B4さんは、データに基づいて政治を考察する記事をメインに書いているのだけど(ツイッターもあり)。ベースとなるデータが、豊富にかつわかりやすく示されているし、mewとは異なる視点で書かれた、興味深い内容なので、ご一読いただければと思う。m(__)m
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で、mewもB4さんの記事を読んでいて、何で投票がここまで低下しているんだろうと、改めて考えてみた。衆参の投票
率がこれ以上下がって行くようだと、日本の民主政は崩壊してしまうおそれがある。<もう半分、崩壊しているかも?(~_~;)>
今年7月の参院選の投票率は、過去最低から2番めの48.8%。ついに投票率が50%を割ってしまった。(-"-)
ちなみに過去最低は1995年7月の参院選の44.5%なのだが。ただ、この年は、特殊な事情があったのだ。
第一に、同年の1月に阪神・淡路大震災が起きたため、関西地方を中心に選挙モードになりにくかった。(3月には、東京で地下鉄サリン事件も起きている。)
第二に、この前年、細川連立政権が崩壊し、自社さ連立の村山政権が誕生。他方、小沢一郎氏らの新生党は、公明党や民社党の一部などを巻き込んで新進党を結党したのだが。与党も野党も、いまひとつ、有権者に馴染みがなく、とまどいを与えた部分もあったように思う。
<与党側では、自民党支持者の中には、同党が社会党と組んだことに抵抗を示す者も少なからずいて(社会党支持者の抵抗も大きく)、獲得票数が低下。
他方、投票率が低いと、公明党の組織力が強みを示すことから、新進党は有利な戦いを展開。改選議席の19議席から40議席へと議席が倍増し、比例区では自民党の獲得票数を上回った。>
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ただ、95年以降、98年から2010年までの5回の参院選は、50%台後半をキープしていたのである。(参院選は3年に1度。)
ところが、12年末に安倍自民党の第二次政権が始まってから、13年には52.61%、16年には54.70%、19年には48.80%と、投票率がどんどん低下することになった。(ーー)
衆院選の投票率もしかりだ。05年の小泉郵政選挙は、67.51%。09年に民主党が政権交代を実現した時は、69.28%まで上がっていたのだが。
安倍自民党が政権奪還した12年12月の衆院選は、ド~ンと落ちて、過去最低の59.32%まで低下。14年は52.66%で過去最低を大更新。17年も53.68%と、下から2番めだった。(~_~;)
何故、安倍二次政権では、衆参院ともこんなに投票率が低下しているのか・・・。
たぶん、多くの政治評論家は、野党がバラバラで各政党に魅力もないし、大きな争点もないため、与野党対決のムードにもならず、国民の投票への関心、意欲が薄れているというのではないかと思うのだが。<mewも同感する部分もあるけど。>
安倍政権が始まってから、経済界&ネット界が中心になって、大手メディアも含めて「しばらく自民党政権で落ち着かせよう」という雰囲気が作られると同時に、「ともかく旧民主党系の野党はダメ」というレッテル貼り(&野党叩き)が激しくなっているように感じるし。
また、国民が国政や選挙に関心を示さないように(下手に政権与党の諸問題に気付いたりしないように?)、TVでの国政問題、選挙に関する報道をセーブさせていることも大きな要因になっていると思う。(++)
2016年の参院選の前には、NHKを含む在京地上波テレビ6局の参院選関連の放送時間が、前回2013年より3割近く減少。しかも、情報・ワイドショー系番組の減り幅は大きく、民放は6割減だったとのこと。
これが2019年の参院選の前になると、さらに減少。『地上波のNHK(総合、Eテレ)と在京民放5社の、公示日から15日までの12日間で選挙に関する放送時間は計23時間54分で、前回に比べ6時間43分減っている。とりわけ「ニュース/報道」番組の減少が顕著で、前回から約3割減、民放だけなら約4割減っている』というのである。(゚Д゚)
しかも、いわゆるニュース番組でさえ、選挙に触れない日があったという。(-"-)
『公示日のテレビを見ると、NHK「ニュースウオッチ9」がトップで伝えたり、TBS系「NEWS23」と日本テレビ系「news zero」が党首討論を行ったり、午後9時以降の主な報道番組六つすべてが選挙にふれたが、翌日は六つとも報じなかった。その後も、番組によって、放送しない日があった。(朝日7.19)』
<ワイド・ショーは、(韓国の国政や閣僚候補を取り上げるのは熱心なようだが)参院選に関しては、フジテレビ系「とくダネ!」やTBS系「ビビット」、日本テレビ系「スッキリ」など、公示日から15日まで選挙企画が全くなかったようだ。(ーー)>
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ニュース&ワイド・ショーの制作に携わっている出演者やスタッフの中には、そのことを自覚、認識していた人も結構いるのだろうし。(意図的に扱わないところもあっただろうからね。)中には、政治への関心や投票率の低下に責任を感じる良心的な人もいたのかも知れない。(・・)
そんな中、TBS系の「あさチャン!」のメインMCを務める夏目三久さんが、7月24日の番組内で、このように語ったのである。
『参議院選挙の投票率が過去2番目に低かったということもありました。今日新たに分かったのは18~19歳の投票率が31%あまり。これは前回の参院選より14ポイントも低いということで、由々しき事態だと思うんですよね。日本の未来を背負う子どもたちが政治に関心を失っているというのは、大いに私たちの報道の仕方に問題があると思っていますし、私もこの後スタッフとしっかり話していきたいと思っています』
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もう一つ、mewが、疑問に思っていたのが。選挙の告示後、TVの党首討論がほとんど行なわれなくなっていることだ。(**)
一般的に考えて、国政選挙が告示されて、町に政党や候補者のポスターが掲示されるようになってから、「あ、そろそろ選挙だな」と気付く人が多いだろうし。ふだん、さほど政治に関心のない人も、TVで党首討論をやっていれば、「何が争点なんだろう」とか「どの政党と考えが合うか」などと考えながら、ちょっと見てみる人も、そこそこいるのではないかと思うのだ。
だから、mewとしては、告示前、選挙中盤(投票7~10日前)、選挙終盤(投票1~2日前)ぐらいに、党首討論を行なうといいのではないかと思うのだけど・・・。
でも、安倍二次政権になってから、明らかに告示後の党首討論の回数が減っているし。(何か告示直前に、各局1回ずつ、まとめて討論する感じ。>安倍自民党が、告示後の党首討論を拒んでいるという記事を見たこともある。(・・)
で、何か参考になる記事がないかな~と思って探してみたら、「赤旗」にこんな記事が出ていた。これは、前回の参院選の前、16年7月3日の記事なのだが・・・。
『「選挙中、テレビでの参院選報道が少ないのでは?」「中身も焦点に迫り切れてない」―そんな声が聞こえてきます。
象徴的なのが、NHKと民放キー局の計5局が実施している、各党トップが論戦する党首討論です。
今回は、論戦が本格化する公示後は、6月24日のTBS「NEWS23」だけ。「投票日前の2週間、党首討論がまったくない」状況がまかり通ろうとしています。
公示後の党首討論は、前回2013年の参院選では4回でした。14年の総選挙時は3回に減ったものの、投票日の11日前には放送されていました。12年総選挙(民主党政権時)は5局すべてで公示後に実施。最後は投票日の3日前でした。
4野党は6月に2回にわたって今回の異常さを自民党に突き付け、「テレビ以外の場も含め」ての党首討論を申し入れました。しかし自民党は拒否したままです。
安倍首相は「期日前投票が増えた」ことを「党首討論前倒し」の理由にあげています。しかしこの間の国政選挙の期日前投票者は全有権者の1割ちょっと。大多数は投票日までの論議の行方を見定めて投票しているのが現実です。』
何故、安倍首相は党首討論を告示後に行なうのをイヤがるのか。
まず、TVの党首討論を通じて、いわゆる無党派層や浮動票の対象になる一般国民に、あまり選挙に関心を持って欲しくないからということがあるだろう。
また、もし選挙中盤以降に、TVの討論番組内で、問題発言をしたり、討論でやりこめられたりするようなことがあった場合、取り返しがつかないからではないだろうか。^^;
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また、朝日新聞の記事の中は、選挙のことを扱わない理由として、視聴率がとれないことを挙げていたのだが。本当に選挙に関するニュースや特集は、そんなに視聴率がとれないのだろうか?(@@)
仮に視聴率が低かったとしても、民主政の基盤を作るべきマスコミ、メディアの使命として、一定の時間は、国政や選挙に関する報道をしようという心構えは持てないものだろうか?(-"-)
<てか、ニュース・報道番組までもが、視聴率を重視して取り上げる内容を考えるようになったら、マジで日本がアブナイかも。一般ピ~プルが関心を持ちそうな芸能、スポーツ、グルメのネタばっかになっちゃうよね。まあ、夕方のニュースは、もうそんな感じだけど。夜もだんだんアブナくなっている感じが。(-_-;)>
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でも、mewは、TV各局は、視聴率のこと以上に、自民党や諸団体に(スポンサーの大企業などからも?)イチャモンをつけられたくなくて、国政や選挙に関するニュースを扱わなくなっているような感じもしている。(・・)
『とくに14年総選挙前、自民党は在京主要テレビ局に、各党出席者の発言回数や街頭インタビューの使用などについて、報道を束縛し、干渉する要望文書を送りました。この結果、選挙報道が激減したというのが実際の状況です。
さらに昨年来の「NEWS23」や「クローズアップ現代」への政権からの圧力や、高市総務相の「停波」発言などが相次ぎ、各局の政治・選挙報道の萎縮傾向がさらに強まっていると広く指摘されています。』
しかも、今回の内閣改造では、安倍首相は、その「電波停止」発言を行なった高市早苗氏が、もう一度、総務大臣に任じたわけで。この件は、近日中に大きく取り上げたいと思うが。改憲を前に、日本の電波放送がマジにアブナくなって来たと思うmewなのである。(@@)
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