堀江氏逮捕に思うこと(2) ~これは新自由主義への警鐘として利用させて頂きたい~
2006年 01月 25日
にとっては、最悪の時期の開幕になってしまった。
昨年来から続く耐震偽装事件に加え、先週からライブドア事件、米国輸入牛の問題と
自民党にとっては頭の痛い問題が続いている。しかも、これらはワイドショーも連日の
ように扱っており、ふだん政治等に関心のない一般国民でも興味を持つネタである。
<民社共の三党はこれら三点セットに関し、質疑で連携、共闘することにしたようだ>
特に昨年の総選挙で無所属ながらも自民党側の応援を受けて立候補した堀江氏の逮捕
は、自民党にとってもかなりの痛手であろうし、党内も揺れているようである。
小泉首相は「応援と今回の事件は別問題」だとし、「メディアが(自民党の)広告塔と
して持ち上げた」「落選したということは、メディアより有権者の方が冷静だったのでは」
などと、また眉をひそめたくなるような発言をしていたが、昨夜になって「責任は甘ん
じて受ける」といきなり方向転換をして来た。新自由主義的な改革政策の推進を主導し、
改革の士としての堀江氏を応援に行った竹中大臣は「(堀江ライブドア)に政府保証を
与えたわけではない」と言いつつ、この件で改革に影響が出ないか懸念を示している。
党の内外から一番槍玉に上がっているのが、武部幹事長だ。彼は、堀江氏の立候補の
交渉を行ない、選挙中は「わが息子」とまで行って応援し、そして選挙後も表で陰で
バックアップを続けているだけに、事態をおさめるために、場合によっては道義的責任
をとらざるを得なくなるかも知れないとも思う。
<立候補の会見時には世耕氏も横にいた気が・・・。尚、自民党は、前原代表が堀江氏
の選挙に関連して「ふくれ上がった自民党の議席そのものが粉飾決算ではないか」などと
発言したことに反発し、懲罰動議の提出に踏み切った。>
私は堀江氏が総選挙に立候補し、政界と接点を持とうとしたことにガッカリした部分
があるのだが。今となっては、自民党側から立候補してくれて「ラッキ~」と思ってしま
うところもある。正直なところ、私は自民党が昨年夏の時点で、ライブドアの違法性に
気付くのは困難であったと思っているが(検察は当時、既に捜査を始めていたという話も
あるが、何故、自民党に忠告しなかったのであろう?!)、ここはしっかりこの件を利用
させてもらいたいとも思う。
そもそも新自由主義的な経済政策を急速に進めようとしたのは小泉ー竹中ラインの自民
党なのであり、その背景があったからこそ、まさに「新自由主義の申し子」と言える堀江氏
&ライブドアがここまで来れたのである。彼らはアメリカ型の「株式」を武器として時価
総額を増やしたり、M&Aを繰り返して業務&連結による利益を拡大したりするマネーゲー
ム的な経営手法を行なって来た。そして、この手法で時価総額を何倍にも拡大し、連結対象
企業は昨年9月で49社に上り、2年で3倍強に膨らませたのだ。しかも、外資証券や海外
の銀行などを通して、資金隠し&還流なども行なっていたという話も出ている。これらは
自民党が改革の名の下に行なった法改正(会計制度を含む)や規制緩和に関わっている動き
なのである。
個人的には、何でここまでマスコミが堀江氏の件をこんなに取り上げるのか疑問だし、
何だか手のひらを返したようにバッシングを始めたのも何だかな~と思う面はあるが、
ここはメディアにも頑張ってもらい、一般市民に上述のようなライブドアに経営手法や
拝金主義、格差社会を招いた新自由主義政策(過当競争、小さな政府、規制緩和等)の
問題点や、急速にアメリカ型社会に移行することの危険性をどんどんアピールして欲しい
とも願っている。
<また株式投資と言えばきこえはいいが、株式売買はリスクの伴う投機であり、バクチ
やギャンブルに近い要素もあるのだということを、一般市民や若者に認識させて欲しい。
昨日もTVで誰かが言っていたが、信用取引なんて簡単に行なうもんじゃないと。>
ただ、私は堀江氏をバッシングしようとは思わない。
違法性のあることをした(かも知れない)ことは責められるべきであろうが、堀江氏
が「時代の寵児」と言われるようになったのは、前述のように政府のとって来た政策に
起因する面も大きいし、メディアがバックアップした部分も大きいと思うからだ。また
(1)の続きにもなるが、彼の育って来た環境や、社会のシステムや価値観の変化が大き
かった時代背景の影響も大きいのではないかと思うところがある。
<つづく> THANKS
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村上、三木谷、堀江は新自由主義経済の申し子たちかも
何だか手のひらを返したようにバッシングを始めたのも何だかな~と思う面はあるが
私も同感なんです!
バッシングという受け取り方は私にはありません。マスコミが過去に持ち上げていたから「手のひらを返したように・・」感じるのには同じ思いです。
しかし法に触れた行為があり立件されたとするなら(確定的と思う)この事態がどのようなことなのかはマスコミが報道もし、解説などもしなけりゃならないと思います。
今回幸いにしてライブドア以外には(疑わしいところもありそうだが)同じような証券取引法や脱税行為をすぐに摘発しなければいけないところはなさそうなので(わからないだけ?)
株価への影響もこの程度?で済んでよかったと思います。
>ここはメディアにも頑張ってもらい・・中略・・願っている。
やはりメディアで知らせて欲しいと思います。
資産運用を株などへの投資に移行しようとおもっている人は増えてきました。それが詐欺同然の手口で失うことになっては堪りません。
株式投資とはどういうことなのか?資本主義社会を支えているこの仕組みを知ることにつながれば「ライブドア・ショック」も生きると言うものです。
バッシングという面のみで見たくはありませんm(__)m
きちんと筋を通していれば、こうはならなかったのでは?
法の抜け目を徹底的になくす機関って発足しないの?
法律を作る側と守る側に壁がない?
もう寝る。
ブログの本文でご紹介頂き、有難く、また恐縮しております。
これからもよろしくお願いいたします。
ホリエモン&ライブドアには、功罪があったと思うのですけれど。
私は彼らの違法性や問題のあった部分は、批判すべきだと思いますし、
またそれを将来に活かして行かなければならないと思っているです。
(今の「株式」「お金」の信奉主義や政治、経済政策の問題も含めて。)
ただ、TVを見ていると、特にホリエモンに関して、全人格的な批判が始まっているのですよね。
昔、自分たちで取材したインタビューや密着取材を持ち出して(当時は
ヨイショ・モード)、彼のちょっとした言動を取り上げて、あげあしをとったり。
事件と関係のないメールも暴露したり、忘年会で歌い踊るシーンを何度も
出して、揶揄したり。
自分たちで取材したグルメぶりを紹介して、何かそれを拝金主義のネタに
したり、拘置所でやって行けるか余計な心配をしたり。
完全にオモチャにしているわけです。
紙媒体は、女性関係とかプライバシーも書いているようですし。
それは違うだろうと。そう思うmewなのでした。
彼は、株式上場時は、かなり謙虚で地味ぽかったのですが。
それでは、上に行けないと思ったのかも知れませんね。
日本の場合、法律の大部分は、官僚が作っているわけですけど。
彼らが現場や世間をよく知らないので、抜け道も多くなってしまうのかもです。
諮問機関とかのおエライさんも、役に立たないですしね。
これは教育とか何の政策や法律でもそうなのですけど。もっと現場にいる
人の声を集めて、ナマの実態を知る必要性があると思うです。
そうしないから、東証でも何でも後手後手に回るのではないでしょうか?
たくさんのメリットをどこかにほうり捨てることになると思いますが、
どうでしょうか。
たとえば、その「新自由主義的」政策のもと、インターネット関連産業が
発展・拡大し、このウェブログのように無料で手軽に政治的意見を
公表できるようになった、という側面についてどうお考えでしょうか?
インターネット接続の料金がはるかに安くなったことについては?
ブログだけでいえば、ライブドアはテレビCMまで作って世間への
浸透をはかってくれましたよね。
「新自由主義批判」と大上段にふりかぶると、脇が空きます。
小泉氏・竹中氏・堀江氏と全てを十把ひとからげにするのも無理が
あると思います。
その功罪についてきちんと整理した上で、論じたほうが、説得力が
出るのではないか、と思う次第です。
政府内では堀江氏支援に関して責任転嫁が始まっていますね。
マスコミの今後の対応については関心を持っています。
「朝まで生テレビ」が始まります。田原総一朗氏がどんな仕切り方をするのか注目です。
まさにおっしゃる通りだと思います。
新自由主義のメリット、デメリットについては、以前に書いたので、
今回の記事では、その点は割愛してしまいました。すみません。
私は堀江氏やライブドアがやったことを全面的に否定する気はありません
が、今回はメリットとなるはずだった規制緩和その他の政策が、一つ間違る
と弊害をもたらしてしまうという意味での、教訓にもなったのではないかと思う次第です。
正直なところ、選挙の時点で自民党がこの違法性に気付き得たとは
思えないところもあるのですが。
ただ、堀江氏とお互いに利用し合ったたのは事実でしょうし、その点は
潔く認めるべきだと思います。
また、マスコミも同じなのではないかと思っています。
「朝まで生テレビ」・・・私も記事を書きながら見たいと思います。
あえてこの記事(時間の経ってしまった)にコメントしたのは、この記事の中に野党の考えているだろうことと同じものを感じたからです。
それは、堀江氏支援に関しての野党の与党批判。
なんというか・・・、なんでも批判できるものはネタに使う、という姿勢はどうかと思います。
このままでは、「ああ、野党の批判?いつものことだろ」ということにもなりかねない・・・。
さらに、自らが同じ内容(支持した立候補者の犯罪)を突っ込まれると、いわゆる逆切れをする。となると、最早小者以外の何ものでもなくなってしまうと思うのです。
さてさて、文章的にはおかしくなったかもしれませんがすみません。
ここのブログは、偏った右批判をすることも無く、小泉総理の「国民の考えがおかしい発言」についての記事など共感できることも多いので、また見に来ますね~。。
この記事は、タイトルにもあるように、まさに野党的視点で堀江氏のことも
利用させて頂こうと思って、書きました。
残念ながら、何もないところで、今の政府の経済政策や株式投資(投機)
の問題点を追及したところで、国民は関心を持ってはくれませんし。
与党もまともに応じてくれませんから。
堀江氏の話が出ると、メディアも大きく取り上げてくれますし、いつもの
「ああ、野党の批判?」よりは、少し効果があると思った次第です。
いまや大きなゾウさんの自民党に対して、野党は小動物のような存在です
から。ここは脚先でもどこでも、噛み付けるところがあれば、果敢に攻めて
行かなければならないと考える部分もあります。
私は右とか左とかの思想は持っていないので、できるだけ中立的立場で
色々な角度から物事を考えて行ければいいな~と考えています。
拙文ではありますが、どうかこれからもよろしくお願いします。
司法ジャーナルによれば、
http://www.doblog.com/weblog/myblog/63732?YEAR=2006&MONTH=2&DAY=28
北島副部長辞任か>その後辞任が確認された。
成果がなかった追起訴後の捜査
http://www.doblog.com/weblog/myblog/63732/2524261
新たな証拠を把握できず、3月14日以後の捜査は不発
http://www.doblog.com/weblog/myblog/63732/2524266
特捜部もマネーロンダリング(資金洗浄)や脱税の有無を確認するため、資金の流れにかかわったとみられる海外の会社関係者からも事情聴取したそうですが、インサイダー取引の可能性や堀江被告個人の株取引も捜査したが、立件できる証拠を把握することは出来ず、空振りに終わったようです。