PKO「駆けつけ警護」が閣議決定。国連は南スは混沌状態と。集団殺戮も警戒してるのに
2016年 11月 16日
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あーあ。いよいよ自衛隊が、海外で武器使用を前提とした「駆けつけ警護」などの任務を行なうことに・・・。戦後70年を経て初めて、ついに他国の人を殺傷したり、自衛隊員が殺傷されたりする可能性が出て来た。(ノ_-。)
また後述するように、南スーダンでは、今、政府と非政府勢力の争いから内戦状態に突入。しかも、民族間の戦いになっており、政府側の民族による他方の民族の集団殺戮(ジェノサイド)や性的暴行や虐待などに発展しているという。(-_-;)<このジェノサイドの問題に関しては、「51%の真実」さんも取り上げていた。>
今の南スーダンの状況については、『安倍、稲田に不信か。南ス視察に補佐官派遣&国連部隊も駆けつけ警護を拒否。複雑な内戦状況』などに書いたのだが・・・。
しつこく言うけど、mewは、今の南スーダンのように、民族の対立の側面の方が大きくなって来て、どちらが「正」か「不正」か判断ができない戦闘に、他国の軍隊が、武力を用いて、どちらかの味方をするには好ましくないと考えている。(・・)
しかし、安倍内閣はそんなことはお構いなしに、15日、南スーダンのPKO部隊に、安保関連法で新たに認めた「駆け付け警護」の任務に加える実施計画を閣議決定した。(-"-)
ただ、現地が危険な状況にあること、自衛隊が武器使用経験がないことなどを考慮して、警護対象を限定。ある意味では、かなり中途半端な内容にしたため、現地での判断が難しくなるのではないかと察する。(-_-)
『政府は15日午前の閣議で、陸上自衛隊が参加する南スーダンの国連平和維持活動(PKO)について、安全保障関連法で新たに認められた「駆け付け警護」を任務に加える実施計画を決定した。停戦合意などPKO参加5原則が満たされている場合でも、「安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難」な場合には陸自部隊を撤収することを明記。活動地域も首都ジュバ周辺に縮小した。
稲田朋美防衛相は同日の記者会見で、駆け付け警護と宿営地共同防護の新任務を付与するための行動命令を18日に出す方針を表明。新任務は陸自第5普通科連隊(青森市)を中心に編成される11次隊に付与され、来月12日から活動を開始するとした。医官は3人から4人に増員する。
駆け付け警護では任務遂行型の武器使用として、銃口を相手に向けたり、威嚇射撃をしたりすることが認められる。ただ、相手に危害を加える射撃はこれまで通り、隊員の生命・身体などに危険が及ぶ場合に限られる。
政府は閣議決定にあわせて「新任務付与に関する基本的な考え方」と題する文書を発表。駆け付け警護の対象となるのは非政府組織や国連の職員で、他国軍人に対する警護は「想定されない」とした。他国軍人は小銃などで武装していることが想定され、これで対応できない事態での駆け付け警護は陸自部隊の能力を超える可能性が高いためだ。
文書ではまた、南スーダンには国際機関職員などとして活動する日本人約20人がいると指摘。「不測の事態が生じる可能性は皆無ではない」として駆け付け警護のニーズがあるとの見方を示し、法的な根拠を与える必要性を強調した。(朝日新聞16年11月15日)』
『安倍晋三首相は15日午前の参院環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)特別委員会で、陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)を行っている南スーダンの情勢に関して「自衛隊の安全を確保し、意義のある活動が困難であると判断する場合は、撤収を躊(ちゅう)躇(ちょ)することはない」と述べた。一方で「危険の伴う活動だが、自衛隊にしかできない責務を、しっかりと果たすことができる」と述べた。
政府は15日、南スーダンでの自衛隊の活動に安全保障関連法で新たに認められた「駆け付け警護」を加える実施計画を閣議決定した。首相は首都ジュバの治安情勢について「現在は比較的落ち着いている」としたが、「現地情勢について、緊張感を持って注視する」とも述べた。(産経新聞16年11月15日)』
稲田法務大臣は、13日に出演したTVで、駆けつけ警護に関して、「自衛隊が対応できる人を見殺しにしない」ものだと説明した。^^;
『稲田朋美防衛相は13日のNHK番組で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣する陸上自衛隊に対する「駆け付け警護」の新任務付与について「人道的な見地から(自衛隊が)対応できる人を見殺しにしないのが駆け付け警護だ」と理解を求めた。
任務に伴う武器使用を巡っては「ばんばんと撃って、撃ち殺すようなイメージがあるが、正当防衛と緊急避難の時以外はできない」と強調した。
同時に、現地の治安情勢に関し「もちろんリスクはあるが、今は活動ができている。緊張感を持って状況を注視していく。任務付与への政治の責任は認識しなければならない」と語った。
(共同通信16年11月15日)』
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『武器使用、現場に重圧=隊員「状況判断難しい」-駆け付け警護任務付与・陸自
南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣される陸上自衛隊の部隊に駆け付け警護の新任務が付与される。第11次隊として今月順次派遣される第9師団(青森市)を中心とする部隊は新任務の訓練を重ねてきたが、自衛隊内では「駆け付け警護の要請を受けるかを含め状況判断は非常に難しい」(自衛隊幹部)との声が聞かれる。要請に応じるのか。任務遂行のため引き金を引くのか。現場の隊員に重圧がかかる。
陸自は国連やNGO関係者から救助要請を受けて駆け付けた現場で、暴徒による投石から銃撃までさまざまなシナリオとそれに対処する行動基準を作成。9月14日から新任務の訓練を岩手山演習場(岩手県)で実施した。
制服組幹部は「駆け付けた現場の事態が急変すれば威嚇射撃から、正当防衛のために相手に危害を及ぼす武器使用まで瞬時に判断を求められる」と指摘。「本国とやりとりしている余裕がない事態が想定され、判断は実質的に現場の隊長に委ねられる」と話す。
訓練では武装した暴徒排除のための至近距離での武器使用や、相手に致命傷を与えない射撃を含め、陸自中央即応集団の特殊部隊「特殊作戦群」の隊員が指導したとみられる。(維持通信2016/11/14)』
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南スーダンでは、今、政府と反政府勢力が対立していて。7月には自衛隊の宿営地に近い首都ジュバで、政府軍と反政府勢力の間で、数百人の死者が出る戦闘が起きたばかり。<小さい戦闘は、もっと頻繁に起きている。>
しかし、安倍内閣は、これはあくまでPKO法に記されている「戦闘」ではないと、言い張って、法違反を認めようとしないのである。^^;
『安倍晋三首相は15日午前の参院TPP特別委員会で、「南スーダンの治安状況は極めて悪く、多くの市民が殺傷される事態がたびたび生じている」としつつ、「武力紛争が発生したとは考えていない」と説明。停戦合意などのPKO参加5原則は保たれているとの認識を示した。治安情勢を分析した国連にも照会し、「ジュバは比較的安定している」との回答を得ているという。その上で、「5原則が満たされていても、有意義な活動を実施することが困難だと判断する場合は撤収をちゅうちょしない」と強調した。(朝日新聞15年11月15日)』
『(閣議決定された文書では)南スーダンにおいて武力紛争の当事者が存在せず、PKO5原則に抵触しないことも説明した。理由として、(1)反主流派のマシャール元第1副大統領派が系統だった組織性を有していない(2)同派の支配が確立した領域はない(3)同派は南スーダン政府との間で平和的解決を求める意思を有している-の3点を挙げた。(同上)』
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政府は、国連の潘事務総長が報告書に現地情勢に関して「カオス(混沌)」の所見を記したのを不快に思ったようで。わざわざ国連側に真意を照会したという。(*_*;
『安倍首相は15日午前の参院環太平洋経済連携協定(TPP)特別委員会で、南スーダンの情勢に関する国連の調査報告書内に潘基文(パンギムン)事務総長の所見として、現地情勢について「カオス(混沌(こんとん))」との記述があったとして、国連側に真意を照会したことを明らかにした。
国連側は「安全保障理事会が行動を取らなければ、状況が深刻になるという趣旨で、現在の状況ではない」と回答したという。首相は「国連が発表する以上、正確なものを発表してほしい」と、暗に潘氏を批判した。自民党の佐藤正久氏の質問に答えた。 (読売新聞16年11月15日)』
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しかし、実際のところ、この対立は、権力闘争や民族対立、虐待なども絡んで、まさに混沌とした状況にあるのだ。
国連の特別顧問は、ジェノサイド(集団殺戮)になる危険性があるとまで警告しているほどだ。(@@)
『国連のディエン事務総長特別顧問は11日、南スーダンの首都ジュバで記者会見し、混乱が続く南スーダンの現状について、「民族間の暴力が激化し、ジェノサイド(集団殺害)になる危険性がある」と警告した。
ディエン氏は5日間、同国内を視察。南部などで殺人やレイプの事案などを確認したとして、「政治的な争いとして始まったものが、完全な民族紛争になりうるものへと変質している」と言及。「行き詰まった和平合意の履行や現在の人道危機、経済の停滞、武器の拡散など、暴力が激化するすべての要素が存在している」と訴えた。
同国では7月、政府軍と反政府勢力間の大規模な戦闘が起き、数百人が死亡。多数の市民も犠牲になり、国連は今月1日、現地の国連平和維持活動(PKO)部隊が対処に「失敗」したとする報告書を発表した。(ヨハネスブルク=三浦英之)(朝日新聞16年11月15日)』
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7月の戦闘行為の際は、政府軍の兵士が暴徒を化して、対立する民族を中心に一般市民を殺傷したり、武器で脅して多数の婦女子に性的暴行を加えたりしたと言われている。<外国の報道陣の中にも犠牲になった人がいたようだ。>
被害にあった人たちは、政府軍が乱入して来た際に、UNMISSの助けを求めたのだが。ケニア出身の軍司令官が率いていたUNMISSが出動を拒否するという事態が起きた。司令官は、同じ国の人々の戦いの一方に味方していいのか、また政府軍を攻撃していいものなのか躊躇したと言われている。(-_-;)
国連がこの司令官を更迭したところ、ケニアはこれに抗議して、1000人派遣している部隊を撤退させることに決めたのだが。その影響は、自衛隊などにも及ぶ可能性が大きい。
『ケニア政府は9日、南スーダンで平和維持活動(PKO)に従事する国連南スーダン派遣団(UNMISS)から、自国部隊の撤退を始めた。同日、第1陣として約100人が、ケニアの首都ナイロビの空港に到着。残りの部隊も早急に撤退させるとしている。
国連は今月1日、南スーダンの首都ジュバで7月に大規模な戦闘が起きた際、UNMISSが市民の保護に失敗したとして、ケニア出身の軍司令官の更迭を発表。ケニア政府は2日、「南スーダンPKOが構造的な機能不全に陥っているのに、責任を一個人に押しつけようとしている」と反発し、南スーダンPKOからの撤退を宣言していた。
今年8月の時点で約1万4千人いるUNMISSの要員のうち、ケニアは約1千人を、多数の国内避難民が出ている南スーダン北西部ワウなどに派遣。さらにケニアは、内陸国である南スーダンのPKO部隊に補給経路を提供していることなどから、現地での活動に影響が及ぶ可能性が指摘されている。(朝日新聞16年11月10日)』
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しかし、安倍内閣は、相変わらず、ケニア軍の撤退についても「自衛隊の活動には影響がない」として、ともかく強引に計画を実行に移すつもりのようだ。(-_-)
『菅義偉官房長官は4日午前の記者会見で、ケニア政府が南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に取り組む国連南スーダン派遣団から部隊を撤収させる考えを表明したことについて、「ケニア軍が展開する地域は(南スーダンPKOで)自衛隊が展開する地域と異なり、直ちに影響が出ると思っていない」と述べた。(朝日新聞16年11月4日)』
『稲田朋美防衛相は11日午前、閣議後の記者会見で、陸上自衛隊が派遣されている南スーダンの平和維持活動(PKO)からケニアの部隊が撤退を始めたことについて「非常に残念。ただ、我が国の施設部隊(の活動)に影響があるとは考えていない」と述べた。(朝日新聞16年11月11日)』
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稲田防衛大臣は、「自衛隊が対応できる人を見殺しにしない」と説明していたのだが。自衛隊は、もし目の前で、非政府側の民族が政府軍に殺されそうにorレイプされそうになっていた時に、どのように対応するのだろうか?(**)
そもそも自衛隊は、政府軍を攻撃することが容認されているのだろうか?^^;
一般市民は、駆けつけ警護の対象となる要人には当たらないので、攻撃はできず、被害を受けている状況を(見ないふりして?)傍観するだけにとどまるのだろうか?(-"-)
今、非政府側の民族が、政府軍に追われて難民化し、各国の軍隊の宿営地にも逃げ込んで来ていると伝えられているのだが。もし自衛隊の宿営地に、非政府側の民族の人が逃げ込んで来たら、保護するのだろうか?(・・)
mewは自衛隊の人たちには何の恨みもないし。<それこそ災害の時は、本当に頼もしく思っているし。災害救助の能力を海外で活用してくれるといいのにと思っている。>彼らには、現地の人に役立てるように、道路整備などの復興作業を頑張って欲しいし。ともかくひとりとして殺傷して欲しくない&殺傷されて欲しくもないと願っているのだが・・・。
安倍首相らの「自国の軍隊に海外で武器を使った活動をさせたい」「命を賭け、血を流して活動してこそ、米国や他国から一人前の軍隊として認められる」という思いのために、中途半端な形でこのように新たな任務を押し付けられた自衛隊の人たちは、かわいそうにさえ思える部分がある。
そして、何故、メディアはこのように日本の今後を大きく左右するであろう問題をもっと扱わないのか、何故、国民はこんなにもに無関心でいられるのか、不思議&残念でならないmewなのだった。(@@)
THANKS