今日12日、五輪組織委員会の理事、評議員、幹事による合同懇談会が行なわれる。そこで
同委員会の森喜朗会長(83)が何を言うのか、また役員たちがどのような対応をするのか、大きな注目を浴びていたのだけど・・・。
昨日11日、森喜朗会長が、会長を辞任する意向を関係者に表明したとのこと。今日の懇談会で、辞意を明らかにすると見られている。
もう先週の段階で、家族は森氏の辞任を望んでいたようなのだが。森氏は関係者に「問題をこれ以上、長引かせるわけにはいかない」「大会が良いものになってほしい。時間がない」「「娘や孫、家族にまで迷惑をかけられない」などと語っていたという。(~_~;)
詳しくは後述するが。森氏としては、周囲の要望もあって、何とか続投しようと思ったのかも知れないが。国内だけでなく、海外からの批判も強かった上、味方だと思っていたIOCまで非難声明をHPに掲載する事態に。国内外のスポンサー企業や有名人、一般国民からも批判コメントが続出して、崖っぷちに追い込まれる状況に陥った。
しかも、小池都知事が17日にIOCのバッハ会長などと共に行なう予定だった四者会談を欠席すると言い出したことが、いわば「ハチの一刺し」(昭和だと榎本三恵子さんね)になったかも知れない。(・・)
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また、昨日、森氏が、早稲田大第二商学部の同窓生であるJFA相談役の川淵三郎氏(84)に後任の会長を務めるように要請していたことがわかった。(@@)
<川淵氏は、東京五輪では選手村の村長を務めることになっていたんだけどね。^^;>
何か問題発言を行なって辞任する森氏が、勝手に後任の会長人事を決めるのもおかしいような気がするんだけど。とりあえず、その件はヨコに置いておくとして・・・。
森氏は10日頃に辞任を決意。11日に川淵氏と面会をして、会長を継ぐように要請したとのこと。昨日、メディアの取材に応じた川淵氏は、こんな話をしていた。(・・)
『前夜に弁護士の境田正樹氏を通じて面会の打診を受けた川淵氏は、「会長(就任打診)の話もなくはないかなと、半分思った」と警戒。家族にも反対されたことから、森氏後任の腹案を練って、この日の面会に臨んだという。
ところが本人と会う前に、境田氏を含む関係者2人と会談。その席で森氏の家族が心を痛めていること、森氏が自宅では涙を流すほど憔悴(しょうすい)しきっていることなどを明かされ、「もらい泣きしちゃって」。安倍晋三前首相、菅義偉首相、小池百合子東京都知事らにも既に根回しが終わっていることも明かされ、「外堀が埋まっていて、断るような状況じゃなかった」と観念したことを明かした。
その後、面会の場所に登場した森氏は「凄くお元気で、いつも通り」だったという。そして、ほぼ開口一番で「何とか後を引き受けてほしい」と打診され、川淵氏も二つ返事で受諾したという。
首相や自民党総裁を歴任し、19年ラグビーW杯招致でも主導的役割を果たした森氏の調整力や根回しといった政治手腕が今回も発揮された形。川淵氏も「僕が“勘弁して下さい”とか言うのは、時既に遅しだよ。本当に主たる人たちに全部相談してもらっているわけだから」と舌を巻いた。(スポニチ21年2月11日)』
川淵氏は、もししかるべき手続きを経て、会長に選任された場合は、「僕の人生の最後の大役ということでベストを尽くしたい」と前向きな姿勢を示した。尚、森氏を「相談役」として迎えたいとも語っていた。_(。。)_
森氏は今月3日の自民党の会合で、東京五輪開催に関して「コロナがどういう形だろうと必ずやる」などと発言したことで、国内外でヒンシュクを買うことに。<この時、既に海外メディアでは批判記事が出ていた。>
さらに4日には、JOCの評議員会で、政府が女性の理事の割合を増やす施策を進めていることに関して、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」「(組織委員会の女性理事らは)わきまえておられる」などと語ったことが、「女性を差別する意見だ」と問題視する声が続出。海外からもかなり強く批判される事態に陥った。(-_-;)
<5日の会見で、とりあえず謝罪したものの、その後ずっと高圧的な態度をとっていたため、火に油を注ぐことになった。(-_-;)>
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国内では、菅首相をはじめ政府与党、スポーツ団体関係者の多くが、「発言は不適切だ」としながらも、森会長の功績や力を評価して「森氏は余人に代えがたい」「感染対策など、組織委の今後の決断に不満を持つ関係者は多い。 そういう人が従うのは森氏しかいない」と会長辞任は求めず。
菅首相は「もし批判が収まるのであれば、森氏に続投してほしい」という意向は伝えていたという。
そもそも森氏が会長として頼られていた大きな理由として、IOCバッハ会長や幹部と懇意であることや、国内の経済界、五輪スポンサーになる大企業に顔がきくことがあったのだが・・・。
しかし、当初は「謝罪したので問題はない」とコメントしていたIOCが、9日に態度を一転させ、HPに森氏の発言を問題視する声明を発表。<IOCや関連団体の幹部、海外のスポンサー企業などからかなりクレームがあったらしい。>
国内でもトヨタなど日本TOPのスポンサー企業からも、次々と森発言を批判するコメントが発表され、苦しい立場に陥った。(~_~;)
それに加えて、小池都知事が10日に、来週行なわれる予定の4者会談に欠席する意向を公表したことは、森氏に対するいわば最後通牒的な「ハチの一刺し」になったようにも思われる。(・o・)
『4者会談は1月に森氏とバッハ氏が電話会談をした際に決定。政府の代表・橋本聖子五輪相(56)、小池氏と4人の「トップ会合」で新型コロナウイルスの感染拡大で開催への懸念が出ている、東京五輪成功に向けた意思を改めて確認する予定だった。(報知2.11)』
小池知事は、「今ここで開いてもあまりポジティブな発信にならない。出席はやめようと思う」「(話題が)ネガティブになってしまうと、目はそちらばかり」と説明したのだが。
『関係者は「暗に辞めてほしいというメッセージ」と語った。(日刊スポーツ2.11)』
橋下徹氏に言わせると、こうなる。^^;
『橋下氏は「最高の政治的態度、振る舞い。身震いするほどです。こういうやり方があるのかと」と、まずコメント。・・・「女性である小池さんがガツンと森さんに言って引導を渡すべきじゃないかという適当なコメントをしていたんですよ、コメンテーターとして」と続けた。
その上で「僕は真っ正面から行く方なので、森さん、辞めなさいと正面から言うやり方。これだとお互い醜くなるし、場合によっては意地になって辞めないかも分からない。それに対して、会議欠席って…。東京都はオリンピックの主催者ですよ。それを欠席すると言うことはある意味、小池さんは『オリンピックやめてもいいんですよ』という覚悟をIOCにもJOCにも示したわけですよ。これが(辞任への)決定打ですよ。すごい政治的な態度、振る舞いですね」と感心していた。(スポーツ報知21年2月11日)』
IOCや菅首相も、森会長がそのまま続投するのは難しいと思ったのか。若い人や女性を会長に選任するこんな提案もあったらしい。
『川淵三郎氏は11日、「森会長から聞いた話」として、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が森会長に対し、森会長と並ぶ女性の共同会長を置く案を提案していたと明らかにした。また、「菅(義偉首相)さんあたりは、もっと若い人を、女性はいないか、と言ったそうだ」とも語った。森会長はどちらの提案も受け入れず、川淵氏に就任を要請した。
川淵氏は「菅さんが若い人を、というのは当然の話だと思う」とした一方で、「森さんが83(歳)、俺は84、またお年寄りかと言われるのは不愉快。年寄りだろうが、何だろうが、良い仕事ができるぞ、といいたい」と話した。(朝日新聞21年2月11日)』
先日も書いたように、mewは、年齢が高いからダメだ、老害だとは思わないのだけど。森氏が、何故、後任に若い人や女性を避けて、自分より高齢の男性を選んだのか、ちょっと「???}のところ。
まあ、川淵氏は実行力や実績があるし。仲がいいので、ものが言いやすいという部分もあったかも知れないのだけど。>、
川淵氏は、国内スポーツ・ファンの間では有名な存在であるとはいえ、海外ではさほど知名度があるとは思えず。海外から見ると、ますます「???」の人事に見えるかも知れない。(~_~;)
<でも、たぶん政府与党や組織委は、森氏の意向を汲んで、川淵氏を後任会長に選ぶことに同意するんでしょうね。(・・)>
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mewは、森喜朗氏とはほとんど考えが合わず。森氏のように高圧的で、問題のある言動を繰り返す政治家は好まないし。もともと東京五輪招致には反対の立場だったのだが・・・。
森氏が2000年頃から、五輪の招致や開催準備(ラグビーWCも)にいかに力を注いで来たか、それなりにわかっているつもりだし。14年に組織委会長に就任してから、前立腺がん、肺がんの手術を受けたり、肺がん再発でオプジーボの抗がん剤治療を受けながらも、国内外を飛び回って、IOCや国際的なスポーツ団体、日本のスポンサー企業と精力的に交渉していたのも知っているし。<ちなみに、組織委会長は無報酬らしい。>
その意味では、ラグビーWCの招致&開催成功には、森氏の努力が報われてよかったですね~と&東京五輪の招致や準備でも、よく頑張ってくれた、おつかれさまと言いたい気持ちもある。(・・)
森氏自身、長い間年月をかけて、ここまでやって来て、最後の最後に組織委会長を辞任するのは、本当に悔しい&ショックだと思うし。
また、森氏のこれまでの活動を評価する人の中には、「今回の森氏の発言は、大局的に見ればさしたる問題ではない」「五輪の開催を成功させるために、森会長を辞任させるべきではない」と言う人もいるのだけど。
でも、この件に関しては、また改めて書きたいと思うのだが・・・。いくら功績があった人でも、上級国民と目される人でも、犯罪を犯したら見逃すことはできないと思うのだ。<あの池袋の自動車事故の加害者もしかり。^^;>
今回の問題発言は刑事的な犯罪にはならないけど。<あ、でも特定の女性を対象に言ったら、名誉毀損罪に該当するかも?>憲法の人権的には、かなり違法性が高い感じがあるので、海外からもこれだけ批判を受けることになったわけで。
日本の政治家も、国民も、メディアも、今回の森会長の発言やその後の本人、周辺の言動から、もっともっと学んで行く必要があると思ったmewなのである。(@_@。
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