16日、大阪地裁で赤木訴訟の進行協議が行なわれ、大阪地裁が財務省に赤木ファイルの書類の原本を開示するように求めたことがわかった。(・・)
自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫氏の妻側が、財務省が送って来た「赤木ファイル」(複写版)には、指示を行なったと思われる職員も含め、400人の名がマスキングされている上、重要だと思われる返信メールなどが欠けていることを指摘したからだ。<詳しい記事は*1に>
財務省は、森友学園問題で、安倍首相夫妻などの関与や不当な金額での土地売却に関して、野党から国会で追及されることをおそれ、赤木氏などに指示をして、この問題に関係する書類を改ざん。安倍首相らや財務省にとって不都合な部分を削除させたことがわかっている。(-"-)
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mewはふと、13日の会見で麻生財務大臣が、飲食店への金融機関への働きかけの問題に関してこんなことを言っていたのを思い出した。(~_~;)
『記者:金融機関への働きかけの方針をめぐっては、内閣官房が財務省、金融庁、経産省に対して協力を求めるような文書を出していることが判明している。“政府ぐるみ”だったのではないかとの批判も出ている。
麻生大臣:この種の話は閣僚とか最終判断するところに上がる前に、課長や課長補佐の段階で他省庁と根回しするだろう。事前の打ち合わせの事前のやつ、やってますからね。新聞記者よりもすり合わせするの。おたくらは書いた後で直すことあるけど、うちはそういうことはあまりしないようにしているから。そういう意味では、きちんとしたやり方をするために、上に上がる前に止めるなんてよくありますから、それを全体でやっていたと作り上げたいんだろうけど、共同通信の発想として、事前の打ち合わせはどの役所も事前の事前の打ち合わせはしているので、常にそうしている。基本的にやっている。言っておきますけど、課長に上がる前、局長に行く、大臣にくる前の前の前の段階でこれやるけどどうかなと根回ししたり聞いて回ったり、よくあること。それが政府全体でという認識は全くないですな。(ABEMA NEWS21年7月13日)』
そうか~。財務省では大臣に上がる前に、水面下で官僚らがアチコチと協議したり、根回しやすり合わせをしたりしているんだ~。(・o・)
ただ「おたくらは書いた後で直すことあるけど、うちはそういうことはあまりしないようにしているから」と言っていたけど。・・・森友問題の時には、後から書き直さえちゃったのね。(>_<)
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ちなみに、財務省は当初、自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんが書き残したメモや関連する多数の書類(赤木ファイル)が「見つからない」と言っていたんだよね~。
でも、真相解明のため、赤木さんの損害賠償を求めて提訴した妻が、赤木ファイル」の提出を要求。大阪地裁が財務省に提出を求めたところ、500ページ以上の書類のコピーから成る「赤木ファイル(複写版)」が送られて来たのだけど。
複写版では、ファイルは情報セキュリティーの観点から、財務省理財局や近畿財務局の職員名など約400か所が黒塗りにされていて、マスキングを外すように求めたのに財務省側は応じず。
また、ファイルの中身をチェックした赤木さんの妻・雅子さんは、ファイルの中に「存在するはずの返信メールが一部含まれていない」と主張。『申立書で雅子さん側は、メールの添付資料や赤木さんへの返信に欠けた部分があると指摘し、原本の所在や文書の作成経緯を明らかにすることも求め』ていたのだ。(共同通信21年7月12日)
しかし、麻生財務大臣は先月25日の会見では、赤木ファイルに関して、ひたすらに「赤木氏が残した紙は1枚しかない」と主張。
そして赤木ファイルとして提出された書類の中身は「書いてあるものを、ほぼ全部ですな。それは省きますよ。何回も同じものがでてきますから」と説明したのだが。この部分は、後に財務省が「言い間違えた」として、発言を削除すると発表した。
『Q 赤木ファイルの件で、遺族がファイルの原本を示すよう求めている。遺族の原本開示についての必要性はどう考えるか。
麻生氏 赤木ファイルというのは、定義が難しい。出た紙は1枚ですわね。たった1枚の紙ですから。あとの赤木ファイルは、これまで出されていた資料の中で、赤木さんがいうとか、あなたがいう赤木ファイルとおぼしきものを全部書き出した。(略)まず区別してもらわないと。あなたの報道仕方でいかにも最初からこんなのだったからというと全然違う。赤木さんの紙は1枚。
その上で、われわれとしては、原本というものをコピーして、個人のプライバシーの話とか、セキュリティーに関するとこはマスキングしました。マスキングした理由も書いてありますわね。もちろん読んでないだろうけど。ね。そう書いてあるんですよ、あれは。』
そして、このあと記者の質問に答えた部分があるのだが。後に、財務省側からその部分の発言を削除すると言って来たという。
『会見で、赤木さんの遺族が原本の提出を求めていることについて、記者から「開示された赤木ファイルが全部だと自信を持って言えるのか」と質問された。
麻生氏は「書いてあるものを、ほぼ全部ですな。オーバーラップしているものはいっぱいありますから、それは省きますよ。何回も同じものがでてきますから。そういうのは外して、残りのものでやればほぼ全部と言えるんじゃないでしょうかね。あれは。重なった分も全部だせといったら、もっと点数は増えますよ。それを期待しているわけじゃありませんからね。だから、赤木さんのいっておられるのは、ご本人は紙1枚ですから、それの残りの部分は出されたということだと思いますので」と述べた。
しかし、この発言が、財務省が「赤木ファイル」から資料を抜き取ったと受け取られかねないとして、この部分をすべて削除すると発表した。理財局によると、赤木さんが取捨選択したものをファイルにとじたものが「赤木ファイル」だと、職員が麻生氏に説明したことがあったため間違えたという。理財局の担当者は「取捨選択はない。会見の模様を見て、全く間違っていると思った」と麻生氏の発言を否定した。
麻生氏が「言い間違えた」と発言したのかを問われると、「間違えられていますと、秘書官を通じて伝達した」と述べるにとどめた。(東京新聞21年6月25日)』
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尚、赤木氏の妻とは別の訴訟の話だが。16日、大阪高裁は、近畿財務局と学園の交渉記録を不開示にしたことを違法だと判断する判決を下したとのこと。
大阪地裁、高裁の判断が、今後、国や自治体の積極的な開示を促すこと&他の裁判所の判断にもいい影響を及ぼすことを期待する。(**)
『財務省近畿財務局と学園の交渉記録を財務局に一時不開示にされた上脇博之・神戸学院大教授が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が16日、大阪高裁であった。石原稚也(ちがや)裁判長は、1審・大阪地裁判決に続いて国の不開示を違法と判断した。』
『近畿財務局は2016年6月、大阪府豊中市の国有地について、土地の鑑定評価額から約8億円を値引きした1億3400万円で学園に売却。17年2月に大幅値引きが発覚し、上脇教授が交渉記録の開示を財務局に請求したが不開示となり、開示を求めて提訴した。その後財務省が記録を公表したため、請求を1100万円の損害賠償に切り替えた。』(読売新聞21年7月16日)』
こちらも、大阪地裁に「グッド・ジョブ」と言いたくなるような話なのだけど・・・。
2019年、国際芸術展「あいちトリエンナーレ」で「表現の不自由展」なる展示コーナーが設けられたのだが。この展示物の中に、慰安婦像や天皇の写真が含まれた肖像画が燃えるような物があったため、それらが天皇や国を侮辱するとして超保守・ウヨ系の政治家や識者、一般人から批判が続出。
名古屋の河村市長が、この展示を認めた大村県知事を非難。展示中止に追い込まれた上、大村知事のリコール運動にまで発展することになった。<そのリコール請求の署名の多くが、バイトがあちこちの名簿から写して、自分の指紋を押した偽ものだったこっとが発覚。主導していた元維新県議の親子が今年、逮捕された。>
この「表現の不自由展」は今年6月に、東京で開催されることが決まっていたのだが。会場提供の辞退が相次ぎ、延期されることになったのだ。(ノ_-。)
『新宿区のギャラリーでの開催を3日に告知したところ、直後から大声で中止を求める街宣行動が周辺で相次ぎ、会場が提供を辞退。都内で確保した別の会場からも18日に「近隣に迷惑がかかるので貸せない」と断りの連絡があった。開幕日までの会場決定が困難となり、延期を余儀なくされた。実行委メンバーに危害を加えるような内容のメールも十数通届いたといい、刑事告訴などの法的対応を検討している。(朝日新聞21年6月24日)』
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今月からは、大阪の「府立労働センター・エル・おおさか」で開催することになっていたのだが。やはり圧力や抗議がかなりあったようで、一度は、施設側が「施設利用者の安全確保が困難だ」として利用の予約を取り消した。^^;
しかし、大阪地裁(森鍵一裁判長)が9日、会場側の処分を執行停止とし、実行委員会に会場の使用を認めることを決定!(・o・)
大阪府の吉村洋文知事は、同日、「最終判断は(施設の)指定管理者になるが、内容に不服があるので抗告することになる」と言っていたのだが。<オモテ向きは安全確保のためと言っているけど、超保守が多い維新系は、この展示会を許容していないのよね。^^;>
でも、大阪高裁(本多久美子裁判長)は15日、実行委員会に会場の利用を認めた大阪地裁決定を支持し、施設側の即時抗告を棄却した。決定を受け、実行委側は企画展を16~18日の日程で予定通り開かれることになったのだ。(^^)
『高裁は決定で、企画展の開催で街宣活動などの激化が想定されるが、実行委側は平穏に実施しようとしていると指摘。妨害行為の恐れを理由に会場の利用を拒むのは、「(表現の自由を保障した)憲法21条の趣旨に反する」と述べた。(毎日7.15)』
施設側は、さらに最高裁に特別抗告を行なったのだが。最高裁もこれを棄却。「表現の不自由展」は、ものものしい警備の中、無事に開催され、多くの観客が集まっているという。(・・)
<尚、残念ながら、『名古屋市で6日に始まった同様の展覧会は、8日に会場の市施設に届いた郵便物の開封時に、破裂音がする事件が発生した。これを受けて市は11日まで施設を臨時休館すると決め、同日までの期間で予定されていた展覧会は事実上中止に追い込まれた。(朝日7.9)』>
う~ん。大阪地裁の赤木訴訟、「表現の不自由展」に関する判断は、実に素晴らしい!!"^_^" <第三者の立場で政治の不正をチェック&国民の人権をしっかり保障することこそ、司法の重要な役割だもんね~。(・・)>
どうか大阪地裁での訴訟を通じて、森友学園の問題の真相がきちんと解明されるように。そして、今後も偏った思想の人たちの妨害に負けずに「表現の自由」が守られるようにと、心から願っているmewなのである。(@_@。
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