小沢弁護団のプレス・リリースを2つ
2010年 11月 16日
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先週、アップした『小沢&秘書の訴訟に関する情報3つ~行政
訴訟の口頭弁論は12月21日に』の関連記事を。
岩手県選出の衆院議員で小沢グループの階猛(しな・たけし)
議員が、自身のブログで、小沢一郎氏の弁護団がプレス・リリ-ス
した特別抗告の理由書などを掲載していたので、資料保存の目的
も兼ねて、ここにアップしておきたい。
『起訴議決」と「起訴」は異なるー小沢氏弁護団
By しなたけし 2010年11月13日
(以下は、昨日公表された小沢氏弁護団のプレスリリースです。)
去る10月27日小澤一郎氏は,東京第五検察審査会の行った起訴議決
及び東京地方裁判所が行った指定弁護士の指定につき効力停止を
得るため,最高裁判所に特別抗告と東京高等裁判所に抗告許可の
申立てを行ったところでありますが,本日,その理由書を当該
裁判所に提出しました。
東京高裁の原決定は、起訴議決及び指定弁護士の指定の違法ないし
無効は,刑事裁判で争えば十分だという点に尽きていますが,その
前提として,起訴議決は,検察官による起訴や裁判所による付審判
決定と同視しうるものとする誤った判断を行っています。
そこで,当弁護団は,本件理由書の冒頭部分で,検察審査会の設置
趣旨や組織構成,また,起訴議決の法的性質を仔細に考慮すれば,
それは刑事手続に先行する、民意を反映するための行政機関による
判断であって,正に行政訴訟の対象たりうる処分に当たることを
論証しています。
さらに,指定弁護士の指定についても,裁判所による裁判ではなく,
弁護士会から推薦された弁護士を指定弁護士として,客観性・公平性
の高い組織としての裁判所が単に検察官役の任命を行う行政処分に
過ぎないことも論述しました。
その上で,本件特別抗告等を申立てた当日にプレスリリースしま
した「最高裁で争う理由」(10月27日付)と題した書面に記述した
各論点について,適宜判例を引用するなどして多角的に,かつ,
詳細に検討して,刑事裁判で争えるからといって,それまで法的
救済が受けられないと解すべきでなく,行政訴訟手続において
成熟している争点として、行政訴訟の基本理念であり、憲法32条
からも要請される権利救済の実効性を確保する観点から、早期に
実体判断の対象とされるべきであることを論述しています。
しかも、これは,検察審査会の強制議決、指定弁護士の指定の法的
性格に加えて、刑事手続と行政訴訟との役割分担如何という,重要
な法解釈問題であるから、最高裁への抗告を許可すべき事由に該当
することを主張しています。
さらに,それらの主張が認められないとすれば,裁判を受ける権利
の実効性を保障する憲法32条に違反することになること,また,
検察審査会の起訴議決は,2度の議決を要するが,「陸山会が小澤
一郎氏から4億円を借りたことを政治資金報告書に記載しなかった」
とされる事実は,最初の議決の犯罪事実として記載されていない
ので,2度の議決がなされていない点において,憲法31条の要請する
「適正な」手続とは評価できないこと等からして,本件起訴議決は
違憲であり特別抗告事由に当たることを主張しています。』
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長いので、チョットお休みタイム。( ^^) _旦~~so-cha o douzo!
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そして、上の文章の中にある10月27日のプレス・リリースも
階猛議員のブログにあったので、ここにアップしておく。
『最高裁に憲法解釈を問うー小沢氏弁護団
By しなたけし 2010年10月27日
(以下は、先ほど公表された小沢氏弁護団によるプレスリリース
です)
小沢一郎氏弁護団は,検察審査会による起訴議決の執行停止及び
東京地裁による指定弁護士の指定の仮の差止めの申立てを却下した
東京地裁決定に対し,平成22年10月21日,即時抗告を行い
ました。
しかし,翌22日,東京高裁は,実質的な審理を経ないまま上記
地裁決定をほぼ踏襲する内容で即時抗告を棄却し,同日,同地裁
は,かねてより当弁護団から起訴議決に無効事由があるため指定
弁護士の指定を見合わせるよう要請していたにもかかわらず,
指定弁護士を指定しました。
当弁護団としては,このような下級審の対応を到底容認することは
できず,起訴議決及び指定弁護士の指定につき効力停止を得るため,
本日,最高裁に特別抗告と許可抗告を行いました。特別抗告は違憲
を,許可抗告は法令解釈上の重大な誤りを根拠とするものであり
ます。ただし,理由書の提出は追って行うため,以下の内容は
現時点で予定しているものです。
高裁による棄却理由は,起訴議決及び指定弁護士の指定の違法
ないし無効は,刑事裁判で争えば十分だと言う点に尽きています。
つまり,起訴議決は,検察官による起訴や裁判所による付審判決定
に準ずるものであって,手続が進行し後に刑事訴訟の中でこれらの
違法を争うことができることを前提にしつつ,本件のように刑事
訴訟とは別に行政訴訟の場で起訴議決の無効等を争うことは,
司法権の運営の機能性,効率性を害し,また,二重の司法チェック
をすることになり,二つの訴訟制度が矛盾・重複する恐れがあると
しました。
しかし,まず,本件起訴議決のように,重大明白な違法があって
無効とも言える極めて例外的な場合には,検察審査会による起訴
議決を法的仕組みが著しく異なる検察官の起訴や付審判決定と同視
した考えを前提とした上記のような議論は,当てはまらないものと
考えます。
また,少なくとも,現実に起訴され,刑事訴訟が係属しない限り,
行政訴訟との重複や司法権運営の効率性が害されるおそれが生ずる
ことはありません。起訴議決と指定弁護士の指定の違法性について
司法判断を求めている本件では,起訴以前の段階で,二つの訴訟
制度が矛盾・重複するわけはなく,むしろ起訴議決の取消判決が
確定すれば,本来無用の刑事手続を進める必要がなくなるのです。
さらに,本件では刑事訴訟の主題である犯罪構成要件事実の有無
を争点としているのではなく,陸山会が申立人から4億円を借入れ
ていたとの事実について強制起訴に必要な二度の議決がなされて
いないという,検察審査会の権限逸脱を争点としています。この
争点につき行政訴訟で司法判断がされたら刑事訴訟で蒸し返す
ことはできないと考える限り,二重の司法チェックとはならない
はずです。
加えて,刑事訴訟のみを認めるなら,起訴議決の重大な瑕疵以外
に犯罪事実の有無が争点とならざるを得ず,審理の中で起訴議決
の重大な瑕疵が認められれば,他の通常の刑事手続は全く無駄な
手続となります。したがって,起訴議決の手続上の重大な瑕疵を
争点とする行政訴訟を先行させる方が制度運営としてかえって
効率的と言えます。
今回の下級審の言うように,起訴議決の重大な瑕疵を刑事手続で
しか争えないとすると,救済が遅れ,申立人に重大な不利益
(犯罪事実の有無に関する審理,捜査,逮捕,取り調べの精神的,
肉体的,経済的負担など)を及ぼしかねません。本件の起訴議決
の権限逸脱の主張は,今後真相が明らかになるであろう犯罪事実
の有無に関するものではなく,すでに成熟している争点に関する
ものです。後の刑事手続まで待たせ,その手続でしか争えないと
する理由がありません。
以上述べた点は,先例もなく,行政訴訟の処分性,刑事訴訟と
行政訴訟の役割分担という重要な問題に関する法解釈であるため,
許可抗告事由に当たります。そして,起訴議決に看過し難い無効
とも言える重大な瑕疵があるにもかかわらず,起訴議決,指定
弁護士の指定の違法ないし無効を一切行政訴訟で争わせないと
する原決定は,適正手続の保障(憲法31条)及び裁判を受ける
権利(憲法32条)に違反する誤った解釈であり,特別抗告事由
にも当たります。最高裁判所が当弁護団の主張を汲み入れ,賢明
なるご判断をなされるよう期待しております。』
* * * * *
法律の専門的な知識がないと、わかりにくい部分があるかも
知れないのだが。<mewも行政訴訟は、ほとんど勉強したこと
がないんだけどね。(~_~;)>
以前も書いたように、これまでの判例では、検察審査会の議決
の無効確認の訴えは、行政訴訟の対象とならないとされていたの
だけど。
昨年、検察審査会が強制起訴をできる権限を得てからは、同じ
ように考えられないのではないかという見方も出ているだけに、
今回の最高裁の判断は、色々な意味で、注目したいと思っている
mewなのだった。(@@)
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