カネまみれの政治が復活か~利益の見返りに多額の献金&議員が営業+派閥のパー券収入も増額
2015年 11月 29日
【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
前記事『安倍自民と経団連の結託強まる~安倍の営業&法人税引き下げ→自民に22億の献金』のつづきを・・・。
昨日、自民党への企業・団体献金が増加して、22億円以上に達したという話を書いたのだけど。
企業・団体献金の86%は、自民党に集まっているとのこと。たとえば、12年ぶりに献金を再開した三菱自動車は、アベノミクスの恩恵を受けたお返しの意味も込めてか、自民党に2000万円、そして(おまけみたいにして)公明党に10万円を献金したという。^^;
『2014年の自民党の政治資金団体「国民政治協会」への企業・団体献金が前年より約1割増加したのは、アベノミクスによる景気回復や円安などの恩恵を受けた企業や団体が、経団連の5年ぶりの献金呼びかけに応じたことなどが影響したとみられる。
27日に公表された14年の政治資金収支報告書(総務相所管の中央分)によると、企業・団体献金の86%が国民政治協会に集まった。同協会への献金額は前年比13・3%増の22億1312万円だった。
経団連は14年9月に5年ぶりに会員企業などへの献金呼びかけを再開した。14年に100万円以上献金したのは227社・団体で、前年から23増えた。経団連の榊原定征(さだゆき)会長が最高顧問を務める東レが4000万円を国民政治協会に寄付した。同社は民主党への政権交代をきっかけに09年に自民党への献金を取りやめていた。また、15年3月期連結決算で最高益を出した三菱自動車も02年以来、12年ぶりに献金を再開。国民政治協会に2000万円、公明党に10万円を寄付した。三菱自動車広報部は「社会貢献の一環として再開を決めた」と説明する。(読売新聞15年11月28日)』
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読売新聞に載っていた「大口献金をした主な企業や団体」の表には、以下のような団体、企業名と数字が並んでいる。(単位 円)
日本自動車工業会 8040万、石油連盟 8000万、
日本電機工業会 7700万、日本鉄鋼連盟 6000万
不動産協会 4000
トヨタ自動車 6400万、キャノン 4000万
東レ 4000万、野村HD 3200万
パナソニック 2850万
<この他、大口献金をした企業として、日産自動車 3500万、大和証券G本社 3000万、三井不動産 2000万、JFEスチール 1500万、富士通 1500万、富士フィルムHD 1500万などがある。>
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昨日も少し触れたのだけど。1955年から自民党による政権が長~く続く中、政官財の癒着による利権や利益の分配&政治とカネの問題が何度も発覚し、国民の間に政治不信が広がるようになった。(-_-;)
そこで、80~90年代ぐらいから、何度も企業・団体からの献金を廃止or制限すべきだという声が出ていたのであるが。自民党+αが「政治にはどうしてもカネがかかる」と強く主張したため、国が政党助成金を出すことになったのである。(・・)
<国民1人当たり250円の税金を、このために使うことに。ただし、共産党は受け取っていない。>
自民党は、234億2800万円の収入のうち、政党交付金が157億8400万円、国から出る立法事務費が27億5300万円で、合計185億3600万円を国民の税金が占めている。(・o・)
それにもかかわらず、自民党は20億円以上の企業・団体献金を得て(しかも、経団連が献金を呼びかけたりして)、大企業やそれらが加盟する団体の要望を重視したり、彼らが大きな利益を得られるように便宜をはかっているわけで。<国のお金を使っての円安、株高を誘導も、ある意味では、大企業への利益誘導だと言えるしね~。^^;>
でもって、経済的な数字に大きな影響を与える大企業が優遇されて、中小企業や一般国民のことは後回しにされてしまうのである。(>_<)
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しかも、自民党の議員たちは、企業・団体献金を集めるため、強気の営業活動も行なっているとのこと。^^;
安倍自民党が政権奪還したことによって、またカネまみれの政治が戻って来そうな感じがある<何と来年から銀行が献金を再開するらしいしね~。(-"-)>
『自民の献金集め、財界も呼応 渡した文書に「3千万円」
資金面で自民党「1強」を支える企業・団体献金。支持率が安定する安倍晋三首相のもと、自民党は強気で企業を回り、献金を集めようとする。政権への影響力を高めたい経団連も呼応し、企業・団体ごとに寄付額を割り振る「奉加帳」も復活した。自民と財界の蜜月が再び深まりつつある。
2014年初め、東京都千代田区にある貿易系の東証1部上場企業の応接室。政治担当の役員が、自民党経理局長(当時)の山口泰明衆院議員と向き合っていた。
山口氏は持参した文書を役員に手渡した。そこに書かれた「3千万円」という数字に役員が目を通すと、こう口にした。
「今年はできればこの金額でお願いしたい」
この企業は前年の13年、自民党の政治資金団体である「国民政治協会」(国政協)に約2千万円を寄付した。それより約1千万多い。
「ずいぶん強気に来たな」。内心、そう感じた役員は「社内で検討させていただきます」と伝え、山口氏らを見送った。結局、同社は14年分の寄付額を13年分から300万円だけ上積み。後日、山口氏に「満額回答」できなかった理由を「資源安で、海外での投資事業に悪影響が出て業績が悪いから」と伝えた。
山口氏は朝日新聞の取材に「献金してもらうわけだから、丁寧にぜひよろしくと言う。無理をしたら長続きしない」と語る。年1、2回、党財務委員長と分担して企業や団体を訪ね、寄付を依頼するという。(朝日新聞デジタル 15年11月28日)』
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おまけに、自民党の場合は、派閥のパーティーによるお金集めにも積極的で。党全体で10億円以上の収入を得ているとのこと。(・o・)
様々な手法を使って、大企業や産業団体などにまとめてパーティー券を買ってもらう(売りつける)ケースが少なくないのが実情だ。^^;
『2014年の政治資金収支報告書によると、自民党の7派閥(未結成の石破派を除く)の収入総額は、パーティー券収入の増加を背景に前年比9.6%増の10億1314万円となった。最も多かったのは安倍晋三首相が所属していた最大派閥の細田派で、収入は2億4663万円だった。
以下、岸田派(2億1787万円)、二階派(1億6275万円)と続き、所属議員数では2番目の額賀派(1億4986万円)は収入額では4番手だった。最も少なかったのは石原派(3636万円)だった。
各派閥の主な収入源はパーティー会費で、依存度は57~87%。7派閥のパーティー券収入の合計は前年比13.1%増の7億3513万円で、収入総額に占める割合は72.6%だった。
一方、民主党では14年に発足した細野豪志政調会長のグループがパーティーを開くなどして8110万円の収入を得た。それ以外の主なグループはパーティーを開かず、収入はいずれも1000万円に満たなかった。(時事通信15年11月27日)』
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共産党の志位委員長は、「原発で大もうけしている大企業から、原発マネーが自民党に大量に流れている」と批判していたそうなのだが・・・
『■志位和夫・共産党委員長 27日に発表された政治資金収支報告書で驚くべきことが明らかになった。原発で大もうけしている大企業から、原発マネーが自民党に大量に流れている。(年を経るごとに)どんどん原発マネーが増えている。自民党を原発マネーで買収し、原発を再稼働させ、輸出する。こんな政治は絶対に認めるわけにはいかない。(福岡市内の街頭演説で)(朝日新聞15年11月27日)』
昨日もちらっと書いたように、これからは原発マネーに加えて、軍事産業マネーの割合もどんどん増えて来るのではないかと懸念してしまう今日この頃・・・。
日本がまたカネまみれの政治を行なうような政治後進国にならないように、企業や団体よりも税金を払っている&主権者である国民の意思が重視される国になるように、また政権交代を実現できる環境を早く整えなければと思うmewなのだった。(@@)
THANKS