陸上案は、沖縄県民にも地元住民にも米国にもベターじゃない!
2010年 02月 21日
*2に追記しました。】
普天間移設問題に関して、TVでも、かなり取り上げるように
なって来たのだけど。国民の関心は、まだ薄い感じが・・・。^^;
今が一番大事な時だし、日米(軍事)同盟や日本の防衛政策、
ひいては日本の「国のあり方」&平和主義にもつながる問題なので、
沖縄や基地と関わりのない人も含めて、もっと国民全体に考える
べきなのではないかと思うし。ブログ界を含めてネットでも、もう
少し取り上げて世論を盛り上げてくれるといいな~と願っている
です。
最新の記事(10個)のコーナーはヨコの欄に。
*印のついた報道記事は、文末のMore部分にあるです。
昨日、平野官房長官が沖縄を訪問して、仲井真県知事と会談を
行なった。
『平野博文官房長官は20日午前、米軍普天間飛行場(沖縄県
宜野湾市)の移設問題を巡って沖縄県庁で仲井真(なかいま)弘多
知事と約20分間会談した。仲井真知事は「県外移設への声は
ますます高まっている。政府にはベストの方向でお願いしたい」と
県外移設を要請。平野長官は「常にベストを求めていくがベターに
なるかもしれない」と述べ、県内移設になることもあり得るとの
見通しを示した。
仲井真知事がキャンプ・シュワブ陸上部(同県名護市)への
移設案の検討状況をただしたのに対し、平野長官は「政府として
アメリカと内々にやっていることは全くない」と米側への打診を
否定した。仲井真知事は「頭越しにならないよう、意見交換や
相談するステージを必ず作っていただきたい」と念を押した。
<毎日新聞20日>』
沖縄の県民にとって、沖縄県内に基地を移設する<県内に新しい
基地を作る>ことは、どう見てもベターではない。
また、名護市民にとっても、キャンプ・シュワブの陸上案は、
海上案に比べて、決してベターだとは言えないのだ。(ーー゛)
自民党政権下で合意された移設案は、さんごやジュゴンでも
知られる辺野古の海を埋め立てるものだったので、多くの人たちは、
反対運動を行なう時に、「辺野古の美しい海を守ろう」とアピール
して来た。(・・)
そして、鳩山首相や小沢幹事長らも、「あの海を埋め立てては
いけない」と理解を示す言葉をクチにしていたので、地元住民も、
尚更に民主党政権に期待していたところがあるのだけど・・・。
まさか鳩山首相や平野官房長官は、辺野古の海の埋め立てさえ
回避できれば、それでいいのだと思っているのだろうか?
自分たちは、県外移設の公約は守れなかったけれど。懸命に努力
して、何とかこの海の埋め立てだけはやめさせることができたと。
陸上案に替われば、同じCシュワブに基地が移設されても、
海が守れるだけベターだと思え、有難いと思えとでも言いたいの
だろうか?(`´)
* * * * *
実は陸上案は、地元住民にとっては、ベターどころかワース
(worse=より悪い)だと考えられているのだ。(-"-)
そもそも地域に新しい基地ができる、米軍の兵士が増えて、
演習や活動も増えるということ自体、もうその地域の住民にとって
は負担増=ワースなのである。
しかも、今回の陸上案によって、基地内に長い滑走路を作ること
になれば、山や野が切り崩す必要があり、環境面に問題が出る。
また、小さな滑走路を作るケースも含めて、陸上でヘリが
発着したら、近隣の住宅の上を往来する機会が増えて、安全性や
騒音の問題が生じるからだ。(**)
<結局、第2の普天間を作ることになるだけ。>
かつて自民党政権時代に、米国との交渉において、この陸上案
も候補に上がっていたのだが。米国側も、上述のような理由や、
滑走路が射撃の演習施設と近いなど不便な点があるために、反対
の意向を示したとのこと。(・・)
それで、近隣住民の安全性や騒音のことを考えて、それらの
問題を解決するベターな方法として、辺野古の海に滑走路を作る
海上案が浮上することになったのだから。
また陸上案に戻したら、ワースになってしまうのだ。(ーー)
幸い、さすが軍事大好き&沖縄担当大臣も兼ねるの前原国交
大臣は、そのあたりのことはよ~くわかっているようで。
『過去の経緯をよく知る前原誠司沖縄・北方担当相は「かなり前に
調査されて消えた案だ。民家の上空を飛ぶなどの問題をどうクリア
するのか」と疑念を呈した』という。<毎日新聞19日より>
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でも、平野官房長官や他の閣僚の中には、その辺りのことを
ほとんど考慮せずに、ともかく早くこの目の上の大きなタンコブ
になっている難題を解決したいと。解決できれば、沖縄の住民の
負担のことは、ガマンしてもらうより仕方ないという思いが強く
なっているようにさえ見える。(ーー゛)
特に、就任以来、す~っかり防衛省の官僚などに取り込まれて、
官僚寄りの発言を続けている北澤防衛大臣は、この陸上案をかなり
評価している様子。
『「基本は、沖縄の皆さんは新しい基地を造らせないと言い、米側
は海兵隊を沖縄に置かないと抑止力が減退すると言っている」と
指摘。「相反する二つを結び付けて解決できる方法が一番大事だ」
との見解を示した。<沖縄タイムス19日>』
* * * * *
しかも、19日には、こんなKY発言まで行なっていたという。
『北沢俊美防衛相は同日の閣議後会見で、シュワブ陸上に移設する
考え方について「(既存の)基地の中へ移転する。かつて楚辺通信
所がキャンプ・ハンセンへ移った時に沖縄から大きな反対運動は
起こらなかったという歴史に学ぶべきところはある」と述べ、地元
側の理解が得られやすいとして前向きな姿勢を示した。<同上>』
楚辺通信所は、象の檻として知られていた円形の通信設備(鉄塔)
なのだが。あれは、住民の土地の上に作られた&強制的に賃貸借
契約を結ばされていたジャマなものを、米軍がようやく撤去して、
基地内に引き取ったという事案なので、反対運動が起きなかった
わけで。<別に、そのために滑走路を作ったり、飛行機が上空を
飛ぶようになったりするわけでもないんだしね~。^^;>
歴史から学ぶ気があるなら、まずは歴史を学ぶべきではないかと
ツッコミたくなってしまったのだけど。(ーー)
<たぶん防衛省の役人から、アレコレと吹き込まれていて、ハンパ
な認識が出ちゃったんだろうな~。(~_~;)>
* * * * *
これらの発言に対して、移設反対を唱えて名護市長になった
稲嶺進氏は、大きな反発を示している。
『稲嶺進名護市長は政府が米側に打診したとされるシュワブ陸上案
について「鳩山総理が名護市民の負担軽減を約束する中で、にわか
に信じがたい話だ。過去の経緯から見ても『陸上案』はとっくに
なくなった話だ」と述べた。
北沢俊美防衛大臣が楚辺通信所と普天間飛行場の移設をなぞら
えたことについて「まったく次元が違う問題を持ち出し、陸上案を
正当化しようとするなら大きな間違いだ」と厳しく批判した。
<沖縄タイムス19日より>』
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
何だか、政府与党やマスコミの一部では、もうCシュワブ陸上案
で決まりだという雰囲気が漂っている感じが出ていて。
しかも、何かこの件を任された平野官房長官が、かなり強引に
コトを運ぼうとしているように見えるところが・・・。(~_~;)
それを察知して、連立与党内では社民党が。また地元の首長&住民、
そして、ついには民主党内からも批判の声が上がり始めている(*1)
ことに、鳩山首相も、いったん事態を沈静化させようと思ったのか・・・。
『鳩山由紀夫首相は20日、沖縄県の米軍普天間基地の移設先に関し
「ベターではなく、私どもはベストを探す」と強調した。沖縄を
訪れた平野博文官房長官が同日午前の仲井真弘多沖縄県知事との
会談で「常にベストを求めていくが、ベターになるかもしれない」
と述べたことを踏まえ、都内で記者団の質問に答えた。
平野長官の発言は「県外がベストだ」と仲井真知事が指摘した
ことへの受け答えだったため、県内移設の可能性を示唆したとの
受け止めが広がった。地元の反発を招く恐れもあるため、首相は
平野長官の発言を修正することによって事態の沈静化を図ったと
みられる。
首相は移設先について「あらゆる選択肢を考えながら、沖縄の
皆さんにも理解され、米国にも分かってもらえて、与党3党それぞれ
が分かったと言えるような案をつくることがベストだ」と説明。
平野長官の発言は県外移設が困難との認識を示したものかとの質問
に対しては「国外とか国内とか県外とかいう発想をすべて含めて
ベストを探す」との考えを示した。<NIKKEI20日>』
* * * * *
何か、ベターとかベストとか言葉遊びをしているような感じ
もして。。mewが沖縄県民なら、「こいつら、オモテ向きの
言葉で、自分たちをごまかそうとしているのではないか」と
勘ぐってしまいたくなるかも知れないのだけど・・・。(~_~;)
以前も書いたけど、mewは、もし計画を変えられないので
あれば、早く結論を出すべきだったと思うのだ。
でも、鳩山首相が、名護市の市長選が終わるまで結論を先送り
した&民意を尊重すると言ったからには、少なくとも名護市には
移すべきではないと考えているし。
何より、ここまで結論を出すのをあとに引っ張って、期待を
持たせるだけ持たせて、やっぱCシュワブへの移設を決めるという
のは、あまりに民主政の精神&日本人としての仁義に反するのでは
ないかと思ってしまうmewなのだった。(@@)
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さらに現政権にノーさんが作った「THE BLOGGER」、晴天とら日和さんが
作った「【政権交代】を目指すブログ結集!」をご参照下さい。
『「キャンプシュワブ陸上案」をめぐっては、北澤防衛大臣が「政府・与党の検討委員会でまとまったら、われわれも真剣に検討する」と述べるなど、政府部内でも前向きな検討に値するという意見が出ています。こうしたなかで、民主党沖縄県連は18日、「キャンプシュワブ陸上案」について、「沖縄県外への移設を求めてきた以上、いかなる案であっても県内移設は認められない」として、反対していく方針を確認しました。また、川内博史衆議院議員ら普天間基地の国外移設を主張している議員も、「海兵隊は日本の抑止力になりえず、グアムなどに移設するのが合理的だ」などと反発しています。そして、社民党などの議員にも呼びかけ、近く、政府に対し、「キャンプシュワブ陸上案」を採用しないよう申し入れることにしており、普天間基地の移設問題をめぐる政府・与党内の今後の議論に影響を与えることも予想されます。<NHK20日>』
* * * * *
『[シュワブ陸上案]いいかげんにしてくれ
新政権の米軍普天間飛行場をめぐる迷走ぶりにはうんざりしてきた。
政府が普天間の移設問題で、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ陸上部にヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を造る代替案を検討していることが明らかになった。
しかもすでに米側へ打診しており、それが名護市長選で基地反対の新市長が誕生した直後の2月上旬だったというから絶句する。民主党は米海兵隊飛行場のために民主主義を投げ出すつもりなのか。
世界中でこれほど米軍基地が集中する「島」はほかにない。日米安保が重要と言い、海兵隊の継続駐留を見直さないのなら、当然の論理として沖縄以外で基地移転先を探すべきだ。ところが政府と本土の他地域はその議論から目を背けている。
民主党は野党時代に普天間の「県外・国外」移転を主張していた。政権の座に就き、現実と理想とのはざまに苦悩するにしても、選挙中に「最低でも県外」と鳩山由紀夫首相が公言した事実すら顧みないのであっては、政権交代の意義さえ疑いたくなる。
基地反対派の市長誕生について、平野博文官房長官が「選挙結果を斟酌(しんしゃく)しなければならないという理由はない」と放言。同じころ、岡田克也外相は移設先が見つからない場合は、普天間が固定化するとの懸念を口にしていた。
こうした発言の裏に陸上案の検討があったとしたら、選挙で示された民意をどう受け止めていたのか問いたくなる。政府は安保の負担論議から逃げるべきではない。
シュワブ陸上案は、辺野古陸上部に300~500メートルのヘリパッドを造る一方、鹿児島県の徳之島や馬毛島などを訓練先とする内容だ。
ただ米側は新型の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを配備するために最低でも1600メートル滑走路を求めている。陸上案が実現したにしても、普天間飛行場がそのままオスプレイ駐機のために使用されることが予想されるという。
さらに米軍再編に伴う日米交渉で検討されたシュワブ内陸部に1500メートル滑走路を造る案も、米側にあらためて実現可能性を打診する方向だ。
住宅地にある普天間の危険性を除去しよう、というのがすべてのスタートだった。なぜ継続使用という発想が生まれるのだろうか。
ましてや移設問題と決別して、新たな街づくりを始めようとしている地域に、形を変えて基地負担を上乗せしようとする考えも理解に苦しむ。
陸上案は国民新党が検討している。与党各党は独自案をまとめている段階だが、民主党が陸上案に乗ったのであれば、与党協議は国外を主張する社民党に抵抗の場を与えるだけの出来レースなのか。
小沢一郎民主党幹事長は「自分はかかわらない」と避けているかのようだ。政調機能の弱体化が内外から指摘される民主党の「政治主導」は看板倒れになる。
名護市が拒否する案にこだわり、迷走を続けるよりも、安保負担の公平化をめぐる地についた議論をしてほしい。<沖縄タイムス20日>』