久米宏が、安倍が不機嫌になったらそれは勲章。メディアの矜持で、他と違うもの作れ
2016年 06月 24日
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今のメディアの状況(とりわけ政治系の報道メディアの状況)について、久米宏氏の意見をきいてみたいな~と思っていたら。朝日のdot,comが、『緊急復刊朝日ジャーナル』(6月27日発売)に掲載した久米宏氏のインタビューを載せてくれていた。(・・)
mewはまさに久米っ子で。久米宏氏がTBSアナの時代から司会を務めていたテレビ番組は、ほとんど見ているのではないかと思うのだけど。<「ぴったしカンカン」とか「ザ・ベストテン」とか、不利になってからは「おしゃれ」「久米宏のTVスクランブル」なども・・・。<久米宏のサインも持っている。何故か政経の問題集にしてもらった。>
久米氏は、、1985年~2004年まで約20年間、テレビ朝日で「ニュースステーション」のキャスターを務めていたのだが。
いわゆるテレビ局が単独で作るニュース番組と違い、テレビ朝日とオフィス・トゥー・ワンが共同制作して、番組の構成、進行、扱うニュースの取捨選択、扱う順番、中身や切り口を決めるような形のニュース番組が作られるのは、おそらく初めてのことだったと思われる。(~_~;)
それゆえ、すご~く大きな楽しみも苦労もあったことだろう。_(。。)_
久米氏の「ニュースステーション」は、自民党の議員から嫌われる傾向にあって。同党議員が取材や出演の依頼を断ることが少なくなかったようなのだが。久米氏自身は、政府からの圧力を感じたことはなかったという。
ただ、久米氏は、圧力はなくとも「自粛」する傾向が強いため、どの番組も同じような内容になっていて。それがテレビを面白くなくさせていると考えているようだ。(@@)
『僕は「他の番組と違うことをやろう」としか考えていなかった。極端な話、キャスターが前を向いて話す必要もないんじゃないかとか。そういった工夫をしないと、他局に勝てなかった』
『今はニュースの現場にいないのでわかりませんが、ニュースステーションをやっていたときに、放送局に圧力があったとは聞いたことがありません。唯一、思い出せるのは、番組を始めて1年ぐらい経ったときに、自民党の幹部から「毎晩見てますよ」と連絡が来たことぐらい。その人からすると圧力なんて思ってもないかもしれませんが。
先日、元NHKの池上彰さんとニュース番組の話になりました。池上さんは、今のニュース番組に元気がないのは、テレビ局に「自粛」の空気が広がっているからだと。たしかに、NHKの会長に籾井勝人さんがなって、「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と言っていますから、現場は萎縮しているのかもしれない。
ただ、もっと根源的な話をすると、放送局が持つべき「矜持」が失われているのではないかと思うんです。…』
『民放も同じ。企業として持続することと同時に、ニュースを伝える人間は守らなければならない矜持やルールがある。それが忘れられている。』」
mewが一番印象的だったのはね~。
『人間、同じ質問を同じように答えるのって面白くない。その場で一生懸命考えてはじめて、命のある言葉になる。顔つきも変わる。
安倍さんが生放送の番組で不機嫌になったら、それは勲章ですよ。ニコニコ笑っていたら、ダメ。…』(今は山本太郎もこの役割を果たしているかも。
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先日も書いたように、14年の衆院選では、安倍官邸からの圧力(お導きによる自粛?)によって、12年の時の1/3しか選挙活動に関する放送が行なわれず。メディアは、国民と共に政府を監視する役割を、放棄しつつあったように見えるだけど・・・。
果たして今度の参院選では、メディアとしての矜持を胸に刻んで、いざおなれば、政府とやり合うぐらいの気持ちで、民主主義の担い手として活躍したいと願っているmewなのだ。(**)
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『久米宏・独占インタビュー「テレビのニュースがつまらなくなったワケ」
dot. 2016年6月23日 16時00分 (2016年6月23日 18時52分 更新)
テレビをつければ、舛添問題ばかり──。最近は「ニュース番組が面白くない!」と思っている人が多いのではないか。それもそのはず、安倍政権に物申していた人らがテレビから次々と消え、活気はイマイチに。久米宏さんの目には、現状はどう映るのか──。『緊急復刊朝日ジャーナル』(6月27日発売)では、久米さんが今のマスコミに対する率直な意見を吐露。その一部を紹介する。
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──今春、岸井成格さん、古舘伊知郎さん、国谷裕子さんがキャスターを辞め、夜のニュース番組が大きく変わりました。
4月に僕のラジオ番組で「テレビのニュース番組を斬る」という特集をやったんです。それで、普段はあまり見ない各局のニュース番組を見比べてみた。気づいたのは、番組の構成、雰囲気、言葉遣い、何から何まで似ているんですよね。昼のワイドショーは特に同じです。
──今のニュース番組の基礎は、久米さんが1985年に始めた「ニュースステーション」にあるのではないですか。
僕は「他の番組と違うことをやろう」としか考えていなかった。極端な話、キャスターが前を向いて話す必要もないんじゃないかとか。そういった工夫をしないと、他局に勝てなかったから。当時も次々にニュース番組が出てきましたが、ライバルが増えれば、他と違う切り口や、話し方を変えないといけない。「どうやって視聴者に伝えるか」を徹底的に考えて、他とは違う、手触り感のある番組を作ることが大切なんです。…
それが今は、北朝鮮取材で平壌から中継しても、どの局も同じ場所にリポーターが立ち、同じ内容を伝える。北朝鮮当局から規制があっても、リポーターは平壌の散髪屋に行って、自分の髪を切ってもらうぐらいのことはできるはずです。それでテレビに映って、「これが平壌で流行の髪形です」と話せばいい。それぐらいの工夫をやる人がいないというのが、不思議ですよね。
──最近では、高市早苗総務相が国会で、政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、テレビ局への停波について言及するなど、テレビ報道への圧力が強まっていると言われています。
今はニュースの現場にいないのでわかりませんが、ニュースステーションをやっていたときに、放送局に圧力があったとは聞いたことがありません。唯一、思い出せるのは、番組を始めて1年ぐらい経ったときに、自民党の幹部から「毎晩見てますよ」と連絡が来たことぐらい。その人からすると圧力なんて思ってもないかもしれませんが。
先日、元NHKの池上彰さんとニュース番組の話になりました。池上さんは、今のニュース番組に元気がないのは、テレビ局に「自粛」の空気が広がっているからだと。たしかに、NHKの会長に籾井勝人さんがなって、「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と言っていますから、現場は萎縮しているのかもしれない。
ただ、もっと根源的な話をすると、放送局が持つべき「矜持」が失われているのではないかと思うんです。…
世の中にはいろんな企業があります。収益をあげて、組織を存続させることを目的としていますが、利益以外にも、その企業が存在している理由があるはずです。
たとえば、宗教法人であるお寺は持続することに使命がありますよね。廃寺になってしまえば、お墓を守る人がいなくなりますから。一方で、宗派の教えを守ることも、お寺にとって第一義的に大切なことです。
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──いまやニュース番組でも台本通り、打ち合わせ通りに進行することが多いと聞きます。
それでは生放送の面白さは出ない。僕は、前日に考えた質問よりも、当日の本番中に思いついた質問を優先していた。その方が面白いからです。前日に考えた質問なんてつまらない。
──選挙特番の「選挙ステーション」などでも、意表をつく質問で政治家を怒らせていました。
橋本龍太郎さんや森喜朗さんは露骨でしたね。僕は政治家が不機嫌になると、うれしいんですよ。他の番組でニコニコしていた人が、僕の番組では苦々しい表情になる。それを引き出すために、いろんな質問を考えるわけです。
人間、同じ質問を同じように答えるのって面白くない。その場で一生懸命考えてはじめて、命のある言葉になる。顔つきも変わる。
安倍さんが生放送の番組で不機嫌になったら、それは勲章ですよ。ニコニコ笑っていたら、ダメ。…
その報道番組はロクなものではない。宗派を忘れたお寺みたいなものです。
──安倍政権は「テレビにどう映るか」を細かく考えて、情報発信をしていると言われています。
妻の昭恵さんが言うには、安倍さんは映画好きで、映画監督になりたかったと言っているそうですね。僕は、とても映画監督に向いているとは思えないけど(笑)。
ただ、安倍さんは、映像については、そこら辺のテレビマンより関心があるかもしれない。少なくともテレビマンは、安倍さんより映像のプロであってほしい。
──今の日本で期待できるキャスターはいますか。
いませんね。
──では、今後、テレビニュースを面白くしてくれるキャスターは出てこないのでしょうか。
一人出てくれば、すぐに変わりますよ。テレビってそういうものです。
でも、新聞記者がメインキャスターや重要なコメンテーターをやっている限りはダメでしょうね。ニュースの解説には、もちろん知識や教養が大切です。ただ、テレビでは「何を言うか」よりも「どういう言い方をするか」の方が重要な場合がある。そこがテレビの難しいところ。
踏み込んで言うと、どんな例え話が最も視聴者に伝わるのか。テレビは新聞記事に比べて文字量が圧倒的に少ない。そこを考えているキャスターやコメンテーターがどれだけいるのか。筑紫哲也さんは新聞記者出身でしたが、よく考えていましたね。映画も好きで、テレビについても研究をしていました。
──ニュース番組の現状を変えるために、今でも久米さんのニュース番組復帰を期待する声がありますが。
よく聞かれるんですけどね。毎晩ニュース番組をやるのって大変なんですよ(笑)。
※週刊朝日 2016年7月1日号』