『加計の件は「首相案件」。官邸で首相秘書官が愛媛・今治市職員に獣医学部新設の指南。備忘録あり』の続報を・・・・。
昨夜になって、愛媛県職員が作成した文書(備忘録)の内容が全て公開された。(・・)
タイトルは『獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について』
愛媛県職員らは、4月2日午前中11時30分から藤原地方創生推進室次長の面会。そして、午後3時から柳瀬首相秘書官と会っている。(同行したのは、加計学園の事務局長だった。)
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彼らは藤原次長から、「要請の内容は総理官邸から聞いており」「政府としてきちんと対応していかなければならないと考えて」いると。
そして「国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」と、安倍首相が力を入れようとしている国家戦略特区の申請を行なうよう提案を受けた。(++)
<今治市は、その提案を受け、国家戦略特区に変更することに決める。>
そして、午後からの柳瀬秘書官との面会では、前記事で示さなかった部分(朝日新聞の写真に載っていなかった部分)にトンデモない話が出ていた。(・o・)
『加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった。』
何かわかりにくい文だが。安倍首相と加計理事長が会食した際に、「下村文科大臣が、加計学園は課題への回答もなくけしからんといっている」という話が出たというところが、極めて重要だ。
というのも、安倍首相は、加計理事長とは獣医学部新設について「話したことは一度もない」と。首相が加計学園が獣医学部新設の申請をしていると初めて知ったのは、国家戦略特区の申請が認められた18年1月20日だったと答弁しているからだ。(**)
もしこの備忘録にあるように、安倍首相が加計理事長と15年4月以前に、獣医学部新設の申請について知っていた&話し合っていたというのが真実だとすれば、まさに首相の電撃辞任につながるような事実だと思われ・・・。
野党やメディアは、この点をしっかり調査、追及すべきだと思う!(・・)
<ちなみに、週刊朝日の2017年8月18-25日号の記事に『異例のメンバーによる官邸訪問は、そんな想像を抱かせるに十分な状況証拠だ。だが、話はこれで終わらない。この日、官邸には意外な人物もいたのだ。前出の今治市関係者がこう続ける。
「面会のため一行が官邸内に入ると、下村博文文部科学相(当時)もやってきて言葉を交わしたそうです。『やあ、加計さん。しっかりやってくれよ』というような話も出たと聞いています」』という一文がある。>
『加計文書 愛媛県職員と官邸やりとり全文
加計学園を巡り、愛媛県職員が残した官邸とのやりとりに関する文書の全文は次の通り。
獣医師養成系大学の設置に係る内閣府藤原次長・柳瀬首相秘書官との面談結果について
27・4・13
地域政策課
1 4/2(木)、獣医師養成系大学の設置について、県地域政策課長・今治市企画課長・加計学園事務局長らが内閣府藤原次長及び柳瀬首相秘書官らとそれぞれ面談した結果は、次のとおり。
《藤原地方創生推進室次長の主な発言(内閣府)11時30分》
・要請の内容は総理官邸から聞いており、県・今治市がこれまで構造改革特区申請をされてきたことも承知。
・政府としてきちんと対応していかなければならないと考えており、県・市・学園と国が知恵を出し合って進めていきたい。
・そのため、これまでの事務的な構造改革特区とは異なり、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。
・国家戦略特区は、自治体等から全国レベルの制度改革提案を受けて国が地域を指定するものであるが、風穴を開けた自治体が有利。仮にその指定を受けられなくても構造改革特区などの別の規制緩和により、要望を実現可能。
・今年度から構造改革特区と国家戦略特区を一体的に取り扱うこととし、年2回の募集を予定しており、遅くとも5月の連休明けには1回目の募集を開始。
・ついては、ポイントを絞ってインパクトのある形で、2、3枚程度の提案書案を作成いただき、早い段階で相談されたい。
・提案内容は、獣医大学だけでいくか、関連分野も含めるかは、県・市の判断によるが、幅広い方が熱意を感じる。
・獣医師会等と真っ向勝負にならないよう、既存の獣医学部と異なる特徴、例えば、公務員獣医師や産業獣医師の養成などのカリキュラムの工夫や、養殖魚病対応に加え、ペット獣医師を増やさないような卒後の見通しなどもしっかり書きこんでほしい。
・かなりチャンスがあると思っていただいてよい。
・新潟市の国家戦略特区の獣医学部の現状は、トーンが少し下がってきており、具体性に欠けていると感じている。
《柳瀬首相秘書官の主な発言(総理官邸)15時00分》
・本件は、首相案件となっており、内閣府藤原次長の公式のヒアリングを受けるという形で進めていただきたい。
・国家戦略特区でいくか、構造改革特区でいくかはテクニカルな問題であり、要望が実現するのであればどちらでもいいと思う。現在、国家戦略特区の方が勢いがある。
・いずれにしても、自治体がやらされモードではなく、死ぬほど実現したいという意識を持つことが最低条件。
・四国の獣医大学の空白地帯が解消されることは、鳥インフル対策や公衆衛生獣医師確保の観点から、農水省・厚労省も歓迎する方向。
・文科省についても、いい大学を作るのであれば反対しないはず。
・獣医師会には、直接対決を避けるよう、既存の獣医大学との差別化を図った特徴を出すことや卒後の見通しなどを明らかにするとともに、自治体等が熱意を見せて仕方がないと思わせるようにするのがいい。
・加計学園から、先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があったとのことであり、その対応策について意見を求めたところ、今後、策定する国家戦略特区の提案書と併せて課題への取組状況を整理して、文科省に説明するのがよいとの助言があった。
2 ついては、県としては、今治市や加計学園と十分協議を行い、内閣府とも相談しながら、国家戦略特区の申請に向けた準備を進めることとしたい。
また、これと併行して、加計学園が想定する事業費や地元自治体への支援要請額を見極めるとともに、今治新都市への中核施設整備の経緯も踏まえながら、経費負担のあり方について十分に検討を行うことと (毎日新聞2018年4月10日)』
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尚、愛媛県職員は、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)に、15年4月2日の午後3時に会ったと記しているのだが。
その柳瀬唯夫氏は、昨年、国会で「会った記憶がない」と7回連発。(記憶にないがミソね)
また今回の報道を受けて、昨日、下記のようなコメントの文書を出している。<自分の記憶の限り・・・ね。>
『国会でも答弁していますとおり、当時私は、総理秘書官として、日々多くの方々にお会いしていましたが、自分の記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません。
自分の総理秘書官時代には、国会でも答弁していますとおり、50年余り認められていなかった獣医学部の新設がどうなるかという制度論が議論されており、制度を具体的にどこに適用するかという段階ではありませんでした。実際、その後、獣医学部新設を追加規制改革項目として、とり上げるかどうかについては、いわゆる「石破四原則」の決定により、検討が開始されることになり、翌年の2016年11月に、獣医学部新設が国家戦略特区の追加規制改革事項として、決定されたと認識しています。
具体的な地点の選定手続きは、私が総理秘書官の職を離れてかなり時間がたってから始まり、今治市が特区を活用して、獣医学部新設を行う規制改革が決まったのが17年1月だったと認識しています。
したがって、報道にありますように、私が外部の方に対して、この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ません。(時事通信18年4月10日)』
首相秘書官は、多くの人と会うので、すれ違って挨拶した人全てまではメモできないかも知れないが、総理官邸でアポをとって面会した人のことは、きちんと記録が残っているはずだ。(本人もメモをしているはず。メモもとっていないようでは無能。^^;>
その辺りもしっかりと調査、追及して欲しいと思うmewなのだった。(@@)
THANKS