設の防護、侵入した部隊の撃破を行う。

 2 自衛隊の体制整備に当たっての重視事項
 南西地域の防衛態勢の強化、防衛力整備を優先する。無人装備も活用し、我が国周辺海空域で航空機や艦艇の常続監視を広域に実施する。人的、公開、電波、画像の情報に関する収集機能及び無人機による常続監視機能の拡充を図る。
 陸上自衛隊の各方面隊を束ねる統一司令部の新設と各方面総監部の指揮・管理機能の効率化・合理化により、陸上自衛隊の作戦基本部隊の迅速・柔軟な全国的運用を可能とする。島嶼への侵攻があった場合に速やかに上陸・奪回・確保するための水陸両用作戦能力を整備する。北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上を踏まえ、対処能力の総合的な向上を図る。
 人工衛星を活用した情報収集能力を強化。サイバー空間対応は統合的な常続監視・対処能力を強化する。

 3 各自衛隊の体制
 陸上自衛隊は作戦基本部隊の半数を北海道に保持。島嶼部の防衛態勢の充実・強化を図る。海上自衛隊は、新たな護衛艦により増強された護衛艦部隊は、イージスシステム搭載護衛艦を保持する。


<5 防衛力の能力発揮のための基盤>

 民間空港及び港湾も早期に自衛隊の運用基盤として使用し得るよう必要な検討を行う。装備品の民間転用を推進。積極的平和主義の観点から、防衛装備品などの共同開発・生産に参画することが求められている。


<6 留意事項>
 本大綱に定める防衛力の在り方は、10年程度の期間を念頭に、国家安全保障会議において定期的に体系的な評価を行う。情勢に重要な変化が見込まれる場合には、所要の修正を行う。

<部隊等に関する別表を、*1に>  以上、朝日新聞13年12月17日より



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■新防衛大綱の別表《今後10年間で整備》
 ※丸カッコ内は現状の数字
【陸上自衛隊】 
 編成定数(15万9千人) 維持
 うち常備定員(15万1千人) 維持
 即応予備自衛官員数(8千人) 維持
 〈基幹部隊〉
 ◆機動運用部隊
 3個機動師団=新設
 4個機動旅団=新設
 (1個機甲師団) 維持
 1個空挺(くうてい)団=新設
 1個水陸機動団=新設
 1個ヘリコプター団=新設
 ◆地域配備部隊
 (8個師団) 5個師団
 (6個旅団) 2個旅団
 ◆地対艦誘導弾部隊
 (5個地対艦ミサイル連隊) 維持
 ◆地対空誘導弾部隊
 (8個高射特科群/連隊) 7個高射特科群/連隊
【海上自衛隊】
 〈基幹部隊〉
 ◆護衛艦部隊
 (4個護衛隊群) 維持
 (5個護衛隊) 6個護衛隊
 ◆潜水艦部隊(5個潜水隊) 6個潜水隊
 ◆掃海部隊(1個掃海隊群) 維持
 ◆哨戒機部隊(9個航空隊) 維持
 〈主要装備〉
 ◆護衛艦(47隻) 54隻
 うちイージスシステム搭載護衛艦(6隻) 8隻
 ◆潜水艦(16隻) 22隻
 ◆作戦用航空機(約170機) 維持
【航空自衛隊】 
 〈基幹部隊〉
 ◆航空警戒管制部隊(8個警戒群、20個警戒隊) 28個警戒隊
 (1個警戒航空隊〈2個飛行隊〉) 1個警戒航空隊〈3個飛行隊〉
 ◆戦闘機部隊(12個飛行隊) 13個飛行隊
 ◆航空偵察部隊(1個飛行隊) ―
 ◆空中給油・輸送部隊(1個飛行隊) 2個飛行隊
 ◆航空輸送部隊(3個飛行隊) 維持
 ◆地対空誘導弾部隊(6個高射群) 維持
 〈主要装備〉
 ◆作戦用航空機(約340機) 約360機
  うち戦闘機(約260機) 約280機
     *
 注1:戦車及び火砲の現状(13年度末定数)の規模はそれぞれ約700両、約600両/門であるが、将来の規模はそれぞれ約300両、約300両/門とする。
 注2:弾道ミサイル防衛にも使用し得る主要装備・基幹部隊については、上記の護衛艦(イージスシステム搭載護衛艦)、航空警戒管制部隊及び地対空誘導弾部隊の範囲内で整備することとする。
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by mew-run7 | 2014-01-05 06:17 | 平和、戦争、自衛隊 | Trackback
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