自民「震災政治利用」の本音も、被災自治体は緊急事態条項を求めず

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 昨日の記事とアップする順番が前後してしまったのだが・・・。緊急事態条項に関する記事を。

 しつこく書くが。安倍首相&仲間たちの最大の目標は、自らの手で憲法改正(特に9条など)を実現すること。(-"-)
 しかし、日本の国民の中は、今でも憲法改正(とりわけ9条改正)には慎重な人が多いため、その実現は容易ではない。(・・)

 そこで、安倍首相らの改憲派は、東日本大震災が起きたのを機に、自民党の憲法改正草案に緊急事態条項を付け加えることに。さらに今回の熊本地震が発生したことを利用して、憲法改正にこぎつけようとしているのである。
 彼らは、被災者の救済や復興のためには、憲法を改正して「緊急事態条項」を作ることが必要だと国民をだまくらかして、改憲を実現しようとしているのである。(@@)

 下の記事にもあるように、憲法学者の小林節氏いわく、「東日本大震災の直後に自民党の改憲マニアの議員から連絡があったのです。こういう緊急事態を経験した今なら、国家緊急権に国民の理解も野党の理解も得られる。やっと憲法改正の入り口が見えました、と嬉しそうに言うのです」とのこと。
 そして、今回の熊本地震発生の翌日にも、菅義偉官房長官が緊急事態条項について言及している。(-_-;)

 でも、実際には、わざわざ憲法を改正して緊急事態条項など設けなくても、法律などで十分に対応できるのだ。
 毎日新聞が新たに行なったアンケートでも、東北3県で被災した37の自治体のうち、緊急事態条項が必要だと回答したのは、たった一つしかなかったという。(++)

 以下、「自民党“震災政治利用”」に関するリテラの記事と、東北の被災自治体に行なったアンケートの回答に関する記事を。

* * * * *

『自民党“震災政治利用”の本音を憲法学者・小林節が暴露!「自民党議員から『これで改憲の入り口が』と連絡」

 熊本県や大分県をはじめ九州に甚大な被害をもたらした今回の熊本大地震。そんななかで目立つのは、「震災を政治利用するな!」という声の大きさだ。
 鹿児島県・川内原発の運転中止を求める意見には「こんなときに非常識」「便乗するな」といい、オスプレイ投入に批判があがると「オスプレイ叩きこそ震災の政治利用」「イデオロギーで足を引っ張るな」と叫ぶ……。

 しかし、災害時の原発対策を怠り、こんなときに物資輸送で政治パフォーマンスを行うことを批判するのは当然だろう。むしろ、震災を政治利用しているのは、ほかでもない安倍政権だ。

 現に、地震発生の翌日には、菅義偉官房長官が緊急事態条項について、
「今回のような大規模災害が発生したような緊急時に、国民の安全を守るために国家や国民がどのような役割を果たすべきかを、憲法にどう位置づけるかは極めて重く大切な課題だ」
 と述べている。ご存じの通り、緊急事態条項の新設は自民党が憲法改正の第一歩と考えている。それを今回の大地震にかこつけて、あたかも“災害時は必要なもの”と強調したのだ。

 本サイトは以前からこの緊急事態条項の危険性を指摘してきたが、緊急事態条項とは、平たく言えば、大地震等の災害時や外国からの武力攻撃等の有事の際に政府の権限を強化することを定めるもの。災害が起こった際に首相が緊急事態宣言を行えば、内閣は国会での事前承認なしに財政措置などをとることができるようになり、他方、本来は国と対等な関係である地方自治体の長も指揮下に置くことになる。こうしたことにより、より迅速に災害対策が取れるようになる……というのが安倍政権の主張だ。

 そう言われると、「たしかに今回のような災害時には必要なものかも」と思う人も多いだろう。だが、この緊急事態条項については、東日本大震災で大きな被害を受けた被災地の首長たち、つまり実際の災害で対応を迫られた経験をもつ人びとが“必要のないもの”という見解を示しているのだ。

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 今年3月15日に東京新聞が掲載した記事によると、東日本大震災で激甚な被害が発生した岩手県陸前高田市、山田町、宮城県仙台市、石巻市、気仙沼市、東松島市、名取市という7つの自治体の首長に同紙が取材。そのうち「緊急事態条項は必要」と回答したのは名取市長のみで、他の首長はいずれも否定的な見解をあきらかにしている。

 たとえば、菅原茂気仙沼市長は、災害発生によって道路を塞いだ車両撤去などが災害対策基本法の改正によって可能になった点を挙げた上で、「緊急事態条項があれば、人の命が救えたのか。災害対策基本法の中にある災害緊急事態条項で十分だ」としている。このほか、奥山恵美子仙台市長も「自治体の権限強化が大事だ」、戸羽太陸前高田市長は「震災時は、国に権力を集中しても何にもならない」とまで述べている。

 たったひとり「緊急事態条項は必要」と回答した名取市の佐々木一十郎市長は、既報の通り、以前からネトウヨと見紛うような歴史修正主義を市広報紙で展開、捏造情報を載せたことで市民から批判を浴びて謝罪した人物。氏の主張を読む限り憲法改正に前向きであることは明白で、そういう意味で「緊急事態条項は必要」としたのだろう。

 緊急事態条項を憲法にくわえる必要があるのか。そう疑義を呈するのは首長たちだけではない。憲法学者の小林節氏は、同じく憲法学の権威と呼ばれる学者・樋口陽一氏との対談本『「憲法改正」の真実』(集英社新書)のなかで、こんな話を披露している。

 そもそも小林氏は、安倍晋三首相の祖父である岸信介元首相が会長をしていた「自主憲法制定国民会議」に最年少メンバーとして参加し、1994年に読売新聞社が出した「読売改憲試案」にも深くかかわっていた“筋金入りの改憲論者”だった。この本のなかでも、「正直に告白すると、かつては、憲法に国家緊急権を書きこむことも必要だと私自身は考えていて、その考えを活字にもしていました」と言う。「緊急事態に際しては、通常のチェックス・アンド・バランシズのプロセスを省いてでも、危機に対応する権限を国家に与えることは必要」というスタンスだったのだ。

 だが、そうした考えを捨てたのにはきっかけがあった。それは、阪神・淡路大震災、そして東日本大震災の際に支援活動に動いた弁護士たちから意見を聞いたことだった。
「現場を良く知る彼らの主張はこうです。災害に際して、中央の政府の権限を強化したところで、被災地の状況は把握できない。状況を把握できない政府に判断を委ねても、時間がかかるし、間違いも起こる。生死の間際にある人々をそれでは救うことはできない。災害時に必要なのは、中央の権限を強化することではなく、自治体の首長に権限を委譲しておくことなのだと。さらに言えば、災害が起きてから、あわてて中央で対策や立法を練っていても間に合わない」

 さらに小林氏は、「震災の支援活動を行った弁護士たちも、災害対策基本法に基づく緊急政令によって自治体が通常のプロセスを飛ばして直ちに危機に対応した措置を取れるようになっている、完璧ではないにしろ現状の方法で対応できたと言っていました」と述べている。前述した菅原気仙沼市長と同様、災害対策基本法で対応可能だと言うのだ。
 もし災害の緊急時に法の問題で立ち塞がったり、不備が発覚したなら、災害対策基本法を見直せばいいだけ。にもかかわらず、安倍政権は災害を理由に緊急事態条項が必要だと言い張り、憲法改正を急ごうとするのだ。

 災害対策基本法があるのに、なぜ緊急事態条項が必要なのか。じつはこの矛盾を、安倍政権は十分に理解している。
 事実、自民党は憲法改正草案のQ&Aにおいて、緊急事態条項を〈東日本大震災における政府の対応の反省も踏まえて、緊急事態に対処するための仕組みを、憲法上明確に規定しました〉と記す一方で、〈緊急政令は、現行法にも、災害対策基本法と国民保護法(中略)に例があります。したがって、必ずしも憲法上の根拠が必要ではありませんが、根拠があることが望ましいと考えたところです〉とも書いている。

 これでおわかりいただけるだろう。安倍首相は“大規模な災害が発生したときに国民の安全を守るため、憲法に緊急事態条項は必要”と強調してきたが、これは大嘘で、実際は憲法にせずとも法律があるから必要がないということを彼らは認めているのだ。

 ようするに、「備えあれば憂いなし」という人びとの感情につけ込んで改憲を訴える、それこそが彼らのやり口だ。その証拠に、小林氏は前掲書のなかで“自民党の思惑”を匂わせる、こんな話も暴露している。
「東日本大震災の直後に自民党の改憲マニアの議員から連絡があったのです。こういう緊急事態を経験した今なら、国家緊急権に国民の理解も野党の理解も得られる。やっと憲法改正の入り口が見えました、と嬉しそうに言うのです」

 今回の熊本大地震で、すぐさま菅官房長官が緊急事態条項の必要性を口にしたのも、これと同じだろう。結局、安倍政権は熊本大地震の発生によって国民が抱いている不安な気持ちを政治的に利用して、改憲に世論を誘導するのが目的なのだ。
 安倍首相は明日23日に被災地を視察することを決めたが、ここまで被災地入りを延期しつづけたのは、翌24日に行われる衆院補選をにらんでの“パフォーマンス”だと言われている。一体、どこまで熊本大地震を政治利用するつもりなのか。そう批判されるべきは、間違いなく安倍首相だ。
(野尻民夫) (リテラ16年4月22日)』


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『<緊急事態条項>被災3県で「必要」1町

 ◇岩手、宮城、福島 初動「現行法で可能」大半

 憲法改正の主要テーマである「緊急事態条項」を巡り、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の42自治体に初動対応について聞いたところ、回答した37自治体のうち「条項が必要だと感じた」という回答は1自治体にとどまった。震災を契機に条項新設を求める声が政府内外で高まっていたが、被災自治体の多くは現行の法律や制度で対応できると考えている。

 憲法改正の是非が夏の参院選の争点に浮上し、緊急事態条項は安倍晋三首相が改憲のテーマと考えているとされる。5月3日の憲法記念日を前に毎日新聞は今月、岩手12市町村、宮城15市町、福島15市町村の担当部署にアンケートを送付。37自治体が回答した。

 初動対応で「もっと適切に対処できたと感じる場面があったか」と聞いたところ、30自治体が「あった」と回答。この30自治体に対処が不十分だった原因を選択肢(複数回答可)で聞くと、(1)「震災の規模が事前の想定を超えていた」が26自治体と最も多く、(2)「法律制度に不備があった」が5自治体、(3)「憲法で保障された個人の権利(移動や経済活動の自由、財産権など)が障害になった」は2自治体、(4)「その他」は3自治体だった。

 大半は(1)を選び、初動対応が不十分だった理由として「災害業務を把握していない職員が多く、指揮命令系統も不明確で、円滑な業務遂行に支障をきたした」(福島県いわき市危機管理課)など事前の準備や制度運用の課題を挙げた。

 一方、緊急事態条項にかかわる(3)を選んだのは、宮城県女川町と岩手県岩泉町だった。東北電力の原発を抱える女川町は唯一、同条項を「必要だと感じた」と回答。「財産権が発災初動期・復旧復興期に大きなハードルとなっている」(企画課)とした。岩泉町は初動対応ではなく復興過程で財産権に絡む問題があったとしたが、「特例法で対応できた」(総務課)と同条項の必要性は否定した。

 (2)は原発事故で避難を強いられた福島県の浪江町や双葉町などが選び、役場機能の喪失や長期避難にかかわる支援の必要性を訴えた。(4)は岩手県大船渡市などで、被害想定などにかかわる理由を挙げた。

 緊急事態条項を巡っては2013年5月の衆院憲法審査会で、自民党の中谷元(げん)議員(現防衛相)が「車とか家屋などが散乱していても所有者を確認しないと勝手に動かせないので、人の命を救うのに時間的なロスがある」と、震災に絡めて必要性を説いた。これに対し、災害に詳しい弁護士らは「災害対策基本法や災害救助法は緊急時の首長らの権限強化を定め、個人の権利は障害にならないはずだ」と反論している。【川崎桂吾、関谷俊介】

 ◇緊急事態条項

 大規模な災害や有事などで国が緊急事態を宣言し、人権保障や権力分立などの憲法秩序を一時停止して非常措置を取る権限(国家緊急権)を定めた条項。緊急事態が宣言されると政府に権限が集中され、個人の権利の強い制約が可能となる。2012年の自民党第2次憲法改正草案に盛り込まれた。(毎日新聞16年4月30日)』

* * * * *

 何か毎日同じようなことを書いてしまうのだけど・・・。

 どうか賢明なる国民は、しっかりと情報を収集して、改憲さえできれば「何でもあり」の安倍自民党の主張にだまされないようにして欲しいと願っているmewなのだった。(@@)

 THANKS


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by mew-run7 | 2016-05-08 04:43