小沢秘書の訴因変更、地裁の許可いまだにおりず。東京地検は、焦り気味？

最新の記事（１０個）のコーナーはヨコの欄に。
＊印のついた報道記事は、文末のＭｏｒｅ部分にあるです。

　まず、今日１６日午後２時からＴＶ朝日系「ザ・スクープ　スペ
シャル」で、検察の裏金を告発しようとして逮捕された元高検部長
三井環氏の特集を組むようだ。
＜関連記事→『検察のウラ金問題を、再びスクープ！・・・』
　関心のある方は、是非、ご覧下さい。(+_+)　　

＊　＊　＊　＊　＊

　ところで、先週、ｍｅｗ的に、ちょっとワクワクするような
ニュースを見つけた。"^_^"

　何と小沢一郎氏の公設秘書だった大久保隆規氏の公判に関して、
検察側が申し立てた訴因変更の手続を、東京地裁がまだ
許可していないという報道記事が出ていたのだ。（＊＊）

　詳しい経緯は、後述するけれど・・・。
　今年１月に『検察が焦ったのは、小沢＆石川への不信と、大久保
公判の失敗ゆえか？』、２月に『小沢秘書が保釈。大久保は無罪の
機会を失うのか？』という記事に書いたのだが。
　大久保氏は、西松事件の公判で、この春にも無罪判決を得られ
そうな感じがあったのに、今年１～２月に新たな事件で逮捕、起訴
されて、公判がストップ。しかも、検察が訴因変更の請求をした
ことから、無罪判決を得るチャンスを失う可能性があったのだ。
　でも、もし、このまま東京地裁が訴因変更を許可しなかった場合、
大久保氏は、今、公判中の西松事件に関して、早い段階で、無罪判決
を得られる可能性が出て来るのである。(@@)

＜無罪判決が出れば、検察側にとっては、それだけでダメージで
ある上、今年行なった土地取引事件の起訴も含め、強引な捜査に
よるムリな立件をしていることへの批判が高まるおそれがある
ので、大きな痛手になるし。小沢氏側＆民主党には、プラスに
働く可能性が高い。(･･)＞

＊　＊　＊　＊　＊

　チョット小難しい＆長い記事なのだが。^^;　まずは、そのこと
に関する報道記事をアップしてみよう。

『違法献金事件：「訴因変更」で立ち往生　大久保元秘書公判

　小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る事件で
政治資金規正法違反（虚偽記載）に問われた元公設第１秘書、
大久保隆規被告（４８）の公判が４カ月近く再開されず「立ち往生」
している。大久保被告は先に西松建設の違法献金事件で起訴され
公判中で、検察側はその起訴内容に陸山会事件を加えるよう「訴因
変更」を求めたが、弁護側の異議申し立てを受けた東京地裁が許可
を見合わせているためだ。異議申し立ての根拠は、皮肉にも迅速な
裁判のため導入された「公判前整理手続き」。法律のプロ同士に
よる水面下の攻防が続く。

　大久保被告は、陸山会事件に先立つ昨年３月、西松建設を巡る
違法献金事件で逮捕・起訴された。起訴内容は０３～０６年、同社
からの献金をダミーの政治団体からと偽って陸山会の政治資金収支
報告書に記載した政治資金規正法違反。この事件では、検察側と
弁護側が事前に争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きを９回
重ねて昨年１２月１８日に初公判、今年１月１３日に第２回公判が
開かれ、当時は今春にも判決が言い渡されると見込まれていた。

　ところが特捜部は１月１６日、陸山会の０７年分の収支報告書の
支出を４億円過少記載したとして大久保被告を再逮捕。０４、０５
年分の別の虚偽記載も含めて立件し、２月４日に東京地裁に両年分
の訴因変更（０７年分のみ追起訴）を請求した。訴因変更請求が
あった場合、裁判所はすぐに許可するケースが多い。だが、東京
地裁は今も訴因変更を認めていない。

　ネックとみられるのが公判前整理手続き。ある業務上過失致死
事件の判決で東京高裁は０８年１１月、「公判前整理手続き後は、
争点整理と審理計画が策定された趣旨を無視した訴因変更は
許されない」との判断を示した。この高裁判例を念頭に、大久保
被告の弁護側は「公判前整理手続きで争点を絞り込んだのに、検察
はだまし討ちのように訴因変更請求をした」と主張していると
みられる。

　これに対し、検察側は「やむを得ない措置」と反論。検察側、
弁護側双方とも一歩も引く構えを見せていないという。

　「公判が長引き迷惑をかける」。大久保被告は３月３０日付で
公設秘書と小沢氏の事務所を辞職した際、周囲にそう説明したと
いう。

　【ことば】訴因変更
　起訴状に記載された犯罪の具体的内容（訴因）を変更する手続き。
事実関係が大きく変わらない範囲で、適用罪名や記載内容を修正
する場合に検察官が請求する。裁判所が検察官に変更を命じること
もある。起訴内容と全く別の内容を追加する場合は同じ罪名でも
訴因変更はできず、追起訴が必要になる。政治資金収支報告書の
虚偽記載罪は、虚偽の内容が含まれる報告書を提出することで成立
するため、検察側は同一の報告書の別の虚偽記載を立件した場合
には追起訴することができず、訴因変更することにした。
＜毎日新聞７日＞』
　
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　上にリンクした記事にも書いたのだけど・・・。
　東京地検特捜部は、昨年３月、いわゆる西松事件で、小沢一郎
氏の公設秘書だった大久保隆規氏を、いきなり逮捕＆起訴して。
昨年末から、その大久保氏の刑事裁判が行なわれている。
　
　検察側は、小沢氏側が、西松建設から多額の企業献金を受けて
いることを隠すために、同社と結託して、ダミー（ニセ）の政治
団体を作らせて、そこから小沢氏の政治団体の「陸山会」などに
献金を受けるようにしていたと主張。
　そして、大久保氏は、ダミー団体作りに関わっていて、それが
本当は企業献金だと知っていたのに、政治団体からの献金だと
収支報告書に虚偽の記載をしたとして、政治資金規正法違反
（虚偽記載）の犯罪行為を行なったと訴えている。(ーー)

＜注・西松系の政治団体からは、自民党の議員も十数人、献金を
受けたり、パーティ券を買ってもらったりしているのだが。
　彼らは、ダミー団体だと知らなかったと主張しており、告発を
された二階俊博氏以外は、検察から捜査さえ受けていない。(-"-)＞

＊　＊　＊　＊　＊

　で、この裁判の最大の争点は、果たして、大久保氏がダミー
団体から献金を受けているという認識があったかどうかという
ことなのだけど。
　大久保氏は、逮捕された時から公判に至るまで、容疑を否認。
また、西松建設の元従業員も、自分たちはダミー団体であったと
いう認識はなかったと証言しており、検察側は他に有力な証拠も
ないことから、犯罪行為の立証に失敗し、早ければ今年の春にも、
大久保氏に無罪判決が下される可能性が高いと言われていた
のである。(･･)

＜西松建設の元部長は、「対外的には西松ＯＢによる友好団体。
政治団体として届け出をし、政治資金収支報告書も出していた」
と説明。「事務所も別に借り、給料も別だった。引き継いだとき
には問題ないということだった」「ダミーとは思っていなかった。
（検察官の）質問は何が言いたいのか理解に苦しむ」と声を
強める場面もあったという。＞

＊　＊　＊　＊　＊

　もし大久保氏に、この春、無罪判決が出れば、まだ第一審の地裁
判決であったとしても、ガラッと流れが変わる可能性がある。
　東京地検特捜部は、強引な捜査で、いわゆる無理筋な事件を作り
上げて起訴していたのではないかと批判されるおそれがあるし。
西松事件だけでなくて、今回の土地取引事件も、同じような目で
見られる可能性がある。（＊＊）
＜この他にも、福島県知事の贈賄事件や、大阪地検の郵便不正事件
で、かなり無理筋で強引な捜査＆訴訟をやっているという批判が
出ているしね～。(ーー゛)＞

　逆に、もし今春にも無罪判決が出れば、大久保氏本人にとっても
いい話だけど、参院選を控えて、小沢氏や民主党にとって、大きな
プラスになったであろうことは言うまでもないだろう。(･･)

　ところが、東京地検特捜部は、今年１～２月に、土地取引に
関する虚偽記載で、大久保氏らの元秘書らを逮捕、起訴して、
２月には結審する予定だった大久保氏の公判をストップ。
　そして、上述記事のように、おそらく西松献金の記載に不動産
取引の虚偽記載も加える形で、訴因変更を請求したのである。(-"-)

　もしこれが裁判所に認められれば、大久保氏は西松献金の記載の
件だけで判決を受けることはなくなるので、少なくとも、今春に
無罪判決を得る可能性はゼロになってしまうわけで。
　ｍｅｗは、リンク記事などにも書いたのだけど。もしかして、
東京地検特捜部は、大久保無罪をストップするために、かなり
焦って、強引に不動産取引の件の捜査や起訴を進めたのでは
ないかと疑う気持ちを抱いたほどだった。(｀´）

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　一般的に、裁判所は、検察側から訴因変更の要求した場合には、
よほど問題がない限り、許可するとのこと。
＜同種or一連の犯罪はまとめて審理＆判決をした方がベターだし。
その方が、被告にとって、立証の負担が軽くなったり、一度に
判決を得られたりして、有利になるケースも少なくないという。＞

　だから、正直なところ、ｍｅｗは、大久保氏の訴因変更も認め
られてしまうのだろうな～と諦めているところがあったのだが。
　まさか、東京地裁が、弁護士の異議申し立てに応じて、いまだに
変更を許可していないとは思わなかったですぅ。(@@)

＜訴因変更の可否に関しては、恐ろしく難しい論点なので、ここ
では細かい話は抜きにして、大雑把に書くと・・・。
　訴因は、審理をする対象＆被告人が検察官の攻撃に対して防御
する対象になっているので、検察官は、起訴状にそれを書いて
おく必要があるし。最近、始まった公判前整理手続きでも、何を
争点をするか話し合う際に、それを明示して、防御の準備をして
から、公判を始めることになっているのだけど。
　かなり審理＆攻防が進んでから、訴因を変更されて、審理の
対象が変わってしまうと、被告人は不意打ちをくらう形になって
著しく不利になってしまう。そして、上述のような判例もある
ことから、裁判所は、今回のケースで、訴因変更を認めていい
ものなのか検討中なのではないかと思われる。(･･)＞

＊　＊　＊　＊　＊

　実は、大久保氏の公判に関して、もう一つ、訴因変更に関する
トラブルがあったという。

『西松建設の巨額献金事件で、東京地検特捜部が単独犯として政治
資金規正法違反の罪で起訴した小沢一郎民主党幹事長の元公設第１
秘書大久保隆規被告（４８）＝公判中＝の起訴状の訴因変更を請求
した際、弁護側から「元秘書２人と共謀したことになっている」
との指摘を受け、表現を修正していたことが２３日、関係者への
取材で分かった。

　弁護側は「公判前整理手続きが終わっている西松事件の訴因変更
は許されない」と主張。地検幹部は「２人と共謀したとは認定して
いない。間違いを直したのではなく、分かりやすくしただけ」と
している。

　２人は、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる
収支報告書虚偽記入事件で２月、規正法違反の罪で大久保被告と
ともに起訴された衆院議員石川知裕（３６）、池田光智（３２）
の両被告。

　関係者によると、特捜部は２月４日、虚偽記入事件を加えた
大久保被告の訴因変更を東京地裁に請求した。

　ところが、請求の文面では「西松事件でも大久保被告が２人と
共謀したことになっている」として、弁護側が検察、裁判所との
協議で異議を唱え、特捜部は共謀したとは読み取れないように
表現を変えたという。＜共同通信４月２３日より＞』

　ｍｅｗは、この記事を読んだ時、東京地検特捜部は、おそらく
犯罪だと認められそうにない西松建設の事件など、もう半ば
どうでもよくなっていて、いまや、不動産取引に関する共謀共同
正犯で有罪にすることでアタマがいっぱいなのかも知れないと
思ってしまったりもしたのだけど・・・。

　地裁が、早く訴因変更は許可しないと決めて、大久保氏の分
は、参院選前に結審＆判決をしてくれればいいんだけど。公判
がストップされたままだからな～。(-"-)

　でも、いずれにせよ、東京地検特捜部は、かなり焦りが
増しているのではないかと思うｍｅｗなのだった。(@@)　　　　　　　　

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