小沢の初公判の争点&弁護側、検察役の対応について
2011年 10月 06日
豪雨災害にあった近畿地方、北海道の被災地の方々もガンバですo(^-^)o
最新の記事(10個)のコーナーはヨコの欄に。
*印のついた報道記事は、文末のMore部分にあるです。
いよいよ今日6日、小沢一郎氏の初公判が始まる。(**)
<午前10時に開廷。>
『資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法
違反(虚偽記載)罪に問われた民主党元代表小沢一郎被告(69)
の初公判が6日、東京地裁(大善文男裁判長)で開かれる。小沢
被告が罪状認否で起訴内容について意見を述べた後、検察官役の
指定弁護士側と弁護側双方がそれぞれ冒頭陳述を行う。
刑事裁判の被告は通常、弁護人の前の被告席に座るが、安全への
配慮から、小沢被告は両隣を弁護士に挟まれて弁護人席に座る。
最初に指定弁護士が起訴状を読み上げ、小沢被告がその内容への
認否を述べる。弁護人によると、小沢被告はその後5~10分間、
虚偽記載の認識を否定する内容の意見陳述をするという。
<時事通信5日>』
『小沢氏は4日夕方から約30分間、弁護団などと裁判への対応を
協議した。弁護団によると、初公判で小沢氏は起訴内容を全面的に
否認した上で、5分以上にわたって意見を述べる予定だという。
<NNN5日>』
* * * * *
mewが、今日の公判で最も注目しているのは、小沢氏の意見
陳述だ。
そこには、小沢氏が、国民に向けてのメッセージを伝えようと
する意図もあるのではないかと思うからだ。(・・)
罪状認否の際には、意見を述べることができるのだが。ケース
にもよるが、5~10分も意見陳述を行なう例は、そう多くは
ない。
mewは、小沢氏が、この意見陳述の機会に、裁判官だけでなく、
国民に向けて、自分のクチで、きちんと自分の立場や意見を
訴えたいという気持ちがあるのではないかと察している。(+_+)
<どこかの新聞社か通信社が、意見陳述を全文、掲載してくれる
といいんだけどな~。
以前は、産経新聞が、世間が注目する裁判でのやりとりを全て
再現する記事を載せることがあったのだけど。もうやってくれない
のだろうか?(@@)>
あとは、検察役の指定弁護士ら(以下、検察役)の冒頭陳述で
彼らがどのようなストーリーを立てて、小沢氏の犯罪を立証しよう
としているのかが明らかになるので、その中身もできるだけ詳しく
知りたいところだ。(・・)
* * * * *
弁護側は、主に2つの点を主張するのではないかと思われる。
一つは、そもそも、この小沢氏に対する起訴は手続きに瑕疵が
ある不当なものなので、公訴を棄却or取り下げすべきだという
ことだ。
もう一つは、秘書らが虚偽記載の犯罪行為を為したこと&小沢氏
との間に共謀の事実があったことを否定し、無罪を主張することだ。
一つめの件については、『小沢側、検審議決の無効を主張して
提訴』『地裁が小沢の申立を却下&初のケースに分かれる見解』
などに詳しめに書いたので、関心のある方は、そちらを読んで
頂きたいのだが・・・。
ここでは、大雑把に書くなら・・・小沢氏は、秘書と共謀して
04年に陸山会が土地を購入した費用を、意図的に04年ではなく
05年分の収支報告書に記載したということで、虚偽記載の共謀
共同正犯として東京地検に告発され、不起訴処分になったのだが。
で、その後、検察審査会で2度にわたって起訴相当の議決を
されたため、強制起訴をされることになったのだが。2回めの
審査会の議決では、告発されていない&1回目の審査でも議決
されていない04年に小沢氏が土地購入のために貸した4億円
が報告書に不記載になっているという犯罪事実が加わっていた
ことから、小沢氏側は、この議決やそれに基づく起訴は無効だと
主張しているのである。(-"-)
この件については、また公判で出て来た時に書きたいと思う
のだが・・・。
上のリンク記事にも書いたように、初めて司法の場で扱われる
ことになる&重要な争点ゆえ、司法&刑事訴訟に関わる専門家に
とっても興味深い&大きな意義があるものなのではないかと思う
のだけど。
ただ、現実的に考えて、裁判所が、この主張を受け入れて公訴を
棄却をする可能性は極めて乏しいのではないかと思われる。(-"-)
<小沢氏の弁護団は、公訴棄却しない場合、4億不記載の件を
審理の対象から外すようにと主張するのかな?(・・)>
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そして、小沢氏が、陸山会の会計責任者であったに石川知裕氏
と共謀して、虚偽記載を行なったかどうかがメインに審理される
ことになるわけだが・・・。
<小沢氏の公判では、検察役は水谷建設のウラ金の件は起訴状
に記さないことにしたので、この裁判では争点にならない。>
まず、ここでは石川氏が虚偽記載を行なったかどうかが問題
になるのだが。<もし石川氏が虚偽記載の犯罪行為が認められ
なければ、小沢氏の共謀共同正犯も成り立たないので。>
ここでチョット痛いのは、石川氏が否認&他にほとんど証拠が
なかったにもかかわらず、石川氏自身が9月26日の東京地裁の
判決で虚偽記載の事実を認定され、有罪判決を受けてしまった
ことだ。^^;
石川氏と小沢氏の公判は、全く別のもので、裁判官も検察官
も<弁護士も>異なるので、立証や反証の仕方も、それに基づく
判断にも違いが生じる可能性は十分にあるのだけど。
ただ、検察役の指定弁護士は、石川氏や小沢氏を捜査した
東京地検の特捜部から捜査資料や証拠、説明などを得て、公判を
行なうことになるので、手持ちの証拠や立証の方法に関して
石川氏の公判と共通する部分が大きいのではないかと思うのだ。
で、もし石川氏の公判で、検察側が立証に失敗し、無罪判決が
下されていれば、検察役は「この証拠じゃ足りない。マズイ」と
困り、小沢氏の弁護側は「よし、前回を参考にして同じやり方を
すれば無罪を勝ち取れる」と自信を深めることにつながったの
ではないかと察するのだが・・・。
有罪判決が出たことで、立場が逆になってしまったところが
あるのである。(~_~;)
<この公判の裁判官も、石川氏の供述や直接の証拠がなくても、
状況証拠などから、犯罪事実を認定しやすくなったとこがあるし。>
* * * * *
石川氏らの判決は、小沢氏と石川氏の共謀の事実があったか
どうかという点の立証や判断にも影響する可能性が大きい。
石川氏らの公判では、石川氏と大久保氏、池田氏との共謀が
あったかどうかが争点になったのだけど。3人とも共謀を否認
していたものの、検察官は秘書らの立場や仕事の状況などを
メインにして、彼らの間に意思の疎通や了解があったと主張。
裁判官も、三者の関係や状況証拠などを主体にして、共謀が
あったと認めてしまっている。(-"-)
小沢氏と石川氏の共謀に関しても、石川氏の供述以外は証拠が
ないし。石川氏は、検察官に供述を誘導されたと供述の任意性を
否定しており、小沢氏の公判でも証人として出廷し、共謀の事実
はなかったと主張する予定なのだが。
検察役は、小沢氏が、政治家として、また事務所の中で、強い
権限を持っており、小沢氏の指示や了解なしに秘書が多額の金銭
を動かすことはないなどという話をアレコレ持ち出して来ると
思われるだけに、弁護側がそれにどう対応して行くのかが大きな
鍵になりそうだ。(・・)
* * * * *
ただ、石川氏らの公判では、検察側の手持ちの証拠が乏しい
ことに弁護側がやや油断して、十分な反証を行なっていなかった
部分があるという話も出ている。
『予想外の判決が下されたのは、裁判官にも問題があるが、弁護団
があまりに稚拙だったという見方も根強い。元東京地検検事で名城
大教授の郷原信郎氏も判決後、「政治資金規正法の解釈について
弁護側がきちんと主張できていたのか」とクビをかしげていた。
「とくにヒドかったのは、石川知裕・衆院議員の弁護を担当した
ヤメ検の木下貴司弁護士です。普通は被告人が有利になるような
証言を引き出そうとするものですが、彼はダラダラと持論をぶつけ、
石川被告に向かって『答えんでもよろしい』『頭詰まってしもう
たか』なんて言って勝手に締めくくるのです。石川被告はシドロ
モドロになり、裁判官の心証を悪くする始末でした。質問なのか、
何が言いたいのかサッパリ分からない。検察側も木下弁護士が話し
始めると、『また始まったよ』と苦笑する場面が目立ちました」
(裁判傍聴者)<日刊ゲンダイ1日>』
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mewも、産経新聞のこの記事を読んで、「う~ん」と思って
いたところがあったのだ。(-"-)
『虚偽記載を認定した理由のひとつが、公判での石川被告の
あいまいな証言だ。
石川被告は、約450万円の利子が発生するにもかかわらず金融
機関から4億円の融資を得た理由について、「すべて合理的に説明
できない」と濁した。4億円を分散して陸山会の口座に入金した
理由について裁判官から「現金の出所が説明可能なら、銀行に取り
に来てもらうのが普通ではないか」と問われた際も、「そんな
サービスがあるとは知らなかった」と話すにとどまった。
判決は一連の証言を「合理的な理由を説明できていない」と断定。
土地購入の原資となった4億円の借り入れを隠蔽(いんぺい)
しようとしたことが「推認される」と結論づけた。さらに小沢氏
自身についても「4億円の原資について明快な説明ができていない」
とするなど、不合理な説明に終始不信感をにじませた。
<産経新聞9月28日>』
* * * * *
通常、それ相当の弁護士がつく裁判では、被告人や証人が法廷で
緊張や混乱などによって、大事なことを言いそびれたり、言い
間違えたりしないように、弁護士が、事前に、証言すべき重要な
ことや、検察官や裁判官からツッコまれた場合も含め、様々な質問
への対応の仕方を確認するのではないかと思うのだけど。<原稿を
作ったり、質疑の練習をしたりするケースもあるときく。>
日刊ゲンダイの記事が、どこまで本当なのかはわからないが。
もしかしたら、石川氏の弁護士は、公判の準備や被告人との
コミュニケーションが不足していた可能性が否定できないようにも
感じたのである。(・・)
* * * * *
『しかし、小沢裁判で弁護を担当するのは、「無罪請負人」と
呼ばれる弘中惇一郎弁護士と喜田村洋一弁護士の2人だ。ともに
ロス疑惑銃撃事件などを担当し、検察のシナリオ捜査の矛盾を突き、
次々に「無罪」を勝ち取ってきた。弘中弁護士は、村木厚子・
元厚労省局長が無罪となった「郵便不正事件」も担当。前衆院議員
の鈴木宗男受刑者は「1審から弘中弁護士に頼んでいたら絶対に
無罪だった」と漏らしたという。
弁護団は小沢裁判をどう闘っていくのか。
「裁判の争点は『小沢と元秘書との共謀の有無』です。小沢の共謀
をにおわせる証拠は、『小沢氏に報告、了承を得た』という石川
供述の調書しかない。しかし、この調書は、陸山会裁判では
『任意性がない』と却下されている。小沢弁護団も調書の任意性を
否定するでしょう。調書が却下されたら、『無罪』はほぼ確実です。
興味深いのは、弁護側の証人に会計学の学者も含まれていること
です。会計上の観点から、そもそも問題とされた政治資金収支
報告書には正当性があると主張する方針でしょう」(司法ジャー
ナリスト)<日刊ゲンダイ1日>』
上の記事にあるように、小沢氏の公判を担当する弘中弁護士は、
検察との戦い方を知っている人だし。
石川氏らが有罪になったことで、小沢弁護団も気を引き締めて、
戦略を練り直す機会を得られたという意味では、<石川氏らには
気の毒ではあるけど>、小沢氏&弁護団にとってはプラスに働く
部分もあるのではないかと思われる。(・・)
* * * * *
ただ、今回の検察役は指定弁護士ゆえ、小沢氏&弁護団にとって
は、いい面とやりにくい面があるかも知れないのだけど・・・。^^;
mewは、3人の指定弁護士が、このように多くの国民から注目
される、ある意味では面倒な事件の検察役を引き受けたことには
敬意を表したいと思っているし。
彼らは、弁護士として刑事裁判に携わって来た中で、これまでの
訴訟のあり方や検察官のやり方の問題点がわかっているのでは
ないかと思うので、どうか「検察官はこうあるべき」というお手本
になるような検察役を務めて欲しいとも望んでいる。(・・)
<実際、検察役のひとりは、「無罪の人は罰したくない」と言って
いたし。また、水谷建設のウラ金の件は争点にしないなど争点を
スリム化させたり、早く証拠開示をするように努めたりするなど、
検察官の問題点を改善しようとする姿勢が伝わって来る。>
小沢氏も、繊細な面がある人だけに、公判が始まると有形無形
のストレスが増すのではないかと案じているのだが。ともかく
体調に気をつけて、頑張って欲しいと願っている。(+_+)
そして、このブログでは、この公判の記録を残すために客観的な
事実を記すと共に、自分なりの切り口や色々な方向から見て、
感想や意見を書きながら、しっかりと小沢氏の公判を追いかけて
行きたいと思っているmewなのだった。(@@)
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【剛腕出廷】
(下)「簡単な裁判」が一転… 弁護団に強まる警戒感
小沢一郎(69)の主任弁護人、弘中惇一郎(65)はそのとき講演のため広島に向かう新幹線の中にいた。9月26日の小沢の元秘書判決。「有罪になってしまったか」。携帯電話のメールニュースで結果を知り、10日後の小沢初公判への警戒感が強まった。
小沢の弁護団にとって元秘書判決は予想外だった。
元秘書3人のうち、共謀を認める他の元秘書の供述調書が証拠採用されなかった大久保隆規(50)は無罪が出るだろう-。そんな読みがあった。
小沢と大久保は関与を示す直接証拠が衆院議員、石川知裕(38)らの調書しかない点で証拠の構造が重なる。常々「簡単な裁判」と口にしてきた弁護団の表情から余裕がなくなった。裁判を傍聴していた弁護団の一人は「裁判所は大胆だよな。火を噴いちゃいそうだから何も言わないよ」と閉廷後、東京地裁への不信感を隠さなかった。
弘中は元秘書判決について「推論を重ねたことへの批判が予想以上に出ている」と冷静に分析しつつも、「(小沢の)裁判の展開自体には影響を及ぼすとは思わないが、世論や雰囲気とかに影響を与えるかもしれない」と語った。
× × ×
一方、小沢の初公判を前に、強制起訴した検察官役の指定弁護士の表情には自信がにじむ。
「無罪が出るかもしれないという気持ちで仕事をしなくちゃいけないのか…」
約1年前の平成22年10月22日。指定弁護士に選任された大室俊三(62)は当初、暗(あん)澹(たん)たる気持ちがしたという。検察が2度も不起訴とした事件は当然、無罪ではないのか。そんな思いを抱きつつ、補充捜査や公判準備に約500時間を費やした。証拠の一つ一つを精査していくうちに、考えは180度変わった。
「無実の人を起訴したという思いは全くない」。大室はこう言い切る。「事件の真相は、秘書の単独か、小沢さんの指示を受けてやったのかの2つしかない。どちらが真実に近いかというと、秘書との普段からの関係や客観的証拠でおのずと明らかになる」
× × ×
元秘書の公判と異なり、小沢公判で、指定弁護士は虚偽記載の動機としてゼネコンマネーの受領を立証しない。小沢本人が知っていたという証拠が手元になかったからだ。その代わり虚偽記載の動機は、資産報告書の預貯金をゼロとしたことなどから「表にできない資金」だと石川が思い、記載を避けた-と立証する。
主な争点は、小沢と元秘書らの共謀が成立するか否かだ。法曹関係者は共謀認定のポイントを「法廷重視の流れの中で、元秘書公判と同じく、法廷での証言内容が重要となる」とみる。
小沢公判には元秘書3人のほか、取り調べを行った検事ら2人が出廷。来年1月10日、11日には小沢本人の被告人質問が予定されている。最初の注目は10月6日の小沢の罪状認否。弁護団によると、「あれだけの政治家にこちらが書いたものを読ませるわけにはいかない。何を話すかは本人に任せている」という。
× × ×
公判では検察審査会制度の真価も問われる。
2度の議決を経て強制的に起訴する制度が盛り込まれた改正検察審査会法。21年5月の改正法施行後、適用されたのは尼崎JR脱線事故や明石花火大会事故など計5件で、公判が開かれるのは今回が初めてだ。ほとんどが著名事件で法曹界からは「大きな事件や政治家が対象となると審査員は感情論で事件をみる傾向がある」との批判も上がる。
検審関係者は「冷静な議論の積み重ね」と反論。「政治資金規正法の実態がいかにずさんか。それが明らかになってほしい」と小沢公判に期待を寄せる。
歴史的公判に委ねられているのは“剛腕”政治家の運命だけではない。司法は強制起訴という民意にどう審判を下すのか。国民感覚の試金石ともなる。
産経5日