設計書類偽造問題・・・何でも「官から民へ」にするのはアブナイ!(1)
2005年 11月 20日
件が発覚し、大きな問題になっている。
震度5程度でも崩壊するおそれのあるビルがあるようで、まさに人命や財産を左右する
ような問題である。
もちろん最も悪いのは、偽造した設計士であり、それを依頼または容認した業者である
ことは言うまでもない。(これもやたらコストダウン&利益を優先する傾向が影響して
いるかも知れないとも思う。)
だが、もう一つ問題視されているのが、民間の検査機関がチェックできなかったのか
ということである。(国交省や設計関連の団体などもこの点を指摘している。)
家や建物を建てるには、建築確認申請をして確認を受けないと、工事に着工できない。
また建物の種類によっては、地震や災害に耐え得るかのチェックも受けなければなら
ないことになっている。(確認申請も含め、通常3回検査を受けるようだ。)
この建築確認は、かつては地方公共団体が行なっていたのだが、平成12年から民営
委託が可能になって、特に都市部では民間の会社(指定確認検査機関)が行なうケース
が増えている。
いわゆる「官から民へ」「民にできることは民に」の現われの一つである
このニュースをきいた時に、私は「ああ、やっぱり」と思った。実は知人がマンショ
ンを建てた時に、このような民間の検査機関に確認や検査をさせるのが妥当なのかどう
かと考えさせられたことがあったからである。経緯は後述するが、その時に建築メーカ
ーの営業マンが自慢げに放った言葉を思い出した。
「大丈夫ですよ。あのXXという会社(検査機関)の幹部には、うちの会社の上にいた
人がはいっていますから。多少のことがあっても、確認や検査はスムーズに進みます。」
確かに民間会社が建築確認や諸検査を行なうようになってから、スピードや効率は
随分アップしたという。しかし、民間はどうしても利益を優先するため、その弊害も
大きい。公共的な使命は忘れがちになり、いくつ仕事をこなすか、いかに自社や関係者
に利益をもたらすかという観点が優先されてしまうのだ。
もちろん公務員が行なったとしても、若干の癒着やら私心での判断を行なったりなど
の問題はあるだろう。しかし、民間はほとんどが癒着や私心、私益がメインになって
しまうおそれがあるのだ。
ちなみに、上述のXXという会社は、いくつかの建築メーカーが資本を出し合って
作ったところである。おそらく各社から人材も送っているのだと思われる。そこに、
出資者たるメーカーが確認や検査を依頼するのだから、それは便宜をはかってくれるに
違いない。メーカー側の利益を優先すれば、多少、書類や構造に問題があっても目を
つぶってくれるのかも知れない。しかし、もし何かあった時に被害を受けるのは、
その建物を利用する一般市民なのである。
近時は、次々と民営化や民間委託の話が出ている。先日知ったことに、違法駐車の
取り締りも民間会社に委託されるらしい。
官がやっていたことで、民にできることはいくらでもある。中には民営化、民間委託
した方がいいものもあるかも知れない。しかし、公共的な観点から審査や判断が伴う
もの、国民の身体や生活の安全や財産などに大きく関わるものについては、民にはでき
ても、民にさせることが望ましいかどうかという点に疑問を覚える。
「官がした方がいいことは官に。民がした方がいいことは民に」という視点が必要なの
ではないだろうか?
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平成12年以前、まだ建築確認や様々な検査を地方公共団体の建築主事が行なって
いた頃のこと。私は、近所や知り合いの人たちが家やアパート等の建築や増改築をする
際に、確認申請や検査などに関してアレコレ怒ったり、ぼやいたりする声をきいたこと
があった。
あまり細かいことは覚えていないが、建蔽率の解釈でもめたり、隣の家との間隔が
問題になったり、屋根が道路側に突き出し過ぎであるとか、アパートの横の幅が避難路
として十分でないと指摘されたりなどなど、中にはわずか10cm内外のことが問題に
なったこともあった。高台に家を建てようとした知人が、地盤の強度に問題があり、多量
の降雨や地震の際に、下にある家や道路に被害をもたらすおそれがあると指摘され、
一千万を超える補強工事を行なうか否かで苦悩したのも印象深い。逆に親族宅では、近く
に立つマンションが日照権の妨げになるということで、近隣住民がマンションの建築確認
申請を認めないように運動を起こし、設計を変更させたという話もきいたことがある。
また、特に阪神大震災の後には、震災や火災に関して、建物に構造や設備に関しての
基準が厳しくなったようで、その対応に苦慮する知人も少なくなかった。
私は当時、まだ現実的にそれらの話を受け止められない部分も多かったのだが、どう
も建築確認や検査は大変なものらしいというイメージだけは強く抱かされたところが
ある。そして周囲の人の声から「役所は杓子定規で、融通がきかない」「何をするにも
時間がかかるし面倒なことが多い」というイメージも抱いたものだった。
だが、同時に役所というのは、単にその建物が建築基準等に合っているかどうかという
だけではなく、日照権とか災害拡大の防止、避難路の確保など公共的な観点から建築物と
いうものをとらえているのだな~と思わされる部分もあった。
知人がマンションを建てることになったのは、平成12年以降のことであるが。私は、
その時に初めて、建築確認等が民間の会社に委託されるようになったことを知って、
少し驚いたところがあった。果たして民間の会社に、上述のような第三者として公正中立
な判断や公共的視点からの審査ができるのか疑問に思ったからである。それは、前半に
書いた営業マンの言葉をきいた時に、尚更、強くなった。
実は、建築確認申請の際に、そのメーカーの設計部門が提出した書類に不備があって、
建築確認やその後の着工が遅れそうになったのである。建築確認&着工の遅れは、融資や
入居者募集にも関わって来るだけに大きな問題であった。おそらくその営業マンは、知人
の心配を払拭すべく、上述の「大丈夫ですよ・・・」の言葉を放ったのであろう。だが、
それは、別の意味で、知人や私の不安感を募らせることにもなった。知人は、建物の耐震
性を気にしており、建築確認や途中の検査の際にきちんとチェックをして欲しいと考えて
いたからである。だが、メーカーと検査機関に資本や人事(お金と人)の関わりがあり
「多少のことがあっても確認や検査が通ってしまう」とすれば、第三者として客観的に
厳しい目でチェックしてもらえるかどうかわからない。
私たちは他の知人の協力も得て、その検査機関の会社について調べたり、情報収集を
したり、直接、その会社の人と話をしたり、検査の際には時間がある者が立ち会って、
疑問点があれば色々と聴くことにした。
私が完了の検査に立ち会った時のこと。検査員は図面を見ながらさっさと各部屋を
回り、驚くほどあっという間に終わってしまった。たまたま検査員と二人きりになって
話す機会があった。「もう終わりなんですか?」「私たちは図面と実際の建物が一致して
いるかどうかを見るのが仕事ですから。この建物は問題がありません。」「建物の構造
とか耐震性に関してもチェックして頂けたのでしょうか?」「設計の書類から、耐震性は
計算されていますし。その図面と一致していれば、大丈夫でしょう。まあ、OOさん
(メーカー)は、耐震性には力を入れているところですから、心配は要りませんよ」
「・・・・」 <先述の通り、このXXという指定検査機関の民間会社は、OOという
メーカーから出資を受け、幹部も派遣されて成り立っている会社である。>
その後、XXという会社に関して、いくつかの話をきいた。
他の知人が、家を建てた時のこと。やはり耐震性やその他の建物の安全性を懸念してい
た知人は、第三者機関にチェックをしてもらうことを考えていた。それを知った住宅メー
カーの担当が「XXという会社は、第三者として住宅の耐震性や性能をチェックして評価
してくれますよ」と推奨したらしい。その知人は十数万円を支払って、その検査を依頼し、
やがて耐震性などに関する書類が届いたという。「でも、そこがいつ、どういう検査を
したのか、わからないのよね~。本当に大丈夫なのかしら?」
その住宅メーカーが、XXに出資していたことは言うまでもない。あくまでも推測だが、
その評価は、メーカーが出した設計その他の書面に基づくものだろう。
また、そのXXという会社が新聞に載ったこともあった。資格のない者に検査をさせて
いたために、行政指導を受けたという記事だった。
ただし、今回の事件では、いい方の意味で新聞に載っていた。関係者が「XXはチェック
が厳しいので、イーホームズに依頼することにした」と発言したという記事があったのだ。
もしXXがきちんとチェックする機関だったとしたなら、知人たちも私も少しはほっとでき
る面がある。
つい指定検査機関のXXという会社についての話が長くなってしまったが。たまたま、
今回で問題になっている民間の検査機関と接する機会があったので、その体験や見聞した
ことを書いた方がいいかと思い、記すことにした。
ただ、この例でも見るように、民間の指定検査機関のチェックは、形式的になっている
ような部分がある気がする。
もし仮に民間委託をするとしても、公的な要素のある建築士の団体とかに委ねるなら
わかるが、建築、建設、販売会社や金融機関などが出資するような一般的な民間会社に
中立公正な判断を求めるのにはムリがあるのではないだろうか。
確かに、建築主にとっても建築会社にとっても、スピードや効率、サービスはよくて
便利な存在かも知れない。検査機関と各社の関係も、お互いにおいしいのかも知れない。
だが、公共的な使命も持って安全性を確保するための確認や検査を行なうという面に関し
ては、期待しにくいように思える。
もし、今でも地方公共団体が建築確認や検査を行なっていたら、今回の件は早めに
チェックしたり、防止し得たのであろうか?
それは(2)で検討してみたい。
<つづく> THANKS
って本当かな? これが正しいなら、前にあった明治安田生命の保険金の不払い事件なんて起こっていないのでは? というのも毎年のように金融庁は同社に検査を行っていたわけだし、明治生命と、安田生命の合併にあたっては普段以上に厳しいチェックが入ったわけで・・・先日飲食店に行き、カウンターに座ったときに厨房が見えて、コックがまな板から床に転げ落ちた茄子の切れ端をそのまま拾い上げて(洗いもせず)まな板の上のものと混ぜて調理していた。きっと彼は、自分が食べないものだからそうしたんだろうと思う。今回の件も、自分が住まないから、耐震性なんかどうでもいいや、ということで設計し、チェックし、それでこうなちゃっているわけで、「官がした方がいいことは官に。民がした方がいいことは民に」という視点が必要なのではないだろうか? という視点だけでは解決しないのではないかと思います。
この言葉に対して、さまざまな人がそれぞれの立場から賛成反対を唱えている。私はどちらかというと「民間で出来ないことや、民間にやらせてはいけないことまで民にやらせてはいけない」と
どちらにせよ同じようで解かりにくいのですが(笑)
つまり金儲けのみをたくらんでいるものたちへ、国民の命や財産を守る仕事を与えてはならない!
アメリカでは「アスベスト」の被害者に対して、政府はあずかり知らぬこととして、国としては何らの救済はしていないと聞きますが、被害者は加害アスベスト企業に訴訟を行うことしか方法はありません。
裁判は大方勝訴ですが訴訟が経済的理由から出来ないでいる人も有るようです。(その企業も大部分が倒産w)
アメリカのことはよく分かりませんが、製造も販売も自由で、全て勝手に「いわゆる民」がやったということなのでしょうか?許認可?など無い?!
なんの監督も、いや今回のように監督さえも民間に任せることが、私たちにとって良いわけはありません。
この問題は、どちらが監督をやっていたって発生していたと私は思います。
完全に個人の道徳感の問題です。真面目にやっている設計事務所と建設会社はいくらでもありますから。
小泉さんのおっしゃるとおりはこの通りです。
本当に必要な、安全を守ることは誰がすべきか・・・
しかし、この官から民へをみんなが指示して、高支持率を続けている小泉政権
はやはり、国民が指示したことです。
問題が発生してから、国が悪いとか、役人が悪いとか言うのは筋違いでは??
みんなで決めた政治家が行った政策の結果ですから、国民全体の責任のはずでは?
なんで、川崎市が責められてるの?
買った住民は問題がなかったのかな?
それこそ、住民が国や川崎市に責任を転嫁しているようにも見えてしまいます。
住民の方には申し訳ないのですが、記者会見をしていた住民の方の態度にはちょっとね!!
建築確認は、もともと国+地方公共団体の仕事で、地方公共団体の建築主事
がやっていたことを、民間に委託するようになったので「官から民へ」の
ケースになりますが。
明治安田生命の問題の場合は、もともと民間企業としてやっていた仕事で
あり、ひとつひとつの保険金支払いに関して国がチェックする立場には
ないので「官から民へ」のケースとは違うようにも思います。
むしろこの支払いの問題は、国際化&規制緩和によって外国の保険会社
が進出して来て、コストダウンを迫られた結果、起きた問題なのではないかと
思うところがあります。
ただ、いづれにせよ仕事にプライドがない&他人のことはどうでもいいと
いう現われであると、私も思います。
>「民間で出来ないことや、民間にやらせてはいけないことまで民にやらせてはいけない」と
私も同感です。
民に任せてもOKなことと、民に任せない方がいいことと、もう少し考えて
欲しいように思います。
国民の生命、身体、財産を守るのが国の最大の仕事ですから。
<日本に軍隊をという主張の人だって、それを大きな理由に挙げて
いるぐらいで。>
アメリカは小さな政府&自己責任の原則が国民にも普及しているところ
なので、国民もそれで納得するのかも知れませんが。
私は日本はそういう形が合っているとは思わないんですよね~。
これを機に利益優先、効率重視という風潮に関して、疑問が呈される
といいかな~と思っています。
>あらびあさんへ
確かに、一番問題なのは、実際に偽造に関わった人や業者だと思います。
自分の仕事にプライドを持っていない上に、それを買った人、利用する人の
生命や身体や財産などに関して配慮できない姿勢は、問題外という感じが
します。
ただ、建築確認を民間が行なうようになった弊害もあると思います。
仲間うちで確認や検査を行なうほど、危険なものはありませんから。
>若さんへ
これは、公開、非公開?(笑)
とりあえず、ノーコメントということで・・・。
正直なところ、私も知人のマンションの件があるまでは、建築確認を
民間の会社ができることになったとは知らず、ちょっとビックリしました。
それこそ、こういう問題でも起きないと、多くの国民はその事実を知らないまま
でいたかも知れないと思います。
結局、多くの国民は「官から民へ」はどういうことにつながるのか、よく
わからないままに自民党を支持をしているのかも知れません。
これが色々と考えるきっかけになればいいと思う面があります。
住人の方々は、急にこの事実を知らされて、動揺しているように思います。
ただ住人は、きちんと法的な手続きなふまれていれば、安全性は保証
されていると思っても、無理からぬ面があるようにも思います。
マンションを買ったり、借りたりする時に、どのように耐震構造が安全かを
調べる方法があるのでしょうか?
かと言って、民と民の問題になれば、国の責任を問うのも難しいですし。
そこが「官から民へ」のもう一つの問題点かも知れません。
http://www.ur-net.go.jp/press/h17/rebuild/rebuild-1.html
↓建替えも支援します。
http://www.ur-net.go.jp/psk/tatekae/sankou02.html
取り急ぎTB返しで戻ります。また来ます〜 失礼を
政府は,郵政公社や独立行政法人などに対し,「官でなければならない理由がないから民営化」という論理を使います。
「官でなければならない仕事」って何でしょうか。
そんなことを言うなら,総理大臣も民営化して,報酬は国民からの匿名寄付金にすればいいんじゃないでしょうか。
それでは、元・公団のUR都市機構に買い取って頂いて、
耐震診断&立替をしてもらいましょうか?
そうなんですよね。官でなければできない仕事なんてないのです。
軍隊だって、傭兵の会社を使えば、お金で雇えますしね。
外交だって、商事会社にやってもらった方が、よっぽど日本の利益に
なるような外交をやるかもですよね。
ただ公正中立が必要な仕事や、判断により大きな利益がからむ仕事は、
やはり民間に任せない方がいいと思います。
悲しいかな、不効率で利益がでない仕事で、それでもやらなくてはならない
仕事が官がやるのかな・・・
命にかかる仕事なのに利益がでない仕事はごまんとある気がします。
今回の問題を、官の怠慢として処理してしまっては、本当の意味で
日本国民の自己責任意識の向上にはつながらない気がします。
自己の財産は自己が守る時代かもしれません。
国の仕事は、我々の①身体、②生命、③財産を守るって言っていましたが
最終的には、①身体と②生命のみを厳格に税金で守ることが、金がない日本の
実情になるのではないかな・・・
まさに「不効率で利益がでない仕事で、それでもやらなくてはならない
仕事が官がやる」べきなのだと思います。
あと公正中立性が必要な仕事も官がやるべきだと思います。
国民は、利益が出ない仕事を国がやるために、税金を払っているのですから。
私、一つ伺いたいのですが。もし、自己責任の原則が必要だとして、
今回のマンションを買った人は、どのようにしたら、このマンションの耐震
構造が安全かどうかを調べることができたのでしょうか?
私はそれを調べる役割を担っていたのが、検査機関だったと思うのですけど。
検査機関もわからないような偽造&建築だったら責めることはできませんが。
もしいい加減な検査をしてたら、問題になると思います。
ご訪問いただきありがとうございました。
最近とても騒がれていますね。1級建築士の騒動。
責任のなすりつけあいで揉めるのかと思うと・・・なんだか嫌ですね。
あくまで、この事件の場合は民事なので、偽造したとはいえ、建築士の方は責任をかぶることは殆ど無く、それ以降の検査機関の問題になると思います。うん???本当にそうか?刑法には引っかからないのか・・・?
と頭が混乱してきてしまいました。こういうことはもっと勉強してから
言わなければいけませんね(><)管理人さん、ここのブログはとても知識になって、有益な時間を過ごすことができます。とても素晴らしいブログだと思います。遅くなりましたが勉強頑張れと励ましてくださってとても嬉しかったです☆☆☆
もっと勉強して、議論が出来るように、どんどん知識を吸収してもっと
レベルの高いコメントがかけるようにいっそうの努力をしていきたいと感じます。また、読みに来ますね☆☆☆僕のブログは、管理人様に有益な情報というものは、あまりありませんが、お暇があればまた覗きに来て下さると嬉しいです。それでは失礼致します。
今は故人となってしまっていて、本棚にあった強度計算に関する書籍もどうなったかだが・・
やはり役所への日参は毎度のことだし、相当の日数が掛かったようでした。
もちろん義父よりもっと優秀な建築士なら日数が少なかったかも知れないが・・
民間検査機関は公へ行くよりお金の面で高いと聞く。
お金が高くても審査の内容が同程度で、スピードのみが速いというなら、存在価値もあるだろう。しかし、手抜きや意識的な見過ごしが日常的に行われる組織なら、それは社会にとって害をもたらすものでしか無い。
同業者ばかりで固めた組織に真の安心は期待できない。
どれほど面倒であっても、別組織の監査、監督が必要だと思うのです。
官としては、なんだかんだ言っても住民のほうに向いてしまうんです。
民間が営利企業としてお客・株主のほうを見ているのは当然です。
私は官と民が並存していても構わないと思っています。どちらを選ぶかは自由です。官では防ぎえたかと問われれば?ですが。(2)期待しております
今回はそこが一番難しい問題だと思います。
構造計算書は、かなり高度な計算で、出された成果物の書面をみても
おそらく、すぐに偽装かどうかは見抜けないと思います。
仮に、役所でやっていてもこれを見抜くことは出来なかったのかもしれません。
となると、もともと官から民への移行は、性善説にたった政治判断であり、
今回の事件は、官から民へ移行する際の性善説を否定したことが最も
問題となるべきなのです。
既に事件の被害者となってしまった住民の方は、そういった意味では最初の
被害者であり、救済に値するかもしれません。
しかし、性悪説に基づいた手続きで行われる今後の行政手続きは、そこに
関与すべき人(今回はマンションの購入者や施主)が何らかの確認が必要と
なると言うことです。
そう考えると、今回の事件は刑事事件、民事事件のほか社会道徳に対する
日本人の考え方を改める必要があることを啓示しているのかもしれません。
この問題が試験とかに事例として出されたら、どのように考えるか・・・
難しいですね。
もし検査機関が偽造や違法建築を見落としたことに故意、過失があったら、
国の監督責任まで問題にして国賠法まで持って行けるのでしょうか?
(行政法を勉強していないので、わかりませぬ・・・。^^;)
たくさん勉強してどんどん単位をとっておられるようで、しかも英語も
勉強されていてスゴイな~と思っています。
私は、今、noriさんのブログで英語を勉強させて頂けそうです。
(すっかり難しい英単語は忘れてしまったんですよね~。)
お互いに頑張って行きましょう!
ニケさんのブログも拝見して、コメントして来たところでした。
お義父さまが、建築士でいらしたのですね。
当時の役所は、なかなか手ごわかったのかも知れません。(笑)
建築確認というのは公共的な視点が必要なものですから、仮に民間委託
するとしても、もっと第三者的な立場でチェックできるところに限らないと
いけないように思います。
民間業者のお手盛りになるようなシステムは、色々な弊害が出て来るように
思うです。
ここら辺の「構造改革」を望みたいところですね。
実は先ほど04mさんのブログを拝見して、あとでTBをさせて頂こうと
思っていたところでした。
現場にいらした方のご意見は、貴重なものだと思います。
今、(2)を書いている最中なのですが、官の方がやはり公共的視点が
ありますし、あとに生じる問題についての責任感があるような気がしています。
官民、どちらか選べればいいのですけれど。一般市民の場合、住宅メーカー
等が、もう検査機関を決めてしまっていて、選択肢が与えられない建築
主もいるのではないかな~と思ったりもします。
あえて性悪説で考えろとは言いませんが、政治家&官僚だって、世の中
きれいごとばかりではないことぐらい、よくわかっていると思いますし。
(ましてや、この業界は・・・?!)
利害関係を持つような機関が、公正中立に判断し得ないことぐらいは
考えて欲しかったようにも思います。
住民に関しては、私は今回の場合、偽造や強度不足を見抜くことを要求
するのは不可能であったと思うので、自己責任は問いにくいように
思っています。(もし建物に関わった会社が過去に問題でも起こして
いれば、調査不足だったと言えるかも知れませんが。)
何だか色々な面で、とても考えることが多い事件になりました。
今回のチェック機構も「官から民に」移行したことで、このような問題を作った、あるいはJR福知山線の事故だって同類だと主張する人がいるみたいですが、私は違うと思います。
それは、大手の車会社を見てもらえれば分かると思います。
つまり「利益を最優先にする」という考え方=民間と捕らえすぎです。
仮に官でこの仕事をしたところで、結局何も変わらないと思うのです。
結局「一企業としての心構え」の違いによるものですよ。
変な話ですが、民間の仕事に安全性より利益を優先していると解釈できるのであれば、あなたが所持している電気製品も、いつ火を吹くか分かりません。
単純な解釈かもしれませんが、この仕事が仮に官にもどったとしても、チェック時間が長引くだけで所詮人がチェックしているわけです。私なら、耐震構造資料などのあり方、もう少し明確に出来る工夫、エンドユーザでもすぐに分かるような工夫などが必要だと思いますね。
それはそうとこれいまだに書面でやり取りしているとは、私も驚きましたね。このご時勢に。
小嶋社長は事件発覚の2日後にゴルフ、木村建設は破産申請の記者会見、姉歯建築士は建築士などから「鉄筋の量を減らせ。」と指示されたことを明らかにした、今日のNEWS聞いているだけでコメントをするのを忘れてしまいます。
でも、今回の件で税金を投入することには疑問を感じます。
それもマスコミの報道の仕方によって世論が動いていくようにも思えます。
電器製品の場合は、少し話が違うように思います。というのも、電器メーカー
は、消費者を相手に利益を得ているところで、もし安全性に問題があれば
消費者にそっぽを向かれ、利益を失ってしまうからです。
ここは安全性に関しては、利害が一致しているんですよね。
本当は、検査機関もそうあるべきなのでしょうが。一般の家屋などの建築確認
などの場合なら、安全性軽視は利益損失につながるのですけど。
または、建築会社等も安全性を重視してくれれば、そうなるのでしょうけど。
安全性よりコスト、スピード、効率重視になってしまうと、異なる結果になって
しまうように思われます。福知山線の件も、そのようなことが問題だった
のではないかと思っています。
これから、それぞれが責任のなすり合いをして、事態がどろ沼化するのが
問題の建物や周辺の住民やホテルなどにに一番困ることだと思います。
唯一、偽造を認めている姉歯氏には、賠償するだけの資力なないでしょうし。
私は、ここは国や地公体がどこまで金銭的なフォローをすべきなのか
考えがかたまらない状況です。
住民の安全性はいち早く確保すべきだと思うのですが、どういう形で
国や地公体が関与すべきか、本当に難しい問題だと思います。
国民・市民のために働いてくれるというのは思い込みで、
僕が知る範囲では、給料をもらうためにやってます。
それは、民間でも一緒で、会社の利益のためではなくて、
自分の利益のためにやってるわけです。
それを越えた意識の人は、民でも官でもどちらにいても、
きちんとお客様の方を向いてます。
むろん、官の方が「国民・市民のため」という意識は強い
ですが、一方で「高い税金を払ってもサービスしてほしい」と
思われているかどうかを顧みない特徴があります。
消費税がいい例ですね。僕は最終的に消費税率アップは
賛成派ですが、節約が足りないのは、周知の通りです。
あと、官がやるべきといっても、官も所詮国民です。
特定郵便局で分かるように、官がやるべきことを増やすためには
民から官への登用が必要になります。
最終的には、単純に社会主義になるだけです。
官がいかにも民とは違う、別格の存在というように考えると
話がずれます。
ちなみに他の記事にも書いていますが、私は自由民主主義をこよなく愛する
人間ですので、社会主義化は望んでいませんし、全てにおいて民<官だとも
思ってはいません。もちろん官だっても民だって、基本的には自分の生活
や利益のために仕事をしているのだとも思っています。
ただ、たとえば今回の検査に当たった人が、申請書がおかしいと思ったとした
時に、どちらが拒絶しやすいか・・・と言えば、官なのではないでしょうか?
民の方が、会社だけでなく、自分の利益も失うことになるかも知れないからです。
この件は(2)の後半に書こうと思っているので、もしよろしかったら、後日にでも読んでください。
もー、まさに「日本がアブナイ!」でして、ぜひ「改革ファシズムを止めるブロガー同盟」にご参加を。よろしく。
JICAのプロジェクトを民間に委託することが増えてきたのですが、受注することだけ考えて、受注したプロジェクトの遂行はいい加減で成長しているところがあります。
なんでも民間はやはり危険です。
もう何かにつけ「新自由主義だ~」と思ってしまう今日このごろ、
日本がこの波間に沈んでしまうのは何とか避けたいものです。
ブロガー同盟へのお誘い有難いのですが、まだそのような域には
達していませんので。皆様のご活躍をお祈りしています。
残念ながら、Ganbareさんのページがうまく開かず、拝見できませんでしたが・・
JICAではないかも知れないのですが、知人からきいた話では、国際貢献の
名目の下に、資源や建築その他で利益になりそうな所は積極的に受注する
けど、利益にならないと思ったらすぐ手を引いてしまうところが少なくない
とか?
民はますます利益追求の姿勢が強くなっているような気がします。