「平和で平穏で楽しい生活が一番!」 今はアンチ超保守&安倍政権の立場から、mew基準の(時に偏向した?)視点で、政治や競馬、スポーツなどについて書いています。写真は溺愛馬トロットスター


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生前退位に改憲が必要だと国民に刷り込もうとする安倍内閣&法制局&保守メディア

  これは8月23日、2本めの記事です。

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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】

【北海道に台風が次々と上陸し、甚大な被害をもたらしている。被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。まだ天候が不安定ですし、地盤が緩んでいるところも多いようですので、どうか今後もお気をつけください。m(__)m】


 昨日、思わず「はあ?何、言ってんの?」と声をあげてしまうような(実際、声をあげた!)報道があった。 (゚Д゚)

 集団的自衛権の憲法解釈変更しかりで。第二次安倍政権になってから、まっとうな憲法論をヨコに置いて、(超)保守タカ派に毒されたのではないかと思われる内閣法制局が「天皇生前退位の制度化には、憲法改正が必要だと言い出したというのだ。(@@)

 以前から書いているように、保守派の中には、天皇の生前退位に慎重、反対の人たちが少なくないし。もし認めるにしても、今回も特例法で対処した方がいいと主張する人たちの方が多いようなのだけど・・・。

 1日も早く憲法改正の実現を望んでいる彼らは、もし国民の多くが生前退位を認めるようなら、この際、それをおいしく利用して、改憲運動と結び付けることも考えている様子。
 それもあって、保守派の産経・フジ系(FNN)、読売・日テレ系(YTV、NNN)は、国民に「生前退位→改憲」という刷り込みを行ない、徐々に世論誘導を行なおうとしているのではないかという疑いたくなる。(-"-) <もし国民がそれにノって来なければ、特例法にせざるを得ないという根拠に使ってもいいしね。>

 ただ、後半にアップする法学者の論稿に記されているように、おそらく大部分の憲法、法律の専門家は、生前退位を制度化するのに、憲法改正は不要だと主張することだろう!(**)mew,too.

* * * * * 

 実は、先月も、NNNが政府関係者が「現行憲法上、生前退位は無理だ」という考えを示しているというニュースを流したのだが。<その根拠として、天皇の国政への関与を禁じた憲法第4条、「生前退位」という制度を設けることと、摂政を置くことを定めた憲法第5条との整合性に問題があるとしていた。>
 何分にも、憲法学の通説とも、それまでの政府の解釈とも異なる偏向説なので、おそらく多くの議員や識者、メディア関係者などは、あくまでも超保守派が自分たちに都合のいい解釈をしているだけだと受け止めていたのではないかと察する。(・・)

『政府関係者は14日夜、天皇陛下が生前に天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を持たれていることについて、憲法上の問題から「天皇陛下の生前退位は無理だ」と述べ、公務の負担軽減を軸に検討していくべきとの考えを示した。

 陛下の意向があると報じられる中で、皇位継承について定めた皇室典範を変えることが、天皇の国政への関与を禁じた憲法第4条に抵触する可能性を念頭に置いたものとみられる。

 また、「生前退位」という制度を設けることと、摂政を置くことを定めた憲法第5条との整合性を問題視しているとみられる。(NNN16年7月14日)』

 この頃、ほとんどのメディアは、天皇の生前退位を認めるには、今上天皇だけであれば特別法で対応するし、制度化するなら皇室典範の改正が必要だと伝えていたのであるが。
 ところが、今月上旬、FNNが『今後、「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思うか』という質問がはいった世論調査を行なったため、一部から世論誘導だという批判の声が出ていた。<詳しいことは、あとでアップする記事の中に。>

 おそらくFNNは、このような質問を設けて、早い段階で、国民にあたかも改憲が必要であるかのような印象を与えようとしたのではないかと思う。<どれくらいの人が賛成するかも。調べたかったのかも。(-"-)>

* * * * *

 さらに昨日になって、ついに読売系のテレビが、内閣法制局までもが「生前退位の制度化には改憲が必要」だと言っていると報じるに至り、mewは唖然とさせられてしまったのである。(・o・)
<こちらも詳しくは後掲示する論稿に。>

『“生前退位"内閣法制局「憲法改正が必要」

 天皇の生前退位をめぐり、内閣法制局などが、将来にわたって生前退位を可能にするためには「憲法改正が必要」と指摘していることが新たに分かった。
 天皇陛下のお言葉を、安倍首相は「重く受け止めている」と述べたが、憲法との整合性をいかに保つか、難題にぶつかっている。YTV16年8月22日』

『特例法を定める場合でも退位された後の天皇の地位など、一から制度を作り上げる必要があり、政府高官は「調整はなかなか難しい」との見通しを示している。(NNN16年8月22日)』

* * * * * ☆

 内閣法制局は、第二次安倍政権になって、局長が2回交代。その間にすっかり行政府における「憲法の番人」であるという立場を忘れてしまったようで。
 14年には、それまでずっと憲法9条に禁じられているとして認めて来なかった「集団的自衛権の行使」を、憲法解釈を変更する形で容認。その後も、安保軍事関連の法解釈に関して、安倍内閣の意向に沿うような答弁を行なう機会が増えている。(-_-;)

 でもって、今度は、天皇の生前退位についても、憲法改正の必要性を持ち出して来たわけで。まさに安倍内閣のための法制局になってしまった(成り下がってしまった?)と言ってもいいのではないかと思う。(-"-)

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 かなりムカついたので、mewなりに反論を書き殴ろうかと思ったのだが。何と九大の南野森教授が、と~ってもわかりやすく説明していたので、それをアップしておきたい。(・・) <ちょっと長いけど、今後の勉強材料としても使いたいので、全文アップするです。・・・mew注・読みやすくするために、小見出しに*をつけました。>

『生前退位に憲法改正は必要ない 南野森 | 九州大学法学部教授
2016年8月23日

日本テレビは昨日(2016年8月22日)、内閣法制局などが、天皇の生前退位を制度化するためには憲法改正が必要であると指摘していると報道した。同社のニュースサイトに掲載されたニュース原稿の全文はつぎの通りである。
天皇陛下の生前退位をめぐり、内閣法制局などが、将来にわたって生前退位を可能にするためには、「憲法改正が必要」と指摘していることが新たに分かった。

天皇陛下のお言葉について安倍首相は「重く受け止める」と表明したが、政府は憲法との整合性をいかに保つか、難題に直面している。政府関係者によると、憲法と法律との整合性をチェックする内閣法制局などは、生前退位を将来にわたって可能にするためには「憲法改正が必要」と指摘しているという。

これは憲法第1条で天皇の地位は日本国民の総意に基づくと定めていて、天皇の意思で退位することはこれに抵触するという理由。

一方、生前退位を今の天皇陛下にだけに限定するのであれば、特例法の制定で対応が可能だと説明しているという。政府は来月にも有識者会議を設置し、特例法の立法を軸に議論を進める考え。

菅官房長官「有識者会議の設置も含めて、どのように対応していくかということを、現在考えているところであります」

一方、特例法を定める場合でも退位された後の天皇の地位など、一から制度を作り上げる必要があり、政府高官は「調整はなかなか難しい」との見通しを示している。
天皇生前退位 制度化は「憲法改正が必要」(日テレNews24)

ちなみに、生前退位を可能とするために改憲が必要であるとする説(「改憲必要説」と呼ぼう)をメディアが採用するのはこれが初めてではない。8月6日・7日に実施された、産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査においても、

現在の皇室制度では、天皇が生前に退位し、天皇の位を皇太子に譲る「生前退位」の規定がありません。生前退位について、あなたは、政府がどのように対応すべきだと思いますか。次の中から、あなたのお考えに近いものを1つ選び、お知らせください。

という質問(第13問)のつぎに、第14問として、

今後、天皇の「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思いますか、思いませんか。

という質問があった(→政治に関するFNN世論調査)。日本テレビの報道にせよ、産経=フジTVの世論調査にせよ、共通するのは、生前退位を(制度的に)可能とするためには、皇室典範の改正では足りず、憲法改正が必要になるという考えである。しかし、このような考え(改憲必要説)は、憲法学界の通説的見解とも、日本政府がこれまで示してきた見解(政府見解)とも異なる。学説も、政府見解も、いずれも、生前退位の制度化のためには憲法改正は不要であるとしてきたのである。つまり、「改憲不要説」が通説である。

* 生前退位をめぐる憲法と皇室典範の関係

日本国憲法第2条は、天皇の皇位継承についてつぎのように定める。
皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

ちなみに、大日本帝国憲法第2条では、つぎのように定められていた。

皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス

両憲法の規定を比較すれば明らかであるが、旧憲法では皇位継承資格者を「皇男子孫」に限定し、いわゆる女帝を憲法上否定していたのに対し、現憲法ではそのような限定がない。代わりに、皇位継承についての憲法上の条件として定められているのは、「世襲」であることのみである。つまり皇位を継承するためには嫡系の子孫でありさえすればよく、それ以外の条件(嫡系子孫のうち女子は継承できるのか、継承順位をどうするか、そしてどのような場合に皇位継承が生じるのか、等々)については、現憲法では、「国会の議決した皇室典範」の定めにすべて委ねられているわけである。

そしてこれをうけて皇室典範の第4条が、皇位継承が生じる原因を、つぎのように定めている。

天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。

皇室典範はこれ以外の皇位継承原因を定めておらず、したがって、皇位継承の原因は天皇の死去のみであり、いわゆる生前退位は認められないということになるのである。

以上の説明から明らかなように、生前退位を制度化するためには、皇室典範を改正すればよく、日本国憲法を改正する必要はない。なお、「皇室典範」とは変わった名称であるが、これは旧憲法時代の旧皇室典範の名前を受け継いだだけで、その実質は、旧憲法時代のものとは異なり、日本国憲法第2条がわざわざ「国会の議決した」と述べるように、たんなる法律である。したがって、通常の法律と同じ手続で、通常の法律と同じように改正することができる。

ここまで述べてきたことは、憲法学界の標準的な考え方(通説的見解)であるが、これは、日本政府がこれまでに表明してきた見解(政府見解)でもあった。

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* 生前退位をめぐる政府見解

生前退位を認めるために憲法改正は不要であるという「改憲不要説」は、国会でくりかえし、政府によって表明されてきた。

たとえば、1971(昭和46)年3月10日の衆議院内閣委員会の議事録を紹介しよう。ときは第3次佐藤栄作内閣である。民社党の当選10回の大ベテラン、受田新吉議員の質問に対する、後に最高裁判事をも務めることになる、高辻正巳内閣法制局長官の答弁がそれである。

受田議員:「(前略)要するに皇室典範は、天皇が崩じたるときは、皇嗣があとをつがれるとなっていて、天皇は一生涯その任にあられるわけです。そうなっておる。したがって退位論ということになると、これは皇室典範の規定の『天皇が崩じた』ところを改めるということで、一応法律論として済むのではないかと私は思うのですけれども、憲法の規定は世襲のところを別に改める必要はない。憲法問題ではなくして、憲法の委任を受けた皇室典範の改正ということで済めば国会でいつでもこれが扱われるという立場であると思うのです。そのことはあなたとしてまた、別途法律論としては異論があれば異論を言っていただきたい(後略)。」

高辻長官:「(前略)天皇の御退位についての法律上の問題点の御指摘がございましたが、これは簡単に申せば仰せのとおりだと思います。憲法の第2条の、皇位は『国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。』という規定を受けまして皇室典範があって、これも御指摘のとおり第4条『天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。』ということで、退位の御自由がないというのが現行の憲法及び法律のたてまえであります。したがって、概していえば仰せのとおりということがいえると思います。」

この約1年後にも、同様の「改憲不要説」が、こんどは宮内庁から示されている。1972(昭和47)年4月26日の参議院予算委員会第一分科会。前年の参院選で初当選したばかりの元アナウンサー、木島則夫議員(民社党)と瓜生順良宮内庁次長の質疑応答である。

木島議員:「陛下御自身の問題としてではなくて、制度の問題として、現行の皇室典範を立案する際も、実は天皇の退位制度の功罪についていろいろ検討があったようでございますけれども、まだその結論は得ておりません。(中略)この退位制度は、これは憲法には抵触をしないで皇室典範を改正すれば可能であると宮内庁では解釈されているかどうか、(中略)お伺いをしたいと思います。」

瓜生次長:「(前略)何か皇室典範を改正すればそういう御退位も可能かということでございますが、純粋の法律論から言えばそうだと思います、 憲法には規定がないわけでありまするから。しかし、そういうようなことをいろいろ論議することも、いまお元気な陛下のお立場を考えますと、あまり愉快なことではないように私も思います。(後略)」

もう一つ、同様の「改憲不要説」を紹介しておこう。1978(昭和53)年3月16日の参議院予算委員会。やはり元アナウンサーで、田英男らと院内会派「社会クラブ」を結成し、のちに江田五月らの社民連に合流する秦豊(はた・ゆたか)議員の質問と、真田秀夫内閣法制局長官の答弁がそれである。ときは福田赳夫内閣である。

秦議員:「お元気な天皇で大変結構だと思いますが、お元気であればあるほどいまのうちに――退位や譲位がないんですね、皇室典範を変えなきゃならぬわけですね、法的には。」

真田長官:「その点もおっしゃるとおりでございます。もちろん、学説の中には、退位は憲法上できないんだという説もないこともないのですけれども、通説としては、憲法上その退位ができるかできないかは、法律である皇室典範の規定に譲っているというふうに言われておりますから、おっしゃるとおり皇室典範の改正が必要だということに相なります。」

秦議員:「皇室典範を改めるというのは、何か法的な妨げがございますか。」

真田長官:「同じく皇室典範と申しましても、明治憲法下の皇室典範は一種特別な法形式でありましたが、現在の皇室典範は通例の法律と同じように国会の議決によってつくられたものであり、国会の議決によって改正することができます。(後略)」

以上から明らかなように、日本政府の見解は、憲法学界の通説と同様、生前退位の制度化のためには憲法改正は必要なく、皇室典範の改正で足りるとする、「改憲不要説」なのである。

なのになぜ、今回、日本テレビは、「政府関係者によると」、「内閣法制局など」が改憲必要説を指摘していると突然報道したのだろうか。不正確・不十分な報道(誤報?)なのか、それとも何か政治的意図があるのか、あるいはほんとうに内閣法制局が、過去の政府答弁にも憲法学界の通説にも反してそのような主張をしているのか(だとしたらそれは何故なのか)、現在の私には知る由もない。この点については、生前退位という論点そのものをめぐる議論とともに、今後の報道や(9月から始まるはずの臨時)国会での議論に注目したいと思う。

なお、生前退位と憲法をめぐる論点、とくに生前退位をどう制度化するべきかについては、言うまでもなくさまざまな議論がありうるし、私も必要に応じて今後論じていきたいとは思う。本稿は、それらの議論に立ち入るものではもちろんなく、ただ改憲必要説が内閣法制局などから主張されているという報道に接して、それはこれまでの政府見解とも学説とも異なるものである、ということを指摘するに留まるものである。』

* * * * *

 南野氏が指摘するように、安倍内閣はまたまた憲法学の通説とも、これまでの政府解釈とも異なる理論を採用するおそれがあるわけで・・・。
 こういう小難しい話が出て来ると、国民からそっぽをむかれそうな感じがあるのだが。どうか心あるメディアは、安倍内閣&法制局の考え方が偏向したものであることをわかりやすく伝えて欲しいと。そして、どうか国民が安易のだまくらかされないようにと願っているmewなのだった。(@@)

<昔、憲法を勉強した時に「天皇には(国民と同じような)人権があるのか」という論点が記されていて、「あ~、そういうことも考えなくちゃいけないのね~」とか思っていたのだけど。(三笠宮のヒゲの殿下が若い頃、皇室を離脱して一般国民になりたいと主張したことを思い出したりしてたです。)改めて、天皇や皇室の人たちの生前退位を求める権利を含め、「人権」があるのかみたいな論点も議論されることになりそうだ。^^;>

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by mew-run7 | 2016-08-23 19:57 | 政治・社会一般 | Trackback(1)
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