検察審査会のあり方&問題点・・・刑事手続で、庶民感情を優先させるのは、アブナイ
2010年 04月 29日
*印のついた報道記事は、文末のMore部分にあるです。
27日に、検察審査会が、小沢一郎氏に関して「起訴相当」の
決議を出してから、2日が立ったのだが・・・。
mew的に、ちょっと意外だった、butほっとさせられる部分
があったのは、昨日のTVや新聞の中に、今回の検察審査会の
議決が妥当なものであったのか、客観的に考察しようとする姿勢
を見せるものが、少なからずあったことだった。(・・)
その大きな要因として、おそらく、今回の議決要旨の内容が、
かなり「市民の感覚、感情」を強調するものだったことがある
のではないかと思われる。(~_~;)
今回の議決要旨は、*1にアップするが。その中でも、終盤の
この部分には、mewもかなり引っかかった&クビをかしげたく
なるところがあった。
『(1)「秘書に任せていた」と言えば、政治家本人の責任は
問われなくてよいのか。
(2)近時、「政治家とカネ」にまつわる政治不信が高まって
いる状況下にもあり、市民目線からは許し難い。』
『6 …本件については、小沢氏を起訴して公開の場(裁判所)
で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきである。
これこそが善良な市民としての感覚である。』
* * * * *
mewや周辺では、そもそも、この「善良な市民」という言葉に
何かある種の「おごり」のようなものや、根本的な問題を感じて
しまうところもあったのだけど・・・。^^;
それはさておき、政治家が秘書に責任転嫁することや、政治と
カネの諸問題は、確かに政治不信を招く問題だし、市民として
許し難いものかも知れないし。<mewだって、そう思うよ!(・・)>
確かに、刑事裁判には、真実を明らかにする役割もあるけれど。
でも、それらが、小沢氏を起訴すべきだと判断する根拠には
ならないのは明らかだし。
もし自分たちの政治家&政治への不信感や怒りをぶつけたり、
真実を知りたいという思いを実現したりすることをメインに
考えて、疑惑をかけられた政治家を起訴すべきだと判断するのは
かなり問題性が大きいのではないだろうか?(@@)
<彼らは、一応、法律的な観点からも検討をして、起訴相当と判断
した根拠を示しているのだが。焦点となる共謀共同正犯の認定に
関して、あまりにも短絡的&乱暴(大雑把?)な解釈、判断を
しているので、おそらく、大部分の専門家が、クビをかしげるの
ではないかと思われる。^^;>
* * * * *
また、今回の小沢氏の件は、政治資金法違反(虚偽記載)という
容疑をかけられた犯罪事実が一般的ではない上に、共謀共同正犯を
いかに認定するかという、通常の刑事裁判でも厄介だとされる要素
が含まれている。<だから、東京地検も苦労していたのよね。^^;>
だから、その解釈や判断がと~っても難しい&ビミョ~なケース
であると考えられていたし。審査メンバーが理解を助けるために、
審査の際には、弁護士が説明役として加わっていたという。
<また、検察側も、通常より、時間をかけて、丁寧に説明をしたと
言われている。>
でも、そのように難しい&ビミョ~なケースでありながら、11人
中11人が、「起訴相当」という最も重い判断を下したことにも、
違和感や疑問を覚えた人が、新聞やTVのコメンテーターなども
含めて、mew以外にも、少なからずいたようだ。(・・)
中には、「マスコミの小沢叩きの報道による、イメージが影響
したのではないか」、「弁護士や検察官が結論を誘導するような
ことを言ったではないか」「メンバーの間で感情論が高まったり、
『小沢、罰すべし』という雰囲気が強くなったりして、他の意見を
言いにくい状況になったのではないか」などと、審査の過程に
不信感を抱く人もいたようであった。(-"-)
そして、上述のようなこともあってか、昨日は、検察審査会の
あり方や問題点について伝えるような番組もいくつかあったし。
今回の議決を受けて、必ずしも検察が起訴するかはわからない
し、検察審査会でもう1度「起訴相当」の議決が出るかどうかも
わからないと言うところが多かったようにも思えた。(**)
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mewは、検察審査会の制度というのは、重要なものだと
思っているし。基本的に、その判断は、できるだけ尊重した方
がいいと考えているのだが・・・。
ただ、小沢氏の議決が出る前から、検察審査会のあり方、判断
の仕方・・・特に、司法or刑事法&手続的な観点の欠如や、一般
市民の感情に基づく判断に対して、疑問を呈する声が強くなって
いたのも事実なのだ。
実は、今月23日にも、JR福知山線の事故に関して、同社の
3人の歴代社長が、検察審査会の起訴相当の議決によって、強制
起訴されたのであるが・・・。
その件に関して、栃木県の下野(しもつけ)新聞が、このような
コラムを掲載していたので、ご覧頂きたい。
『検察審査会 <下野新聞26日のコラム>
有権者の中からくじで選ばれた11人が検察による不起訴処分の当否
を審査する検察審査会ががぜん存在感を増している。尼崎JR脱線
事故をめぐっても、歴代3社長の強制起訴が決まり、手続きが進め
られた▼これまで審査会が「起訴相当」と議決しても強制力は
なかったが、改正検察審査会法が施行され起訴相当を2回議決する
と、裁判所から指定された検察官役の弁護士が自動的に起訴する
ことになった▼だが専門家の間から「行き過ぎ」を懸念する声が
出始めている。JRの快速電車脱線事故では乗客106人が亡く
なり、562人が重軽傷を負った。検察は、安全対策の最高責任者
だった前社長1人を業務上過失致死傷罪で起訴▼鉄道事故で経営
中枢の過失責任を追及するのは、異例のことだった。運転士の過失
は間違いない。しかし現場にいなかった前社長の過失を立証する
のは難しいといわれる▼審査会の議決で強制起訴が決まった歴代
3社長は当時、会長、社長、相談役。前社長より現場から遠い分、
立証は困難になる。無理を重ねて大丈夫なのかというのが、専門家
の意見だ▼「おかしい」「許せない」という市民感覚と、法と証拠
のバランスをどう取るか。司法の民主化の中で、制度を定着させて
いくために避けては通れない課題だ。』
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検察審査会の最も大きな意義は、一般市民が、第三者的な立場
から、本来なら、有罪の立証が可能であるにもかかわらず、検察側
が特別な意図や思惑をもって、あえて起訴しなかったと思われる
不当な不起訴のケースを、客観的にチェック&是正することに
あるのではないかと思われる。
ただ、起訴をすべきかどうかを判断するには、基本的には、司法
or刑事訴訟法的な観点から考えることが求められるし。また、
民意の反映、一般人の感覚と言っても、それはいわゆる「感情論」
ではなく、一般人の社会通念、正義や公正の観念に照らして、判断
することが望まれているのである。(・・)
それに、容疑者を起訴するかどうかを判断するに当たっては、
基本的には、司法or刑事法(手続)の観点から判断すべきなの
である。
いくらコイツは悪いと思っても、刑法などの規定や構成要件
などに該当しなければ、起訴できないのだし。また、それを有罪
判決を受けられる程度に<裁判官に、合理的な疑いを入れない
程度>の立証を行なえようであれば、起訴すべきだとは言えない
のだ。(-_-)、
<朝日新聞に、作家の高村薫氏が、「敗戦覚悟でいいから小沢氏
を起訴して欲しい」という趣旨のコメントを出していたのだが。
一か八かの敗戦覚悟で、有罪になったら儲けものみたいな気持ち
で、容疑者を起訴するなんてことは、絶対に行なってはならない
ことだろう。(ーー〆)>
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しかも、人を起訴するというのは、その人の人生、生活を大きく
左右することであるだけに、慎重に慎重を期すべきことは言う
までもない。(**)
特に日本は有罪率が高いので、起訴されるだけで、犯罪者で
ある可能性が極めて高いと思われ、従前のように仕事や生活が
できなく場合が多いのが実情だ。
まあ、これらのこと自体、かなり問題ではあるのだけど。現状
を考えると、尚更に、起訴を決めるには慎重を期す必要がある。
かつて、障害者施設で児童が殺害された甲山事件では、施設に
勤務していた保育士が、一度は証拠不十分で不起訴処分を受けた
ものの検察審査会の判断で、改めて起訴されることになったの
だが。結局、20年もの長きにわたって最高裁まで争った末、
無罪の確定判決を得ることになった。
このように検察審査会が冤罪を作り出すこともあり得るのだ。^^;
<また、そのために、ひとりの女性の人生が、めちゃくちゃに
破壊されたということも、認識しておくべきだろう。(-"-)>
* * * * *
昨年から、検察審査会の権限が強化されて<2回、起訴相当
の議決が出たら、検察が起訴しなくても、強制起訴ができる
ようになった>、上述の福知山線の事故のほか、明石花火大会
歩道橋事故で、警備を担当していた警察署の副署長が強制起訴
されたのであるが・・・。
この両者とも、専門家の間からは、強制起訴されたことに、
問題を指摘する意見が多く出ている。
その最大の理由は、刑法&刑事訴訟法上、専門的に考えて、
公判で、被告人の過失の認定を立証するのは、極めて困難だと
考えられていることがあるのだが。<それゆえ、明石の事件は、
審査会が3回、起訴相当の議決を出したが、検察は公判維持は
ムリだとして、起訴しようとしなかった。>
しかも、この2つのケースの場合、検察の不起訴処分に対して、
何度も審査会に申し立てを行なっていたのは、遺族だったのだ。
彼らは、警察署やJR側の説明、対応の仕方に納得せず
<特にJR西日本は確かにヒドかったんだけどね。(ーー)>)
その被害者側の怒りや悲しみなどの感情や、何とか真相を知りたい
と願う気持ちも強くて、起訴を求めて、申し立てを行なっていた
ところがあったという。
そして、審査会の側も、その感情や願望を汲んで、起訴相当
の議決を出した部分が大きいのではないかという見方もあって。
上述のコラムは、そのようなことも含めて、問題提起して
いたのである。(・・)
* * * * *
そして、今回の小沢氏の議決に関しても、同じような問題を
提起することができるのではないだろうか?(**)
いくら小沢氏には、ダーティな悪代官のようなイメージがあった
としても、「きっと、何かやっているに違いない」とか「あの人
は、民主党や政界からいなくなった方が日本のためだ」と思う人が
少なからずいたとしても・・・。
秘書が逮捕、起訴されて問題があったからには、真相説明の責任
や道義的な責任があるのではないかという人がいたとしても・・・。
そのような一般国民の意見や感情と、刑事責任を追及するため
の起訴とは全く別の問題なのである。(-"-)
<政治家として社会的、道義的に問題があると思う人は、民主政
のルールに乗っ取って、落選させるのが筋でしょ~。(・・)>
今回のことをいいきっかけにして、そのことを、一般国民がしっかり
と認識しないと、日本は真の民主主義の国どころか、どんどん野蛮
でアブナイ国になってしまうと憂慮しているmewなのだった。(@@)
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ぶいっちゃんの「らんきーブログ」、iiyumeさんの「とりあえず書いて
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さらに現政権にノーさんが作った「THE BLOGGER」、晴天とら日和さんが
作った「【政権交代】を目指すブログ結集!」をご参照下さい。
『陸山会事件:小沢氏起訴相当 検察審議決要旨
陸山会の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢一郎民主党幹事長を「起訴相当」とした27日の東京第5検察審査会の議決要旨は次の通り。
<議決の趣旨>
不起訴処分は不当であり、起訴を相当とする。
<議決の理由>
第1 容疑内容の要旨
小沢氏は資金管理団体である陸山会の代表者であるが、真実は陸山会において04年10月に代金合計3億4264万円を支払い、東京都世田谷区深沢の土地2筆を取得したのに、(1)陸山会会計責任者だった大久保隆規・元公設第1秘書、その職務を補佐していた石川知裕衆院議員と共謀の上、05年3月ごろ、04年分の陸山会の収支報告書に、土地代金の支払いを支出として、土地を資産としてそれぞれ記載しないまま、総務相に提出した(2)大久保元秘書、その職務を補佐していた池田光智・元私設秘書と共謀の上、06年3月ごろ、05年分の陸山会の収支報告書に土地代金分過大の4億1525万4243円を事務所費として支出した旨、資産として土地を05年1月7日に取得した旨それぞれ虚偽の記入をした上、総務相に提出した--ものである。
第2 検察審査会の判断
1 直接的証拠
(1)石川議員の04年分の収支報告書を提出する前に小沢氏に報告・相談等した旨の供述
(2)池田元秘書の05年分の収支報告書を提出する前に小沢氏に説明し、小沢氏の了承を得ている旨の供述
2 小沢氏は、いずれの年の収支報告書についても、その提出前に確認することなく、担当者において収入も支出もすべて真実ありのまま記載していると信じて、了承していた旨の供述をしているが、きわめて不合理・不自然で信用できない。
3 小沢氏が否認していても、以下の状況証拠が認められる。
(1)小沢氏からの4億円を原資として土地を購入した事実を隠ぺいするため銀行への融資申込書や約束手形に小沢氏自らが署名、押印し、陸山会の定期預金を担保に金利(年額約450万円)を支払ってまで銀行融資を受けている等の執拗(しつよう)な偽装工作をしている。
(2)土地代金を全額支払っているのに土地の売り主との間で不動産引き渡し完了確認書(04年10月29日完了)や05年度分の固定資産税を買い主陸山会で負担するとの合意書を取り交わしてまで登記を翌年にずらしている。
(3)前記の諸工作は小沢氏が多額の資金を有していると周囲に疑われ、マスコミ等に騒がれないための手段と推測される。
(4)絶対権力者である小沢氏に無断で、大久保元秘書、石川議員、池田元秘書らが本件のような資金の流れの隠ぺい工作等をする必要も理由もない。
これらを総合すれば小沢氏、大久保元秘書、石川議員、池田元秘書らの共謀を認定することは可能である。
4 更に共謀に関する諸判例に照らしても、絶大な指揮命令権限を有する小沢氏の地位と大久保元秘書、石川議員、池田元秘書らの立場や前記の状況証拠を総合考慮すれば、小沢氏に共謀共同正犯が成立するとの認定が可能である。
5 政治資金規正法の趣旨・目的は、政治資金の流れを広く国民に公開し、その是非についての判断を国民に任せ、これによって民主政治の健全な発展に寄与することにある。
(1)「秘書に任せていた」と言えば、政治家本人の責任は問われなくてよいのか。
(2)近時、「政治家とカネ」にまつわる政治不信が高まっている状況下にもあり、市民目線からは許し難い。
6 前記1~3のような直接的証拠と状況証拠があって、小沢氏の共謀共同正犯の成立が強く推認され、前記5の法の趣旨・目的・世情等に照らして、本件については、小沢氏を起訴して公開の場(裁判所)で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきである。
これこそが善良な市民としての感覚である。
<毎日新聞27日>』