昨日14日の夜、菅首相が会見を行い、北海道、岡山県、広島県に「緊急事態宣言」(5月16日~31日)を発出、群馬県、石川県、熊本県に「まん延防止等重点措置」(5月16日~6月13日)を適用することを発表した。(・・)
実は、昨日14日、ついに政府の分科会で、専門家たちの反乱が勃発。菅官邸の意向を「朝のちゃぶ台返し」で覆す事件が起きていたという。(@@)
昨日の記事にも書いたように、政府は13日夜までに、新たに群馬県、石川県、岡山県、広島県、熊本県の5つの県に5月16日から6月13日まで「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固めていた。
13日に新規感染者が712人(うち札幌市が499人)の過去最多を更新した北海道に関して、分科会の専門家は1週間前から緊急事態宣言の対象にするように要請していたのに、政府が聞き入れず。政府は、今回も「まん延化防止等重点措置」の対象にすると主張していた。
13日の夜には、菅首相は官邸エントランスでプチ会見。上述の方針を述べたあと、毎度ながら、「明日、専門家の皆さんの御意見を伺った上で判断したい」と語った。(・・)
とはいえ、安倍ー菅官邸は、昨年6月以降、専門家の意見をほとんど尊重したことがなく、そのために感染状況は第2波、第3波、第4波とどんどん悪化。これ以上、手をこまねいてはいられないということで、分科会の専門家たちがついに反乱を起こすことに決めたのだ。(・o・)
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昨日の朝7時、西村経再大臣(コロナ担当)は、いつものように政府の案を持って、分科会に出席。形ばかりの議論をして、専門家の理解&お墨付きを得て、それを内閣に持ち帰り、閣議決定を行なう予定だった。<そのあと対策本部で本格的に決定。国会で説明してから、国民に発表する。>
しかし、分科会のメンバーは、朝7時の会合で、政府案は認められないと反論。北海道は緊急事態宣言の対象にすべきだと。各ステージが上がって来た岡山、広島も緊急事態宣言の対象にした方がいいと、強く主張したとのこと。
<あくまで邪推だけど、政府がそれを飲まなかったら、みんなで「やめる」とか、「問題を指摘する会見を行なう」とかぐらい言って、圧力をかけたかも?^^;>
それを受けて、西村大臣はあわてて官邸に舞い戻り、菅首相に専門家の主張内容を報告。菅首相は、「それが専門家の結論なんだろ。もう決まっているんだろ」「なら、それでいいじゃないか」と、わずか10分の間に、方針転換するに至ったという。(-_-;)
しかも、菅首相は、もともとコロナ対策(特に感染防止対策)には熱心ではなくて、人任せであることも手伝って、夜に行なった記者会見では、記者の質問にうまく対応できず。同席した分科会の尾身会長に助けてもらう場面が何度もあったりして・・・。
変な話、安倍前首相のように、間違った方針や意見であっても、主体的な感じで主張し、を押し通してしまうと、とりあえずリーダーシップがあるように受け取る人も少なからずいるように思うのだが。
菅首相は、いまだにコロナの感染防止対策にも消極的だし。特にコロナ対策に関する会見では、目がキョドって宙に浮いていて、言葉にも力がない感じで。おそらく国民もやっと、この人にはコロナ対策を行なう能力、リーダーシップがないと認識し始めたのではないかと察する。(・・)
『専門家の意見を押し切り続けてきた政府が、ついに専門家の強い反対意見に屈した。菅義偉首相は午後8時すぎからの記者会見で緊急事態宣言の追加発令の経緯を「専門家から、より強いメッセージを出すことが必要と意見があり、尊重して判断した」と説明した。その一方で今回は新型コロナ対策分科会の尾身茂会長の存在感が際立っていた。菅首相と並んで登壇した尾身会長は発令を強く提言した理由を「ステージ4(感染爆発)、変異株による感染拡大の懸念。病床のひっ迫状況は数が示すより、さらに厳しい。強いメッセージが今の状況を改善するのに必要」と具体的に示した。
政府は北海道の感染拡大について、札幌市中心で「全道にまん延しているわけではない」と消極的だった。当初は、群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県にまん延防止等重点措置を追加適用する方針だった。
そ れが、この日の基本的対処方針分科会で、専門家の「ちゃぶ台返し」で、ひっくり返った。まん延防止等重点措置のみの諮問に反対や異論が噴出し、初めて政府の諮問が却下された。混乱の中で急きょ、緊急事態宣言の諮問に切り替え、菅首相も押し切られた。
これまでは政府が専門家の意見を押し切ってきた。前回7日は尾身会長ら多くの専門家が福岡、愛知以外に1県追加を提言したが政府は却下。前々回の4月23日は、専門家の指摘を振り切って、17日間の短期集中で発令も、結局は専門家の想定通りの延長となった。(日刊スポーツ21年5月14日)』
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『緊急事態へ、10分で方針変えた官邸 首相「専門家の結論なんだろ」
菅義偉首相と関係閣僚が決めた新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の方針が一転し、北海道、岡山、広島の3道県に緊急事態宣言が出されることになった。菅政権の対応はこれまでも「後手」「場当たり」と批判されてきたが、首相が決めた方針が一夜で覆るのは極めて異例だ。何が起きているのか。
14日午前8時半過ぎ、首相官邸。閣議を終えたばかりの首相は、加藤勝信官房長官、田村憲久厚生労働相、西村康稔経済再生相の3人と向き合った。「かなり厳しい状況です」。そういって切り出したのは西村氏だった。
西村氏は、近くの政府合同庁舎で午前7時から開かれている専門家の「基本的対処方針分科会」(諮問分科会)を中座して駆けつけ、会の状況を説明した。
政府は分科会に、緊急事態宣言に準じる重点措置に群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県を追加する案を諮問した。前夜に首相らが決めたこの案に、専門家から一斉に異論が噴き出したのだ。北海道、岡山、広島では、様々な指標が宣言発出が必要とされる「ステージ4(感染爆発)」に達していた。「非常に厳しい」。重点措置では効果が不十分との声が次々と上がった。
西村氏の説明を聞いた閣僚らからは「このまま突っ込むか」という強硬論も出たが、田村氏がそれを制した。分科会の尾身茂会長が衆院厚労委員会に出席することに触れ、「答弁がもたないんじゃないか」。政府方針と専門家の意見が異なったままでは、国会の答弁に支障が出ると指摘した。
閣僚のやりとりをじっと聞いていた首相が最後に口を開いた。「それが専門家の結論なんだろ。もう決まっているんだろ」。西村氏が「そうです」と応じると、首相は「なら、それでいいじゃないか」と、決断を下した。この間、わずか10分だった。(朝日新聞21年5月14日)』
いつも現場の様子を見て来たかのように、官邸の広報マン・田崎史郎氏はこんな風に説明していた。
『(TBSのひるオビに)コメンテーターで出演の政治ジャーナリスト・田崎史郎氏は「今朝7時から分科会をやっていて、西村(康稔)担当大臣が諮問した内容は5つの県にまん延防止を適用しますよという話だったけど、結論は違った。政府がいったん決めた方針が分科会でひっくり返るというのは初めてです」と説明。
その上で「国の諮問機関に広げて考えても政府が諮問したことが審議会で覆されるのは極めて異例です。分かっている範囲内で申し上げると、西村大臣が『5つの県に』と言った途端、専門家の方がワーッと反発が出て、『なぜ、北海道に緊急事態宣言を適用しないんだ』と。それで閣議が行われて(政府が)方針転換したと。尾身(茂)会長は最初の諮問案でまとめようとしたけど、分科会で反発が強まってひっくり返った」と続けた。
さらに「先週来、(分科会は)北海道は緊急事態宣言の方がいいんじゃないのという話はしていた。でも、政府の方は法律でまん延防止が特定に地域に対して行うもの、緊急事態宣言は全国的なまん延の恐れがある時とかたくなに主張して、専門家の意見を退けてきた経緯がある」と話した上で「今日午前中になって(分科会の反発が)爆発したということです」とした。(スポーツ報知21年5月14日)』
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菅首相は、14日夜は官邸エントランスではなく、正式な場で会見を行なったのだが。もともとさほど考えていない上、自分の主張が通らなかったことから、ますます自信を持って説明できなくなっているようで。<当然にして、方針転換についても、突っ込まれたりするしね。>尾身会長にアシストしてもらう場面が目についた。
『菅首相、答えに窮し助け舟求める 「今が大事な時期」繰り返す
「今が感染を食い止める大事な時期」。14日、首相官邸であった菅義偉首相の記者会見。これまで同様、緊急事態宣言の意義を繰り返し訴えた。当初の方針を転換して対象地域を拡大した理由など答えに窮する場面では、政府の基本的対処方針分科会の尾身茂議長に何度も助け舟を求めた。
「大阪では新規感染者が減少している」と宣言の効果を強調した菅首相。7月に迫る東京五輪が「国民の皆さんに勇気と希望を与える」と述べ「安心、安全な大会は実現可能」と訴えた。ただ、具体的な感染対策を問われて返答に詰まることも。尾身氏からは「医療への負荷を評価するのは開催者の責任だ」と注文を付けられた。(共同通信21年5月14日)』
『政府分科会の尾身会長は、緊急事態宣言を提言した理由について、総合的に見てステージ4であること、変異株により感染拡大が懸念されていること、病床のひっ迫状況、緊急事態宣言という強いメッセージが状況を改善するには必要なことをあげました。(NNN21年5月14日)』
他にも東京五輪に関する発言などもあったのだけど。こちらもアップアップの状態ゆえ(古語?)、「それなら、やれる!」という見通しが立つようなことは言えず。
沈み始めた菅政権に対して、自民党がどのような動きをするのか、国民がどのような反応を示すのか、興味深くウォッチしているmewなのである。(@_@。
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