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維新の憲法観に各党が(維新内も)引きまくり+96条改正の争点化を望む

  これは4月4日、2本目の記事です。

頑張ろう、東日本&ニッポン!今年は、さらなる前進を。o(^-^)o 

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 日本維新の会が、先月30日に発表した新綱領に記された憲法観、国家観には、かなり違和感を覚えたor引いてしまった議員が多かった様子。
 それこそ、維新の会の中にも「あの考えや表現にはついていけない」と嘆いていていた議員が少なからずいたようだ。(~_~;)

 維新の会の綱領の総論部分を*1にアップしておくが。(全文は維新HP・コチラに)

 維新の超保守カラーが強く出ているのは、「我が国の歴史と文化に誇りを抱き、良き伝統を保守」し、「賢くて強い日本を構築する」という部分や、基本方針の1番目に掲げた憲法&国家観ではないかと思われる。

1・日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる。

<この憲法観&国家観は、程度の差はあれ、基本的には安倍首相らの日本会議系の超保守派も共有していることを覚えておいて欲しい。(・・)>

* * * * *

 民主党は1日、この綱領を見て「憲法観が違う」として役員会で維新と選挙協力を行なわないことを決定したのだが。(+維新の「自立」と民主党の「共生」の理念も違うと主張。)
<関連記事・『民主、維新と憲法観の違いから参院選共闘せず。正解! 』 >

 しかも、同じ維新の会の議員や、改憲派の自民党やみんなの党、生活などからも、とまどいの声や疑問の声が出ているという。

『■小沢鋭仁・日本維新の会国会議員団国会対策委員長

 私の体質、カラーからしたら、党綱領の憲法の表現は、かなり過激だなと思っている。あまりレトリック、修辞のところは気にしない方がいいんじゃないかな。正直言って、私のカラーとか体質とはかなり違うなと率直に感想としてはあるんですけど、政治ですから。
 最大のポイントは、改正をするのかしないのか。「維新は改正をする」ということを明快に言い切った。それも「破棄」や「無効」ではない、「改正」と言ったところが今回の綱領のポイントだと、皆さんにはぜひお読み取りをいただければ、私としても大変うれしい。(国会内での記者会見で) (朝日新聞4月3日)』

<この小沢氏の発言(後半部分)の真意は後述>


『自民党の石破茂幹事長は一日の記者会見で、維新の憲法に関する綱領の内容について「認識を共有する」と評価。ただ、綱領が現憲法を「絶対平和主義という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶」と酷評した点には「絶対平和主義という言葉かどうかは知らない。国家として『憲法が悪かった』と言うべきだと思っていない」と複雑な反応も見せた。(東京新聞4月2日)』

『参院選での選挙協力を進め、最も維新と距離が近いみんなの党の渡辺喜美代表は「憲法を時代に合わせて変えていこうというのはその通りだと思うが、そのレトリック(修辞法)を聞いて思わず後ずさりした」と困惑。「別々の政党でやっていく方が、これからの政界再編にとってはいい気がする」と合流を否定した。(同上)』

<みんなの党の江田幹事長も「戦後憲法は基本的人権の尊重や三権分立など民主主義的な価値観を導入し、軽武装で戦後の復興・成長に果たした役割は大きいというのが私の基本的な認識だ」として、維新の憲法観を共有できないと語っていたという。(神奈川4.3など)>

 また、生活の党の小沢代表もこのように述べていた。

『過去の「護憲だ」「改憲だ」と続いている論争は意味がない。日本維新の会のように一方的に「占領下で占領軍主導で作られた憲法だ」ということを改憲の理由にすれば、法律上いろんな問題が出てくるし、憲法が全部悪いっちゅうことになる。

 憲法改正になると必然的に維新は自民党と連立か連携をするっちゅうことでしょ。「維新は体制を変革する」というイメージでみんなが捉えているから、それが旧体制と一緒になることの方が政治的には大きな意味なんじゃないですか。国民は「ハテナ」という感じを持つかもしれません。(東京都内で記者団に) (朝日新聞4月1日)

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 実は、維新の会内部でも、この綱領の作成過程では、色々な意見が出ていたという。

 たとえば、「綱領に『保守』を書き込む必要があるのか」「憲法に関する表現は偏向しているのではないか」「改憲要件を国会の統治部分は1/2、他の部分は2/3にする方がいいのではないか」などなどの提言がなされていたのだが。
 どうやら、結局、石原太陽族に押し切られてしまったようだ。^^;

<mewはこれらの報道を見て「維新にも、チョットはまともな議員がいたのね~」と思っていたのだけどね。特に改憲要件のアイデアは、個人的には反対だけど「よく考えたな~。一理あるな~」と感心した&興味深く思ったです。>

 また何と橋下氏も、石原氏との間で戦いを繰り広げ(?)、何とか「憲法破棄」を「憲法改正」という表現に押しとどめたことを明かしていたという。

『日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は29日、30日の結党大会で決定する新たな党綱領に、現行憲法を「今の全ての元凶である占領憲法」と明記し、改正を実現するとの内容を盛り込むことを明らかにした。市役所で記者団の質問に答えた。

 石原慎太郎共同代表の意向を尊重したためと説明。石原氏は現行憲法の「破棄」とするよう主張したが、「改正」との表現に落ち着いた経緯があったとも語った。

 橋下氏によると、綱領には「国家・民族の自立で国家を蘇生させる」との文言も盛り込んだ。「民族」との表現について「僕は『国家の自立』でいいと思ったが、石原氏に強い思い入れがあった」と述べた。(共同通信3月29日)』

* * * * *

 橋下氏は保守派であるものの、石原氏や平沼「た」党の超保守(真正保守)派が信奉する戦前復古主義的な思想には真っ向から反発。

 昨年11月に太陽との合流の協議を行なっていた時にも、「た」党に関して「思考停止している。維新に必要ない」。『真正保守』『真正保守』という風にこだわられるのならば、そういうグループでしたほうがいいのでは」「真正保守ってことで全部、政策決定されるのか。世代間のギャップってものをスゴイ感じる」などと批判を行ない、当初は平沼「た」党との合流を拒否していた。
 
 だったら、石原氏とも考えが合わないはずなのだが。何故か石原氏とは個人的に一緒に活動したいと、積極的に動いていたのが、イマイチ理解し難いところがあるのだが。<ただ、橋下氏は石原氏の強いリーダーシップを尊敬、また小さい時に父親を亡くしていることもあってか、石原氏に父親のような尊敬、憧憬の念を抱いているらしい!?>
 で、石原氏にはもれなく旧・「た」党がついて来るため、平沼「た」党の議員とも合流したという経緯がある。

 ただ、橋下氏は石原氏の持論である「憲法破棄論」(占領軍が作った憲法は無効なので、すぐに破棄すべし)には、反対の立場を貫いていて。「憲法破棄(の立場)は取らない。大日本帝国憲法復活なんてマニアの中だけの話だ」とまで批判したことも。
 石原氏にも「破棄」を主張するなら組めないと説得したようで、その後、石原氏はこの言葉を使うのを我慢しているのだが。今回も、2人の間で同様の論争があったものの、何とか「改正」という言葉を使うことで決着をつけたようなのだ。(・・)

 維新の小沢鋭仁氏が、冒頭にアップした発言の中で、『「維新は改正をする」ということを明快に言い切った。それも「破棄」や「無効」ではない、「改正」と言ったところが今回の綱領のポイントだと、皆さんにはぜひお読み取りをいただければ』と語っていたのも、そのような橋下氏の努力を評価したものではないかと察する。^^;

<また太陽族にとって憲法9条の破棄or改正は「当たり前~♪」のことなのだが。橋下氏は、以前から「憲法9条改正は、日本人全体で方向性を決めなければならないことなので、一定期間、国民の間で大議論して、国民投票を行なうべき」だと主張しており、今回の新綱領の各論にも、9条改正の国民投票のことが記されていた。>

* * * * *

 維新の会には、松井幹事長も含め石原&平沼氏(&安倍首相)らと同じ日本会議系の超保守派がかなりいるので、彼らはこの新綱領の憲法観・国家観に共感するのかも知れないのだが。
 橋下氏のリーダ一シップや地域主権&小さな政府論をリスペクトして集まった&当選した新人国会議員や地方議員の中には、超保守的な価値観や改憲論についていけないという人が少なからずいるとのこと。
 
 参院選が近づき、改憲論が盛んになるにつれて、維新と他党だけでなく、維新内部でもこの新綱領の表現が、さらに大きな問題として浮上する可能性がある。(@@)

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 また、維新の会は、96条改正を参院選の争点にすることに意欲を示しているのだが。これにも疑問や反発の声が出ている。

『石原慎太郎共同代表は30日、結党後初となる党大会後に記者会見し、憲法改正に関して「公明は恐らく非常にリラクタント(嫌々)だ」と述べ、自公政権下での実現に疑問を呈した上で、改憲論議を主導する意欲を示した。橋下徹共同代表(大阪市長)も「憲法を自分たちの手で作ることを訴え、挑戦したい」と同調、改憲の発議要件を定めた96条の見直しを参院選の争点に掲げる姿勢を鮮明にした。(毎日新聞3月30日)』

 石原氏は、2日にも96条の争点化に言及。

『日本維新の会の石原慎太郎共同代表は2日、国会議員団役員会に出席し、約1カ月半ぶりに国会に復帰した。あいさつで、夏の参院選に関し「争点は憲法になる」と強調。選挙結果が政界再編の引き金になり得るとの見方も示した。

 憲法改正をめぐっては「公明党は尻込みし、はっきり言わないだろう。再編の大きなメルクマール(指標)になる」と指摘。参院選候補には「(憲法に関する)基本的なことを知ってものを言わないと説得力がない」と注文を付けた。(共同通信4月2日)』

* * * * *

 ただ、改憲慎重派の公明党も、96条改正が大きな争点になると、連立を組んでいる自民党との差異が明らかになって戦いにくくなるだけに、何とか争点化を避けたいところ。

『公明党の山口那津男代表は2日の記者会見で、安倍晋三首相が主張し、日本維新の会も前向きな姿勢を示している憲法改正の発議要件を緩和するための96条改正について、「改正条項(96条)だけを取り上げて議論する意味や価値について、国民のコンセンサスはできていない」と改めて改正に慎重な考えを表明した。

 維新の橋下徹共同代表(大阪市長)が「憲法を自分たちの手で作ることを訴えたい」と、憲法改正を参院選の争点にする意向を示していることにも、「争点化するには時間も国民の意識も十分に熟さない」と否定的な見方を強調した。(産経新聞4月2日)』

『維新が参院選で自公両党による過半数獲得阻止を掲げる一方で、改憲勢力で3分の2以上の議席獲得を目指すなど自民党との連携強化も打ち出していることについて「矛盾している。国民にどう映るか。理解しにくいのではないか」と牽制(けんせい)した。(同上)』

 また、みんなの党の江田幹事長も、改憲の争点化には難色を示しているという。

『みんなの党の江田憲司幹事長は2日の記者会見で、日本維新の会が夏の参院選の主要テーマに憲法改正を掲げる方針であることに関し「憲法改正が参院選の焦点になるとは考えていない。憲法改正自体は否定しないが、公務員制度改革や地域主権など、国の形を根底から変える改革を優先していきたい」と述べた。(産経新聞4月2日)』

* * * * *

 本当であれば、安倍首相&自民党も、96条改正を含め憲法改正を最大の公約&争点にして戦いたいところなのだろうけど。
 党内には、「公明党に配慮すべき」「参院選までは過激な安倍カラーは控え、経済政策を強調して着実に議席を獲得すべき」などの慎重論が多く、メインの公約として掲げるのは難しい状況だという。^^;

 そこで維新の会(特に石原太陽族)としては、自分たちが中心になって改憲をアピールすることで、みんなの党や民主党の一部などの保守系議員と連携を促進すると共に、参院選で維新&改憲勢力の議席を増やし、保守二大政党制を築きたいと。

 また、自民党と維新+αで衆院に続き参院でも2/3の議席をとって、公明党を連立から外して、、参院選後すぐにでも96条改正の国会発議に取り組みたいと考えている様子。^^;

 mewは、自民党が96条改憲を最大の公約&争点にせず、参院選で勝ったら、維新などと改憲の国民発議に取り組むというのは、国民への騙まし討ちになるので、安倍自民党は堂々と96条改正を前面に出して戦うべきだと思っているのだけど。

 安倍首相&自民党にホンネを吐かせるためには、維新が96条改正を争点化してくれる方がいいのかもな~と思っているmewなのだった。(@@)

<維新の憲法観を前面に出してくれた方が、「引く!♪」になる国民も増えるかも知れないし。維新が自民党の補完勢力であることも国民にわかりやすいので、尚いいかも。^^;
 で、公明党は、参院選前に連立離脱をして、選挙協力をやめるべきではないかと思うです。(・・)>

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日本維新の会 綱領
平成25年3月30日

 日本は今、国際的な大競争時代の中で、多くの分野で停滞あるいは弱体化し、国民は多くの不安を抱えている。この大競争時代の中で、国民の安全、生活の豊かさ、伝統的価値や文化などの国益を守り、かつ世界に伍していくためには、より効率的で自律分散した統治機構を確立することが急務である。なぜなら、20世紀には長所とされた中央集権、官僚主導、護送船団型の国家運営が、脱工業化と情報化が急速に進む今や成長の大きな妨げとなっているからである。

 日本維新の会は、都市と地域、そして個人が自立できる社会システムを確立し、現下の窮状から脱却することにより21世紀を拓き、世界において常に重要な役割を担い続ける日本を実現する。

 日本維新の会は、我が国の歴史と文化に誇りを抱き、良き伝統を保守しながらも、多様な価値観を認め合う開かれた社会を構築する。国からの上意下達に依ることなく、地域や個人の創意工夫、自由な競争によって経済と社会を活性化し、賢くて強い日本を構築する。

 日本維新の会は、日本国が世界において名誉ある地位を占めることを実現する。世界に覇を求めず、平和と繁栄の増進に貢献するのが賢くて強い国である。日本維新の会は、「法の支配」、「自由主義」、「民主主義」等の価値を共有する諸国と連帯し世界の平和に貢献し、明治以来築き上げてきた技術基盤と技術革新力により文明の発展と世界の繁栄に寄与する。

 日本維新の会は、国家再生のため、日本が抱える根源的な問題の解決に取り組む。決定でき責任を負う民主主義と統治機構を構築するため体制維新を実行する。
その基本となる考え方は以下の通りである。

1.日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正し、国家、民族を真の自立に導き、国家を蘇生させる。
2.自立する個人、自立する地域、自立する国家を実現する。
3.官の統治による行政の常識を覆し、「自治・分権」による国家運営に転換する。
4.勤労世代を元気にし、世代間の協力と信頼の関係を再構築する。
5.国民全員に開かれた社会を実現し、教育と就労の機会の平等を保障する。
6.政府の過剰な関与を見直し、自助、共助、公助の範囲と役割を明確にする。
7.公助がもたらす既得権を排除し、政府は真の弱者支援に徹する。
8.既得権益と闘う成長戦略により、産業構造の転換と労働市場の流動化を図る。
by mew-run7 | 2013-04-04 13:21 | 憲法&憲法改正

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