小池と橋下の危険な共通性~大都市のイメージ選挙+安倍政権には好都合?
2016年 07月 31日
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今日はいよいよと知事選の投開票日なのだけど・・・。(@@)
その前に、昨日30日、安倍首相&菅官房長官が、7ヶ月ぶりに橋下徹氏と会ったという。<おおさか維新の松井代表(大阪府知事)、馬場幹事長も同席したそうな。>
『安倍晋三首相は30日夜、おおさか維新の会の橋下徹前代表(前大阪市長)、松井一郎代表(大阪府知事)と東京都内のホテルで会談した。
先の参院選で改憲勢力が3分の2の議席を占めたことを踏まえ、今後の憲法論議の在り方などをめぐって意見交換した。
会談には菅義偉官房長官、おおさか維新の馬場伸幸幹事長も同席した。出席者によると首相は、「(衆参の)憲法審査会を開いて、憲法改正をやっていきたい」と改憲への意欲を表明。おおさか維新側も理解を示した。(時事通信16年7月31日)』
<ちなみに、おおさか維新は一時、小池氏の推薦を検討していたとのこと。情勢調査を見ると、維新支持者の多くは都知事選では小池百合子氏を支援している。オモテ向きは「身を切る改革、既得権益の打破」を応援するとか言っているのだが。実際には、松井氏や安倍氏と同じ日本会議系の超保守タカ派・改憲派である小池氏と政治思想が極めて近いということが大きい。(-"-)>
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ところで、何で最初に橋下氏の話を出したかと言えば、先週「橋下と小池って何かチョット似かよっているとこがあるよね」と話をしたのを思い出したからだ。(~_~;)
権力と戦うかのようなポーズをとって、話術とイメージ、ポピュリズムで有権者を巻き込んで、大都市の知事になる。でも、実際には権力をうまく利用し、時には手を結んで、相手も助ける。
選挙の時にはクチにはしないが、戦前志向の保守的な施策も実行する。<大阪は国旗、国歌条例を作った。(>_<)>
もし小池氏が知事に当選することがあれば、またアレコレ書く機会もあるかと思うけど。小池氏は、自民党の都連とはやり合うかも知れないが。同じ超保守仲間の安倍首相&周辺やおおさか維新系などの保守派の議員とは、憲法改正その他でお互いに利用し合うことを考えるだろう。(-_-;)
でもって、今、リテラを見てみたら、『誰が「橋下徹」をつくったか』の著者・松本創氏も橋下氏と小池氏に類似性を感じたようで、東京都知事選を目前にこんな緊急寄稿を出していた。(・・)
興味深い内容だったので、ここにアップしておきたい。(++)
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『誰が「橋下徹」をつくったか』著者・松本創が東京都知事選で緊急寄稿!2016.07.30
小池百合子と橋下徹の危険な共通性!“オルタナティブ”を選んだつもりが“民主主義の敵”を生み出す結果に
東京都知事選も最終盤。優勢の小池百合子氏を増田寛也氏が追い、鳥越俊太郎氏は苦戦の情勢だという。「初の女性都知事誕生への期待」「女性活躍や子育て・環境政策」「自民党都連を敵に回し、組織なしで奮闘している」などが、小池氏が支持される理由だと聞く。
なるほど、ご本人のサイトをのぞいてみると(https://www.yuriko.or.jp/senkyo/seisaku/)、「東京大改革宣言」と銘打って都政の透明化・五輪予算の適正化・知事報酬削減などを掲げ、「ダイバー・シティ」なる奇妙な造語のもと、女性や高齢者や子育て世帯にやさしいソフトなイメージを強調している。
一見リベラル寄りな、「既得権益」や「既成政党」に挑む、女性らしい清新な改革派──。しかし、彼女の過去の足跡や発言を見ればそんなことはなく、というより真逆で、保守系組織の日本会議や排外主義団体の在特会とも関係し、古い家族観と性別役割意識にとらわれ、核武装論すら容認するマッチョな思想の持ち主なのだと、このリテラをはじめ、さまざまなところで指摘されている。
もとより都知事選は都民の選択であり、遠く関西に住む私は傍観するのみだったのだが、こうした一連の報道に接するうち、自分の取材経験から思い出すことがあった。
実は、小池氏は関西、それも私が住んでいる神戸・阪神間と縁が深い。芦屋に生まれ、神戸の私立中高、西宮の大学に通った(その大学を中退してカイロ大へ移ったらしい)。父親は神戸で貿易商をしていたといい、典型的な「阪神間子女」である。その縁があったためだろう、日本新党時代の1993年から12年間、伊丹や宝塚などの阪神間を選挙区としていた。(下につづく)
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『2000年に総選挙があった時、地元紙の記者だった私は、何度か彼女を取材した。初めて伊丹の事務所でインタビューしたのはちょうど、新進党時代からの“ボス”だった小沢一郎氏(当時・自由党)のもとを離れ、保守党へ移った直後だった。当時の記事には「急ハンドルを切る小沢さんに必死でついて来た。でも、今度ばかりは振り落とされてしまった」と殊勝な言葉が残るが、実際は、当時の自自公連立政権において与えられていた経済企画総括政務次官のポストを優先し、政権内に残る選択をしたのだった。政界入り以来、「非自民・非共産」を標榜していたが、この時点で既に将来の自民党入りもにおわせていた。
同時期の別の記事には、こんな言葉もある。
「女性(政治家)の主張は教育、福祉、環境に偏りがち。だがどの分野にもお金が絡み、税制改革や景気浮揚なくてはできない。私にはバランス感覚がある」
自分は従来の、そこいらの女性政治家とは違うと言っているのだ。予算や税制を動かす、より権力の中枢に近いところを目指しているのだ、と。そんな彼女の言葉を受けて、選挙区の有権者である女性がこう語っている。
「(政界に)女性が増えるのはうれしいが、旧態依然とした“政治屋”になる人もいる。女性だからといって投票することはない」
その2年半後、思惑通り自民党入りした小池氏は、今度はボスを小泉純一郎氏に乗り換え、2005年の郵政選挙で「刺客」として東京10区へ鞍替えする。そこから先の環境大臣、防衛大臣、自民党広報本部長、党総務会長……と続く出世双六と、このたびの都知事選への転身の経緯は、最近の報道でよく目にする通りだ。
政治家である以上、権力の中枢を目指すのはある意味当然であろうし、時どきの情勢によって誰とでも手を組み、「政界渡り鳥」と揶揄される振る舞いも、それだけでただちに非難されるべきことではないのかもしれない。ただ、これほど権力志向が強く、マッチョな思想の持ち主が、今回はなぜ、「女性だから」「自民党と戦っているから」という理由だけで、「リベラルでソフトな改革派」のイメージを獲得できるのか。その点は少し考えた方がよさそうだ。
昨年末までの8年間、大阪を席巻した「橋下現象」を観察してきた私としては、両者に共通する構図があるような気がする。
守旧派のドンが支配する議会。それと結託して既得権益を固守する役所、さらには労働組合。そういうズブズブのドロドロが固着した既存の体制をぶっ壊し、一掃してほしい。大阪の場合なら「役人天国」と呼ばれた公務員の腐敗を懲らしめてほしい、東京なら前任の猪瀬氏や舛添氏のような、いわゆる「政治とカネ」問題を二度と許すまい。橋下徹氏も、小池氏も、そういう不正への怒りと改革志向に押し上げられた。
政策の中身よりも政治家としての資質。過去の言動や実際の思想よりも、旧体制に立ち向かう姿勢や語り口。彼らが歯切れよく訴える「カイカク」の中身がなんであれ、その響きはとりあえず、マスメディアや無党派層にウケがいい。偽装であったとしても、そのポジションを首尾よく獲得し、イメージをうまく作ったほうが勝つのだ。
橋下氏は政治家になる以前のタレント時代に「テレビでは何を語るかよりも、どう語るかだ」と持論を述べ、大阪府知事時代には「府民は視聴者だと考えていた。だから府民にどう映るかだけを重視した」と語った。大阪市長になり、都構想の効果額が議論されていた時には「数字は見せ方次第だ」と職員にハッパをかけ、中身が市民に理解されていないと指摘を受けると、「車を買う時に設計図まで見る人がいますか?」と開き直った。
政策の中身など誰も見ない、それよりイメージが大事なのだ、ということを繰り返し述べてきたわけだ。で、それは結果的に「ほぼ正しかった」ことを、8年間を通じて高止まりし続けた支持率と選挙の強さによって証明してみせた。「ほぼ」と言ったのは、大一番の都構想住民投票では敗れたからだ。
だが、あの結果とて、都構想の瑕疵や危うさが理解されたからだと断言することはできない。都構想反対派が掲げた「大阪市なくしたらアカン」「We Say No!」などのキャッチフレーズが、賛成派の「CHANGE OSAKA!」「二重行政の解消」にかろうじて勝った、つまり、橋下氏がたった一度だけ「イメージの闘い」に敗れた結果ではなかったかと私は見ている。(下につづく)
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『チャップリンとヒトラー』(岩波書店)という興味深い本がある。「メディアとイメージの世界大戦」と副題にある通り、映画『独裁者』をめぐる2人の闘いを子細に追ったものだ。著者の大野裕之氏は、「史上初めてそのキャラクター・イメージを全世界に行き渡らせたメディアの王様チャップリンと、イメージを武器にメディアを駆使して権力の座についたヒトラー」とそれぞれを位置付け、こう書いている。
〈「『独裁者』をめぐる闘いは、メディア=毒を駆使して頂点に上り詰めたヒトラーとチャップリンによる、メディアにおける闘い、チョビ髭をめぐってのイメージとイメージの闘いだった〉
〈……メディアを戦場としたヴァーチュアルな戦闘行為は激化の一途をたどっている。イメージを武器にしたメディアという戦場においては、毒性の強い嘘やセンセーショナルなデマが勝つ場合が多い〉
『京都を拠点とする大野氏と一度だけ会った時、聞いてみた。「大阪の橋下現象をどう見ていましたか」と。彼は、自著で分析した1930~40年代と同じことが起きているように感じたと言い、最後にこう言った。
「あるイメージに打ち克つには言葉や論理が大切だと言われますが、結局は、より強いイメージをぶつけるしかないと思うんです。橋下さんが間違っていると思うなら、彼の作り出すイメージを上書きするぐらいの人物やメッセージを出さないといけない」
そうしたやり方が「正しい」かどうかは別にして、現代の、特に大都市圏における選挙がそういう力学で動いていることは否定できまい。今回の都知事選でも、待機児童問題を除けばほとんど都政の課題が語られていない、都市計画や交通網などの基盤整備が争点になっていないのは驚くべきことだという指摘がある(「ハフィントンポスト」2016年7月27日付)。
既成政党や既得権益の打破、反権威・反権力、改革断行、民主主義や庶民・女性目線といった、わかりやすく溜飲の下がるイメージに共感して、清新なオルタナティブ勢力を選んだつもりが、実は最も恐るべき、民主主義の敵を選んでしまっていた、というようなことにならないことを願う。
(松本創)
■松本創(まつもとはじむ)プロフィール
1970年生まれ。神戸新聞記者を経て、フリーランスのライター/編集者。関西を拠点に、政治・行政、都市や文化などをテーマに取材し、人物ルポやインタビュー、コラムなどを執筆。著書に『誰が「橋下徹」をつくったか 大阪都構想とメディアの迷走』(140B)、『ふたつの震災?[1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(西岡研介との共著/講談社)など。前者が本年度の第59回日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞を受賞。』
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『小池氏は、この日も朝から声を張り上げた。(中略)
時にかすれ声になりながらも「殺人予告も受けました。暴言、暴力も受けましたが私は負けません」と豪語。
周囲から「東京のジャンヌ・ダルクになってくれ」との声が飛ぶと「なりましょう!ジャンヌ・ダルクは最後に火あぶりになりました。私もなっても構いません!」と強く宣言した。(スポニチ16年7月30日)』
もはやす~っかり劇場型のヒロインになり切りつつある小池氏の言動を見て、mewは開いたクチが塞がらなくなってしまったほどだ。(・o・) <これって確か都知事選だよね。^^;>
でも、結局、東京都民も、(橋下氏をヒーローに仕立て上げた大阪と同様?)よさげな見た目や大げさな話し方などポピュリズム的な要素に心躍らせて、こんなセリフを吐く候補者に都政を託すのだろうか?(~_~;)
今日も夜まで仕事があるので、何時に帰ることができるかわからないのだが。できるなら、20時過ぎにスマホを覗いた時に不快な速報ニュースを目にしたくないな~と・・・。そして、せめて投票率が最低でも50%、できるなら60%は行って欲しいな~と願っているmewなのだった。(@@)
THANKS