こんな新憲法はイヤだ~~~!!!<自民党憲法草案>
2005年 10月 29日
http://www.jimin.jp/jimin/shin_kenpou/shiryou/index.html
まだ、ざっとしか読んでいない段階であり、細かい論点、問題点などの話は、今後
色々と書いて行きたいと考えているが。とりあえず今日は大まかな感想を書いてみたい。
<ちなみに、以前も書いたが、私は憲法改正絶対反対派ではない。もしよりよいものに
「改正」されるなら、その部分に関しては賛成していいと思っている。
だが、「改悪」はNO!である。あまりに改悪されるぐらいなら、現行憲法をその
まま続けてくれた方がずっといいと考えている。>
まず、前文を目にした瞬間から、心が叫んでいた。
「こんな新憲法はイヤだ~~~!」
改悪だと思うワースト3をあげてみると、前文、9条、96条だろうか?
前文については、後述するが。それにしても、何て味気なくひどい内容&文章の前文
なのであろう。もし本文の内容が全てOKでも、こんな前文の新憲法は持ちたくない。
9条は最悪であった。
おそらくレベルダウンさせられることも考えて、思いっきり自営軍の活動範囲を広く
とる戦法に出たのであろうが。これでは集団的自衛権も国際協力を名目にした海外派兵
もやり放題になってしまう。国会の承認の仕方もきちんと明記されていない。
この活動範囲も問題だし、何よりも法律に委ねる部分が多過ぎるのがイケナイ!
<他の条文も含めて、この法律に委ねてしまう手法には注意すべきだ。衆参過半数を
占める与党があれば、いつでも好きなように法律を作ったり変えたりできてしまうの
だから。>
そして、96条の憲法改正の規定を変えて来たことも問題である。
国や国民にとって大事な憲法を、法律と同様の1/2以上で発議できるようにする
なんて。憲法をバカにしている。
いくら国民投票があっても、これでは、世の流れ次第で、憲法がコロコロ変えられる
ことになりかねない。(変えたいからそうするんだろうけど。)
硬性憲法は守り、すぐ変えなくてもいいように、丁寧にしっかりした新憲法を作る
ように心がけて欲しい。
この他にも、ざっと見ただけでたくさん、たくさん改悪だと思われるところがあった
<つづきは ↓Moreをクリック>
先に、上記の3点のほかに、今後、論点や問題点にしそうな部分をあげてみたい。
★はとても気になったもの
(見落としがあるかも知れないが、それは後日、追加したい。)
★ 12条<基本的人権の尊重> 権利の制限をしたくて仕方ない感じが見える
☆ 「公共の福祉」の言い換え 12条他にあるが、言い換えの必要があるのか?
☆ 20条3項<政教分離> 社会的儀礼などの範囲でもめそうに思う。
☆ 21条2項<国政説明義務> 情報開示まで入れたらいいのに。
☆ 25条2項<環境権>、3項<被害者の権利> 憲法論的には内容の解釈が難しそう
☆ 29条2項<財産権> 知的財産権について定めるのはいいが、この条文は変に思う
★ 54条<衆院解散> 内閣総理大臣が自由に衆院解散できるようにするのは反対!
☆ 56条2項<定足数> 議事は1/3いなくても開けるの? 個人的には、特に議決
の定足数は、少なくとも1/2以上にすべきだと思ってる。
★ 64条2項<政党> 憲法でわざわざ存在を認めるなのべきなのかビミョ~に思う
☆ 72条<総理大臣の職務> あえて総合調整を書く意味は? 学説への配慮?
★ 73条6号<内閣の職務ー政令> この条文は問題がないか、じっくり考えてみたい
★ 76条3号<軍事裁判所> この設置も問題点が多いように思う。ちなみにこの条文
だと、一般の高裁に控訴する形になるのだろうか?
☆ 79条2項<国民審査> 国民審査のあり方自体、今、問題になっているのだが、
法律に委ねることにするのか?
☆ 79条5号<裁判官の独立> 裁判官も含めた公務員給与の減額を予定して改正した
のだろうが、条文としてわかりづらく、何か変
☆ 83条2項<財政の健全性> 趣旨がよくわからない
☆ 89条1項<公金の支出> 20条3項同様、解釈が難しくなりそう
★ 91の2~92条<地方自治> 92条スタートの独立した条文にしてもいいのでは?
地方自治の本旨の内容も、条文としてはイマイチだし、
以降の条文の内容や文言も疑問を覚える面がある
☆ 95条<一地方の特別法> 何故、削除されたのか
それにしても、この前文は何なのだろう?
まず、文章が美しくない。現憲法の前文は、言葉や表現は難しいけれど、文として
流れがあり、美しく崇高な印象を与えるのに。
全体的に箇条書きっぽい感じで、「日本国民は」という主語が続くもの何だし。
(まさか学校や人が集まる場所で「日本国民は~」とか唱えさせたいと思っているわけ
ではないでしょうね。)
しかも、各文をバラバラな人が書いたのを、組み合わせたという感じで、文体や表現に
統一性がない。(「気概」のあとに「かけがえのない地球」とか)
出だしが肝心なのだから、プロに頼んでもっといい文に書き換えてもらったらどうだ
ろうか?
もっと国民自身が、こういう国や憲法にしたいという思いを託すような前文にして
欲しい。全面的な書き直しを求めたい。
一文めは、自主憲法であることをアピールしたかったのだろうが、必要あるのか?
二文めの象徴天皇制は、ここに書く必要はないだろう。一条を見れば済むこと。
三文めの基本原則は書いた方がいいけど、これも表現がイマイチ。
四文めは、論外。「帰属」とか「気概」とか軍隊じゃないんだから。こんな表現なら
「愛国心」の方がマシかも。(愛国心もイヤだけど。)
五文めも内容は悪くないけど、う~ん。圧政や人権侵害の「根絶」のために努力って
一つ間違えると、アメリカと一緒に世界の警察戦争もOKみたいに読めなく
もないし~。
六文めは「自国のみならずかけがえのない地球」は、すごく変。「力を尽くす」も固い。
またゆっくり読み直して、新設の条文や改正部分は、趣旨や解釈なども勉強して、
書いてみたいと思う。
ともかく憲法の改悪だけは、何とか阻止しなければならないという意を強くしている
今日この頃である。
<皆様の感想や気になる点、疑問点などがありましたら、是非コメントして下さい
ませ。 参考にさせて頂きます。m(__)m>
THANKS
ここまでは予想できましたが、あとビックリしたのは憲法改正発議の条件緩和です。数が多い&民主にもうけそうな今のうちになんでもやってしまおうという考えでしょうか?まったく○○に刃物です。
どこまで暴走すれば気が済むのでしょうか。
「・・それ以前に憲法の目的を忘れていないだろうか。国家にたがをはめて権力の暴走を防ぐ。之が、近代憲法の原則である。それが、草案は国民にたがをはめたがっている」(2005/10/29 中日春秋から)
ふと思うのは、日本の憲法って細かいことまで書きすぎているような気がする。
もっと色々な法律に割り振ってもよさそうな・・・。
たとえば「地方自治」なら「地方自治法によって治める」とかで良いような気がするんですけど・・・。
以下の掲示板で憲法改正について議論中です。是非ご参加ください。
http://bbs10.aimix-z.com/mttbbs.cgi?room=uniuniun#2
>CONさま
今度の国民投票では、個別に賛成、反対ができるようですから。
(前文も入れてくれるかな~?)
ダメと思うものは、全て反対して潰してしまいましょう。
私は特にワ~スト3はこのままの形で改悪されないように、ブログやら
何やらを通して、一人でも多くの人にアピールして行く所存です。
>ニケさん
まさに憲法の目的はそこにあるのですよね。
現憲法の前文も国民が主権者であることが、色濃く出ていますし。
国が国民を管理するのではなく、国民が国を管理しないとと思うです。
>あらびあさん
法律に委任する部分が多いと、簡単に変えることができてしまうので、
基本的にこの部分は変えてはいけないという枠組みをきちんと画する
には、それを憲法に明記しておく必要があると思います。
ただ、今回の草案の地方自治のところは、本文にも書きましたけど、
何か変というか、ちょっとよくわからない部分があります。
これから勉強いたします。
>ahosidaiさん
近日中に、掲示板に伺いたいと思います。
今、ざっとですが、草案を読みました。ファーストインプレッションは、「思ったよりもまともじゃん!」です。
ただし気になったのは、 mew-run7さんもご指摘されていますが、「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に変えられているところ。ご存知の通り、近代における「公」とは共同性ではなく、共生条件の維持です。ところが、それをきちんと認識されていない方が多くおられるのが今の日本(特に保守派)。「公益及び公の秩序」という文言では、国家共同体を守るために個人の人権が蔑ろにされてしまうのではないかと危惧します。
何をのんきなと怒られそうですが、歴史に名前は残る首相だと思います。
さて、草案はどう読めば良いのでしょうか?
拡大解釈ありの猜疑心旺盛(言葉が悪いのは失礼!)に読めば良いのか、ストレートに読めば良いのか、楽天的に読めば良いのか・・・。
また、中間の読み方や、個人的に許せる、または許せない分野があると思います。
ただ、全員一致するのは、「改憲に興味のある人が少ない」ってことだけでしょうか???
私も、当初プロジェクトで出ていた案や要望よりは、マシだったかな~
と思いました。
<中曽根元首相は自分が提案した前文がかなり削られてお怒りだった
ようですが。>
民主・公明の賛成も得られるようにマイルドにアレンジしたそうです。
公共の福祉を「公益及び公の秩序」と解釈するのは、美濃部達吉氏などの
戦前に主流だった解釈ですよね~。
自民党のプロジェクトは、どれだけ勉強して憲法を作ったのかも疑問です。
前文に「帰属する国」と書いてしまうように、はじめに国家ありきの憲法に
なっている感じが強いように思いました。
小泉首相は21世紀に名を残す(名物みたいな感じで)首相になるでしょうね。
いい意味でも、悪い意味でも?
21世紀のはじめ、日本に劇場型の政治をもたらした変人と呼ばれる
首相がいた・・・みたいに。
私はもう彼のことはあきらめています。^^;
読み方は人それぞれでよいと思いますが。あまり「楽天」的に読むと、
思わぬ事態が生じそうです。
ただ若い人は、自分が戦争に行く覚悟もあるかどうかは考えた方が
いいかも知れません。
改憲に興味がある人・・・少ないですか?
それが一番困るです。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
20条3項に関してですが・・・
社会的儀礼、習俗的行事の範囲と書き加えることにより、靖国参拝や
地鎮祭などの問題はクリアしようという狙いがあるものと思われます。
私は社会的儀礼=神道儀礼とまでは考えませんけれど、靖国参拝や
自衛隊合祀その他に関して、認めやすくなってしまうように思っています。
靖国問題にせよ、9条の問題にせよ、もっと国民がものを言っていかないと
彼らのペースでコトが運んで行ってしまうと危惧をしています。
私も細々ながら、一生懸命、声をあげて行ければと考えています。
「興味がある人は少ない」については訂正します。
興味のある人は多いかもしれませんが、わかるように行動する人は少ないです。
所謂、喉元すぎればナントカってやつです。
社会人の方なら会社で、学生さんなら学校で、親しい友人から改憲について聞いてみてください。
私は聞いてみましたが、無反応でした。(苦笑)
だから「劇場型」が受けるんだと思ってます。
前原氏には、小泉首相に「こんな改憲なんてあるか馬鹿野郎!」くらい言っていただき、マスコミネタになって、少しでも多くの人に改憲内容を見ていただきたいと思います。
ふざけた書き方しているように思われるかもしれませんが、run様宛てですのであしからず。
>あばさん
私は、自民党はいざという時は公明党を切れるように、民主党右派との
連携を模索しているのではないかと、考えています。
自民党改憲派は9条を変えずして憲法改正をしても、意味はないと思っている
でしょうから。
私の知る範囲では、学会の人たちは平和主義や社会福祉を重要視して
おり、自民にべったりの今の公明党の姿勢に疑問を覚えている人が
少なくないように思います。(選挙で自民の応援をするのも、力がはいら
ないようですし。)
>あらびあさん
確かにまだ、現実感はないようですよね~。
前も書きましたが、目先のことしか考えない人が多い感じですし。
前原氏は、今回の9条案の方が好きそうですからね~。
こういう時に、人気のあった頃の社会党の土井さんみたいな人がいて
くれるといいのですけど。
田中真紀子もちょっと陰りが見えているしな~。誰かいい人はいないでしょうか?
平和派のカリスマ力がある劇場型政治家は。
管氏も一時は、国民的人気があったのですけどね~。
明らかに平和派ではあるのですけど。
妙なスキャンダルなどもあり、カリスマ力もほとんどなくなって
来てしまいました。<残念
あと、上のほうで「喧嘩は相手がいなければできない」とのトラックバックがありましたが、「喧嘩」にたとえるのは言いか悪いかは判りませんが経験によると「喧嘩」は殆どの場合「似たもの同士、悪と悪」との間で起きるような気がします。毅然とした態度で「おまえのようなやつとは馬鹿らしくて喧嘩さえする価値がない」と対応すれば手を上げる場面などに遭遇しないと思います。国家間で言うと「わが国は絶対に戦争をしません、平和主義を貫きます」と主張すればよっぽどの国でない限り戦争を仕掛けてこないでしょう、もしそんな国ならいずれ滅びるでしょう。
日本はそんな立場の国になって欲しいです。
私も9条と同じぐらい96条の改正には反対です。
改正の意図は、今まで改正したくてもできないことがたくさんあったので
コレを機に、もっと簡単に改正できるようにしようという、それだけのこと
でしょう。
彼らは海外の国々が、戦後だけでも、もう何回、何十回と憲法を改正
している・・・60年も変えていないのは日本だけだと言いますが。
それだけ優れた憲法だったのだと思いませんか?
私はこの60年間、日本が小さな戦争に巻き込まれずに済んだのも、
多くの国々から愛されたのも、全て「平和主義」のたまものだと思って
います。
本当にこんな流れは止めなければならないと痛切に感じます。
国民投票法案も含めて、もっと国民が監視し声をあげて行くことが必要
だと思います。お互いに頑張って行きましょう!
私は改憲には必ずしも反対ではないのですが、前文は最悪ですよね。
いっそ、国民公募にしたらとも思います。皆の意識も上がるし。
これからもよろしくお願いします。
私も憲法改正自体には、必ずしも反対ではないのですが・・・。
たまたま色々なブログを読んでいましたら、あまりにも前文に対する
見解や印象がが近かったので、思わず即、TBさせて頂いてしまいました。
こちらこそ、これからも、よろしくお願いいたします。m(__)m
私も12条他の公共の福祉の言い換えは、問題であると思っています。
この次の投稿でアップしますが、今回の草案はまさに国家権力の側から
国民をコントロールする形で憲法を改正することが考えられている面が
あり、基本的人権や個人の尊厳を最大限に尊重することに否定的な
あるのですよね。
特に表現の自由は民主主義にとって最も重要なものですから。
これを侵すことは絶対に許容してはならないと思います。
ブログを拝見している間、ボブ・ディランの「風に吹かれて」がずっと
頭の中に流れていました。
一体、何人の人が死んだら、戦争をやめる気になるのでしょうね。