小沢が公判で徹底抗戦の構え～政治活動への影響はいかに？
2011年 05月 20日
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小沢一郎氏の公判の公判前整理手続きが始まっているのだが。
小沢氏の弁護側が、何と検察官役の指定弁護士が証拠申請した
小沢氏や秘書らの供述調書約６０通すべてに同意しないとする
意見書を東京地裁と指定弁護士に提出したことがわかった。(･o･)
弁護側は申請を不同意とした理由について「検察のストーリー
で作られた調書ではなく、こちらの言葉で判断してもらいたい」と
説明したとのこと。
また、小沢氏側は、検察審査会の議決の有効性も争う姿勢も
見せているとのこと。
まさに徹底抗戦の構えである。（＊＊）
小沢氏側は、もともと東京地検が作った供述調書の信用性に
疑問を抱いているし。後述するように、このような伝聞証拠など
の採用に同意するかどうかは、被告側の重要な権利であると
言えるし。検察審査会のことを争点にすることも、今後のこと
を考えても大事なことだと思うので、ｍｅｗ個人は、小沢氏側の
方針に理解＆納得できるものがあるのだけど。
ただ、検察役側が使おうとしていた供述証拠がすべて不同意と
なった場合、裁判が長期化する可能性が高いのは事実で。＜検察
審査会のことも争点にするとなれば、尚更に。＞
果たして、裁判が長期化することが、小沢氏自身＆その政治活動
にとってプラスに働くのかどうか、懸念するところもある。(-"-)、
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
『資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金
規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告
（６８）の弁護側は１８日、検察官役の指定弁護士が証拠申請した
小沢被告らの供述調書約６０通すべてに同意しないとする意見書を
東京地裁と指定弁護士に提出した。
合わせて政治資金収支報告書の虚偽記載への関与を否定した書面
も提出。小沢被告側が改めて無罪主張を明確にした格好だ。
調書は、東京地検特捜部が捜査段階などで作成した小沢被告や
衆院議員、石川知裕被告（３７）ら元秘書３人らのもの。弁護側は
申請を不同意とした理由について「検察のストーリーで作られた
調書ではなく、こちらの言葉で判断してもらいたい」としている。
小沢被告は１月に強制的に起訴され、公判前整理手続き中。
初公判は早ければ秋にも開かれる見通し。＜産経新聞１８日＞』
『小沢氏の強制起訴を決めた検察審査会の起訴議決の有効性も争う
姿勢を示した。
検察審査会が昨年１０月に起訴議決を公表したのを受けて、指定
弁護士が今年１月に政治資金規正法違反（虚偽記載）の罪で小沢氏
を起訴した。公判前に争点や証拠を整理する手続きが進んでおり、
指定弁護士が公判で調べるよう求めた１６３点の証拠に対して、
弁護側がこの日、初めて意見を明らかにした。初公判は秋以降に
なるとみられるが、同意しない供述調書が多ければ、証人が多数
出廷することになり、公判は長期化することになる。
＜朝日新聞１８日＞』
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ちなみに、この「同意」云々というのは、検察官が出そうとした
全ての証拠について必要なわけではなくて。
特に、検察や警察の前で供述をした調書（伝聞証拠）を採用する
かどうかという場合に、被告側の「同意」があるかどうかが問題に
なるのだ。
この辺りは、刑事訴訟法をかなり学んだ人でも難しい分野だし。
スペースの都合上、かなりざざ～っとした大雑把な説明の仕方に
なってしまうのだけど・・・。
先に、「刑事司法の流れ」というＨＰから、説明文を引用する。
『「同意」というのは書面について証拠として取り調べることに
対し、本来は刑事訴訟法３２０条１項の伝聞証拠にあたるので取り
調べてはいけないんだけど、３２６条による同意を与えるから取り
調べてもらってもいいですよという意見です。「不同意」は書面に
ついて３２６条の同意を与えないから取り調べるなという意見。
「異議なし」は書面や証人以外の証拠（証拠物とも言います）に
ついて、取り調べてもいいよという意見、「しかるべく」は証人に
ついて取り調べてもいいよという意見、「異議あり」は書面以外の
証拠について取り調べるなという意見です。
場合によっては「不同意」や「異議あり」という意見のものに
ついて別の根拠条文による取り調べを請求したり、それに対し
さらに意見を言うなどのやりとりを行うことがありますが、最終的
に裁判所が取り調べる旨を決定して、具体的な取り調べに入ります。
取り調べ方法ですが、書面については全文朗読が原則ですが、
実際にはただし書きの方を使って全文朗読に代えてその要旨を
述べることで行っています。証拠物については法廷で実際に見せ
ます。証人については法廷で質問し答えてもらうことになります。』
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
小沢氏のケースで言えば、たとえば、元秘書の石川氏が検察官
に話をして、検察官がそれをきいて作った供述調書は、伝聞証拠
に当たることになる。
もし関係者が証人として公判に出て、証言をすることになれば、
裁判官も当人を目の前に見ながら、その話や主張をきくことが
できるし。疑問のある点があれば、検察官or弁護士も、それぞれ
質問できるので、証人の言っていることが本当かどうかチェック
しやすい。
でも、関係者が検察官に供述した調書の中身というのは、
裁判所にとっては、関係者が直接、裁判官の前で話すのでは
なく、検察官に話したことを伝え聞くものになるので、本人
に質問できない以上、それが本当のことがどっかチェック
できず、信用していいかどうかわからないところがある。^^;
そこで、このような伝聞証拠などに関しては、原則としては
裁判で使うことは禁止されていて、特別な事情がある場合とか、
被告の側が「同意」した場合に限り、証拠として認めていいと
いうことになっているのである。(@@)
＜供述した人が公判に出られないとか、検察官の前で話したこと
の方が信用性が高いと思われる特別な事情があるとかいう場合
には、裁判所が証拠の採用を認めることがある。
もしかしたら、検察役は、秘書たちが小沢氏の前では本当の
ことを言いにくいとか言って、供述調書を証拠として認めさせ
ようとするかも。＞
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小沢氏側は、本人や石川氏らの秘書、関係者が検察に語ったこと
でも、検察が都合よく自分たちのストーリーに当てはめて作った
ような調書は、信用できるものではないので、裁判の証拠として
認めたくないと。
もし検察役が、関係者の供述を使って立証したいなら、公判の場
で、本人や秘書、関係者を証人として呼んで、裁判官の前で、直接、
話をきいてもらうような方法をとりたいと主張しているわけで。
それは、被告として正当な権利＆主張だと思うし。真実も明らか
になりやすい＆自分たちが納得行くような方法をとるのが一番
いいと思うので、ｍｅｗは、それに異論を唱える気は全くない。
また、今回、小沢氏の件で、検察審査会の存在や、様々な問題
がクローズアップされることになったのだけど。
以前にも書いたように、その審査や議決の仕方には、「？？？」
と思われることがかなりあったし。小沢氏側は、昨年、東京地裁に
異議申し立てをしたにもかかわらず、認められなかったので、
この公判で、その問題点を指摘して、明らかにしようと試みること
は、小沢氏本人にとってだけでなく、今後、検察審査会の審査対象
になる人にとっても、検察審査会のあり方を考える上でも、かなり
有意義なのではないかと思う部分がある。(･･)
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
ただ、このような方針をとった場合、裁判自体は、かなり長引く
ことになる可能性が高い。
そうなると、その間、小沢氏は、ずっと「被告」という立場に
置かれて、何かのたびに「被告」として見られたり、国民から
疑惑の目を向けられたりするような状態が続くことになる。
そして、残念ながら、まだ一般社会では、「無罪推定の原則」
の観念or感覚は浸透している状況ではないため、今後の政治活動
に影響が出るおそれは否定できないだろう。(-"-)
＜首相や大臣、幹事長などの要職につくことも、「被告」の立場
の人を選ぶのはどうかという話になる可能性が大きい。＞
また、野党やメディアからは、小沢氏が、あえて徹底抗戦をして
裁判を長引かせる戦術をとって、有罪判決が出る時期を遅らせて、
自己保身をはかろうとしているのではないかなどの批判を受ける
おそれも十分にあるだろう。(~_~;)
それゆえ、果たして、この徹底抗戦が、政治家・小沢一郎氏の
今後の政治活動にとってプラスに働くのか、却って、足を
引っ張るようなことになってしまうのか・・・チョット「賭け」
のようなところもあるかも知れないな～と案じる部分はあるの
だけど。
でも、ともかく自分が納得行くように、そして多くの人に
理解してもらえるように、強力な弁護団と共に、いい形で
戦って欲しいと願っているｍｅｗなのだった。(@@)
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見せているとのこと。
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規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告
（６８）の弁護側は１８日、検察官役の指定弁護士が証拠申請した
小沢被告らの供述調書約６０通すべてに同意しないとする意見書を
東京地裁と指定弁護士に提出した。
合わせて政治資金収支報告書の虚偽記載への関与を否定した書面
も提出。小沢被告側が改めて無罪主張を明確にした格好だ。
調書は、東京地検特捜部が捜査段階などで作成した小沢被告や
衆院議員、石川知裕被告（３７）ら元秘書３人らのもの。弁護側は
申請を不同意とした理由について「検察のストーリーで作られた
調書ではなく、こちらの言葉で判断してもらいたい」としている。
小沢被告は１月に強制的に起訴され、公判前整理手続き中。
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『小沢氏の強制起訴を決めた検察審査会の起訴議決の有効性も争う
姿勢を示した。
検察審査会が昨年１０月に起訴議決を公表したのを受けて、指定
弁護士が今年１月に政治資金規正法違反（虚偽記載）の罪で小沢氏
を起訴した。公判前に争点や証拠を整理する手続きが進んでおり、
指定弁護士が公判で調べるよう求めた１６３点の証拠に対して、
弁護側がこの日、初めて意見を明らかにした。初公判は秋以降に
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なるのだ。
この辺りは、刑事訴訟法をかなり学んだ人でも難しい分野だし。
スペースの都合上、かなりざざ～っとした大雑把な説明の仕方に
なってしまうのだけど・・・。
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『「同意」というのは書面について証拠として取り調べることに
対し、本来は刑事訴訟法３２０条１項の伝聞証拠にあたるので取り
調べてはいけないんだけど、３２６条による同意を与えるから取り
調べてもらってもいいですよという意見です。「不同意」は書面に
ついて３２６条の同意を与えないから取り調べるなという意見。
「異議なし」は書面や証人以外の証拠（証拠物とも言います）に
ついて、取り調べてもいいよという意見、「しかるべく」は証人に
ついて取り調べてもいいよという意見、「異議あり」は書面以外の
証拠について取り調べるなという意見です。
場合によっては「不同意」や「異議あり」という意見のものに
ついて別の根拠条文による取り調べを請求したり、それに対し
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に裁判所が取り調べる旨を決定して、具体的な取り調べに入ります。
取り調べ方法ですが、書面については全文朗読が原則ですが、
実際にはただし書きの方を使って全文朗読に代えてその要旨を
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ます。証人については法廷で質問し答えてもらうことになります。』
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に話をして、検察官がそれをきいて作った供述調書は、伝聞証拠
に当たることになる。
もし関係者が証人として公判に出て、証言をすることになれば、
裁判官も当人を目の前に見ながら、その話や主張をきくことが
できるし。疑問のある点があれば、検察官or弁護士も、それぞれ
質問できるので、証人の言っていることが本当かどうかチェック
しやすい。
でも、関係者が検察官に供述した調書の中身というのは、
裁判所にとっては、関係者が直接、裁判官の前で話すのでは
なく、検察官に話したことを伝え聞くものになるので、本人
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裁判で使うことは禁止されていて、特別な事情がある場合とか、
被告の側が「同意」した場合に限り、証拠として認めていいと
いうことになっているのである。(@@)
＜供述した人が公判に出られないとか、検察官の前で話したこと
の方が信用性が高いと思われる特別な事情があるとかいう場合
には、裁判所が証拠の採用を認めることがある。
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認めたくないと。
もし検察役が、関係者の供述を使って立証したいなら、公判の場
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異議申し立てをしたにもかかわらず、認められなかったので、
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は、小沢氏本人にとってだけでなく、今後、検察審査会の審査対象
になる人にとっても、検察審査会のあり方を考える上でも、かなり
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ことになる可能性が高い。
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by mew-run7
| 2011-05-20 12:19
| 小沢＆秘書の裁判
