昨日20日、自民党の総裁選の投開票が行なわれ、まずは国会議員票(405票)のうち、安倍晋三氏が329票、石破氏が73票を獲得。
そして、注目の地方票(405票)では、安倍氏が224票、石破氏が181票。安倍氏は合計で553票を獲得。254票をとった石破氏を破り、総裁選3選を果たした。(++)
でも、投票数の発表が行なわれていた時には、安倍氏&周辺の表情には。くゆるみや笑顔が見えず、むしろどんどん堅く、暗くなって行く感じが。(~_~;)
他方、石破氏自身&陣営は、国会議員の投票が73人もあって、チョット驚いた表情に。(・o・)
しかも地方票では、安倍氏とほぼ大差ないことがわかり、むしろ誇らしげな顔になって、自然に微笑みも浮かんで来る感じに。
総裁選の最後に、安倍氏と石破氏の2人が壇上に立って、お互いの手を上げて、健闘をたたえあったのだが。安倍氏の顔がほぼ曇りっぱなしだったのに対して、石破氏には何度も笑顔が見られて。「もしかして、何も知らない人が見たら、石破氏の方が勝ったと思うかも」って感じたほどだった。(・・)
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昨日の記事で、石破氏が全部で200票以上とったら、実質的には安倍氏は敗北したに等しいのだという話を書いたのだけど。
何と254票もとっちゃいましたからね~。(++)
議員票で73票もとれたのも、驚きだったのだ。(・o・)
というのも、今回、安倍陣営は早い段階から党内の7派閥中5派閥の支持をとりつけ、最低でも325票以上キープ。しかも、無党派層にも安倍シンパやタカ派議員がいるので、あと10~20名は上積みできるかもと言われていたからだ。
他方、石破氏の固定支持票は50票だけ。もしかしたら、小泉進次郎氏が当日あらわれた時に、事前に「石破氏に投票する」と語ったこともあって、若手の10票ぐらいが動いたかも知れないのだけど。党内には、安倍独裁、上からの強制力による政治に辟易として、石破氏に寝返った人もいるかも知れない。(・・)
<小泉くんが14日に石破支持を発表してくれれば、党員票がもっと増えたかも知れないのにな~。^^;>
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でも、何より石破氏にとって大きいのは、やはり党員票)で、安倍氏(242名)とほとんど差がない181票もとっちゃいましたからね~。(^^)v
繰り返し書いていることだが、安倍陣営は今回、党員票で7割とることを目指していたのである。(・・)
というのも、前回の12年の総裁選の1回めの投票の結果は「安倍晋三 議員54票地方87票、計141票」「石破茂 議員34票 地方165票で計189票」で。安倍氏は、党員票で石破氏の半分しかとれず。
2回めの決選投票でに大物の力を受けて議員票で勝ち、総裁になったものの、いつまで立っても、石破さんの方が、地方や一般党員から信頼され、支持されているという声が続いていたし。選挙応援でも、特に地方は「安倍首相でなく、石破氏に来て欲しい」という要望が圧倒的に多いのが実情で。安倍陣営は、この6年、悔しい思い(コンプレックス、トラウマ?)を抱き続けていたからである。_(。。)_
で、今度は党員票に関しても、「石破の党員票の2倍、全体の7割をとらないことには、勝ったことならない」として、安倍支持派の地方議員を使って、各選挙区の党員にも安倍の名を書くよう強く働きかけを行なうように指示。
何とか党員票を多く得るために、安倍首相自身も、全国各地を回って地方議員に会ったり(官邸に招いて食事したり、アチコチから直接、電話をしたりして、党員集めを要請していたという。^^^^;
<あと安倍陣営は、アメさんをエサに経済や産業の団体に働きかけて、団体の党員票をまとめてゲットすることに力を入れていたんだよね。>
また、先日もブログで触れたように、安倍首相の側近が、地方議員に対して石破氏の選挙活動に協力しないように圧力をかけるなど、石破潰しのためのえげつないやり方が発覚。
もう総裁選での最後の方では、もう念を入れるための「石破氏叩き(石橋叩き)」が行なわれたなんて話も出たり。最後は、「石破いじめ」をやり過ぎを警戒する記事までもが出るような状態になっていた。^^;
『「党員とつながった割合は13%にとどまる」との報告があった。幹部の一人は会議後、「動き出しが鈍い。引き締めてペースアップする。圧勝しすぎて困ることはない」と語った。
潤沢な人員で「ローラー作戦」を仕掛ける安倍氏陣営。ただ、劣勢の石破茂元幹事長(61)への「いじめ」と映りかねないとの懸念もくすぶる。近畿選出の若手は「電話すると『台風被害で大変な時にそんな暇があるなら働け』とか、『党を分断するようなことはするな』と言われる」と明かす(毎日新聞18年9月12日)』
安倍陣営の、石破叩き、石破いじめ、いわばパワハラ的な言動に関する報道は多々出ていたのだけど。
考えたら、総裁中となれば党員はいつもより新聞やTV、ネットの情報もチェックするかも知れないし。安倍陣営のえげつないうやり方に辟易とさせられた人も好くからずいたのではないかと察する。(・・) <一般国民も早く気づけばいいのにな~。^^;>
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でも、これだけ安倍陣営からの締め付け受ける中。全体の4割5分も石破氏に投票を行なった党員がわけで。これらの党員には、心から拍手を送りたいと思う。(^^)//
だって、もしここで安倍晋三氏が、党員票も7~8割集めるような圧勝をしてしまったら、安倍首相&総裁は、まさに安倍一強の独裁政治、党運営を行ないやすくなるわけで。
そうしたら、憲法改正も武器購入や軍事政策も、アブナイ経済・社会政策も、もはや党内でもほとんど反対する人が出られないような状態で。国民の声なんて、全く耳を傾けることなく、自分たちの仲間だけで、戦前志向の超保守的な政治を突っ走ることを考えていたに違いないのだから。(-"-)
でも、今回、地方の党員票が石破氏に回ったことで、来春の地方統一選、参院選に向けて、安倍総裁がこの選挙で訴えていたことが受けいられられない可能性があるわけで。
果たして、どこまで強気で憲法改正を前面に出していいのか、どこまで効果のないアベノミクスを「道半ば」と言い訳して押し付けるのか、2回も延長した消費税アップをどうするのか・・・などなど、安倍政権の政治を大きく揺るがし始めているのである。_(。。)_
それこそ、もし来年の地方選、参院選の結果が悪かったら、安倍首相は退陣に追い込まれる可能性も十分にあるだろう。(**)
『<自民総裁選>石破氏善戦 首相、迫られる「批判」への配慮
自民党総裁選は20日、国会議員による投票が行われ、党員・党友票と合わせて開票された。安倍晋三首相(64)が553票を獲得し、254票の石破茂元幹事長(61)を破って連続3選を果たした。首相は最終任期の3年間でデフレ脱却や憲法改正などの課題に取り組む。ただ、石破氏が国会議員票、党員票とも善戦したことで、首相は今後、党内からの批判に配慮した政権運営を迫られる。
総裁選は国会議員票、党員票それぞれ405票で争われた。国会議員票は首相329票、石破氏73票、無効票3票。毎日新聞の情勢分析では、首相は自民党細田、麻生、岸田、二階、石原各派と竹下派の衆院側の支持を受け、無派閥議員を含めて343票を固めていたが、十数票を取りこぼしたことになる。石破氏は石破派と竹下派の参院側、無派閥議員の計51票程度の基礎票から約20票上積みした。小泉進次郎筆頭副幹事長(無派閥)は投票直前に石破氏支持を表明した。
焦点の党員票は首相が224票、石破氏が181票だった。首相の得票は405票の55.3%で、首相陣営の甘利明事務総長が目標に掲げた55%をわずかに上回った。しかし、陣営は当初、7割を目指していただけに、「やはり地方には不満がたまっている」(中堅議員)という見方が出ている。
党員投票の結果は、首相が35万5487票、石破氏が28万6003票。両氏の得票数に応じてドント式で405票を配分した。投票率は61.74%で、選挙戦になった2012年総裁選の62.51%から微減した。
開票後、首相は両院議員総会で「戦いは終わった。これからは一致協力して新しい日本をつくっていこう」と結束を呼びかけた。来年11月に戦前の桂太郎首相の2886日を抜き、在任期間が歴代1位になる。
石破氏は「これ以上ないほどの力をいただいた。いい形で次の政権につなげるよう努力したい」と記者団に語った。【村尾哲】(毎日新聞18年9月20日)』
『予想上回る“石破氏善戦"、安倍陣営“干すことできない"
自民党の総裁選で石破元幹事長の予想を上回る善戦。党内の反応について自民党本部からの報告です。
石破さんの票数が読み上げられた瞬間、こちらの会場でどよめきが起きたように、今回の善戦は驚きを持って受け止められています。
「石破茂君、73票」
安倍陣営内部には当初、8割を押さえた議員票と地方票の間に「乖離(かいり)があると良くない」として、地方票も獲得できるだろうという見通しもありました。「地方票」70%獲得という目標を掲げる議員もいたほどですが、石破さん支持の広がりや森友・加計学園問題の影響を肌で感じた陣営は、表向きの目標を党員票の55%獲得に置かざるを得ませんでした。そのハードルを下げた目標をかろうじて0.3%上回るのみという状況に持ち込まれ、そこに追い打ちをかけるように石破氏が予想を20票近く上回る議員票を獲得したことで、安倍陣営には動揺が走っています。
Q.石破さんの処遇や今後の政権運営など、結果はどのような影響を及ぼすと考えられますか?
安倍総理は、来月1日に党役員人事と内閣改造を行う予定にしています。石破さんの健闘した結果を受け、安倍陣営からも“石破さんやその周辺の議員を干し上げることは出来ない”という見方が広がっています。さらに今後の政権運営にも、ひとつ暗い影を落としたとも言えるかもしれません。安倍総理が勝ったとは言え、今回の結果は、いわゆる“隠れ石破支持”の議員の存在や、総理を積極的に支持しているわけではないという「地方の声」が表面化したわけです。
残りの任期が決まった指導者の求心力が低下していくのは政治のセオリーで、安倍総理が最後の3年間で描く、憲法改正などの難しい政策課題には高い壁が立ちはだかったと言えそうです。(TBS18年9月20日)』
さあ、来年の夏には、いよいよ安倍政権が終わりを迎えるように(憲政史上最長の総理在任記録なんて与えない。戦後史上、最長最悪の総理の記録は残るだろうけど)、ここから1年、まっとうな野党勢力はもちろん、本当に国を考える与党の議員や支持者、そして心あるメディアも、頑張って行きましょうね!・・・自らもcheerしているmewなのだった。o(^-^)o
THANKS