(甘利)金はもらった、口利きもあった、金を渡した方も大儲け。しかし責任は・・・
2016年 06月 06日
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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
『甘利&秘書は不起訴に+いくらでも口利きができる役立たずの法律&検察に怒』『真っ黒な甘利をなぜ「不起訴」にしたのか? 官邸と法務省の”捜査潰し”全内幕』の関連記事を・・・。
『金はもらった。口利きもあった。金を渡した方も大儲け。しかし、だれも刑事責任を問われない?』
すごい、強烈なタイトルでしょ?(@@) <まさに言えてる~&的を射てる~!!って感じ。>
甘利明氏&秘書のUR口利き疑惑不起訴に関して、園田寿教授( 甲南大学法科大学院)が書いた投稿のタイトルだ。(**) <後半にアップするです。>
<メディアも本当なら、舛添都知事の公私混同の話なんかより、まさに「政治とカネ」の犯罪が絡んでいる甘利氏の事件の方を、もっと追及すべきなのにな~。(-"-)>
その自民党の甘利明氏が、今日6日、政治活動を再開することを表明したという。(・o・)
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『甘利氏が「活動再開」表明 「あっせん、一切ない」
現金授受問題で1月下旬に閣僚を辞任した甘利明・前経済再生相は6日、神奈川県大和市の地元事務所で「活動再開」を表明した。閣僚辞任直後から「睡眠障害」を理由に国会を欠席していたが、この日は「多大なご迷惑とご心配をおかけし、地元と国民の皆さんに深くおわび申し上げます」と記者団に語った。
甘利氏と元秘書は、あっせん利得処罰法違反などの疑いで告発され、東京地検特捜部は5月31日に甘利氏と元秘書2人を不起訴処分(嫌疑不十分)にしたと発表した。
甘利氏は「(問題は)寝耳に水だった。あっせんに該当するようなことは一切したことはない。不起訴処分になったが、今回のようなことが二度と起こらないように事実関係を把握する必要がある。調査再開を弁護士にお願いした」と強調。「(調査結果について)最終的な報告があれば、適切な時期に説明させていただく」としたが、具体的な時期は示さなかった。
甘利氏はこれまで、「睡眠障害」を理由に約4カ月にわたり国会を欠席。野党は国会での説明を求めていたが、応じていなかった。(朝日新聞16年6月6日)』
『甘利氏は「いまだに薬に頼っているが、通院しながら徐々に活動を再開する」と述べた。
あっせん利得処罰法違反容疑で告発され、その後不起訴処分となったことに関しては「寝耳に水の事件であることを丁寧に説明してきたのが受け止めてもらえた」と振り返った。自身による調査は今後も継続するといい、「事務所全体の脇をしっかり締め、二度と(問題が)起きないようどうするかに徹したい」と強調した。
これに関し、自民党の谷垣禎一幹事長は6日の記者会見で、「元気になったことは喜ばしい。事実関係の調査をし、適切な時期に説明していくものと思う」と語った。(時事通信16年6月6日)』
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甘利氏は1月末に週刊誌でURへの口利き疑惑が報じられたのを受け、秘書の金銭受領などを認め責任をとるとして、経済再生大臣を辞任。睡眠障害であるとして、今月1日の閉会まで4ヶ月以上も国会に来ず、政治活動を行なっていなかった。(~_~;)
甘利氏と元秘書は、あっせん利得処罰法違反などの疑いで告発されたものの、東京地検特捜部は5月31日に甘利氏と元秘書2人を不起訴処分にすると発表。
国会が終わって参考人招致をされる可能性が減ったこと(民進党は閉会中審査を求めているけど)、また、甘利氏は安倍首相の盟友として会って協議する必要などもあること、近いうちに衆院選が行なわれるとの話もあることなどから、政治活動を再開したものと思われる。(-"-)
<甘利氏は、前政権から安倍首相を支えている旧NASAの会(故・中川、麻生、菅、甘利)で、みんなのクッション役。甘利氏がいなくなって、麻生氏と菅氏の関係がギクシャクして来たと報じられるようになっている。(~_~;) (安倍氏は自分の友達を役職を変えながらも、周辺に集めていて。萩生田総裁特別補佐は内閣官房副長官に。で、文科大臣を辞めた下村博文氏を代わりに総裁特別補佐に指名。官房副長官だった加藤氏は一億総活躍大臣に起用。甘利氏もそのうち何かのポジションを得るかも?^^;)
甘利氏は、1月末から調査を行なって報告するといい続けているものの(安倍首相も甘利氏がそうすると信じていると何度も発言)、いつ調査が終わって報告をするかは「???」のまま。
甘利氏らの不起訴処分には納得行かないとの声が多く、早速、市民団体が検察審査会に申し立てを行なったのだが。審査に申し立てられたことを理由に、また何も説明することもないまま、政治活動&衆院選の準備を始めそうだ。(-"-)
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でもって、冒頭でもタイトルをご紹介した、園田氏の投稿を。
『【甘利疑惑】金はもらった。口利きもあった。金を渡した方も大儲け。しかし、だれも刑事責任を問われない?
園田寿 | 甲南大学法科大学院教授、弁護士
2016年6月4日 22時6分配信
あっせん利得処罰法は、政治家やその秘書が、国や地方公共団体等が締結する契約または行政庁の処分に関して、依頼者の有利になるように口利きの依頼を受けて承諾し、その報酬を受け取ったり、当該議員等の「権限に基づく影響力を行使して」公務員等に依頼者の有利になるように口利きをし、その報酬を受け取ることを処罰しています。
あっせん利得処罰法第1条1項
衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長(以下「公職にある者」という。)が、国若しくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約又は特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、三年以下の懲役に処する。
「権限に基づく影響力を行使して」とは、具体的には「議会で問題にしますよ」とか、「予算や人事に影響を与えますよ」といったようなことを意味しますが、この点は、従来からあっせん利得処罰法が〈ザル法〉になりかねないと言われていた点で、実際には、権限をチラつかせて、威嚇や恫喝、恐喝まがいの口利きを行う議員などは考えられず、普通は、「◯議員の◯◯ですが、例の件、なんとかなりませんかねぇ、よろしくお願いしますよ」と、やんわりと低姿勢で口利きをするのではないかと思われるのです。実際に、今まで国会議員に対してあっせん利得罪が適用されたケースはありませんが、この要件がネックになっているのだと思われます。
今回、特捜部が不起訴としたのは、この「権限に基づく影響力を行使して」あっせんをしたのかどうかについて、十分な証拠がないと判断したことが大きかったと思われます。
しかし、「権限に基づく影響力を行使して」の要件は、あくまでも相手方公務員に対する口利きの際の要件であって、依頼(請託)を受けるときの要件ではないのです。
この点は重要ですので、まずは国会の会議録で確認しておきたいと思います。
◯衆議院議員(山本有二君)・・・・・
なお、本罪(あっせん利得罪:筆者注)が成立するためにはあっせん行為を行うことは必要ではございません・・・・・。
◯仲道俊哉君よくわかりました。
次に、請託についてですが、請託があったというためには政治公務員が権限に基づく影響力を行使することを含めて依頼することが必要か、あるいは一定の職務行為のあっせんを依頼することで足りるのか、この点についてお伺いいたします。
◯衆議院議員(山本有二君) 先生の御指摘は、請託には公職者の権限に基づく影響力を行使することの内容が必要であるかどうかという点であろうと思いますが、これは要しないというところでございます。
あっせん行為の請託とは権限を有する公務員に一定の職務行為をさせるように依頼するところであるところ、権限に基づく影響力の行使はあっせん行為の内容ではなく、あっせんの方法にすぎないものでございますから、本法案の罪が請託の内容として権限に基づく影響力を行使することの依頼まで要するものではないという点でそういうことが言えようかと思います。(発言中の太字は筆者)
出典:平成12年11月17日 第150会国会参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会会議録第9号2頁
つまり、「請託を受け」の意味は、公務員に対し一定の職務行為を行うことや、行わないことをあっせんするよう依頼を受けて、これを承諾するという意味であって、「権限に基づく影響力を行使して」あっせんすることまでを依頼する必要はないのです。権限に基づく影響力の行使は、あっせんの内容ではなくあっせんの方法だからです。
具体的には、A業者に対する◯◯業の許可を早く出すようにB省の役人に単に「働きかけてください」との依頼や、◯◯業者から◯◯という物品を納入するよう単に「C省の役人に働きかけてください」などの依頼を受けて、これらを承諾した場合が考えられます。法務省関係者による解説書でも、そのように説明されています(勝丸充啓編著『わかりやすい あっせん利得処罰法Q&A』大成出版社2001年6月、27頁)。
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もう少しわかりやすく説明します。次の図を見てください。
つまり、あっせん利得処罰法で処罰対象となっている行為は、
国会議員等が、国が締結する契約や行政庁の処分などに関して請託(依頼)を受けて、口利きすることを約束し、その報酬を受取ること(実際にあっせん行為を行うことは必要ではありません)
国会議員等が、国が締結する契約や行政庁の処分などに関して請託(依頼)を受けて、「その権限に基づく影響力を行使して」口利きをし、その報酬を受取ること
の2つの行為なのです。
第2の「権限に基づく影響力を行使したあっせん」があったのかどうかは、とくに今回はあっせんの相手方である都市再生機構(UR)の職員がそのようなことはなかったと言っているようですので、確かに立証は難しいだろうと予想されますが、第1の行為については、さらに検察審査会で十分に精査してほしいと思います。
そもそも、今回の事件の発端は、週刊文春のスクープです。その記事の中に次のような箇所があります。
二〇一四年二月一日の午前十時三十分。一色氏は、大和事務所の応接室で甘利大臣の到着を待っていた。
「その日は、大臣に新たなURとのトラブルを説明するために伺いました。数センチ程の厚みがある青いファイルに資料を挟み、事前に清島所長から指示されていた通り、要点をまとめたA4用紙二枚を持参しました。十時半を過ぎたころ大臣が現れ、挨拶をすませると、所長が、『この資料を見てください』と言って、私のファイルを大臣に手渡したのです。真剣に目を通していただき、『これはどういうこと?』と、いくつか質問もされました。すぐに要点を理解されたようで、やはり頭のいい方ですね。大臣は、『一色さん、ちゃんとやってるんだね。わかりました』と言い、所長に『これ(資料)、東京の河野君(現・大臣秘書官の河野一郎氏)に預けなさい』と指示しました。
そして所長が『一色さん、例のものを』と小声で言うので、私は現金五十万円が入った封筒を大臣に差し出しました。甘利さんは『ありがとう』と言って、封筒を受け取りました。そして最後に、所長がシャッターを押し、私と大臣の写真を撮ってくれたのです」出典:週刊文春2016年1月28日号25頁
問題となるのは、このやり取りです。
この部分が、あっせん利得処罰法第1条1項の「請託を受けて、あっせんすることについて、報酬を得た」に該当するのではないかと思われるのです。
もう一度言いますが、依頼は、単に「口利き」の依頼で足りるのであり、この段階では「権限に基づく影響力の行使」は要件ではないのです。「◯◯に、口を効いてください」との依頼があり、それを承諾して、現金などを受取る。これであっせん利得罪は成立するのではないですか。これについては、その後、実際に「権限に基づく影響力を行使した」あっせんが行われたのかどうかは関係がありません(上記「会議録」2頁)
なお、念のために付言しますと、請託は明示である必要はなく、黙示でも足りますし、承諾も当然黙示の場合もあります。刑法上の受諾収賄罪(刑法197条1項)に関するものですが、次のような判例があります。
請託は必ずしも賄賂供与の事前に明示的になされることを必要とするものではなく、賄賂を供与すること自体により黙示的にその依頼の趣旨を表示するのも請託にほかならないのであり、その際依頼の趣旨を諒承して賄賂を収受すれば、予め明示の依頼を受けこれを承諾してしかる後賄賂を収受した場合とその処罰価値においてなんら選ぶところがないから、やはり請託を受けて賄賂を収受したものに該当する。
出典:東京高裁昭28年7月20日判決
検察審査会には、この点を十分に審議してほしいと思います。(了)
【参考】
郷原信郎「特捜検察にとって"屈辱的敗北"に終わった甘利事件」
園田寿
甲南大学法科大学院教授、弁護士
1952年生まれ。関西大学大学院修了後、関西大学法学部講師、助教授をへて、関西大学法学部教授。2004年からは、甲南大学法科大学院教授(弁護士)。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、青少年有害情報規制などが主な研究テーマ。現在、兵庫県公文書公開審査会委員や大阪府青少年健全育成審議会委員などをつとめる。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『インターネットの法律問題-理論と実務-』(2013年新日本法規出版、共著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。趣味は、囲碁とジャズ。』
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