シリア拘束の安田、「助けて」の画像+情報あっても動かぬ政府、見殺しか
2016年 05月 31日
これは5月31日、2本めの記事です。
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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
ジャーナリストの安田純平氏が昨年6月にシリアにはいった後、行方不明になって、安否が憂慮されていたのだが。(関連記事『シリアで拘束の安田純平の画像が公開~安倍はまた救済を断念するのか』)
29日、その安田氏と見られる男性が「助けてください。これが最後のチャンスです。安田純平」と日本語で書かれた紙を持った画像が、インターネットで公開された。岸田外務大臣は、安田氏本人だと思われると語っている。(・・) 写真→http://news.goo.ne.jp/picture/world/mainichi-20160530k0000e030137000c.html
安田氏は、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」に拘束されているとの情報がもたらされていたのだが。後述するように、昨年末に日本政府や家族&情報源の一つがその情報を否定。3月に安田純平氏が自ら語る映像が公開された時も、日本政府は目に見える形では全く動こうとしなかった。(ーー)
「ヌスラ戦線」は、外国人のジャーナリストなどを拉致、拘束しては、身代金や捕虜との交換を繰り返している組織のようで。以前から、安田氏に関しても、政府か家族に身代金を要求していた可能性が大きい。
しかも、安田氏は今回の画像で、IS国が捕虜に着せるオレンジ色の衣服を身につけていたのだが。ヌスラ戦線は、もし身代金を得られなかった場合、安田氏をIS国に渡すことを示唆するために、この衣服を着用させたのではないかという見方も出ている。(-"-)
『<安田純平さん>「3月より厳しい表情」新画像に知人ら焦り
フリージャーナリストの安田純平さん(42)とみられる男性の新たな画像が、インターネット上で公開された。内戦下のシリアに入国後に消息不明になってから11カ月余り。「早く無事に帰国してほしい」。安田さんの知人らは焦りを募らせている。
フォトジャーナリストの豊田直巳さん(60)は「今回の安田さんとみられる画像は、3月に公開された動画より、厳しい表情に見える。画像だけでは判断できない部分もあるが、拘束が長引き、精神的にも疲弊しきっているのではないか」と気遣った。
今月上旬、スペインの通信社が、シリアで武装組織に拉致され、10カ月ぶりに解放されたスペイン人記者が一時期、安田さんと同じ場所で拘束されていたと報じた。豊田さんは「交渉のチャンネルはどこかにあるということだ。政府は安田さんの命が無事で帰ってくることを最優先し、暴力を使わないあらゆる手段で動いてもらいたい」と願った。
公開された画像で安田さんとみられる男性は髪やひげが伸び、オレンジ色に見える上着を着て、「これが最後のチャンス」などと日本語で書いた紙を手にしていた。昨年6月に安田さんがシリアに入国するまで連絡を取り合っていたジャーナリストの常岡浩介さん(46)は「オレンジ色の上着は過激派組織『イスラム国』(IS)のまねをしているようにも見える」と印象を語った。その上で「3月に公開された動画も今回の画像も、いつ撮影されたかさえ分からず、具体的な要求もない意味不明な内容。脅しだけが目的だと感じた」と話した。【福島梓】(毎日新聞16年5月30日)』
『安田さん「交渉期限1カ月」=ISと人質交換も―シリア
【エルサレム時事】シリアで行方不明になっているジャーナリスト安田純平さん(42)の新たな画像が公開されたことについて、この画像を国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」から直接入手したと主張しているシリア人男性は30日、時事通信の電話取材に対し、「交渉期限は1カ月だ」と話した。
日本政府が安田さんの解放に向けた身代金交渉に応じなければ、過激派組織「イスラム国」(IS)との人質交換を行う可能性があるという。
安田さんとみられる男性が「助けてください。これが最後のチャンスです」と日本語で書かれた紙を持っている画像は29日夜(日本時間30日未明)、インターネット上に投稿された。
ヌスラ戦線との仲介人だというシリア人男性によれば、6月20~25日に、ISが人質として拘束しているヌスラ戦線の戦闘員らの解放と引き換えに、ヌスラ戦線側は安田さんをISに引き渡す可能性があるという。
身代金の額について、男性は「日本政府が交渉を始めなければ、知らされないだろう」と指摘。一方、安田さんの安否や現在拘束されている場所は分からないと述べた。(時事通信16年5月30日)』
『岸田外相「公開画像は本人と思われる」
シリアで行方不明となったフリージャーナリストの安田純平さんの新たな画像について、政府は安田さん本人の可能性が高いとみている。菅義偉官房長官は30日朝、首相官邸で関係省庁から報告を受けた。引き続き、画像の撮影時期や撮影場所の分析を急ぐ。
岸田文雄外相は同日午前、公開された画像について記者団に「安田さん本人と思われる」と語った。菅氏も記者会見で「邦人の安全確保が政府の最も重要な責務であり、さまざまな情報網を駆使して全力で対応に努めている」と説明した。(毎日新聞16年5月30日)』
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『不明の安田さん新画像公開 入間の母が悲痛「ただ祈って待つだけ」
シリアで行方不明となったフリージャーナリスト安田純平さん(42)とみられる男性の新たな画像が公開された。埼玉県入間市の実家に暮らす母親の幸子さんは30日、報道陣の取材に「ただ祈って待つだけ。帰ってきてほしい」と悲痛な胸のうちを明かした。
幸子さんが画像を確認したのは30日午前6時半ごろ。テレビのニュースで知り、「気が動転した」。画像の中で、安田さんとみられる男性はオレンジ色の服を着て、「助けてください これが最後のチャンスです 安田純平」と書かれた紙を持っていた。筆跡について、幸子さんは「(安田さん)本人だと思う」と語り、「何もできない。これからどうなるか分からない」と声を詰まらせた。
日本政府から幸子さんへの連絡はないという。政府に要望したいことを問われると、幸子さんは「そんな立場ではない。静かに成り行きを待つだけ」と話した。
安田さんは県立川越高校を卒業し、一橋大学に進学。入間市の実家には大学卒業まで暮らしていた。幸子さんが最後に安田さんと会ったのは昨年5月で、その際、シリア入りの予定は告げられなかったという。(埼玉新聞16年5月30日)』
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安田氏は、昨年6月に現地の内戦を取材するためシリア入りしたのだが。その後、連絡が途絶え、行方不明に。昨年12月22日に国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」が、安田氏がシリアで武装勢力に拘束されているとの見解をサイト上に掲載していた。
『安田純平さん、シリアで拉致か 国境なき記者団が伝える
国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は22日、日本のフリージャーナリスト安田純平さん(41)が、中東シリアで武装勢力に拉致されて身代金を要求されている、と伝えた。ホームページ上に出した声明で、日本政府に対して救出に全力をつくすよう求めた。
同記者団によると、安田さんは7月初めにシリアに入った直後に拉致された。米国がテロ組織に指定するアルカイダ系武装組織「ヌスラ戦線」が支配している地域だという。同記者団が21日に入手した情報では、武装勢力は身代金を要求している。実行されない場合は、安田さんを殺害するか他のテロ組織に身柄を売り渡すと脅しているとしており、詳細は明らかでないが、身代金支払いの期限も設定されているという。
同記者団アジア・太平洋地区担当、ベンジャマン・イスマイール氏は「日本政府がジャーナリストの救出に必要な措置をとるよう求める」とコメントしている。
一方、日本政府関係者によると、同記者団が入手した情報に、政府は接していないという。安田さんと親しいフリージャーナリストの常岡浩介さん(46)は「声明では身代金の要求に触れているが、安田さんの奥さんら家族にそのような要求はされていない。情報の出所も不明で信憑(しんぴょう)性がない」と話した。常岡さんは行方不明の安田さんの妻と連絡を取り合っているという。(パリ=青田秀樹) (朝日新聞15年12月23日)』
『安田さんは6月、シリア内戦を取材するためトルコ南部からシリア北西部に越境。しかし、予定していた7月を過ぎても帰国していなかった。
安田さんは6月20日、現地の危険な様子をツイートしていた。
これまでの取材では場所は伏せつつ現場からブログやツイッターで現状を書いていたが、取材への妨害が本当に洒落にならないレベルになってきているので、今後は難しいかなと思っている。期間限定の会員制で取材経過までほぼリアルタイムで現場報告することも考えてたが、危険すぎてやっぱり無理そう。
安田純平 (@YASUDAjumpei) 2015, 6月 20日(The Huffington Post 2015年12月23日』
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しかし、mewの記憶によれば、日本政府の関係者や家族は、「安田氏の拘束や身代金要求は確認できていない」と、この情報を否定。
そして、「国境なき記者団」も、約1週間後に、確認が不十分だったとして、22日の発表内容を撤回するに至ったのだ。^^;
『ジャーナリストの国際団体「国境なき記者団」は12月28日、フリージャーナリスト・安田純平さんがシリアで武装組織によって拘束され、身代金を要求されているとした22日の発表を取り消した。確認が不十分だったという。(中略)
発表は「通常の方法に従って起草されておらず、十分に検証されていなかった」として、「より正確な情報が得られるまで、発表は撤回する」との声明を出した。安田さんの家族や友人らに、謝罪したいと記している。
安田さんが拘束されたとの発表をめぐっては、複数のジャーナリストから、信憑性に疑問があると指摘されていた。(The Huffington Post 2015年12月29日)
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では、「安田氏は一体、どこに?」ということになるのだが。今年3月にはいって、安田純平を名乗る男の動画が、Facebook上に投稿され、やはり武装組織に拘束されている可能性が大きいことがわかったのである。(@@)
『安田純平さん名乗る男性の動画を公開 ヌスラ戦線が拘束か(発言全文)
2015年6月に内戦下のシリアに入国した後、行方不明になったとみられるフリージャーナリストの安田純平さん(42)と名乗る男性の動画が3月16日、Facebook上に投稿された。男性は、家族への思いを語った後、日本政府を念頭に対応を求めるような発言をした。毎日新聞などが報じた。
男性は「Hello, I am Junpei Yasuda.(こんにちは、私は安田純平です)」と名乗った上で、英語で「今日は3月16日は私の誕生日で、彼らから『メッセージを送っていい』と言われた」などと語った。確認できた映像の長さは約1分7秒の長さで、男性は、机の上に置いた紙を見ながら、紙に書かれているとみられる文章を読む形で話している。
男性が語った内容の日本語訳は以下の通り。
こんにちは。私はジュンペイ・ヤスダです。そして、今日は私の誕生日、3月16日です。
彼ら(拘束しているグループとみられる)が、話したいと思うことを話していいと言い、これ(映像)を通して、誰にでもメッセージを送れると言いました。
私の妻、父、母、兄弟、愛しています。いつもあなたたちのことを考えています。あなたたちとハグし、話したいです。でも、もうできません。ただ、気をつけてと言うしかできません。
私の42年の人生はおおむね良いものでした。とくに、この8年間はとても楽しかったです。
私の国に何かを言わなければなりません。痛みで苦しみながら暗い部屋に座っている間、誰も反応しない。誰も気にとめていない。気づかれもしない。存在せず、誰も世話をしない。
■ヌスラ戦線が拘束か
NHKニュースによると、映像を公開したシリア人の男性は「安田さんはアルカイダ系の武装組織ヌスラ戦線に拘束されており、映像は解放に向けた仲介役を務めている人物から16日に入手した」と話したうえで、映像がどこでどのような状況で撮影されたのかについては「分からない」と語ったという。共同通信によると、ヌスラ戦線は日本側に身代金を要求する姿勢だという。
岸田文雄・外務大臣は午前7時ごろ外務省で記者団に対し、「映像は承知しており、その映像の分析を行っているところだ。政府にとって日本人の安全確保は重大な責務であり、情報網を駆使して対応している」とコメントした。
■ フリージャーナリスト・安田純平さん
安田さんは埼玉県出身、一橋大学卒。1997年に信濃毎日新聞記者となり、2003年1月に退職してフリージャーナリストに転身した。2004年、外務省の退避勧告が出ているイラクで取材中に武装勢力に拘束され、3日後に解放された。その際には「自己責任」と批判的な声も出たが、その後も何度もイラクやシリアを取材してきた。著書に「囚われのイラク」(現代人文社)などがある。(The Huffington Post 2016年03月17日)』
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それから約2ヶ月半。日本政府がどのような対応をしたのか、武装組織と何らかの交渉をしたのかどうか、mewには知る術もないのだが・・・。
新たに「助けてください」「最後のチャンス」と記したメッセージを掲げるような画像を公開して来たところを見ると、「テロに屈しない」精神が強い安倍首相らは、彼らとの交渉に応じていないか、彼らの要求を拒んでいるのではないかと察する。<昨年1月、IS国に拘束された2人の日本人も、本当にきちんと交渉したのかしないのか、結果的には殺害されてしまったし。(-"-)>
自分の国の首相&政府に期待できないのは実に残念なことなのだが。どうか安田純平氏が無事に帰って来るようにと心から祈っているmewなのだった。(-人-)
THANKS