堀江氏逮捕に思うこと(3) ~ホリエモンが愛されたわけ~
2006年 01月 28日
が経つ。株式市場は、強制捜査後に2日ほど下落したが、今では何事もなかったかの
ような感じで、日経平均は16000円を超えた。マスコミはこの2週間、ライブドア疑惑や
堀江氏を特集し続けていたが、来週あたりからは少しずつ落ち着いて来るだろう。
この件に関しては、書きたいことがた~くさん思いつくのであるが、他にも取り上げ
たいテ~マや書き残しているものがあり、そろそろ終わりにしなければと自分に言い
聞かせている。(また折々に書くことがあるかも知れないが・・・。)
ただ、この堀江氏やライブドア社の件は、私たちに日本の現在や将来について考える
上で実に様々な材料を与えてくれているように思う。
そこで最後に(と言っても何回かに渡りそうだが)これは書いておきたいな~と思う
ことを、書きなぐってみたい。編集や校正をしていると時間がかかってしまうので、
以前とダブったことを書いてしまったり、いつもに増しての長・拙文になったりしそう
なのであるが、ご容赦頂きたい。m(__)m
・・・・・・・・・・・・・・・
堀江氏やライブドアの件に関しては、人それぞれ色々な考え方があると思うが、私は
彼らの存在やあり様を「時代の縮図」のように感じる面が強い。よきにつけ悪しきに
つけ、彼らは「時代の象徴的存在」なのである。そして、確かに彼らには特出している
ものがあったが、部分的に同じようなものは今の世に多数存在するように思うからだ。
彼は「時代の寵児」と呼ばれるが、私は彼らは「時代が育て、作り上げた寵児&超児」
なのではないかと思うところがある。
<つづきは ↓More をクリック>
今回の件は、大雑把に言えば、一人の若者が起業し、同志のスタッフと共に会社を
大きくすることを夢見てアレコレと策を講じて会社を成長させようとしたという、どこに
でもあるような話なのである。しかもライブドア社自体は、大きな成長を遂げたとはいえ、
日本の数多ある企業の中では、まだ小さな存在に過ぎない。堀江氏自身も「今の時代は
アリがゾウを倒せる可能性がある」という表現をしていたことがあるが、アリとは言わ
ないまでも、まだネズミぐらいの存在だったかも知れないのだ。それが、ここまで騒がれ
るのだから、不思議と言えば不思議だし、驚きでもある。
その理由は、堀江氏がそのキャラクターとセンセーショナルな言動によって、かなり
の知名度があったことと、ライブドア社があまり一般庶民には馴染みのない手法によっ
て経営され、成長して来たからであると思われる。
若い起業家がそれなりに成功し、他の若手起業家やそのタマゴたちの憧れや目標に
なったり、一般の若い人たちが、独力で夢を切り開き実現して行く姿に心をひかれると
いうケースはそう珍しいことではないだろう。
しかし、堀江氏の場合は、老若男女を問わずに全国的にその名を知られたことに大き
な特色がある。
<この1週間、メディア等を見聞したり、周囲の者と話したりしていて、改めてホリエモ
ンの知名度の高さを実感させられた。老若男女、彼のことを知らない人はほとんどいない。
もしかしたら、顔と名前が一致するという意味では、小泉首相に匹敵するような認知度が
あるかも知れないとさえ思った。(ただし、何をやっているのかはよく知らない人が少な
くない。尚、長島茂雄氏もかなり有名だが、小さな子にあまり知られていないようだ。)
これでは、メディアも扱いたくなるだろうし、メディアが扱えばさらに有名になるという
相乗効果作用が生じているようにも思えた。>
しかも、「新進起業家」で「カネが全て」などと言えば、あまり好ましからざるを印象
を持つ人も多いはずなのだが、「ホリエモン」という呼称が広まっているように、彼は
そのキャラクターゆえか、どこか親しみを感じさせ、憎めない部分があり、愛着を抱く人
が少なくなかった。かなりギラギラしたことを言ったりやったりしていたにもかかわらず、
素朴さや安心感を与えるような顔や外見、話し方が、一般庶民に彼を受け入れさせてしまう
ような気がした。これが三木谷氏だったら、こうはなるまい。
<これだけマスコミがかなりバッシングしているにもかかわらず、逮捕されたことに、残念
そうな表情や発言をする中高年の者が少なくないのには、「へぇ~」と思わされるところ
があった。>
また、メディアを見ていると、「額に汗していない」やり方はよくないと批判する意見
が少なくないが、世間では「若い人が一生懸命頑張っている感じがしたのに」というよう
な声が多い。「額に汗していない」というのは、彼やライブドア社の「株式」を武器にした
利益のあげ方やM&Aで会社規模を拡大した方法に対して言われているのだろうが、それ
が望ましいかどうかは別として、私は堀江氏はとても「額に汗して」ここまでやって来た
ように思う部分がある。<もしかしたら、日本の経営者の中でも、最も額に汗して来ていた
一人かも知れないとさえ思う。>
彼はもちろんそれ相当の能力や素養があったと思うが、それだけではここまで来れるはず
がない。自分なりに勉強や研究をしてかなりの努力を重ねて来たと思うし、その行動力や
ヴァイタリティも並外れたものがあったように思う。
彼が昨年総選挙に出た時に、地元の選挙を手伝った関係者が口々に「こんなに精力的に
動いて、自ら走り回ったり、頭を下げたりして運動するとは思わなかった」と驚いていた
ときく。最初は堀江支援に抵抗感を覚えていた自民党&公明党関係者や地元の人々も、
そのような彼の一生懸命に、それこそ全身に汗する姿を見て、彼に惹かれたり本気で応援
したりするようになった人も多かったそうだ。
だが、堀江氏は「起業した頃からつい少し前までは、ほとんど寝ずに働いたり、営業で
頭を下げまくっていたりしていたので、何の苦にもならない」とさらっと言ってのけていた。
私は堀江氏がやって来たことを賛美する気は全くないし、繰り返し書くように、特に
選挙に立候補したことは批判的に受け止めているのであるが、ただ「何かをやろう」と
決意し、ひとたび始めた時に見せる努力や行動力には感服させられるところがあった。
そういうところは素直に認めるべきなのではないかと思う。
ただ、会社の経営の手法という面で言えば、彼やスタッフは「額に汗していた」ので
あるが、その汗をかく方向性を少し過ってしまったのかも知れないと思う。
<付け加えるなら、今回、共に逮捕された宮内氏(M&A等を含むファイナンス部門を一手に
引き受けていたとされる元・取締役)は、高校野球の名門・横浜商業高校で野球部に在籍し、
百人以上も部員がいる中で補欠ながら3年間頑張り、その後税理士事務所に勤めながら
税理士試験の勉強をし、見事にその資格をとったまさに頑張り屋さんであったようだ。
彼も汗して自己実現をしようとしながら、その方向性を少しずつ過ってしまったのかも知れない。>
<つづく> THANKS
業績が落ちたときに立ち止まれたはずなのに、誤魔化したのが運のつきでしたね。
何でもホドホドが良いんでしょうが、欲もホドホドにないとあかんし(笑)、難しいところですね。
私は欲や上昇志向が乏しい人間なので、よくわかりませんが・・・。^^;
やはり同じ立場だったら、上に上にってなってしまうのかも知れませんね。
立ち止まったら、そこでドロップアウトしてしまうような一種の脅迫観念に
おそわれるのかも知れません。
上場していれば、数字が表に出てしまいますから、世間の目や評価も気になるでしょうし。
もし自転車操業だったら、自転車をこぎ続けないと倒れちゃうし・・・。
うまく行ってる時は、めっちゃ楽しくて充実感があるんでしょうけどね。
ほんとホドホドっていうのは、難しいと思うです。
「ゼロからの再出発」を自分の言葉通り出来るかですが、はっきり言ってマイナスからの出直しとなりました。
この間テレビで「曲がった杭は打たれる」の言葉についていっていました。
「しかし、真っ直ぐの杭は打たれない!」という結論だったと思います。
曲がったことに手を出してはいけないし、直前でもいいから戻るべきでした。
一度築いた体裁や面子。捨てられないのは男に多いのかもと自省(笑)
若い人(しかも男性?<笑>)は、一度走り出すと、止まれなくなって
しまうところがあるのでしょうか?
しかも、今時の人はスピードと効率、眼に見える結果(数字)を求めますし
何か自分で自分を追い込んでしまうようなところがあるのかも知れませんね
今の会計や株式の指標となる諸数字(四半期決算とか、時価総額主義、
PER等々)も追い討ちをかけているかも知れません。
短期間に数字で結果を残さないと、いけないような仕組みもよくない気がします。
大企業でさえ、それに追われている今日この頃です。
社会全体が、もう少しゆとりを持って、急がば回れという風潮にならないといけないかもですよね。
本当にゆとり教育が必要なのは、大人なのかも知れません。