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9条改憲は自衛官募集のため?~安倍「自衛官に住所を書き移させるのは、協力拒否の自治体」と批判


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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】  

安倍首相が今月10日の自民党の党大会で語った9条改憲の根拠について、これを疑問視する声が拡大している。(@@)

 安倍氏は1~2年前から、9条改憲の必要な理由として「自衛隊が違憲だと教科書に書いてあると、自衛官のこどもがかわいそう。涙した子どもがいる」という話を持ち出し、「改憲して自衛隊合憲論に終止符を打つ必要がある」と主張することが何回もあった。(~_~;)

 でも、そもそもこんなことは憲法9条改正の根拠にはならないし。もともと自衛隊のことを違憲と書いている教科書もない上、果たして「涙した子の話」は実話なのかさえ疑問が抱かれているような状況にある。_(。。)_ <『安倍、9条改憲でブチ切れ~「息子の涙」は実話?+首相補佐官が厚労省幹部に調査法示唆+足立、要退場』>
https://mewrun7.exblog.jp/28012674/
 そうしたら安倍氏は、今度は「自衛官の募集に全国の自治体が協力しない。協力させるために9条改憲が必要だ」と言い始めたのである。(゚Д゚)

「残念ながら、新規(自衛)隊員募集に対して、都道府県の6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態があります。地方自治体から要請されれば自衛隊の諸君はただちに駆けつけ、命をかけて災害に立ち向かうにもかかわらずであります。皆さん、この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかりと自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか」

<注・後日、国会で訂正されたが。本当は「都道府県」ではなく「市町村などの地方自治体」>

 で、知人と「地方自治体が自衛隊員募集に関して、協力を拒否しているって、何のこと?」「え、もしや、まさか住民基本台帳閲覧の話とかの手次元なレベルのことじゃないでしょ~ね~」って、どうやら、そのまさかのことだったらしい。(>_<)

* * * * *

 詳しいことは後ほど書くが。地方自治体の3割は、募集対象になりそうな年齢の住民を自治体の方でピックアップして、その住所や生年月日などの情報を紙やデータ媒体の形で提供しているのだが。(要は自衛隊の手間が省ける分、協力的なのね。)しかし、6割は、自衛隊の職員が台帳を閲覧させて、自分たちで住所などを書き写させる方法をとっている。(・・)

 安倍首相は、この6割に関して「協力を拒否している」「膨大な情報を自衛隊員が手書きで書き写している」と指摘。そして、「(9条に)自衛隊を憲法に明記することで(非協力の)空気は大きく変わっていく」として、この状況を改善するためにも「9条の改憲が必要だ」と主張しているのである。^^;

* * * * *

 おそらく安倍首相&超保守タカ派の仲間たちのアタマの中には、「日本の市町村は当然にして、国の大事な(軍隊である)自衛隊の募集に積極的に協力すべきことは言うまでもない」と。それなのに「お国の防衛のために働くべき自衛官に手書きで情報を書き写させる作業をさせるなんてとんでもない(非国民的な?)ことだ」だという考え、感覚があるのだ。(>_<)
 
 そして、「憲法9条に『自衛隊』を明記すれば、その存在が認められて、自治体も積極的に協力するはずだし。法律で強制することも可能になるかも知れない」というような安易な発想をしてしまうわけで。もうこの考えの安直さ、浅さにガッカリしてしまうmewなのだけど。(>_<)

 そもそも、自治体の中に情報提供に消極的なところがあるのは、個人情報の保護を重視してのことであって。それは国民の多くにとっては、自衛官募集より重要なことだし。

 何より自衛官の募集に際して自治体が協力しないことが、憲法9条の改正の根拠にはならない(てか全く関係ない)ことは、誰の目にも明らかなわけで。さすがに、この安倍首相の主張には、野党だけでなく自公与党の中からも、疑問視する声が出ている。(~_~)


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  防衛省の発表によれば、全国の市町村の9割は、自衛隊の要請を受けて、自衛官募集のために住民基本台帳の情報を提供しているという。(・・)

 いまや個人情報の保護がどんどんと重視されている時代。果たして自衛官募集の目的でも、自治体が住民の情報を出すことを問題視する声もある。それもあって、全国の約1割の自治体は、情報の提供の協力を拒否しているようだ。(**)

 残る9割のうち、3割はわざわざ募集対象になりそうな年齢の住民をピックアップして、その住所や生年月日などの情報を紙やデータ媒体の形で提供。<自衛隊募集に協力する精神が強いところもあれば、この方が他の住民の情報が見られないので閲覧方式より個人情報が保護しやすいとの考えで行なっているところもあるらしい。>

 そして6割は、自衛隊の職員が台帳を閲覧して、対象となる住民の住所などを自分たちで書き写す方法をとっている。φ(..)

 で、この実態をきいた安倍首相は、自衛官募集のために対象者の情報を紙媒体などで提供するなど積極的な協力姿勢を見せず、情報閲覧だけを認めている6割の自治体のことを「協力を拒否している」と言及。
 野党議員が「協力を拒否しているのは1割しかいない」と指摘したのに対して、このように反論したのだ。^^;

『結果として、実際には全体の約9割が何らかの協力を行っていることになる。

 それでも首相は「膨大な情報を自衛隊員が手書きで書き写している」などと指摘。「都道府県」との表現は避け、「6割以上の自治体で協力を得られていないというのが真実だ」と主張した。(時事通信2.12)』

 さすがに、日本の国民の中に、こんな根拠を示されて「それは問題だ。9条に自衛隊を明記しなくちゃ」と考えるような人は少ないと信じたいのだが・・・。う~ん。(~_~;)

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

『自衛隊募集、9割が協力 「6割は協力拒否」の自民大会首相発言を修正

 岩屋毅防衛相は12日の記者会見で、安倍晋三首相が10日の自民党大会で自衛隊員募集に関して「都道府県の6割以上が協力を拒否している」と発言したことについて、実際は約9割の自治体から情報提供を受けていると事実上認めた。野党側は「自衛隊を憲法に明記する必要性を強調するため印象操作した」と批判している。

 発言は、首相が党大会の演説で憲法改正に言及した際にエピソードとして紹介。そのうえで「憲法に自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とう」と呼びかけた。

 ◇「印象操作」と野党は批判

 自衛隊法は、防衛相が自治体首長に対して、自衛隊員募集の「必要な報告または資料の提出を求めることができる」(同法施行令第120条)と定める。岩屋氏は会見で、募集対象者(18、22歳)の情報提供について、全国1741市区町村のうち、4割から氏名や住所などの資料提供があるが、6割から「協力していただけていない」と説明。しかし、「3割は(自治体が)該当情報を抽出して閲覧」、「2割は防衛省職員が全部を閲覧して自ら抽出しなければならない」、「1割はそういう協力もいただけていない」と述べ、実際は約9割の自治体が防衛省職員に対して住民基本台帳の閲覧を認めていることを認めた。

 防衛省担当者によると、台帳閲覧を認めていない自治体も、学校などでの説明会開催や広報活動などには協力しており、全く協力していないのは全国で「5自治体のみ」という。(中略)

 12日の衆院予算委で質問した渡辺周氏(国民民主)は「(憲法明記と)自衛隊の募集業務とどのような因果関係があるのか。印象操作をするようなミスリードな発言だ」と批判した。【前谷宏、木下訓明】(毎日新聞19年2月12日)』

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『安倍首相の改憲理由に疑問相次ぐ=「自衛官募集は無関係」-与党

 公明党の北側一雄憲法調査会長は14日の記者会見で、安倍晋三首相が自衛隊員の採用に対する地方自治体の協力が不十分なため憲法9条に自衛隊を明記する必要があると主張したことについて「9条の自衛隊明記との関係で直ちに(自衛隊員募集を)結びつけるのはどうか」と疑問を呈した。

 北側氏は自衛隊員採用に関し、「市町村がどうすれば協力しやすくなるか、法改正も含めて検討しなければいけない」と述べた。

 自民党の石破茂元幹事長も14日の派閥例会で、「自治体との協力関係を構築するために(自衛隊)地方協力本部は一生懸命やっている」と指摘。「(隊員募集は)憲法とは無関係のものだ。論理を精緻に組み立てていかなければいけない」と苦言を呈した。(時事通信19年2月14日) 

* * * * *

 ところが自民党が、党所属国会議員に対して自衛官募集に関し選挙区内の地方自治体に確認するよう文書で要請したことが発覚。これにも党内から疑問を呈する声が出ている。

『自衛官募集の協力状況確認を=自民、所属議員に要請文

 自民党が党所属国会議員に対し、自衛官募集に関する防衛省への協力状況をそれぞれの選挙区内の地方自治体に確認するよう文書で要請していたことが15日、分かった。安倍晋三首相が自衛官募集への自治体の協力が不十分なために憲法9条に自衛隊を明記する必要があると主張していることを踏まえた対応とみられる。

 文書は小野寺五典安全保障調査会長と山本朋広国防部会長による連名で、14日に出された。
 この中で、自衛隊法97条に都道府県知事や市町村長が募集事務の一部を行うことが定められていると指摘。その上で「防衛相の要請に対し、約6割以上の自治体から情報提出の協力が得られていない」と明記した。さらに「一部の地方議会では、左派系会派からの要求に応じ、情報の提供を行った行政側が謝罪を行う事態にまで発展しており看過できない」などとしている。(時事通信19年2月15日)』<詳しい記事を*1に)

『自衛隊めぐる要請文書、自民内にも異論「強制できない」

 自民党が14日に自衛官募集をめぐって配布した文書に対し、党内からも異論が相次いだ。文書は「約6割以上の自治体から協力が得られない状況」としているが、自治体には法令上、応じる義務はないと指摘が出た。安倍晋三首相に対しても「自衛官募集と憲法改正を絡めているが、こんなことをしてはいけない」との声も上がった。

 文書では、防衛相が市町村に対象者の名簿を紙または電子媒体で提出するよう協力を求めていると説明。この要請に対し、6割以上が応じていないとして、「選挙区内の自治体の状況を確認」するよう所属議員に求めている。

 ただ、自衛隊法や施行令では、防衛相は自治体に協力を求めることはできるものの、自治体側に応じる義務が定められているわけではない。紙や電子媒体で名簿を提出していなくても、ほとんどの自治体は、住民基本台帳の閲覧や書き写しを認めているのが実態だ。

 自民党の国防族議員の一人は文書について「問題だ」と述べた。関係法令についても「解釈の幅がある」とし、市町村が防衛相の要請に応じる義務があるとは言えないとの見方を示した。別の国防族議員は市町村に「強制できない」とし、「こんな文書を作ったら、中央の政治が地方に介入することにつながって、問題になる」と指摘した。(朝日新聞19年2月15日)』

 安倍首相&改憲仲間は、まともな理由も根拠もなく、ただただ「戦後憲法を認めたくない」「歴史に名残したい」などの思いだけで「憲法の改正」、特に「9条改正」を強引に実現しようとしているだけで。
 どうか賢明な日本国民は、そんな安直な発想による憲法改正は認めないで欲しいと願っているmewなのだった。(@@) 

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*1

『自衛官募集、自治体の協力状況確認へ 自民部会が議員に呼びかけ
2/15(金) 6:00配信 毎日新聞

 自民党は14日、党所属国会議員に、それぞれの地元自治体の自衛官募集への協力状況を確認するよう呼びかける文書を配布した。

 ◇首相発言の援護狙いか

 文書には「一部の議会の左派系会派の要求で、行政側が謝罪を行う事態に発展し、看過できない」との記述があった。憲法改正で自衛隊を明記する理由として、安倍晋三首相が「6割以上の自治体から協力を得られていない」と発言したのを援護する狙いがあるようだ。

 文書は小野寺五典安全保障調査会長と、山本朋広国防部会長の名前で発出。「資料」として沖縄県の地元2紙の記事を添付した。防衛省の要請で、宜野湾、沖縄両市が「18~27歳未満」の適齢者の名簿を作成・提供したとの内容で、両議会で行政側が追及され、沖縄市が個人情報保護への配慮を欠いたとして謝罪したとする記事だった。【木下訓明】』

********

『岩屋防衛相「協力自治体は632で全市町村の36%」 自衛官採用めぐり自民議員に協力要請も

2/15(金) 21:04配信産経新聞

 岩屋毅防衛相は15日の衆院予算委員会で、自衛官の募集に協力している自治体は全市区町村の36%に当たる632自治体にとどまると明かした。「紙か電子媒体での(募集対象者の)資料提供を依頼しているが、6割の自治体はそういう形では応じていない」と述べた。国民民主党の渡辺周副代表の質問に答えた。

 防衛省は自衛隊法に基づき、全国の自治体に募集対象者の氏名、生年月日、住所、性別を「紙媒体または電子媒体」で提出するよう求めている。平成29年度は全1741市区町村のうち、求めに応じたのは632自治体だった。全体の53%に当たる931自治体では住民基本台帳からの書き写しで対象者の情報を取得し、残る178自治体(10%)からは情報を得ていない状況も説明した。

 一方、自民党は14日、党所属国会議員に対し、自衛官募集に関する防衛省への協力状況を各選挙区内の自治体に確認するよう文書で要請した。自衛官の募集をめぐっては、安倍晋三首相が10日の自民党大会で「6割以上が協力を拒否しているという悲しい実態がある」と述べ、自衛隊の存在を憲法に明記する必要性を訴えていた。

 これに対し、一部野党は反発を強めている。立憲民主党の本多平直衆院議員は15日の衆院予算委で「住民基本台帳の書き写しで(募集対象者の)データを得ている。それを協力でないということ自体が失礼だ」と批判。実際は9割の自治体が募集に協力しているとの考えを示した。岩屋氏は「法令に基づき資料の提出を自治体に求めている。それができないところは自衛官がやむなく(住民基本台帳を)閲覧して書き写している」と反論した。

 政府や自民党が自治体の協力を強く求めるのは、少子化の影響などで自衛官の採用状況が厳しさを増しているからだ。29年度の海上自衛隊の自衛官候補生の採用数は、募集計画の59・9%にとどまった。陸上自衛隊と航空自衛隊もそれぞれ約8割にすぎなかった。

 住民基本台帳からの書き写しは負担が大きく、自治体から募集対象者の情報提供を受けることができれば、ダイレクトメールの送付など効果的な募集活動をスムーズに行うことが可能になるという。

 防衛相経験者は「自衛隊は有事の際はもちろん、災害からも国を守っている。自治体にも自衛官の募集に積極的に協力してほしい」と語っている。』



by mew-run7 | 2019-02-19 06:59 | 憲法&憲法改正

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