衆院議長が「脱原発」式辞を敢行~3.11追悼式&脱原発活動&支持率ダウンで再稼動阻止を
2014年 03月 12日
頑張ろう、東日本&ニッポン!安心と希望を抱ける1年に。o(^-^)o
よろしければ、1日1回、2つのランキングの応援クリックをしてくださいませ。m(__)m
【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
昨日3月11日には、各地で東日本大震災の追悼式が行なわれ、地震発生時刻の午後2時46分から1分間黙とうがささげられた。
『東京都千代田区の国立劇場であった政府主催の追悼式には、遺族や、天皇、皇后両陛下、安倍晋三首相ら三権の長を含め約1200人が参列。首相は「復興をさらに加速し、被災者が一日も早く普通の生活に戻れるようにすることが犠牲者のみ霊に報いる道だ」と決意を語った。天皇陛下は「国民皆が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」と述べた。(毎日新聞14年3月14日)』
今上天皇のおことば全文を*1にアップしておきたいのだが。「被災者の心に寄り添う」という天皇夫妻&皇室の方針を、まさにあらわしたもので。
<美智子皇后は、被災者のことを忘れないようにと、常に被災地で作ったコカリナ(楽器)を持ち歩いているとか。 (ノ_-。)>
『被災した人々の上には、今もさまざまな苦労があることと察しています。
この人々の健康が守られ、どうか希望を失うことなくこれからを過ごしていかれるよう、長きにわたって国民皆が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います。
そして、この大震災の記憶を決して忘れることなく子孫に伝え、防災に対する心がけを育み、安全な国土を築くことを目指して進んでいくことを期待しています。』
この言葉には、震災が風化せずに、国民が被災者のことを忘れないように。また、近い将来、起きるかも知れない他の大震災に対して、国民がこの教訓を活かして身を守れるようにという思いが込められているのが、しみじみと伝わって来た。(・・)
* * * * *
他方、安倍首相の式辞には、率直なところ、「通りいっぺんの素っ気ないものだな~」という印象を抱いてしまうところが。(-_-;) <別にアンチ安倍だからということではなく、官邸HPに載っている全文(コチラ)を客観的に見ても、そう感じる人が少なくない思うですよ。^^;>
案の定(?)、『被災地に足を運ぶ度、営農の再開や水揚げに湧く漁港、災害公営住宅に入居された御家族のお姿など、復興が一歩一歩前に進んでいることを実感いたします』と、復興が進んでいることをアピールしていたのだけど。
昨日の記事にも書いたけど。実際のところ、被災者や国民の7~8割は「復興を実感できない」と言っているわけで。<しかも、特に公営住宅の建設などの住宅対策が遅れていると!(`´)>「何だかな~」という感じがした。(~_~;)
<その点、昨日、震災以来、ずっと定期的に被災地に通っている小泉進次郎復興政務官が、TVの取材の中で「政府としては、復興が進んだと言いたいところだけど。それを言えば言うほど、被災者との間の距離が離れて行く感じがする」というような発言をしていたのを見て、「ほ~」っと。小泉パパ同様、意識的なのか無意識でなのかわからないけど、相変わらず「いいこと&うまいこと言うな~」と感心させられたです。(・・)papa yori atama ii kamone.>
あと、たとえば今後の防災に関して言うにも『将来の様々な災害から、国民の生命、身体、財産を守り抜くため、倦まずたゆまず、災害に強い強靭な国づくりを進めていくことをここに固くお誓いいたします』という表現の仕方をするわけで。
ついついここで『国土強靭化計画を持ち出すのかよ~』とか思っちゃったりもして。(>_<)、
<そもそも、mewは「国土強靭化」って言葉が、厳しいorものものしい感じで好きじゃないというか、この言葉をきくたびに何か「ぞっ」とするとこがあるのね。(~_~;)
それに、安倍くんが、集団的自衛権やらの軍事強化策でも、「国民の生命、身体、財産を守り抜くため」というフレーズを使っているのを考え合わせると、尚更にイヤ~な気分になっちゃったりして。(-"-)
このあとで、得意の「先人」も出て来るし。きっと安倍首相やそのブレーンは、こういう言葉や表現しかアタマに思いつかないんでしょうね~。(~_~;)>
* * * * *
でも、実は、昨日の式典で、最も注目すべきは、伊吹文明衆院議長の式辞ではないかと思うのだ。(**)
何と伊吹氏は、式辞の大部分を原発事故&原発・エネルギー政策のことに割いて、最後に「将来の脱原発を見据えて」と、脱原発への思いをあらわしたのである。 (゚Д゚)
『伊吹文明衆院議長は11日、都内で開いた東日本大震災3周年追悼式の追悼の辞で、エネルギー政策について「将来の脱原発を見据えて議論を尽くしたい」と述べた。「人間が自然を支配できるというおごりが生じたのではないか」と指摘。「省エネルギー、省電力の暮らしにかじを切らねばならない」と強調した。(日本経済新聞14年3月11日)』
伊吹氏は衆院10期で、党幹事長や財務大臣、文科大臣などの閣僚を歴任した自民党の重鎮。
有力派閥の「志師会」(旧中曽根派、現二階派・本当は伊吹派だけど衆院議長になったので、一時、退会中)の長でもあり、党内に対する影響力もかなり強い。
自民党内には、河野太郎氏をはじめ「脱原発」を訴えている議員もいるのだけど。党内では、少数派であるのが実情だ。<実は、内心では「脱原発」なのだけど、安倍自民党が原発推進策をとることに決めているので、オモテではクチにできない議員も少なからずいるとか?(・・)>
でも、ここで、伊吹氏が堂々と「脱原発」発言を行なったことは、自民党内の議員にも、国内の脱原発派の議員や人々にも、小さからぬ影響を与える可能性がある。(@@)
<案の定、党内では不快感を示す議員がいるらしい。^^;>
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
長いので、チョットお休みタイム。( ^^) _旦~~so-cha o douzo!
よろしければ、2つのバナーの応援クリックをお願いします。m(__)m
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
では、その伊吹衆院議長の「追悼の辞」全文を。(BLOGOS(コチラ)より転載)
『天皇・皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、東日本大震災三周年の追悼式が行なわれるにあたり、謹んで追悼の言葉を申し述べます。
3年前のきょう、東日本を襲った大地震と津波により、東日本の国土は破壊され、多くの尊い命が失われました。犠牲となられた方々と、ご遺族のみなさまに改めてお悔やみを申し上げます。
そして被災された方々、また福島での原子力発電所の事故により避難を余儀なくされた方々のお気持ちを思うとき、月並みなお見舞いの言葉を申し上げることすら憚られるのが率直な心境です。
多くの関係者のご努力により、復興に向けた歩みは着実に進んでいます。
震災後、被災地の惨状に心を痛めた方々が、被災地を支援するボランティア活動に参加して下さり、多くのきょうお見えの諸外国からの温かいご支援を頂いたことは、物心両面で、復興の大きな助けとなりました。ご支援いただいた皆様に対し、深く感謝申し上げたいと存じます。
一方で、震災から3年が経過し、被災地以外では、大震災以前とほぼ変わらぬ日々の暮らしが営まれております。
しかし、被災地では仮設住宅等で、ご不自由な生活を余儀なくされている方々もなお多く、震災前の生活を取り戻すことは容易ではありません。特に原子力発電所事故のあった福島県では住み慣れたふるさとに戻ることができず、今なお放射性物質による汚染に苦しんでいる方々が多くおられる現状を、私たちは忘れるべきではないでしょう。
そういった方々の事を思うと、電力を湯水の如く使い、物質的に快適な生活を当然のように送っていた我々一人一人の責任を、全て福島の被災者の方々に負わせてしまったのではないかという気持ちだけは持ち続けなりません。
思えば、私たちの祖先は、自然の恵みである太陽と水のおかげで作物を育て、命をつないできました。
それゆえ、自分たちではどうすることもできない自然への畏敬と、感謝という、謙虚さが受け継がれてきたのが日本人の心根、文化の根底にあったはずです。
科学技術の進歩により、私たちの暮らしは確かに豊かになりましたが、他方で、人間が自然を支配できるという驕りが生じたのではないでしょうか。そのことが、核兵器による悲劇を生み、福島の原発事故を生んだのだと思います。
3年目の3.11を迎えるに際し、私たち一人一人が、電力は無尽蔵に使えるものとの前提に立ったライフスタイルを見直し、反省し、日本人として言行一致の姿勢で、省エネルギーと省電力の暮らしに舵を切らねばなりません。
主権者たる国民より選挙を通じて主権を委ねられている我々国会議員は、被災地の復興に全力で取り組むとともに、震災で得た教訓を元にエネルギー政策の在り方について、現実社会を混乱させることなく、将来の脱原発を見据えて議論を尽くしてまいりたいと存じます。
結びに、震災で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りし、追悼の言葉と致します。
平成26年3月11日 衆議院議長 伊吹文明』
* * * * *
首相周辺はこの伊吹氏の発言に不快感を示している様子。(~_~;)、
『伊吹文明衆院議長は11日、東京都内で開かれた政府主催の東日本大震災3周年追悼式の式辞でエネルギー政策に関し「将来の脱原発を見据えて議論を尽くしたい」と述べた。議長就任に伴い自民党会派を離脱しているが、「脱原発は無責任」(安倍晋三首相)との党の主張と一線を画した形だ。首相周辺から不快感が出ており、波紋を広げそうだ。(共同通信14年3月11日)』
というのも、安倍内閣は、先月末に「エネルギー基本計画」を策定し、原発を「ベースロード電源」にすることや、原発再稼動を実行に移して行く方針を決めたところだし。
安倍首相は、10日の国会答弁でも、「原発ゼロ」を前提とすることを否定。原発再稼動への意欲を見せ、地元住民の再稼動への理解を得るために、国も支援して行く方針を示したばかりだからだ。
『安倍晋三首相は10日の参院予算委員会で、今後のエネルギー政策について「原発依存度をできる限り減らすが、まだ(原発)ゼロと言う自信はない。ゼロを前提としてエネルギー政策を立てることはできない」と述べ、原発を再稼働する方針を堅持する考えを重ねて強調した。(産経新聞14年3月10日)』
『安倍総理大臣は、原発の再稼働について「原子力規制委員会が世界で最も厳しい基準にのっとって審査を進め、安全であると判断した段階で再稼働を進めていくが、地元の理解を得ることが重要だ」と述べました。
また安倍総理大臣は、原発事故に備えて自治体が策定する避難計画について、「住民の安全・安心を高めるためにも『できない』という後ろ向きの発想ではなく、どうすれば地元の理解を得られるものができるかということが重要で、国としても全面的に支援している。万が一の事故の場合には、自衛隊の車両や船舶の活用など住民の避難に総力を挙げて取り組んでいく」と述べました。(NHK14年3月10日)』
<チェルノブイリ級の事故が起きても、自衛隊はすぐに来てくれるのかな~?(-_-;)>
* * * * *
ちなみに伊吹文明氏(76歳)は、もともと大蔵官僚で、経済&財務に強い人なのだけど。<経済に関する話は、わかりやすいのよね。>
安倍首相と同じ超保守団体・日本会議のメンバーで。安倍前政権の時には文科大臣を務め、「教育の憲法」である教育基本法に愛国心などを盛り込む改正案成立に尽力。安倍首相も一目置く自民党のご意見番(うるさ方?)のような存在だ。(・・)
安倍自民党が衆院で多数の議席を占めて、乱暴な国会運営を行なったり、野次がひどかったりすることに関して快く思っていないところがあるようで。
今年1月の通常国会前にも、昨年末の秘密保護法の強行採決などを念頭に『24日召集の通常国会を前に与党に丁寧な国会運営を求めた。「『多数決で何でも決めていい』との思いで国民が多数を与えたのではないという謙虚さを持ってほしい」と述べた』りもしている。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
長いので、チョットお休みタイム。( ^^) _旦~~so-cha o douzo!
よろしければ、2つのバナーの応援クリックをお願いします。m(__)m
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
伊吹氏は、歯に衣を着せずに発言することが多くて。根が真面目でいい人らしい&それなりに良識もがあって、筋が通ったことを言うタイプなので、時々「なるほど~」とか「なかなかいいこと言うな~」と思うことも。<超保守思想は合わないのだけど。安倍首相らほどには、カルト的ではない感じ。ただ、上から目線でエラそ~なもの言いをすることが多いので、mewはこのブログで伊吹氏のことを「イバリっち」と呼んでいる。(~_~;)>
昨日もたまたま、伊吹氏が被災地支援のために、国会内で福島の日本酒を販売することを発案したというニュースを見て、「いいやつじゃ~ん」と思ったばかりだったです。
『国会内の売店で、東日本大震災から3年を迎える11日から、福島県で仕込んだ日本酒「衆議院」が売り出されることになった。伊吹衆院議長が復興支援の狙いで発案したもので、売り上げの5%は福島県に寄付される。
販売されるのは、300ミリ・リットル(600円)と720ミリ・リットル(1600円)の2種類。県内の16の蔵元がそれぞれ作った純米吟醸酒に「衆議院」のラベルを貼って売り出す。伊吹議長は10日の国会内で行われた試飲会で、「国会見学に来た支持者に売り込み、復興のために力を合わせよう」と呼びかけた。(読売新聞14年3月11日)』
衆院議長が国政の政策に関してアレコレ主張することは、決して望ましくないことなのだけど。<今回はあくまでも追悼の辞に記した被災者への思いということで?!^^;>
この伊吹発言が、自公の脱原発派がもっと与党内で大きな声を上げて行くきっかけになればと願っている。(**)
~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~
話を「脱原発」のことに戻すと・・・。
3年前、震災だけでなく福島原発事故も起きた3.11を迎えて、先週末から全国各地で、脱原発の集会やデモが行われているのだが。
福島では、8日に大江健三郎氏らが参加して「原発のない福島を!県民大集会」を開催。
『東京電力福島第一原発事故から三年となるのを前に、脱原発を求める集会「原発のない福島を!」が八日、福島県の郡山市、福島市、いわき市の三カ所で開かれ、計約五千三百人(主催者発表)が参加した。
郡山市の集会では、作家の大江健三郎さんが「政府の『原発を再稼働しても恐ろしいことは起こらない』という宣伝は、戦争中に『戦争で悲惨なことにはならない』とだましたことと同じだ。次にだまされてしまえば、私たちの未来はない」と訴えた。(東京新聞14年3月9日)』
東京では、9日に日々谷野音で集会を行なった後、国会周辺にデモを敢行。3万人以上が集まったという。菅直人元首相や坂本龍一氏なども参加していたという。
『福島を忘れるな、再稼働を許すな--。東京電力福島第1原発事故から3年を迎えるのを前に、国会議事堂周辺で9日、大規模な反原発デモがあり、大勢の市民が原発事故を風化させまいと声を張り上げた。
東京都千代田区の日比谷公園の野音で開かれた集会で、首都圏反原発連合(反原連)のミサオ・レッドウルフさんは「事故から3年、福島の状況は変わらないどころか後退している。さらに大きな声を上げ、原発ゼロを実現したい」、音楽家の坂本龍一さんも「声を上げにくい人に寄り添い、その声に応えよう」と呼びかけた。
参加者は「原発なくせ」「輸出をやめろ」と訴えながら首相官邸や国会周辺をデモ行進し、その後議事堂を取り囲んだ。(中略)
デモの参加者は、反原連などの主催者発表で延べ約3万2000人。11日前後に全国175カ所以上で原発抗議行動が行われるという。(毎日新聞14年3月9日)』
<ちなみに菅元首相は、8日には札幌でも講演を行ない、『総理大臣として対応に当たった東京電力福島第一原子力発電所の事故について「最悪の場合、原発の250キロ圏内から逃げ出さなければならなかった。日本の人口の4割が避難し、いつ戻れるか分からない事態になるおそれがあった」と指摘』『事故が起きる前までは自分も原発の安全神話に染まっていたことを恥じている。あのような事故を体験した日本がリスクの高い原発を国内で広めるべきではない」と述べ、政府は原発の再稼働に踏み切るべきではない」と吼えていたという。(@@)(NHK14年3月8日)>
* * * * *
昨日の記事にもアップした東京新聞の世論調査によれば、「原子力規制委員会で安全性を確認した原発を再稼働させる安倍政権の方針に対し、賛成は40%、反対は54%」「原発の今後に関しては「即時ゼロ」「段階的に減らし、将来はゼロ」を合わせた脱原発派が69%を占めた」という。(「段階的に減らすが、一定の比率は維持」「震災前の比率にする」などの容認・推進派は29%」)
mewの知る限り、全ての世論調査で、原発ゼロを目指すべきだという人が6~7割を占めているし。原発再稼動に反対の人の方が多い(しかも50%を超えているものが多い)。(・・)
これだけ脱原発を望む国民が多いにもかかわらず、原発推進策をとろうとしている安倍内閣の支持率が、ず~っと高い数字を維持していることが「???」なのであるが。<しかも、相変わらず、アベノミクス効果は実感していないという人が7~8割いるというのに。(-_-;)>
もしこのまま安倍内閣の支持率が高い状態が続けば、安倍首相らは、「原発再稼動を進めても、国民はさして批判はしまい」とタカをくくることになるわけで。
そろそろ国民が本気になって、「原発再稼動にNO!」「原発ゼロの実現を!」という声をしっかりと上げて行かないと&内閣支持率にも反映して行かないと、「安倍自民党&原子力ムラの思うツボになっちゃうぞ!」と警告したいmewなのだった。(@@)
THANKS
【下の2つのランキングに参加しています。できれば、2つともクリックして頂けると、有難いです。組織票は全くなく、記事を読んで下さる方々だけが頼りなので、よろしくお願いします。m(__)m】
↓このクリックが、mewの大きな励みに。(・・)
人気ブログランキングへ
↑もう1クリックが、ブログを続けるエネルギー源に"^_^"
東日本大震災追悼式での天皇陛下のお言葉
Tweet
携帯に送る
ヘルプ
.
「天皇 震災 おことば」の記事をお探しですか?最新関連記事が 10+ 件 あります。
特集 大震災
天皇陛下のお言葉(全文)
本日、東日本大震災から3周年を迎え、ここに一同と共に、震災によって失われた人々とその遺族に対し、改めて深く哀悼の意を表します。
3年前の今日、東日本を襲った巨大地震とそれに伴う津波は、2万人を超す死者、行方不明者を生じました。今なお多くの被災者が、被災地で、また、避難先で、困難な暮らしを続けています。さらにこの震災により、原子力発電所の事故が発生し、放射能汚染地域の立ち入りが制限されているため、多くの人々が住み慣れた地域から離れることを余儀なくされています。いまだに自らの家に帰還する見通しが立っていない人々が多いことを思うと心が痛みます。
この3年間、被災地においては、人々が厳しい状況の中、お互いの絆を大切にしつつ、幾多の困難を乗り越え、復興に向けて懸命に努力を続けてきました。また、国内外の人々がこうした努力を支援するため、引き続き様々な形で尽力していることを心強く思っています。
被災した人々の上には、今も様々な苦労があることと察しています。この人々の健康が守られ、どうか希望を失うことなくこれからを過ごしていかれるよう、長きにわたって国民皆が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います。そして、この大震災の記憶を決して忘れることなく子孫に伝え、防災に対する心掛けを育み、安全な国土を築くことを目指して進んでいくことを期待しています。
被災地に一日も早く安らかな日々の戻ることを一同と共に願い、御霊みたまへの追悼の言葉といたします。
(2014年3月11日 読売新聞)