各党の憲法、憲法改正に対する見解を知っておくために&参考資料保存のために、各党談話を載せておきます。
<1・憲法改正に積極的な政党、2・憲法改正議論は否定しないが、現在の憲法改正案や手続きには(やや)慎重な政党、3・憲法改正に反対の政党の3つの記事に分けました。>
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憲法記念日、各党談話 (産経新聞22年5月3日)
1・憲法改正に積極的な政党
☆ 自民党
『憲法記念日 自民党声明「改憲実現に全力」
日本国憲法の施行から75年の節目となる憲法記念日を迎えました。わが党は結党以来、現行憲法の「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義」の基本原理を護(まも)りながら、憲法の自主的改正に向けた議論を重ねてまいりました。
近年、わが国を取り巻く国際環境、さらに社会構造や国民意識は大きく変化しています。新型コロナウイルス感染症による危機をはじめ、国難とも言うべき厳しい状況に直面し、緊急事態に対する切迫感が急速に高まっています。
わが党は、緊急事態対応、自衛隊の明記、合区解消・地方公共団体、教育充実の4項目について、憲法改正の条文イメージを提示し、国民の皆さまへの説明を全国各地で続けています。
国会においても、昨年の国民投票法改正案の成立を踏まえ、衆参の憲法審査会において、喫緊のテーマについて議論を重ねています。
国会での議論と国民の理解を車の両輪とし、広く国民の議論を喚起していくことは、国会議員の責務です。
わが党は、与野党の枠を超えて、これまで以上に活発な議論を進め、早期の憲法改正の実現に向け、全力で取り組んでまいります。』
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☆ 日本維新の会
『憲法記念日 日本維新の会松井一郎代表談話「憲法論議の先頭に立つ」
令和の世に入ってから 4回目の憲法記念日を迎えた。日本国憲法施行から75年を経て、この間、時代や国際情勢の変化に対応できなくなっているという現行憲法の課題があらわとなってきたが、立法府は?被りを決め込んできた。
出口が見えない新型コロナウイルス禍にロシアのウクライナ侵略も加わり、国民の皆さまも、時勢から取り残された現行憲法の現実をますます実感されているものと思料(しりょう)する。
もはや立法府が惰眠を貪(むさぼ)っている暇(いとま)はない。現行憲法のままでは、わが国の平和・安定と国民の生命・財産を守ることができないのは自明の理であり、遅滞なく改正論議を進めるべきである。
日本維新の会は、教育無償化、統治機構(地方分権)改革、憲法裁判所の設置の3項目について改正条文を示しているが、いずれも日本の未来のために不可欠な改正であると確信している。併せて、緊急事態条項の創設や9条改正についてもイメージ案のとりまとめ作業を進めているところである。
国民の皆さまにも大いに議論をしていただきたい。そもそも国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民投票を経ていないのは立憲主義の大いなる矛盾である。国民が主権を行使する国民投票を実施し、憲法を国民の手に取り戻す必要がある。現行憲法に一切触れさせないことに固執し、国会での憲法議論を阻むことは、国民の権利を奪うことになり民主主義の後退につながる。一部政党の「憲法を墨守して国民を守らず」という亡国をいとわぬ無責任な姿勢は断じて容認できない。日本維新の会は、立法府における憲法論議の先頭に立ち、一日も早く憲法改正の国民投票が実施されるよう全力を尽くすことをお約束する。』
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☆ 国民民主党
『憲法記念日 国民民主党玉木雄一郎代表談話「憲法審の議論先導する」
本日、日本国憲法の施行75年目の憲法記念日を迎えました。戦後、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という日本国憲法の三原則が広く国民に受け入れられました。国民民主党は、日本国憲法のこの三原則を守るとともに、次世代に継承していきます。
一方、過去2年以上にわたる世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちに新しい価値観や社会像のあり方を問うています。また、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、国際社会は歴史的な変化に直面しています。国民民主党は、こうした新たな事態や変化に対応するためにも、憲法に関する不断の議論と見直しを行うことが必要と考えます。
かかる観点から、国民民主党は、衆院憲法審査会において、憲法56条1項に定める国会への「出席」の概念について、緊急時などには「オンライン出席」も可能とするよう解釈を明確にすべきと提案し、オンライン審議を可能とする見解を取りまとめることができました。
憲法審査会における画期的な成果だと考えます。引き続き、緊急事態における国会議員の任期延長の特例の創設など、コロナ禍などで明らかになった憲法上の課題に、国民民主党は、積極的かつ速やかに取り組んで参ります。また、デジタル化の急速な進展に伴い「デジタル基本権」とも言うべき新たな人権保障の問題にも、憲法審査会の議論を先導する形で取り組みます。
国民民主党は、国民の良識と判断力を信じ、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を追求していくことを結党宣言に掲げています。憲法議論においても、護憲と改憲の単純な二元論に陥ることなく、憲法に関する不断の議論に努め、国民とともに建設的かつ創造的な憲法改正議論を進めていきます。』
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☆ NHK党
『憲法記念日 NHK党立花孝志党首談話「契約の自由、明文化へ改正」
本日、日本国憲法の施行から75回目の憲法記念日を迎えました。契約の自由は、資本主義における自由競争社会の発展に大きく寄与しており、国民にとって重要な基本原則の一つです。その重要性から、令和2年4月より施行された改正民法では「契約自由の原則」が明文化されました。しかしながらNHK受信契約についてのみ、平成29年最高裁判決でNHK受信契約は合憲との判断がなされ、国民の権利とも言える「契約の自由」が侵害されています。契約の自由は、公序良俗に違反するものや、労働者を守るために定められた労働基準法等の強行法規も例外とされていますが、NHK受信契約は、NHKを守るためだけに個人の契約の自由そのものがほぼ全面的に否定されています。
日本国憲法とは国民の権利・自由を守るものです。国民の多くはNHKのスクランブル放送を求めているにも関わらず、テレビをただ持っているだけで見てもいないNHKと契約をしなければならないことが合憲と判断され、国民の契約の自由が守られないのであれば、直ちに契約の自由を明文化した憲法条文へ改正し、国民の権利・自由を保障すべきではないでしょうか。
NHK党は、国民の様々な権利・自由を保障する日本国憲法を改めて国民の皆様に深くご理解いただくとともに、日本国憲法を重んじた活動を今後も行って参ります。』