自衛隊の市民監視活動に違法判決+米軍基地に自衛隊の司令部&日米軍一体化への布石
2012年 03月 27日


最新の記事(10個)のコーナーはヨコの欄に。
*印のついた報道記事は、文末のMore部分にあるです。
まずは、もう5年前の話になるのだが、07年6月に書いた『自衛隊がイラク派遣反対から消費税増税反対まで、市民活動を監視・調査・・・マジに日本はアブナイ!+α』の続報を。
07年6月、共産党の志位書記長が会見を開き、自衛隊が一般市民も含め、監視活動や情報収集を行なっていることがわかったと発表した。
<共産党HPに詳細な記事が(コチラ)。特集ページはコチラに。>
自衛隊の情報保全隊が、03年から共産党や社民党、民主党の議員、一般市民団体、ジャーナリストなどを対象にして、イラクへの自衛隊派遣に反対する者や、当時、自民党が進めていた諸政策(医療費負担増の凍結・見直し、消費税増税など)の反対運動をしている者の監視活動を行なっていたことが、共産党が、その調査資料を入手したことにより発覚したのだ。(@@)
特に当時、小泉首相が実行しようとしていたイラクへの自衛隊派遣に反対する運動や発言の監視、情報収集に関しては、かなり対象者の幅も広く、細かい調査が行なわれていたという。
政治家で言えば、各地の市町村議会でおこなわれた「イラク派兵反対決議」についても、その発議者、賛否議員数、議会構成などについて、詳細に記録している。国会議員についても、民主党の国会議員によるイラク派兵への批判的発言と、それへの対応が記載されていたとのこと。
また、記者やジャーナリストが「懇親会」の席上で、どういう質問をしたかも記録。<某大手新聞社の記者は、「反自衛隊活動」と記されていたとか。>
さらに、一般市民も参加するような消費税増税反対の集会やデモの情報収集や監視活動も行ない、写真撮影などもしていたという。(-"-)
* * * * *
いわゆる極右やサヨクの団体や活動家に関しては、公安警察が情報収集や監視活動を行なっているのは知っていたが。
まさか自衛隊の情報保全隊が、一般市民までを対象にして、イラク派遣に反対する者から消費税増税に反対する者まで、チェックしているとは思いもしていなかったので、この話を知った時には本当にビックリしたものだったのだが。
<このブログも監視されていたりして?^_^;>
当時の記事にも書いたけど。これは決して、他人事だと思ってはいられないことで。
たとえば、これから本格的に憲法9条の改正や集団的自衛権の解釈変更の動きが始まった場合に、一般国民の中で、それに反対する者、反対運動を行なう者はチェックされる可能性があるし。
政府与党の意向に反して、脱原発を訴える者や、消費税増税に反対する者も監視されてしまうおそれが十分にあるのだ。(-"-)
<極端な話、いざ戦争ということになった場合、反戦を訴える団体や市民は、既に作ってある名簿をチェックした上で、自由に行動できないように監視下に置かれたり、身体拘束されたりするおそれだってある。(ーー)>
* * * * *
このような自衛隊の監視活動は個人の人権侵害に当たるとして、調査対象になっていた人たちが、調査の差し止めと損害賠償を求める裁判を起こしていたのだが。
昨日26日、宮城県の仙台地裁で、自衛隊の監視活動は違法だとする判決が出されたという。(**)
『陸上自衛隊の情報保全隊に市民活動を監視され、人権を侵害されたなどとして、東北6県の107人が監視活動の差し止めと計1億700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、仙台地裁であった。
畑一郎裁判長は、原告のうち自衛隊の内部文書に実名などを記載された5人について、人格権の侵害にあたるとして計30万円の支払いを国に命じた。監視活動の差し止めは却下した。弁護団によると、情報保全隊の監視活動を巡る判決は全国で初めて。
訴状で原告側は、情報保全隊が2003年10月~04年2月、自衛隊のイラク派遣に反対するデモや集会を監視し、参加した個人・団体名や活動趣旨などを内部文書にしたとし、「言論表現の自由などを侵害され、精神的苦痛を受けた」と、1人当たり100万円の支払いなどを求めていた。
国側は内部文書の存在について認否を拒否していたが、判決は内部文書と認定。5人については「氏名、職業、所属政党などの思想信条に直結する個人情報を収集している」と指摘した。その上で「国は、正当な目的や必要性を示す具体的な主張をしておらず、自己の個人情報を収集・保有されないという、個人情報をコントロールする権利である人格権の侵害にあたり、違法とみるほかない」と結論づけた。
監視活動の差し止め却下については、「差し止め対象(となる監視活動)の特定を欠いている」とした。(読売新聞3月26日)』
mewは、しっかりと国民の立場に立って、個人の人権の侵害を認め、自衛隊の監視活動を違法だと判断したこの仙台地裁の判決を高く評価したいと思う。(**)
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
長いので、チョットお休みタイム。( ^^) _旦~~so-cha o douzo!
よろしければ、2つのバナーの応援クリックをお願いします。m(__)m


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
でも、自衛隊の情報保全隊は、今でも1000人規模で活動しているとのこと。しかも「インターネットや刊行物、公開の場などからの情報収集活動をしている」ということで、一般市民もその対象になっている可能性は十分にあるし。一体、何をターゲットにして調査しているかも、オモテにはわからないのが実情だ。(-"-)
『活動内容が今回問われた自衛隊の情報保全隊は、他国の情報機関や反体制派に隊員が取り込まれ、機密が流出することなどを防ぐための情報収集に当たる。
ロシア大使館駐在武官に情報を流出させた海上自衛官が00年に逮捕されたのを機に、03年に陸海空自それぞれに発足、09年に防衛相直轄の現組織に統合された。体制は約1000人。
防衛省は「関係法令に基づきインターネットや刊行物、公開の場などからの情報収集活動をしている」と説明するが、防衛省・自衛隊内でも詳しい活動内容を知る人は限られている。
今回の訴訟でも、防衛省は情報収集の関心事や手段、能力が推察されることなどから、判決が「内部文書」と認定した文書についても、保全隊が作成したものかどうかは明らかにしていない。今回の判決に対し、防衛省は「判決内容を慎重に検討し、関係機関と調整の上、適切に対処していきたい」とのコメントを出した。(毎日新聞3月26日)』
* * * * *
mewは、自衛隊が、日本の国土や国民を守るために必要だと思われるような情報収集や監視活動を行なうことにまで異論を唱える気はないのだ。(・・)
でも、上述したように、03年~04年頃に自衛隊が行なっていた調査は、それこそ医療や消費税に関わるものまで含めて、その時の政権与党の方針に沿わない者や団体、また活動の情報を収集することを目的にしていたことは明らかなわけで。
<検察に関わることもそうだけど。小泉元首相&周辺が、いかにアブナイ人たちだったかが、よくわかる事例ではないだろうか?>
政府与党は、自衛隊が、今でもそのような活動をしているのかを調査して、問題のあるものはやめさせるべきではないかと思うし。できれば、民主党が政権の座にあるうちに、しっかりと対応して欲しいところなのだけど。
自民党はもちろん、民主党でも、いわゆる保守タカ派系の首相や閣僚は、自衛隊のこのような調査活動を容認する可能性が大きいようにも思われ・・・。(-"-)
こういうアブナイ活動を自衛隊に行なわせないためにも、やはり早く野田&前原政権を終わらせて、平和&リベラル志向の政権を作らなければならないと思ったmewなのである。(・・)
~ * ~ * ~ * ~ * ~ *~
そして、これは『小沢は修正案も拒否&藤井vs.小沢の攻防に?+迎撃ミサイル配備』の続報になるのだが。
北朝鮮の人工衛星(ミサイル)の迎撃と横田基地の話を・・・。
mewは上にリンクした記事に、迎撃ミサイル配備に関して、『本当に日本の国土を守るために迎撃態勢をとるのか、ともかく日米共同の実戦訓練がしたい&国民に北朝鮮の脅威やMD構想の拡大などの軍事力の必要性をアピールしたくてやるのか』と書いたのだけど。
自衛隊&米軍は、今回の北朝鮮のミサイル発射を活用して、実戦訓練ごっこに燃えているような感じにも見える。(@@)
<北朝鮮が米中の説得に応じて、ミサイル発射をやめたら、むしろガッカリとしちゃったりして。^^;>
来月、北朝鮮が発射する人工衛星(ミサイル)は、沖縄の先方諸島の上空を通過する予定で、防衛省は先週、石垣島などに迎撃ミサイルを運び、配備することに決めたのだけど。
田中防衛大臣は、迎撃ミサイルを首都圏にも配備する計画があることを発表したという。^^;
『北朝鮮による長距離弾道ミサイルとみられる「衛星」発射予告に関し、田中直紀防衛相は26日の参院予算委員会で、飛行ルートに近い沖縄本島や石垣島に加え、首都圏にも航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備する方針を明らかにした。
田中氏は27日に準備命令を出し、30日にも破壊措置命令を発令する方向で調整している。
首都圏について、防衛省では平成21年4月に北朝鮮がミサイルを発射した際に配備した市ケ谷基地(東京都)、朝霞駐屯地(東京都など)、習志野分屯基地(千葉県)を念頭に検討している。
田中氏は予算委で「前回の例にならい、首都圏でも配備していくことで進めている。近々に準備を命じ、その後は速やかに破壊措置命令を出すことを決断したい」と述べた。
海上自衛隊の迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦3隻は沖縄本島付近、先島諸島南方、日本海の3カ所に配置する。(産経新聞3月26日)』
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
長いので、チョットお休みタイム。( ^^) _旦~~so-cha o douzo!
よろしければ、2つのバナーの応援クリックをお願いします。m(__)m


☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
さらに、昨日26日には、航空自衛隊の司令部が、米軍の横田基地に移転して、運用を開始したというニュースをメディア各局が伝えていたのだが。
最初から移転は決まっていたことなのに、いかにも北朝鮮のミサイル対策のために日米軍が連携して活動するためという感じで報道するところが多かったのには、「何だかな~」と思ってしまったところがあった。(~_~;)
『北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際の指揮なども担う航空自衛隊の司令部が、アメリカ軍との連携の強化を図るため、東京・福生(ふっさ)市のアメリカ軍横田基地内に移転し、26日から運用を開始した。
「航空総隊司令部」は、戦闘機部隊や地上配備型迎撃システム「PAC-3」といった高射部隊などを指揮する組織で、これまで府中基地に置かれていたが、日米両政府が2006年に合意した「ロードマップ」に基づき、アメリカ軍横田基地の敷地内に移転し、26日から運用を開始した。
司令部は、アメリカ第5空軍司令部と並んだ建物に置かれ、地下には、共同統合運用調整所が設けられていて、防空・ミサイル防衛に関して、日米の密接な連携や情報共有を図る狙いがある。
航空総隊司令官の斉藤治和空将は「フェーストゥーフェースでの連携の強化や、日米のより実効性ある抑止力および対処力の向上に資することができる」と語った。
北朝鮮の衛星打ち上げ名目での弾道ミサイル発射をめぐり、「破壊措置命令」が出た際には、統合任務部隊の指揮官に航空総隊司令官が就く見通しで、移転した司令部で指揮をとることになる。(FNN3月26日)』
(関連記事*1に)
* * * * *
このブログでは、何度も書いていることなのだけど。自民党は、小泉&安倍政権の時に、2011年頃までに日米安保新体制を築いて、日米軍が一体化して軍事活動を行なえるようにすることを計画。
そして、06年には、日米軍一体化計画を含めたロードマップを作り、航空自衛隊の司令部を、何と米軍の横田基地内に移転することに決めたのである。
<ちなみに海上自衛隊の司令部も、横須賀の米海軍基地の司令部と同じ場所に置かれているし。来年には陸上自衛隊の司令部も米陸軍のキャンプ座間に移転する予定なのだ。>
自民党政権は、当初の計画では、2010~11年頃までには、集団的自衛権を容認する憲法解釈の変更や憲法9条改正も実行に移し、日米新安保条約も締結して、今頃は、日本の国軍が米軍と一緒にアジア&太平洋地域の安保軍事活動を行なう予定だったのだけど。<日本軍(?)の海外派遣もバシバシ行なうつもりだった。>
幸いに、09年に民主党に政権が移ったこともあって、その計画はとりあえず中断されたような状態になっているのだけど。
日米軍の一体化計画の方は着々と進められていて、憲法上、問題のあるような行為の共同訓練もどんどん行なわれているような状況なのである。(-"-)
* * * * *
とはいえ、憲法9条の改正や集団的自衛権の解釈変更が行なわれないと、実際に日米軍が一緒に軍事活動を行なうことはできないのも事実で。
それゆえ、自民党は、政権奪還後にすぐに計画を推進できるように改憲案をまとめたり、改憲する前に集団的自衛権を認めるための法案や施策作りを行なったりしているし。
民主党の野田&前原政権も、PKO法案の改正を突破口にして、集団的自衛権の解釈変更を行なおうと、アレコレ策を練っているところ。<もしかしたら、この春にも、PKO改正案を国会に提出するかも。(ーー)>
ただ、民主党内には、集団的自衛権の行使に反対or慎重な議員が少なからずいるので、党内の理解が得られるかどうかはビミョ~な状態で。<その点が、mew的には、民主党が自民党よりはマシだと思うところかな。>
野田&前原Gが、自民党と早く連携したいと考えているのは、消費税増税法案に協力して欲しいからだけではなく、安保軍事関連の政策や法案、改憲なども協力して進めて行きたいという思いが強いからなのだ。(>_<)
残念ながら、このような話はメディア(特にTV)では、ほとんど取り上げられることはないし。また、何だか最近は、こういう問題を扱う平和志向系のブログが減っているような感じもあって、寂しい限りなのだが。
一つ間違えると、日本は一気にアブナイ方向に進んでしまうおそれが大きいだけに、もっと多くの国民に関心を持ってもらって、この危険な流れを食い止めたいと切に願っているmewなのだった。(@@)
THANKS
【下の2つのランキング・・・できれば、2つともクリックして頂けると、
有難いです。・・・組織票はなく、記事を読んで下さる方々だけが頼りなので、
よろしくお願いします。m(__)m】
↓ このクリックが、mewの大きな励みに。(・・)

人気ブログランキングへ

にほんブログ村
↑ もう一押しが、mewのさらなる励み&エネルギー源に。"^_^"
当ブログと共に、コツコツと頑張り続けている
生活重視のリベラル&平和志向系ブログも応援して下さい。(^^♪
わんばらんすさん、喜八さん、とむ丸さん、秘書玲奈さん、お玉おばさん
へのアクセス&ご支援のクリックをよろしくお願いいたします。m(__)m
また、この他にリベラルor平和系のいいブログがた~くさんあるです。
ぶいっちゃんの「らんきーブログ」、iiyumeさんの「とりあえず書いて
みようか」も必見!(**)
kimeraさんも「kimekime25」で吼えているです。
さらに現政権にノーさんが作った「THE BLOGGER」、晴天とら日和さんが
作った「【政権交代】を目指すブログ結集!」をご参照下さい。
『戦闘機部隊や北朝鮮の弾道ミサイル対処などを指揮する航空自衛隊航空総隊司令部が、空自府中基地(東京都府中市)から在日米軍司令部がある米軍横田基地(東京都福生市)内に26日移転した。移転は自衛隊と米軍の連携強化が目的。日米の司令部が近接して置かれるのは、神奈川県横須賀市の海上自衛隊と米海軍に続いて2カ所目となる。
06年に日米で合意した再編の一環で横田基地内に空自横田基地として司令部庁舎や厚生棟などを約600億円かけて新設し、府中から司令部や作戦情報隊などの約760人が移った。
司令部地下には、大型スクリーンを備え、有事や災害時などに日米の幕僚らが詰める「共同統合運用調整所」を設置。4月とみられる北朝鮮の「衛星」打ち上げへの対処でも、ここで日米が情報を共有し、地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット(PAC3)」や海自のイージス艦の配置などを調整しながら、総隊司令官が指揮を執る。
空自幹部は「これまでは府中と横田を結ぶホットラインで指揮官が連絡を取り合っていた。米軍との一体化という批判的な見方もあるかもしれないが、普段から同じ場所にいて顔を合わせることは、日本側の考え方を米側に理解してもらう上でも意味は大きい」と強調する。
来年3月には陸自も中央即応集団司令部を朝霞駐屯地(東京都練馬区)から在日米陸軍司令部があるキャンプ座間(神奈川県座間市)内に移転させる。
横田基地で26日午前に行われた運用開始式には、斉藤治和・航空総隊司令官とフィールド在日米軍司令官が出席し、テープカットした。(毎日新聞3月26日)』
『弾道ミサイルに対処する部隊などを指揮する航空自衛隊の航空総隊司令部が、東京・府中からアメリカ軍横田基地に移転し、26日から運用を始めました。
北朝鮮が来月中旬に打ち上げを予告している「人工衛星」に関して、自衛隊に「破壊措置命令」が出された場合は、この司令部で部隊の指揮が行われる見通しです。
航空自衛隊の航空総隊司令部は、戦闘機などの部隊の指揮を行っていますが、弾道ミサイルなどに関して自衛隊に「破壊措置命令」が出された場合には、海上自衛隊のイージス艦や、地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」の部隊なども一元的に指揮することになっています。
司令部は、平成18年の在日アメリカ軍再編に関する日米合意に基づいて、アメリカ軍横田基地の中に移転したもので、26日から運用を始めました。
司令部の庁舎は、在日アメリカ軍司令部に隣接していて、26日は地下1階に設けられた日米共同調整所が報道陣に公開されました。
調整所は日米間の情報共有態勢の強化などを目的としたもので、数百平方メートルの広さがあり、日米のレーダーなどが捉えた情報を表示する大型の画面や関係部隊と連絡を取るための通信機器などが設置されています。
北朝鮮が来月中旬に打ち上げを予告している「人工衛星」に関して、防衛大臣から自衛隊に破壊措置命令が出された場合は、この調整所で日米の担当者が情報を共有しながら対応に当たる見通しです。
航空総隊司令部トップの齊藤治和司令官は、横田基地で行われた記念式典で、「司令部の移転によって防空や弾道ミサイル防衛の際に、日米の連携が強化され対処力が向上すると考えている」と述べました。
.より迅速に弾道ミサイルに対処
防衛省・自衛隊は航空総隊司令部の移転によって日米間の情報共有態勢が強化され、より迅速に弾道ミサイルへの対処が行えるようになるとしています。
弾道ミサイルに対処する「ミサイル防衛システム」は発射を探知したあと、レーダーで追尾を行い、飛行コースを予測したうえで迎撃ミサイルを発射する流れになっています。
最も早く発射を探知するのはアメリカの早期警戒衛星で、その後、全国に配備されている高性能レーダーや、海上に展開した日米のイージス艦のレーダーなどで追尾を行い、情報を共有します。
しかし、ロケットエンジンを推進力に用いる弾道ミサイルは音速の数倍から十数倍もの速度で飛行することから、発射から着弾まで10分程度しかかからない場合もあります。
2009年4月に北朝鮮は人工衛星と称してミサイルを発射していますが、このときは発射からおよそ7分後にロケットの1段目が、13分後にはロケットの2段目が日本海や太平洋に落下したとみられています。
今回、航空総隊司令部に設けられた日米共同調整所では双方の担当者たちが集約された情報を基にその場で判断できることから、防衛省・自衛隊は日米間の情報共有態勢が強化され、より迅速に弾道ミサイルへの対処が行えるようになるとしています。(NHK3月26日)』
*******
おまけ
『自民党の石破茂安全保障調査会長は22日、同調査会と国防部会の合同会議に、憲法改正によらずに集団的自衛権の行使を可能にする安全保障基本法案の私案を提示した。同案をたたき台に、次期衆院選前の法案取りまとめを目指す。衆院選公約にも同法制定を明記する方向だ。
私案は「わが国は自衛隊により、国連憲章に定められた権利を行使することができる」と、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更を明記。「核兵器は開発・生産・保有しない」として、非核三原則の一部法制化も盛り込んでいる。(時事通信3月22日)』