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日本がアブナイ!

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自衛隊が海外でスパイ&国民の情報収集~暗黒社会+沖縄県連も転向but抵抗続く

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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】


 まずは、昨日、ビックラさせられたニュースを。(゚Д゚)

 何と陸上自衛隊が、冷戦時代から外国で、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことがわかったというのだ。(@@)
<秘密保護法が施行されたら、オモテに出ないまま隠されちゃった情報かもですね。(-"-)> 

 ちょうど昨日「日本版NSC(国家安全保障会議)の創設法案」が成立。来月初めには、これとセットになっている「秘密保護法案」が成立して、これから日本の情報収集(諜報)活動が、どんどん強化され、国民にも影響が出るのではないかと。そして、また戦前の「治安維持法」時代のような「暗黒社会」が訪れるのではないかと懸念する声が強まっていて。
 そのことに関する記事を書こうと思っていたところだったのだけど。<後述するように、一般国民も監視対象になっているのですよ。(-"-)>

 まずは、自衛隊が海外でも情報収集(スパイ?)活動を行なっていたという話を。
 
『陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが27日、分かった。

 陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言した。

 自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する。(共同通信13年11月27日)』

* * * * *

 この活動は、「首相や防衛相には知らせず、独断に」なされていたと記されているのだけど。
 率直に言って、mewはそうは思わない。全ての首相や防衛相には知らせていなかった可能性が大きいけど。少なくとも、この活動を始めるに当たって、GOサインを出した首相がいたのではないかと思っている。(・・)

<ただ、諜報活動自体は、米政府or米軍あたりに要請されて(or協議して)行なっていた可能性が大かも。日本人の方が動きやすい地域があるしね。^^;>

 後述するように、自衛隊が国内に情報収集機関を作って、市民活動まで調査していることは、知っていたのだけど。海外でまで、情報収集(諜報?)活動をしていることは、初めて知ったです。(・・)
 
* * * * *
 
 ちなみに陸海空自衛隊が、03年(~09年)に「情報保全隊」なる組織を作って、市民活動を監視や情報収集を行なっていたことが発覚。人権を侵害したとして、違憲判決も出ているのだけど。

<「情報保全隊」は、情報収集を行なっている1000人規模の組織。03年頃から共産党や社民党、民主党の議員、一般市民団体、ジャーナリストなどを対象にして、イラクへの自衛隊派遣に反対する者や、当時、自民党が進めていた諸政策(医療費負担増の凍結・見直し、消費税増税など)の反対運動をしている者の監視活動を行なっていたことが、共産党が入手した調査資料で発覚したのだが。コレに限らず、ネットなども含めて、幅広く情報収集していたという。(-"-)

<関連記事『自衛隊がイラク派遣反対から消費税増税反対まで、市民活動を監視・調査・・・マジに日本はアブナイ!』『自衛隊の市民監視活動に違法判決+米軍基地に自衛隊の司令部&日米軍一体化への布石』>

 この組織は、09年7月に廃止され、同年8月から防衛大臣直轄の「自衛隊情報保全隊」に改組されることに。<形は変わったものの、組織&その活動はそのまま続いているってことね。>
 今でも、全国各地の自衛隊員が、「左翼系大衆運動団体及び反戦市民団体」「右翼」「右翼系市民団体」「保守系市民団体」「その他の団体の動向」とあり、国民を分類したうえで幅広く監視しているとのこと。(~_~;)
 ネットもしっかりとチェックしているみたいです。(>_<)

<自衛隊には、古くから「調査隊」なるものが存在し、情報収集活動を行なっていたようだ。>

* * * * * 

 ちょうど今月10日に、東京新聞が『国家のヒミツ 情報保全隊に監視されて 守るのは国民より自衛隊』という記事で、この情報保全隊のことを取り上げていたのだけど。(全文は*1に)

『昨年十二月、原告側は新たに一〇年十二月の三週間分の「週報」を裁判所に提出した。市民集会などの監視結果が詳細に記されている。イラク派遣はこの約二年前に終わっているにもかかわらず、だ。日ごろの国民生活そのものを監視対象にしていたことになる。

 「12月8日」には札幌市であった市民団体「(北海)道平和運動フォーラム」の集会に「約二百人」が集まり、「半田滋東京新聞編集委員」が講演したと私の名前、肩書が出てくる。そして「防衛大綱、武器輸出三原則見直しを終始批判する内容の発言が認められた」と報告している。

 報告は事実をゆがめている。「迷走する普天間問題」の題名で、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題に解決の道筋がみえないことや、日本全体で受け入れを拒否する米軍基地とは何か、を問いかける内容だった。

 「週報」は明らかに不正確だが、黒枠で「関係者以外閲覧禁止」とあり、これを読んだ「関係者」は事実と受けとめるのだろう。

 週報には「左翼系大衆運動団体及び反戦市民団体」「右翼」「右翼系市民団体」「保守系市民団体」「その他の団体の動向」とあり、国民を分類したうえで幅広く監視していることが分かる。(東京新聞13年11月10日)』

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 このブログでは、しつこく書いている話だけど・・・。

 今、安倍内閣は、まさに日本の軍事力を強化するために、「新防衛大綱」(今後の防衛方針)を作成したり、「集団的自衛権の行使容認」「武器輸出原則の見直し」「自衛隊の海外派遣&武器使用緩和」「ミサイル防衛強化&敵基地攻撃能力」「普天間基地の辺野古移設+α」「オスプレイ、F-35導入」などなど、今までは容認されていなかった軍事政策を実行に移そうとしている。(**)

 そして、全国各地には、それらに反対して、様々な活動を行なっている団体や市民がいるのだけど。<mewみたいに、ブログなどで訴えている人も少なからずいるしね。> 
 
 でも、上の記事に、「防衛大綱」や「武器輸出三原則見直し」「普天間移設」などのケースが出ているように、このような「国策」に関して批判すると、まるで「非国民」(or反日?)であるかのように&「いけないことをしている」かのように、監視&報告対象になってしまうわけで。
 もう日本は、アブナイ状態になりつつなるのである。(-"-)

 しかも、NSC創設を機に、警察も情報収集活動を強化することになるため、さらに一般市民も含め、調査対象が拡大するおそれがあるのだ。^^; <関連記事・『NSC創設で、警察がスパイ活動を強化か?&外務、防衛、警察の主導権争い』>

 それでも、今はまだ、情報公開制度を利用したり、訴訟を行なったりすれば、または内部告発者の手によって、このような情報を得る機会もあるのだけど。
 もし秘密保護法が施行されて、特定秘密に指定されてしまったら、このような情報はオモテに出なくなるわけで。私たち国民は、「誰かに何かを調べられているかも」と思っても、それを知ることはできない可能性が大きいのである。(-_-;)

* * * * *

 一般市民はもちろん、諸団体で活動している人や、ジャーナリストやメディア関係者の中にも、「自衛隊や警察に調べたくない」「国家機関に監視されるのはコワイ、イヤだ」「仕事や生活に支障が生じたら困る」と考える人がいるのは、自然なことだと思うし。

 そうなると「下手に政府や自衛隊の方針を批判するような言動はしない方がいい」という意識が働いて、民主主義の基本である国政への監視や批判(報道含む)などがどんどんとなされなくなり、日本は戦前のように、政府が国民を支配するような国家やアブナイ軍事国家になってしまうことにもなりかねない。(~_~;)

<治安維持法時代のように「特高」が好き勝手に、市民を逮捕したり、拷問したりするようなことにはならないかも知れないけど。でも、何か別件で逮捕や起訴されたりする可能性は十分にある。 実際、イラク派兵に反対するビラを配っていた人たちの中には、住居侵入罪で逮捕、起訴されたり、家宅捜索を受けて全て持って行かれたりした人もいたしね。(-"-)>

 先日、父親が特高警察の長だった自民党の町村信孝氏が、何と国会で堂々と、「国民の『知る権利』を、国家や国民の安全に優先するという考え方は基本的に間違いがある」と発言していたという話を書いたのだけど。
<関連記事・『知る権利より国家の存立」と町村+外国特派員協会が秘密法廃案を求める声明』>
 
 彼らは、哀しいかな、「国民(の人権)よりも国家が先にありき」の思想を根強く抱いているだけに、もしこのまま安倍政権or(超)保守派の政権が続いた場合、日本は、戦前のような不自由で、周囲の目におびえるような暗黒社会に近づいて行くことになるおそれが大きいわけで。

 マジで、日本がアブナイ!(**)・・・と叫びたくなっているmewなのだった。(・・)

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

 ところで、東京新聞の記事にも「普天間移設」の話が出て来たのだけど。

 みゅうは、安倍政権の「沖縄より日本国家」「県民の意思より米軍(日米防衛)」という考え方が、如実にあらわれているのが、今の辺野古移設計画の進め方ではないかと思う。(`´)

 自民党の沖縄県連は、27日、党本部の要請(圧力?)に応じて、ついに「県外移設」の方針を転換することを発表した。(ノ_-。)

『沖縄の自民党県連は27日、県議団による議員総会を開き、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、同県名護市辺野古への移設を容認する方針を決めた。公約としてきた「県外移設」から事実上転じる。「オール沖縄」で県外を求めてきた構図の崩壊が決定的となった。辺野古沖の埋め立て申請をめぐる仲井真弘多(ひろかず)知事の判断に大きな影響を与えそうだ。

 議員総会後、翁長政俊・県連会長は「総会で話し合い、決まった」と話した。県関係の党国会議員が25日に合意した「普天間基地の危険性を一日も早く除去するために、辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しない」との文言に沿って、容認に転じる。そのうえで、県内の米軍基地の負担軽減策を政府・党本部に条件として求める。県連幹部は29日にも上京し、容認の方針を党本部の石破茂幹事長らに伝える。
 その後、国会議員や市町村の党支部長らをまじえた総務会で正式決定する予定だ。ただ那覇市議団は県外の方針を維持する構えだ。

 自民県連は「最低でも県外」を訴えた民主党政権の発足を受けて、2010年に辺野古容認の方針を転換。県議選や国政選挙でも「県外」を公約に掲げた。県議会や県内の全41市町村議会は県外移設を求める決議をしており、県民世論や他の政党からの反発は必至だ。(朝日新聞13年11月27日)』

 沖縄では8割以上の県民が「県外移設」を要望していることを受けて、自民党の沖縄県連は、10年からずっと普天間基地の「県外移設」を県連の方針として活動。<自民党が擁立した仲井真知事も、10年から「県外移設」を公約転換。>
 衆参院選や地方選でも、ほぼ全ての候補者が「県外移設」を公約に掲げて、選挙戦を戦い、当選して来たのだけど。

 安倍首相が、今年2月、オバマ大統領に辺野古移設の具体的な推進を約束し、早期の移設実現を進める政策をとっていることから、自民党本部は、沖縄県連に「辺野古移設容認」に方針転換するように強く要請していたのである。<従わない人は離党勧告を行なうことを示唆してね。(-"-)>

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 安倍内閣&自民党は、まずは、沖縄県選出の国会議員から方針転換を発表すべきだとして、25日に期限を設定して、「転向」を要求。そして、今月25日に、石破幹事長が、最後まで抵抗していた2人の議員を含め、5人の国会議員と共に、「方針転換」したことを発表する記者会見を開くに至った。(-"-) 
<関連記事・『秘密法も強行採決か?~「力」で国会も国民も、沖縄も踏みならして行く安倍自民』>

 ただ、この時、國場幸之助氏は、最後の最後まで抵抗していたとのこと。(・・)

『「党から何らかの措置があれば甘んじて受ける」

 国場幸之助氏は25日の石破茂幹事長との会談でそう切り出し、県外移設の主張を「堅持する」として離党勧告を受け入れる覚悟まで示した。選挙で支援を受けた那覇市議団との調整が難航した国場氏の辺野古容認への「悩み苦しみ」(石破氏)は予想以上だった。

 石破氏は「ならば背中を押す」(周辺)と腹をくくり、直後の記者会見で「辺野古を含むあらゆる可能性を排除しないことで一致した」と明言。普天間飛行場の危険性除去のため、「すべての可能性を排除すべきでない」という国場氏の選挙公約を援用することで辺野古容認に引き込んだ。(産経新聞13年11月26日)』  

<mewは、この記事+αを読んだ時に、胸がギュ~ッツとなって、ちょっとウルウルしてしまったです。何か急に江戸時代のキリシタン弾圧の絵が浮かんでしまったりして。(ノ_-。)>

 今回、沖縄県連が「辺野古容認」とは明言せず、「辺野古を含むあらゆる可能性を排除しないことで一致した」という表現を用いたのも、國場氏のように今でも「県外移設」にこだわっている地方議員に配慮してのことだと思われる。(-_-;)

<ただ、これは、沖縄の議員のせめてもの抵抗であるとも言えるけど。自民党お得意の「玉虫色」の表現を使って、何とか話をまとめたとも言えるかも。^^;>

* * * * *

 安倍内閣&自民党本部は、県連の発表にほっとしたようで、ここから仲井真知事に辺野古の埋め立てを許可するように働きかけを強めると共に、名護市長選の候補者の一本化に力を注ぐ気でいるようなのだけど。

『菅義偉官房長官は27日の記者会見で、「抑止力(の維持)や危険除去、基地負担の軽減のため辺野古移設をお願いしている。歓迎したい」と述べた。県連の方針転換は「地元の世論」重視を掲げた仲井真氏の判断を後押しする意味があり、菅氏は「政治的な環境は整う」と期待感を表明した。(毎日新聞13年11月27日)』

 でも、地元の状況は、安倍自民党が期待するほどには、好転していないように思われる。(-"-)

『米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)をめぐり、県選出の自民党国会議員に続き、県連も名護市辺野古移設の容認に転じたことに対し、県連内では27日、不満が表面化した。国場幸之助衆院議員が支部長を務める同党沖縄第1選挙区支部で役員などを務める那覇市議14人は、国場氏に抗議して役職を辞任した。
 副支部長だった金城徹市議は那覇市内で会見し、「日米安保の恩恵は国民が等しく受けて、負担は沖縄から微動だにさせないという(政府の)意思は理解できるものでない」と語り、県外移設の主張を貫く姿勢を鮮明にした。(時事通信13年11月27日)』

 また自民党は、公明党の沖縄県本部にも「辺野古移設容認」に方針を転換してもらい、地方議会や名護市長選で協力を得たいと考えているのだが。公明党の県本部は「県外移設」の方針を貫く意向を示している。(・・)

* * * * *
http://mewrun7.exblog.jp/21364671/
 さらに、沖縄県が、辺野古の埋め立て許可の当否を判断する際には、地元の名護市の意見も考慮することになっているのだけど。<関連記事・『名護市議会が「移設反対」を可決&安倍自民の沖縄県連、教委への強圧止まらず』

 昨日27日、稲嶺名護市長が、沖縄県に「辺野古移設&埋め立て許可に反対」する名護市の意見書を提出。仲井真知事に、これまで通り「辺野古反対、県外移設」の方針を堅持するようにくぎを刺したという。(**)

『稲嶺進名護市長は27日、県庁に川上好久副知事を訪ね、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設へ向けて政府が提出した埋め立て申請に反対し、仲井真弘多知事に承認しないよう求める意見を提出した。川上副知事は「利害関係者や関係機関、市長意見など、総合的に勘案しながら作業を進めていきたい」と答えた。
 稲嶺市長は「法令上の問題、事業の不適正性を指摘している。市民からの意見聴取は約2500件あった。県知事には、名護市民の思いを真摯(しんし)に受け止めてほしい」と強調した。

 県出身・選出の自民党国会議員らが選挙時の「県外移設」公約を撤回し、辺野古移設容認に転じたことに関し「大変恥ずかしいことだと思う。自民党県連にもそのような働き、圧力があるようだが、知事はこれまでの発言を堅持してほしい」とくぎを刺した。(琉球新報13年11月27日)』

* * * * *
 
 菅官房長官が「県連の方針転換は『地元の世論』重視の仲井真氏の判断を後押しする」と語っていたようなのだが。(先述)
 mewは、安倍自民党の最も大きな問題は、沖縄県民の存在を忘れていることではないかと思うのだ。(-"-)

 いくら安倍内閣&自民党本部が、権力や圧力、エサなどを用いて、仲井真知事や自党の国会&地方議員を方針転換させることはできたとしても、県民の意思を変えることはできないわけで。それは決して「地元の世論」を変えたことにはならないのである。(**)
 
 しかも、知事や議員らの方針を転換させることは、彼らの「県外移設」の公約を信じて投票した県民の期待を裏切る行為を、彼らに強いていることになるわけで。それを「転向戦略がうまく行った」「地元の世論を変えることができた」と喜んでいたとすれば、「民主政に関する感覚が狂っている」としか言いようがあるまい。(-_-;)

 そして、秘密保護法案などもそうだけど、このように民主主義の根幹を理解しないばかりか、どんどん破壊して行くような安倍自民党政権には、日本の国政を任せてはいられていないと、改めて強く思うmewなのだった。(@@) 
                       THANKS

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<国家のヒミツ>情報保全隊に監視されて 守るのは国民より自衛隊


東京新聞 2013年11月10日

 政府が指定した秘密を守ることを大義名分に、ジャーナリストや市民が厳罰に処せられる恐れのある特定秘密保護法案。すでに、自衛隊による国民監視の実態がある。さらに国民に圧力をかけようというのだろうか。 (編集委員・半田滋)


 二〇〇七年六月、防衛相直轄の部隊、情報保全隊がイラク派遣に反対する人々の情報を収集していたことを示す内部文書が流出した。陸上自衛隊東北方面情報保全隊が収集した情報を週単位で一覧表にした「週報」で計十一部百六十六ページ。


 名前を掲載された東北六県の住民が精神的苦痛を受けたとして国を訴えた裁判で、仙台地裁は昨年三月、人格権を侵害したとして計三十万円の賠償を国に命じた。原告と国の双方が控訴し、裁判は現在も続いている。


 昨年十二月、原告側は新たに一〇年十二月の三週間分の「週報」を裁判所に提出した。市民集会などの監視結果が詳細に記されている。イラク派遣はこの約二年前に終わっているにもかかわらず、だ。日ごろの国民生活そのものを監視対象にしていたことになる。


 「12月8日」には札幌市であった市民団体「(北海)道平和運動フォーラム」の集会に「約二百人」が集まり、「半田滋東京新聞編集委員」が講演したと私の名前、肩書が出てくる。そして「防衛大綱、武器輸出三原則見直しを終始批判する内容の発言が認められた」と報告している。


 報告は事実をゆがめている。「迷走する普天間問題」の題名で、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題に解決の道筋がみえないことや、日本全体で受け入れを拒否する米軍基地とは何か、を問いかける内容だった。


 「週報」は明らかに不正確だが、黒枠で「関係者以外閲覧禁止」とあり、これを読んだ「関係者」は事実と受けとめるのだろう。


 週報には「左翼系大衆運動団体及び反戦市民団体」「右翼」「右翼系市民団体」「保守系市民団体」「その他の団体の動向」とあり、国民を分類したうえで幅広く監視していることが分かる。


 憲法で保障された思想・信条の自由、集会・結社の自由など、どこ吹く風だ。「国民を守る」のではなく「自衛隊を守る」のが自衛隊の本分ととらえているかのようだ。


 特定秘密保護法案は何を秘密にするか、判断は行政機関の長に任せられている。例えば、この「週報」のように防衛省にとって不都合な文書が、「特定有害活動やテロの防止」に関する情報として永遠に出てこなくなる可能性がある。さらに、その情報を入手したジャーナリストや市民を厳罰にすることさえできる。何が秘密か、それこそが秘密。「暗黒社会」を連想させる。
by mew-run7 | 2013-11-28 09:09 | (再び)安倍政権について

by mew-run7
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