石破も使う「暴力装置」~失言より、言葉のウラにある大事なことに目を向けたい
2010年 11月 21日
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『「菅政権をぶっ潰せ」・・・仙谷失言につながった自衛隊行事
での挨拶』の続報を。
ざざっと前記事の要旨を書いておこう。
3日、航空自衛隊の入間基地で行なわれた航空祭の挨拶で、支援
団体の会長が「現政権の顔ぶれは、左翼ばかりである。みんなで、
一刻も早く菅政権をぶっつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう。
皆さんそうでしょう。民主党政権では国がもたない」などと政治的
な呼びかけを含む挨拶を行なうという事態が起きた。
それに対して、防衛省が「隊員の政治的中立性に誤解を招くよう
な発言をするおそれのある者の参加を控えてもらう」ように事務
連絡を出したのだが、自民党は、これを憲法が保障する「言論の
自由」を奪うもので、「検閲」に当たると批判。
そして、18日の参院の予算委員会で、そのことに関して質問
された仙谷官房長官が、例の「暴力装置」なる失言を含む答弁を
するに至ったのだった。^^;
* * * * *
仙谷長官は、事務連絡を出した意図&自衛隊に政治的中立性が
求められる理由について「暴力装置でもある自衛隊はある種の軍事
組織でもあるから、シビリアンコントロール(文民統制)も利か
ないとならない」と発言。
その後、「実力組織と訂正させていただく」と発言を撤回&修正
をして、謝罪。
菅直人首相も午後の参院予算委で「自衛隊の皆さんのプライドを
傷つけることになり、おわびする」と陳謝し、仙谷長官に厳重注意
を行なったという。(・・)
しかし、自民党などは、その後も仙谷長官の発言には重大な問題
があると非難を続けており、仙谷官房長官の問責決議案を出すこと
も検討しているという。(-"-)
* * * * *
先に言えば、確かに、「暴力」という言葉は、犯罪や暴力団など
を連想させるところがあって、自衛隊の隊員たちも決していい
気持ちはしないと思われるし。
mewも、仙谷官房長官が、この発言を撤回&謝罪したことは、
妥当であったと考えている。(・・)
ただ、この「暴力措置」という言葉は、Mウェーバーの著書など
にも記されている、社会学、政治学上の用語で、後述するように、
自民党の石破元防衛長官も使用していたことがあるとのこと。
<仙谷氏は東大時代に学生運動に参加しており、当時の左翼系の
学生の間では、よく使われていた言葉のようだ。^^;>
また、「暴力」という表現には、若干の問題があるものの、
仙谷氏が言わんとしたことは、mew的に見て、正しい&とても
重要なことだと思うし。
自民党や保守系議員は、失言の部分をクローズアップして、
攻勢をかけたいようだが。<特に、もともと民主党や菅ー仙谷政権
をサヨクだと批判していた人たちは、チャンスという感じで?^^;>
でも、私たち国民は、ここは冷静になって、肝心な点を見失わ
ないようにしなければならないのではないかとも思っている。(**)
* * * * *
『「暴力装置」はもともとドイツの社会学者のマックス・ウェーバー
が警察や軍隊を指して用い「政治は暴力装置を独占する権力」など
と表現した言葉だ。それをロシアの革命家、レーニンが「国家権力
の本質は暴力装置」などと、暴力革命の理論付けに使用したため、
全共闘運動華やかなりしころには、主に左翼用語として流通した。
現在では、自衛隊を「暴力装置」といわれると違和感がある。
だが、旧社会党出身で、東大時代は日韓基本条約反対デモに参加し、
「フロント」と呼ばれる社会主義学生運動組織で活動していた仙谷
氏にとっては、なじみ深い言葉なのだろう。<産経新聞18日>』
『特異な言葉がとっさに飛び出す背景には、かつて学生運動に身を
投じた仙谷氏独特の思想・信条があり、民主党政権の自衛隊観を
反映したともいえそうだ。(阿比留瑠比)
「昔の左翼時代のDNAが、図らずも明らかになっちゃった」
みんなの党の渡辺喜美代表は18日、仙谷氏の発言について端的
に指摘した。<同上>』
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『18日の国会での反応をみても、自民党の丸川珠代参院議員は
「自衛隊の方々に失礼極まりない」と批判したが、共産党の穀田
恵二国対委員長は「いわば学術用語として、そういうこと(暴力
装置との表現)は当然あったんでしょう」と理解を示した』よう
だが。<同上>
『仙谷氏は記者会見で「我々が慣れ親しんだ時代と、言葉の持つ
イメージが違うことに思いを致すべきだったと反省している」と、
語感の変化を盾に「悪意」を否定。また、自民党の石破政調会長
の過去の発言を取り上げ、「石破先生も『警察と軍隊という暴力
装置を合法的に所有するというのが国家の定義』と言っている」
と“反撃”も忘れなかった』という。<読売新聞19日>
* * * * *
そうなのだ。実は、自民党の国防族の要とも言える石破茂元防衛
大臣も、昨年3月、朝日新聞が主催したフォーラムの中で、この
「暴力装置」という言葉を使っているのである。
<「条件整え集団的自衛権行使できる国に」という小見出しのある
パートの最初の方にあるのだが。
『破綻国家においてどうしてテロは起こるのかというと、警察と軍隊
という暴力装置を独占していないのであんなことが起こるのだという
ことなんだろうと私は思っています。国家の定義というのは、警察と
軍隊という暴力装置を合法的に所有するというのが国家の1つの定義
のはずなので、ところが、それがなくなってしまうと、武力を統制
する主体がなくなってしまってああいうことが起こるのだと』発言
している。>
そして、お玉おばさんからのTB記事で知ったことなのだが
石破茂氏自身、そのことを自分のブログで認めている。(・・)
石破氏は、『外国語による著作を引用するときは、原文にあたら
ないと、訳語のニュアンスで誤解を招きかねない』としながら、
『私の発言はあくまで政治学上の定義を引用したうえで、「何故
北朝鮮で、あのようなテロ行為が起こるのか」を論じたもので
あり、国会において、自衛隊を、名指ししたものではありません」
と釈明しているのだが。
これは、他の分野の学問でもそうなのだけど。外国の学者が
使う専門用語の多くは、その著書が和訳された際に、翻訳者が
考えた訳語が、そのまま日本での専門用語(学術用語)になって
しまう傾向があるので、一般社会通念とはズレが生じているもの
や、わかりにくいものがかなりあるのだ。(~_~;)
この「暴力装置」もその典型で、要は自衛隊や軍隊は、武力を
保持していて、人を殺傷したり、その脅威で支配したりできる
ような力or実力の行使をできる組織だということを示す言葉で
あって、それは本当のことなのだけど。
ただ、今の日本人の感覚から言えば、あまりきこえがよくない、
快く思わない人が多い訳語になってしまったというのが実情
だろう。(・・)
* * * * *
mewは、以前から書いているように、石破くんとは国防に関し
ては意見が合わないことが多いのだけど、彼が本当に国のことを
思っていて、よく勉強もし、また理論的にものごとを考えようと
する政治家であることに関しては、かなり評価をしているのだが。
石破氏も、きっと仙谷氏がこの言葉を使ってしまった背景は、
よ~くわかっているのではないかと思うし。野党が、この言葉に
こだわって仙谷官房長官の批判を続けるのは、まさに「言葉狩り」
的なところがあって、時間と労力の税金のムダなので、自民党の
政調会長として、党内をおさめて欲しいものだ。(・・)
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そして、「暴力装置」という言葉を使うことは、あまり妥当
ではなかったとしても、mewは、仙谷氏が言わんとしていた
ことは、今の日本の憲法&政治体制の下では、いわば「正論」
であり、最も重要なことの一つであることを、きちんと認識して
おく必要があるのではないかと思う。
このことは、田母神問題の時にも、さんざん書いたのだけど。
先日、自民党の石原幹事長が、海保の映像流出問題の時に、
「武力を伴う警察、あるいは海上保安庁、自衛隊といった組織は、
上に立つ政治家が責任を取らなければ、行政組織として成り立た
ないんです」と、政府を批判していたのだが。^^;<発言部分は
FNN12日より>
仙谷氏のいう「暴力装置」は、石原氏のいう「武力を伴う組織」
を意味することは明らかだろう。(・・)
これは自衛隊に限らず、警察や海保もそうなのだけど、彼らは
武力を持ち行使できる特別な存在であるだけに、一般の公務員と
同じように考えることはできないのである。(**)
<何だか海保の映像流出問題について書く機会を逸してしまって
いるのだけど。^^;
映像流出をさせた保安官が、自ら「今回の行動が正しいと信じて
いますが、公務員のルールとしては許されないことだったと反省も
しています」というコメントを出していたが。まさに彼の行為は、
特別な立場の公務員としては失当だったのだ。(-"-)>
* * * * *
それこそ、石破氏が、上に引用した記事で、国家の定義の
一つは軍隊などの武力を伴う組織を合法的に所有することだと
言及し、国家が武力を独占的に統制する主体になれないこと
がテロが起きる要因であると語っているのを見ても、今回、
防衛省の対処が必要だったことがわかるのではないだろうか?(・・)
彼らは、基本的には、政府の方針、指示に従わなければならない
立場であって、職務上の行為に関しては、個人の判断で勝手に
行なうことがあってはならないし。
また、特にすべての国民に奉仕すべき立場であることを意識
して、特定の政治思想や政党を支持しているかのような誤解を
与えないように努める必要があるのだ。
もちろん、<田母神氏がそであったように>自衛隊員が、公の
場で、政府の方針や憲法を批判し、それに従わなくてもいいかの
ような発言や発表をするのは許容されないことは言うまでもない
のだけど。
たとえ民間団体の人間であれ、自衛隊と近しい立場にある者が、
公の場で、自衛隊員に「みんなで、一刻も早く菅政権をぶっつぶ
して、昔の自民党政権に戻しましょう」などと呼びかけることも、
安易に容認すべきではないだろう。(**)
<政情不安の国であれば、軍事クーデターの呼びかけだととられて
も仕方がないような言葉でしょ~。(~_~;)>
何だか尖閣諸島沖の衝突事件以来、メディアも含め、保守派の
発言権が強くなって、国民にもその流れが広がっているように
感じることが多くなっているのだけど。
mewは、この件に関しては、心ある政治家や識者、メディア
は単に失言問題としてではなく、そのウラにある大事なことを
きちんと伝えるべきなのではないかと考えている。(・・)
* * * * *
長くなってしまったのだが、最後に、もうチョットだけ。、
このことは、また改めて書きたいけど。実は、mewは、仙谷氏
が思わず左翼用語を用いて、自衛隊への警戒感を示したこと自体
には、ちょっと「うふ」と思ってしまったとこがあったのだ。(^n^)
まあ、右でも左でも極端なものは、暴力的な手段を用いるので、
mewは、どちらの思想に傾倒する気にはなれないのだけど。^^;
ただ、菅直人氏にせよ、仙谷氏にせよ、俗に左派系と言われる人
は、軍隊&武力的なものへの警戒心やある種のアレルギーが残って
いる人が多いように思うし。それがあれば、保守タカ派の人が
政権TOPの座にいるのに比べれば、極端にアブナイ方向に突き
進むおそれが小さくなるのではないかと期待できるからだ。"^_^"
今週は、今、新防衛大綱の原案を作っている民主党の安保防衛
調査会に関する話を取り上げる予定なのだけど。
菅首相&仙谷長官には、この際、サヨク扱いされても気にせず
に、政権の2TOPとして、何とかアブナイ新防衛大綱を作ること
だけは阻止して欲しいと、切に願っているmewなのだった。(@@)
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