川口解任動議、与野党の言い分を検証+安倍のアブナイ集団的自衛権の新構想
2013年 05月 10日
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8~9日、国会では憲政史上初めてという前代未聞の事態が2つ起きた。(・o・)
一つは、8日の参院予算委員会が、何と与党の自民、公明党の委員が欠席(審議拒否)したまま開かれたことだ。
もう一つは、<これが与党欠席の理由になっていたのだが>、9日の参院本会議で、川口順子氏が参院環境委員会の委員長の解任決議が可決されたことだ。
安倍自民党は、衆院選の圧勝&高支持率を背景にして、ここまで政府与党ペースで&やや強引に国会運営を進めて来たのだが。
国会も終盤を迎え、参院選が目前に迫るにつれて、野党がその存在感を示そうと抵抗や攻撃を強め、荒れそうな感じが出て来た。(~_~;)
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8日の参院予算委員会では、TV中継がはいって安保外交分野の集中審議が行なわれる予定だったのだが。
参院自民党が、野党が川口環境委員長の解任動議を出そうとしていたことに反発。公明党もこれに付き合う形で予算委員会を欠席することに決めたため、TV中継も中止されることに。
予算委員会は、与党委員が不在でガラガラの状態のまま、閣僚と野党だけで<かなり異様な感じで>開かれることになったのだが。与党が審議を欠席(拒否)したまま委員会が開催されるのは、これまで衆参の議会の歴史の中で、初めての出来事だったという。(~_~;)
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先にこの8日の委員会で、安倍首相が、mewがアブナイ&問題だと思う発言をバンバン行なっていたので、それについて書いておきたい。
mewが、安倍自民党の政策で最もアブナイ&阻止したいと考えているのは、改憲よりも、参院選で勝ったら(自民&維新で過半数をとったら?)すぐにでも、集団的自衛権の行使容認を行なおうとしていることだ。
もし集団的自衛権の行使が容認されれば、9条改憲をせずとも、自衛隊が他国の軍隊と組んで、アチコチで戦闘行為を行なう可能性があるからだ。(-"-)
自民党の議員の中には、よくTVなどで「米軍の艦船と一緒に活動している最中に、隣にいる米艦船が攻撃された場合、それを助けられなくていいのか」という事例を出して、集団的自衛権の必要性を訴えているのだけど。
安倍首相らが考えているのは、米軍だけでなく様々な国の軍隊と広範な軍事活動を行なえるようにするようま形の集団的自衛権なのである。(**)
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『安倍晋三首相は8日の参院予算委員会で、集団的自衛権の行使容認に向けた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の議論に関し、懇談会が平成20年にまとめた報告書が憲法解釈などの変更を求めた4類型以外も検討していることを明らかにした。米艦船から数百キロ離れた場所にいる自衛艦がミサイルで反撃するケースや、オーストラリア軍や韓国軍の防護が念頭にあるとみられる。
報告書は「公海上での自衛隊艦船による米艦船防護」「米国に向かう弾道ミサイルの撃破」など4類型を提示し、安保法制懇は米艦船の防護については「近くで行動している場合」を想定していた。これについて、首相は予算委で「安全保障環境、冷戦構造が変わり、今までの解釈でいいのか。4類型以外も含めて、(安保法制懇で)議論してもらっている」と述べた。
首相はまた「日本のために警備している米艦船の近くに自衛隊の艦船がいて、攻撃されたときに助けなければ日米安保条約、日米同盟が大きな危機に陥る」とも述べ、「権利は有するが行使はできない」との政府解釈の変更に重ねて強い意欲を示した。
安保法制懇座長の柳井俊二元駐米大使は今年2月、産経新聞のインタビューで、自衛艦と米艦船の距離が離れている場合や豪韓両国の艦船防護を集団的自衛権行使の対象に含めるべきだと主張していた。首相の答弁は、安保法制懇が今秋にまとめる新提言で、集団的自衛権行使の対象を拡大することへの期待感を表明したものだ。
ただ、公明党は米艦船防護などについて「個別的自衛権で現実的に十分、対処可能だ」(北側一雄憲法調査会長)などと集団的自衛権の解釈変更に慎重で、首相側との新たな論争の材料になる可能性がある。(産経新聞5月8日)』
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この集団的自衛権のことに関しては、当ブログで今後もしつこく書いて行きたいと考えているのだけど。
TVなどのメディアは、「憲法改正」の問題は取り上げるようになったものの、ある意味では96条改憲よりもめっちゃアブナイ「集団的自衛権」の問題はなかなか扱ってくれないのが実情だ。
それゆえ、国民の多くが、この件も参院選の大きな争点になっていることに気付かないまま投票するのではないかと深く憂慮しているmewなのだった。(-"-)
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話を、8日の参院予算委員会の与党欠席の件に戻そう。
mewは、この自民党の判断&審議拒否には、大きな問題があるのではないかと思っている。
予算委員会というのは、国会の委員会の中でも最も重要なもので。基本的に政府与党が自分たちで作った予算を野党に示して、そのチェックを受けた上で、理解を得るために行なうものだし。通常なら、1日も早く予算が成立するように、与党が審議の促進を目指して、野党に働きかけを行なうなどの努力をするものなのである。
しかも、今年度の予算は自民党が昨年末、政権交代した後、民主党政権の作っていた予算を大幅に作り変えたため、本来なら3月末に成立すべきものが、5月になってもまだ成立しておらず、今年度の予算の執行に影響が出始めているような状況にあるわけで。^^;
それを考えれば尚更に、特に予算委員会で<しかも、他の委員会のもめごとを理由にして>与党の委員が自分たちで決めた委員会の日程に沿った審議を欠席(審議拒否)を行なうことは、かなり無責任&非常識なことだと言えるだろう。(-"-)
また、自民党がこのような暴挙を行なった背景には、<自民党には、以前からその傾向があるのだが>、同党の「参院軽視」の姿勢があるのではないかと思うし。実のところ、それが川口委員長の行動や解任騒動を引き起こした要因の一つになっているのではないかと思うところがある。(・・)
<今年度の予算が既に衆院で可決されており、野党多数の参院で可決されなくてもいい(予算は衆院優越規定により、衆院でさえ可決していれば成立する)状態にある。そして自民党は、どうせねじれ状態の参院では予算が否決されるのではないかと考えており、参院の予算委員会などどうでもいいと思っているし。
自民党は衆院で多数を握っているので、衆院の委員会をかなり強引に運営していて野党の反感を買っている上、0増5減法案の再可決も含めて、参院の存在や委員会の審議をかなり軽視しているところがあるので、今回の川口氏の件で、アレコレと積もっていた怒りが爆発したとこがあるようにも思うのよね。(~_~;)>
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そして、9日には川口順子元外相が、参院本会議で参院環境委員長の解任動議を可決されるという、これまた憲政史上初めての事態が起きたわけだが・・・。
mewは、この件に関しては、正直なところ「どっちもどっちかな~」という感想を抱いている。(@@)
ただ、自民党や川口氏が、中国での行動や国益をやや誇張しているような感じもあることから、野党やメディアは、その点をもう少しきちんと正確な名情報を、国民に伝えた方がいいのではないかとも考えている。(・・)
『参院本会議は9日午前、野党7党が提出した川口順子(よりこ)環境委員長(自民)の解任決議案を採決し、野党の賛成多数で可決した。衆参両院を通じて委員長の解任決議が可決されるのは初めて。(中略)
川口氏は4月23、24日に訪中したが、24日になって急遽(きゅうきょ)、25日の会合に楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(ようけつち)国務委員(外交担当)が出席することが判明。自民党は野党側に帰国延長を申し出たが、認められず、25日の参院環境委員会が流会になった。自民党は「国益に沿った判断だ」と帰国延期に理解を求めたが、野党各党は「国会軽視だ」と反発。5月7日に解任決議案を提出した。
解任決議案を提出したのは民主、みんな、生活、共産、みどりの風、社民、日本維新の会。新党改革も賛成者に名を連ねた。(産経新聞5月9日)』
<野党側が提出していた解任決議案は、賛成123票・反対107票の賛成多数によって可決され、自公を除く全ての野党が共闘する形になった。>
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『解任された川口氏は「これは、逆に野党が憲政史上初めて、国益についての議論もしないで、数を頼りに党利党略で、委員長解任を行った事件」、「誠に理不尽であると言わざるを得ません」と述べた。
川口氏は、解任決議が可決したあとの会見で、国会の許可が下りないまま中国滞在を延長したことについて、「手続きを取ってお願いし、職責を放棄したわけではない」と弁明したうえで、「領土と主権を守り、日中間係を改善するという、大きな国益を守った」と述べた。(FNN5月9日)』
これに対し、維新の会の橋下代表は、このように反論したという。
『「外交責任を負っているんですかね、川口さんは。そこははっきりしないとダメ」-。日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は8日、市役所で記者団に対し、川口順子参院環境委員長の解任決議案に賛成する理由をこう指摘した。
橋下氏は「あくまでも外交は、憲法上、政府の責任になっている。一議員が会うことと、政府の一員が日本を代表して会うこととは全然違う」と強調、「外交の名の下に議会をすべてすっぽかしていいのではない。議員外交を許してしまったら、国会なんて成り立たない」と述べた。(産経新聞5月9日)』
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まず、理論的or筋論で考えれば、この件は橋下氏or野党の主張の方が正しいのは明らかなのではないかと思う。
この件を考えるには、先に国会&委員会のルールを把握しておく必要があると思うのだけど。
立法機関である国会の議員の最も重要な仕事は、法案の審議&議決だ。<行政機関である内閣の閣僚とは分ける必要がある。> そして、国会では、各分野の委員会を中心にして法案の審議や採決がなされているため、委員会の審議こそが最も重要な仕事だと考えられている。(**)
<通常の法案の議決などに関しては、全議員が集まる本会議というのは、最後のおまけのようなもので。委員会で審議が終わり、法案が可決されていれば、あとは形づくりのような感じで最後の議決を行なうだけなのである。>
しかも衆参の各委員会では、委員長が審議や議決の日程、審議で扱う内容を決めたり、委員会の進行を行なったりするに当たって強い権限を持っている。<それもあって、与野党の理事や委員が、多少の敬意を持って従ってくれるように、特に常任委員会の委員長には、閣僚や党役員経験者など、それなりに実績のある人が選任されているです。>
そのように重要な立場の委員長が海外渡航などで日本を離れることになれば、委員会の審議を開くことが困難である上、緊急に審議を開く必要ができた時にも対応できなくなってしまう。
そこで、「国会中における常任及び特別委員長の海外渡航に関する申し合わせ」なるものが存在し、各委員会の委員長は、国会期間中は海外渡航を自粛すること、またどうしても海外に出張する必要がある場合には届出をして、議院運営委員会の許可を得た上で行なうことになっているのである。(・・)
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しかし、川口委員長は、元首相・外相が発起人となっている「アジ平和・和解評議会」なる組織の一員として、中国政府の外郭団体の招きを受けたため、国会会期中ながら中国を訪問したいと考え、4月23日から25日まで中国出張を要望する届出を行なったとのこと。
そこで、議員運営委員会が協議した結果、23.24日の出張は認められたものの、25日には環境委員会を開催することに決まったとのこと。川口氏も、それを了承した上で、23日から訪中したのだという。
ところが、川口氏が言うには、中国に着いてから25日に行なわれる元外相やシンクタンクが参加する会合のテーマが「中国の外交政策と近隣諸」となったことや、楊潔チ国務委員と25日午前中に会談できる可能性があるとわかったことから、自民党幹部と相談した上で、国益のためにも25日まで滞在すべきだと判断。
<楊国務委員は、現在、中国政府で副総理格の要人となっており、近時、日本の政府与党の政治家が中国政府の要人と会う機会がほとんどなくなっていることから、ここで直接会う機会を設けることは国益に資すると考えたと強調。ただ後述するように、本当に会談設定の話があったかは「???」。>
自民党を通じて、議員運営委員会に25日まで出張の延長や代理による委員会開催を申し出たのだが認められず。25日に委員会が開催されることがわかっていたものの、苦渋の選択で、25日まで中国に滞在したのだという。^^;
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ただ、維新の橋下代表が言っていたように、そもそも川口氏は外交を担っている行政府(内閣)の一員ではなく、あくまでも国会の審議が最も重視すべき常任委員会の長の立場にあるわけで。そちらを重視するのが当然なのではないか、野党が怒るのもムリはないという意見は、与党内にも出ているという。
<それゆえ、公明党&自民党の一部は、川口氏が自ら辞任することを提案していたのだが。安倍首相&自民党幹部、川口氏本人が辞任を拒否したようだ。>
確かに元首相や外相などの立場の人が、その実績やパイプを活かして議員外交を行なうことは、かなり有益なことであるには違いないのであるが。橋下氏も言っていたのだけど、そういう役割を担いたいなら、環境委員長の職など引き受けるべきではないだろう。^^;
また、民主党の細野幹事長が「はたして、楊潔チ国務委員と、どれほど実務的な議論されたか、定かではありません。バイ(2者)会談をやったわけでもないようですので、どれほど実質的なものがあったのか」と語っていたのだが。
実は、川口氏の25日の行動が、野党議員も「なるほど、それは国益に資する」と納得するほどの内容だったか、疑問を呈されている部分も大きいのだ。(・・)
川口氏は、25日の会合には日本人が自分1人しかいなかったので、自分が帰国して参加しなければ、日本の立場を主張する者がおらず、日本の国益を守ることができなくなると主張。実際に3時間に及ぶ議論の中で、日本の考えを強く表明し、他者にも評価されたと自画自賛していたのだが。
その会合は、別に国際的な機関の正式な会議ではなく、元外相などが参加しているものの、シンクタンクが中心になっていたシンポジウムのようなものだったようだし。川口氏がそこで意見を表明したことで、本人いわく「日本の領土や主権を守る」ことや尖閣問題の解決に大きく寄与したとは言い難いようにも思える。
しかも川口氏や自民党は、「楊氏との会談」という言葉を繰り返し語っていたものの、実際には川口氏との会談が設定されたわけではないとのこと。川口氏は、グループでの会合の最初と終わりに何分か、通訳抜きで楊氏と2人で英語で立ち話を行なったに過ぎないというのである。<しかも、もしかしたら、単なる挨拶を行なったに過ぎないのかも知れないのよね。(~_~;)>
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まあ、そのような会合で日本の立場を主張することも、また楊国務委員と立ち話をするだけあっても、それでも日本の国益にとってはすご~く重要なことなのだと考える人はいるかも知れないし。
国会議員にせよ、メディアにせよ、そう考える人たちは、こんなことで委員長を解任するのはおかしいと主張することになるのではないかと思うのだが・・・。
<mewも、もし川口氏が中国側の意向で、楊国務委員ときちんと会談を行なったと言うなら、それなりに国益に資するかな~とは思ったのだけど。何か最初っからまともに会談をするという話はなかった&野党やメディア向けに、やや大げさに語っていた可能性が大きいのよね~。>
逆に、こんな程度のことで「日本の国益」を錦の御旗のように振りかざして、簡単にルールを破って、委員会をすっぽかされるのは納得行かないと主張する野党の考えも理解できるわけで。<安倍自民党の横暴な国会運営に怒っていて、「またか」という感じになっているのも理解できるしね。>
それで、この件に関しては、「どっちもどっちって感じかな~」(ただ、川口氏の25日の行動を知ると、チョット野党に味方したくなってるかな?)と受け止めているmewなのであった。(@@)
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