ヒラリー、100万票トランプを上回るも惨敗。投票率ダウンが痛手に&隠れトランプは嘘?
2016年 11月 19日
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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
この記事では、『ヒラリー得票で上回るも&米で抗議デモ+安倍自民はTPPの本会議可決を強行。造反者あり』の続報を・・・
米国では、大統領選で全ての州で全ての票が開くのに、かなりの日数がかかる様子。(これで僅差だと、そこから票の数え直しを求める訴訟を起こすことも。^^;>
8日に行なわれた大統領選は、いまだに開票集計中なのであるが。15日夜の時点での得票数は、クリントン氏が6231万8079票、トランプ氏が6116万6063票で、何とクリントン氏の方が100万票も上回っているとのこと。 (゚Д゚)
しかし、州ごとに獲得する選挙人数では、クリントン氏は232人、トランプ氏は290人で、トランプ氏の圧勝だったわけで・・・。(-_-;)>
この数字を見て、民主党からは選挙制度の見直しすべきだと提唱しているのだが。負けず嫌いのトランプ氏は、選挙制度が違っても、自分が勝ってたとアピールしているらしい。(・・)
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『敗者が100万票以上リード=民主に制度見直し論-米大統領選
【ワシントン時事】米インターネットメディア「クック・ポリティカル・リポート」によると、8日に行われた米大統領選の開票で、民主党候補だったクリントン前国務長官の得票数でのリードが15日、100万票を超えた。
民主党内では、選挙結果は民意を反映していないと批判し、大統領選挙人制度の見直しを求める声が出ている。
米大統領選は全米50州と首都ワシントンに割り当てられた計538人の選挙人のうち、過半数の270人を獲得した候補が当選する仕組み。ただ、選挙人の割当数は完全には人口に比例しておらず、2州を除いて、得票1位の候補がその地区の選挙人を総取りするため、得票数と獲得選挙人数の逆転が起きることがある。
同リポートの集計では、クリントン氏は15日夜の時点で6231万8079票を獲得している。これに対し、共和党候補だったトランプ次期大統領の得票数は6116万6063票。しかし、獲得選挙人数ではトランプ氏が290人で、232人のクリントン氏を上回っている。
米メディアによると、得票数と獲得選挙人数の勝者が食い違ったのは史上5例目。開票作業はまだ続いており、クリントン氏のリードは最終的に200万票を超えるとの推計もある。
民主党のボクサー上院議員は15日、声明を発表し、「選挙人制度は時代遅れで、非民主的だ」と強調。選挙人制度を廃止し、得票数で勝者を決められるようにする憲法改正案を上院に提出した。ただ、共和党内で賛同する声は出ておらず、成立の可能性は極めて低い。(時事通信16年11月16日)』
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『負けず嫌いトランプ氏「選挙制度違っても楽勝」
米国のトランプ次期大統領は15日、「もし、大統領選を総得票数で競うのであれば、私はニューヨークやフロリダ、カリフォルニア(など人口規模の大きな州)で遊説し、もっと大差をつけて楽勝していた」とツイッターで発信した。負けず嫌いで知られるトランプ氏は、総得票数では民主党候補クリントン氏に負けていることが気になっているようだ。(中略)
トランプ氏について「選挙人制度のおかげで勝てた」と指摘する声があるため、トランプ氏は「ルールが違っても、私は戦略を変えることで勝っていた」と反論したかったようだ。
米大統領選は、全米有権者の得票総数で争うのではなく、州ごとに割り当てられた計538人の「選挙人」を勝者総取り方式(2州をのぞく)で積み上げ、過半数の270人以上を取れば勝利となる仕組み。
この仕組みについても、トランプ氏は同日「小さな州も含め、全ての州が大統領選に参加できる点で『選挙人』の仕組みは素晴らしい」とつぶやいた。(ニューヨーク=金成隆一)(朝日新聞16年11月16日)』
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ところで、クリントン氏が負けた要因として、あちこちのメディアが「隠れトランプ支持者の票がはいったから」という見解を示しているのだけど。mewがきいた話では、トランプ陣営は、自分たちが期待していたほどに票数がとれていなかった様子。^^;
それよりも接戦になると見られていた州で、民主党支持者(特にサンダース支持派)の搭乗率&票数が下がった結果、クリントン氏の票数が伸びなかったことが、かなりの痛手になったという。
<後掲する記事にもあるように、共和党候補は大統領選で3回連続、安定して6000万票前後の得票数を得ているのだが。民主党側はオバマ氏は08年に6900万票、12年に6500万票とって圧勝したものの、クリントン氏は今回、6100万弱しかとれていなかったのよね。(-"-))>
クリントン氏は、一度持ち直しかけた人気と信用が、FBIによる2度めの捜査情報をによって崩れた影響があったと主張。さらに、それでも最後の最後には大方のメディアのリントン優勢の情報が出したので、これなら大丈夫かと思い選挙に行かない有権者が少なからずいたのではなかとの見方もある。(・・)
<あと思ったよりもクリントン氏を初の女性大統領にしたいと後押ししてくれる女性(特に白人?)が少なかったという話も。米国でもガラスの天井はまだまだ高く硬そうだ。(ノ_-。)>
でもって、まさに今の日本のそうなのだが。やっぱ投票率が低いと(=リベラルで多様な国民の支持が得られないと)、ガチガチの保守勢力に負けてしまう・・・と考えることができるのではないだろうか?(ーー)
AGORAに、隠れトランプ云々より、クリントン氏が思ったほど票がとれていなかった(民主党支持者の投票が少なかった)ことを示す記事が乗っていたので、ここにアップしておきたい。(**)
ちなみにこの記事は、興味深いことに、何故、「隠れトランプ支持者によって勝敗が決定した」という大嘘が広まったのか、その理由も考察している。(・・)
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『「隠れトランプ支持者によって勝敗が決定した」は大嘘
2016年11月12日 渡瀬 裕哉 AGORA
トランプ大統領誕生直後、「報道の敗北、トランプの勝利 「世論調査」はなぜ外れた?」のように「隠れトランプ支持者が事前の世論調査を覆した」という報道が多数ありましたが、その実相は異なったものとなっています。
結論から述べると、トランプ大統領誕生の理由は、両陣営の支持者の投票率の違いではないか、と推測します。
2008年・2012年・2016年の大統領選挙の得票数と比較した場合、
2008年:オバマ69,498,215・マケイン59,948,240
2012年:オバマ65,915,795・ロムニー60,933,504
2016年:ヒラリー60,839,922・トランプ60,265,858
という状況であり、勝敗の境目は「オバマよりもヒラリーの得票数が圧倒的に少なかったこと」にあります。
また、トランプ氏については、モルモン教徒という特殊な宗教で保守派からの人気も低かったロムニー、正統派の候補者だったマケインとほぼ同数となっています。
更に事前の世論調査ではトランプ・ヒラリー両者の支持率は全米及び接戦州で拮抗していました。
ざっと数字を見ただけでも「隠れトランプ支持者」によって「世論調査が覆った」または「勝敗が決まった」は無理がある仮説であることは一目瞭然です。
☆「勝敗を決定した要因」はヒラリー・トランプ各陣営支持者の投票率の差
大統領選挙の勝敗を決した要因は、ヒラリー・トランプ各陣営支持者の投票率の差です。
元々ヒラリー・トランプの支持率差は極めて微小であり、両者の差は両陣営支持者の属性の差であったと捉えるべきです。具体的には拙稿「トランプ支持者は「白人ブルーカラー不満層」という大嘘(2016年11月1日)」をご覧ください。(中略 省略部分*1)<下につづく>
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「隠れトランプ支持者」という虚構のストーリーが流布される心理的背景
実際に起きた出来事は「隠れトランプが多かった」ではなく「ヒラリー支持者が選挙行かなかった」だけです。トランプ支持者は最初から元気一杯で予備選挙に参加して世論調査にも回答しています。
では、メディア・有識者が何故「隠れトランプ支持者」」といういい加減な存在を作り出して今回の大統領選挙の結果を論評する風潮が生まれたのでしょうか。
「隠れトランプ支持者」の存在を吹聴している人々は、「トランプを支持していると言う人は馬鹿だと思われる」という偏見を前提として持っている、米国民主党系メディアのプロパガンダを信じ込んでいる人です。
つまり、自分達が予測を外した責任を「自分達が馬鹿だと思っている人たちのせい」に転嫁する見苦しい行為に戯れているわけです。一部の高学歴サークルの中で隠れトランプ支持者がいたかもしれませんが、それらの人々が大統領選挙の勝敗を決したとする論調の方向性は間違っています。
ここは重要なポイントなので明確に述べておきたいと思います。
一般に流布している話と異なり「トランプ支持者はヒラリー支持者を馬鹿な世間知らず」と思っています。
トランプ支持者の中核は独立ビジネス系の人間または自ら何らかの生産活動に従事している層の人々です。彼らにしてみたら現実を知らない規制・税金をかけてくるヒラリー支持者(特に有識者)は世間知らずでしかありません。
だから、世論調査でも約半数の人々は堂々と「トランプ支持」と回答しているのです。彼らは最初から全く隠れてなかったし、その数字がヒラリーシンパの識者の目に入らなかっただけです
トランプ氏には多少は女性問題などで恥ずかしいところはあったかもしれません。しかし、トランプ氏は元々テレビのエンターテイナーなので、共和党支持者は笑って済ませる人も多かったでしょう。彼らにとってはヒラリーの綺麗事よりも目の前の経済問題・不法移民問題などを解決するほうが先決なのです。
「隠れトランプ支持者」という概念はトランプ支持者に対する一方的な偏見に基づく概念です。
米国のメディア・世論調査機関がその存在を報じたからと言って、それを鵜呑みにしてドヤ顔で日本人に伝える日本の有識者・メディアは猛省してください。「米国の有名な世論調査屋のネイト・シルバーが『隠れトランプ支持者』で間違ったって言っているから正しい」という発想は論外です。
なぜ、有識者は「トランプ当選」を外し続けてきたのか
日本のメディア・有識者は「ヒラリー万歳の米国メディアの報道」を丸パクリして大恥かいたことを思い出した方が良いでしょう。自分の頭で考えられないなら有識者としての存在価値は低いですから。
英字情報を取るだけの舶来信仰は捨てて、自分の頭で考える習慣を日本人の有識者・メディアとされる人々には身に付けてほしいと思います。』
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『「隠れトランプ支持者」の存在を吹聴している人々は、「トランプを支持していると言う人は馬鹿だと思われる」という偏見を前提として持っている』『一般に流布している話と異なり「トランプ支持者はヒラリー支持者を馬鹿な世間知らず」と思っています』という話は、日本の政治を考える上でも、大きな参考になるかも知れない。(・・)
まあ、AXX支持者の場合は、恥ずかしげもなく、堂々と本人を支持しているのだけど。^^;
アンチの人たちの多くは、「AXXはバカ、AXXを支持している人もバカだ」と感じていると思うのだが。しかし、AXX陣営やその支持者は「アンチAXXは、(平和ボケでお花畑を夢見る?)非現実的な世間知らず」だと考えているわけで。
どちらが正しいか否かはヨコに置いて、この差異や現状をきちんと理解しておかないと&またもっと投票率を上げる方法をマジで考えないと、逆転は難しいのではないかと思ったmewなのだった。(@@)
THANKS


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『省略部分
上記の分析は全米支持率に基づくものになりますが、その他の調査でも接戦州でも両者の差は統計の誤差の範囲内におさまるものであり、日々の報道で垂れ流されている世論調査に反してトランプが勝ったということ自体が事実に反します。
重要なポイントは、ヒラリー支持者の年代が若年世代に偏っていたこと&有色人種におけるヒラリー支持が圧倒的に高かったこと、の2点になります。(
そして、米国の大統領選挙でも若者の投票率は元々高いものではなく、有色人種でもないヒラリーが黒人・ヒスパニックらの熱烈な支持を維持できるという根拠も薄弱であったため、表面的な支持率が拮抗していても支持者内訳による質的な差異が生じることは明らかでした。
したがって、筆者は上記の記事中で年代別投票率の差とキューバ系ヒスパニック(キューバ系は伝統的な共和党支持層、メキシコ系は民主党支持層)からの得票が勝負を決めると事前に述べてさせて頂きましたが、結果もおおよそ予想通りものになったものと言えます。
筆者としては米国の世論調査について語るなら、単純データをクロス分析した上で、アメリカ政治の質的要因を考量しながら考察くらいしたらどうなの?と素朴に思いますね。案の定の結果となったため、個人的には何の驚きもありません。
トランプ氏の得票数増加は予備選挙段階から分かっていた話に過ぎない
トランプ氏側の得票数の増加についても容易に説明が可能です。こちらは拙稿「数字で分かる!トランプの大統領選挙・勝利の方程式とは(2016年5月7日)」をご覧ください。
2016年の共和党予備選挙は2012年時よりも圧倒的に多くの米国民が参加しています。2012年時の参加者総数は18,682,820名ですが、予備選挙のほぼ決着がついた5月3日のインディアナ州での予備選挙が終わった段階で参加者総数26,639,737名に激増している状態となっていました。
トランプ氏の加入によって共和党予備選挙が最高潮に盛り上がっていたことが分かります。
特に、重要な接戦州であるフロリダ州の共和党予備選挙では2012年・167万人から2016年・236万人まで増加しています。一方、民主党は2008年・175万人⇒2016年・171万人と予備選挙参加人数が減っている状況です。そのため、前回と比べた両陣営の得票数の増減は予備選挙参加者数からある程度予測することが可能な状況だったと言えます。
そして、実際にトランプ氏は大統領選本選で全米の得票数を増加させることに成功しました。一度予備選挙でコミットした有権者は本選でも投票すると考えることは当然でしょう。
ただし、トランプ氏は最終的に共和党主流派と諍いを起こしたため、一部の共和党員の得票が離れたことが控えめ目な得票増となったものと推測します。トランプ効果によって新規得票増と離反票の差し引き分だけの得票増加効果があったと言えるでしょう。
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