小泉首相等が標榜する新自由主義って何? (3)
2005年 10月 14日
今回はそれを経済的な側面から考えて行きたい。
(とはいえ、私は経済には疎いので、庶民的な視線で考えてみたいと思う。)
日本は莫大な財政赤字を抱えており、早急に対策を講じなければならない。
日本企業も激化する国際競争の中で、さらに体力と競争力をつけなければならない。
かつて経済的には後進国であったアジアの国々が台頭して来ている今日、このまま
では日本の国も企業も世界の荒波の中で埋没してしまう惧れがあると言われている。
そうなれば、当然にして国民の生活にも大きな影響が生じる。
この状況を打破するには、新自由主義的な政策は有効なのかも知れない。
小泉首相は総選挙の演説などの場で、このように語っていた。
「郵政民営化は改革の本丸だ。民間にできることは民間がやった方がいい。そうすれば
仕事やお金も回って経済も活性化され、景気もよくなる。国民の暮らしもよくなるし、
民間は競争があるので、国民もより効率がよくて、質のよいサービスを受けることが
できるようになる。小さな政府にして不必要なものを削れば、国の負担も減るし、
ひいては国民の皆さんの負担も減ることになる。」
この説明は、決してウソや間違いとは言えない。そして、もしこの通りであれば、
いい事尽くめのパラダイス(楽園)である。国民の支持も集まることであろう。
しかし、新自由主義的な政策には弊害も多い。それは国民に伝えられていない。
そこに大きな問題性を感じる。
もし日本の国民の多くがこの政策によって日本が近い将来どのような状況になる
のか、どのような弊害があるのか、そのメリットとデメリットをある程度、把握できて
いるなら・・・弊害に対する覚悟ができているなら、私は日本が新自由主義的な国に
なっても構わないとも思う。しかし、正直なところ、果たしてどこまで把握し、覚悟が
できているのか、疑問を覚える部分が強い。
何年後かに「何で日本はこんな国になってしまったのか」「何で自分はこんな生活を
することになってしまったのか」と嘆いても、その時にはもう遅いのである。
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国の財政を立て直すには、単純な話、支出を減らし、収入を上げるしかない。
支出を減らすためには、行政をできるだけスリム化し、公務員に対する人件費や諸経
費を削減することが求められる。
そして収入を増やすには、税金の収入を増やすしかない。日本はバブル崩壊後の景気
低迷により、税収が著しく低下してしまっている。しかも、少子高齢化社会が進む中、
勤労(給与等)や事業による所得の税金を納める人数も減って来る。
もちろん消費税等の間接税も含めて、税金を上げるという手もある。しかし、あまり
税金を上げると、国民の生活や企業の経理を圧迫し、景気の上昇が望めない。
そこで、企業や事業家、投資家などに頑張ってもらおうということになる。経済を
活性化させ(お金がたくさん集まって、回るようにして)、経済活動を自由にできる
ようにすれば、景気もよくなるし、儲かる企業や人が増えて、税収も上がるのである。
たとえば、郵政民営化に象徴されるように、国の事業や行政サービスをできるだけ
民営化したり民間に委託、委譲することによって、仕事やお金を民間に回し、経済を
活性化させようと。(民間が営めば、税金もはいる。)
また日本は戦後の復興の必要性もあり、行政主体で保護主義的な経済政策をとって
来た部分が強のだが、国際化が進む今、できるだけ国の規制や干渉を排して、投資や
金融も含めて、もっと自由に企業が経済活動を行なえるようにし、競争力をつけ、資産
価値や利益を上げてもらおうと。海外の企業や資本が日本に参入しやすくしようと。
(これらも全て経済の活性化&税収につながる。)
ここでは、ある意味で、国の利益と企業等の利益は一致している。企業経営者や経済
関係者、海外(特にアメリカ)の政府、経済関係者が小泉改革を支持する理由もそこに
あるのであろう。もしかしたら、小バブルの一つも期待しているかも知れない。
国民の側から見ても、いい部分がたくさんある。景気がよくなれば、生活もよくなり
やすい。資産を持つ者や、個人投資をする者などは、資産が増えたり、利益をあげたり
することもできる。
企業などが潤えば、そこで働く者や関わる者(投資なども含む)は利益の恩恵を受け
る可能性も強い。民営化や国内外の企業参入により、選択肢も増え、効率がよく質の
よいサービスも受けやすくなる可能性が高い。
国の財政がよくなれば、税金や公的負担のアップも防げるかも知れない。
(株式相場などが好調であれば、それらに投資されている年金や保険料なども増え、
国民の社会政策にも貢献する。)
しかし・・・である。
この新自由主義的な経済には、大きな問題点がある。市場原理による自由競争という
のは弱肉強食の世界だからである。
つまり、力のある者は成功し、どんどん利益をあげることができるのだが、そうで
ない者は置いてきぼりをくらったり、切り捨てられてしまうことになるのだ。経済格差
は大きく広がり、以前より生活状況が悪くなる危険性がある。
しかも「小さな政府」&「自己責任の原則」が基本である。国の社会政策は縮減し、
積極的に弱者を助けてはくれない世界が待っている。
だが、今も楽天vs.TBSや村上ファンドvs.阪神電鉄で大騒ぎをしていたり、カト
リーナ台風の被害の様子を見て「ひどいわね~。アメリカの政府は、何でちゃんと対応
しないのかしら」「救急車を呼んだら何万円もかかるなんて信じられない」と言っている
日本の一般市民に、果たして日本の行く末の状況をイメージできているのか、自分が負け
組になった時の覚悟ができているのか、懸念が強まるのである。
つづく THANKS
というのも、所得の多い人や、成功者を勝ち組というケースしか聞かない。
では、所得が少なくて精神的に恵まれた人は、どうなんでしょうか?
時代に流されずに、ある意味マイペースで生きることはどういう位置づけになるのでしょうか?
人間は、色々な生き方があるはず、巷ではやっている勝ち組になれという流れには違和感を覚えます。
私も勝ち組、負け組という言葉は好きじゃないです。
お金の有無と幸福感、充実感は比例するものではないですしね。
そして私の理想は、まったりと平和で平穏な(治安もいい)生活を送ること
だったりもします。
一億総中流でいいじゃん、と思う面があるです。
ただ、今の日本ではイメージしにくいですが。経済格差が広がると、
教育や医療をまともに受けられない子が出て来たりしますから。
(現にアメリカでは5~6人に1人がそうなのですよ。)
子供たちは生まれる所を選べませんからね。やっぱ子供にとって
大切なものは確保できる環境を作れる国であって欲しいんですよね~。
毎日お金に執着しているように見えます。
でもお金だけが幸せではないようです。上には上がいてお金持ちは「自分はお金持ちだとは思っていないようです。私だって誰かから見れば少しはお金持ちに入るでしょう、きっと(笑い)
だから、今のお金で何でもやってしまうという風潮には賛成できません。
高等教育とはお金儲けだけを教えるところではないはずです。
いかに自分が今の暮らしで満足できるかでしょうね。
もちろんお金はあった方が良いですが・・
それは精神的なものが大きく左右すると思います。
最近公園で遊ぶ子供達を見なくなりました。やっぱり将来を担う子供達が元気な社会になって欲しいです。
人生や生活の価値観や幸福感は人それぞれだと思いますので、
お金に執着したい人は、そうすればいいと思いますが。
私は平和で平穏な生活が一番大事です。
だから、国があまりに経済重視になって、お金を持った人が勝ちなんだ
っていう風潮を広めるのには、抵抗感があります。
こつこつ努力しても報われないような世の中もイヤです。
子供たちが、そのうちファミコン・ゲームでM&Aごっことかして
遊びそうなのが、コワイですぅ。