今日7月10日、いよいよ参院選の投票日を迎える。(**)
8日の安倍晋三氏の銃撃事件の前から、おそらく全てのメディアが、自民党の議席を増やすこと、自公で過半数をとることを予測していた。
また多くのメディアは、立民党が苦戦、維新は議席倍増(6→12)の勢いだとして、自公維国の改憲4党で参院2/3の議席をとれる可能性が大きいと予測している。(-"-)
さらに、安倍氏が銃撃事件によって他界したことで、いわゆる弔い票が増えるのではないかと予測する人も少なからずいるようだ。
ちなみに、田原総一朗氏は、『この事件が起きたことで、参院選で自民の議席は増えるだろう。憲法改正もしやすくなる』(毎日7.9)と。『公明党関係者は「与党が苦戦している選挙区で風向きが変わるかもしれない」と漏らした』(時事7.9)
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かなり以前にも、このことをブログに書いたように思うのだが。21世紀にはいって、日本国民が変わったな~と思うのは、選挙で「勝ち馬に乗る」人が増えたことだ。(・・)
NEWS23などでお馴染みだったジャーナリストの故・筑紫哲也さんが、2007年に立命館大学大学で講義を行なった時に、こんな話をしていたという。
『…日本人は明らかに変わってきています。(略)
例えば選挙戦のとき、候補者が一番喜ぶ新聞の書き方は「今一歩、もう少しで勝てるかもしれない」だったのです。選挙民に、判官贔屓(ほうがんびいき)、弱いほうを援けようとする心理が働くので、そう書いてもらいたいというわけです。それが選挙戦の常識でした。ところが小泉さんあたりから、選挙の様子はまったく変わってきました。勝てると書くと、みんなどっとそっちへ流れる。つまり、判官贔屓どころか勝ち馬に乗る、という傾向が強まりつつあります。
これを"バンドワゴン効果"などと言います。(2013-03-27 時々お散歩日記(鈴木耕)より引用)』
<鈴木氏は13年に安倍自民党が政権を奪還した後の13年に『今回の安倍自民党圧勝の衆院選に当てはめてみると分かり易い。日本人のある意味での美質であった「判官贔屓」は、いつの間にか消滅した。勝ち馬に乗ろうと一方に殺到するか、どっちらけで「選挙なんてくだらねえ」とうそぶくか。現在の状況を、筑紫さんは10年ほど前に予測していたのだ』とも記していた。>
それでも10年ぐらい前までは、日本の国民は、衆院選で与党を勝たせ過ぎたら、次の参院選で野党を勝たせるor与党の議席をかなり減らして、バランスをとろうとするところがあった。<選挙で大勝し過ぎると「反動バネ」がきくなんて言い方をされたりもした。(・・)>
たとえば、小泉自民党は01、03年の衆院選で連勝したのだが。04年の参院選では民主党が比例区の投票率で自民党を7%も上回り、選挙区と合わせて、初めて自民党より1議席上回る当選者を出した。
そして05年の郵政民営化総選挙では、小泉自民党が圧勝したのだが。07年には「国民の生活が第一」を掲げた小沢民主党が、安倍自民党に圧勝して、04年分と合わせて過半数の議席を獲得して、衆参ねじれ国会に。安倍首相が辞任するきっかけを作った。
しかし、09年の衆院選で民主党が圧勝した後、10年の参院選では自民党が勝利して、逆のねじれ国会に。ここまでは、一方を大きく勝たせたら、次はバランスをとるという投票行動が見られていた。(・・)
そして、これはあくまでも個人の感想なのだが。メディアにも、国会で一つの政党や勢力に議席が偏らないように、バランスをとろうとする意識が、どこかにあったような気がする。(++)
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ただ、その後、12年に安倍自民党が政権を奪還してからは、自民党のひとり勝ちが続いているのだ。(-_-;)
ここまで、衆院選が14、17、21年に。参院選が13、16.19年に行なわれたのだが、何と6回連続、自民党が圧勝しているのだ。(>_<)
09年に自民党が野党に転落してから、自公与党や一部メディアは、恐ろしいほどに民主党叩きを行い、10年の参院選、12年の衆院選で圧勝して政権を奪還したのだが。
<自民党が与党でないと、自民党と長年タッグを組んでやって来た経済界も困るし。スポンサーの関係でメディアも困るのね。>
何と、それ以降、メディアは、積極的に政治や選挙の報道を行なうことを辞めてしまうのである。
<自民党は、国民があまり政治、選挙に関心を持たず、投票率も低い方が都合がいいしね。(-"-)>
自民党はもともとメディアの監視をしていたのだが。<役割が逆だと思うんだけど。>安倍ー菅政権下で、さらにメディア監視、支配を強化。
自分たちが問題があると判断すると(=自分たちに不利だと思うと?)、後に電話で問い合わせをしたり、妙な通知を出したりして、メディアや番組に圧力をかけていたのである<スポンサーから遠回しにご注意、ご指導があったという話も。(~_~;)>
各メディアは、選挙報道を行なうのもナーバスになり、参院選に関するTVの放送時間は、13年が49時間18分、16年が41時間30分、19年が36時間8分とどんどん減少している。<今年は、もっと減っている感じがする。^^;>
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、このように説明していた。
「いま参院選がおこなわれているのかもわからないほど、テレビ各局は、ワイドショーなどでも選挙を報じなくなっています。それなのに、投票日の20時になったら一気に、各候補者の当確を出すわけです。テレビ各局が、自分たちで情報を抱え込んでいることになるわけで、それがいいのか、という問題はあります。結果的に、投票率が上がるわけがありません。
これは自民党が何年も前から、『公平で中立な報道をしろ』と申し入れをしていて、テレビ局が萎縮して『だったらもう報道しません』となった結果です。テレビ局には、放送法の『政治的に公平であること』という制約があり、新聞や雑誌とは扱いが違う面はありますが、今回の参院選は、とくに報道量が少ない印象です」(FLASH22年7月5日より)
<自民党は、自党にとって少しでも不利、不都合な報道や発言がなされると「公平で中立な報道をしろ」とクレームをつけて来るらしい。でも、それは要は「自民に都合の悪いことは流すな。自民に有利なことを報じろ」って言っているに等しいよね。(`´)>
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今日もテレビ東京では、池上彰氏の選挙特番を行なう予定が、安倍晋三氏の特番に内容が変更されてしまったし。(テレ東は事件当日、ほとんど安倍事件の報道をせず、通常番組を流していたので、どこかから怒られたor苦情を受けちゃったのかしら。^^;>
NHKも、昨日は、選挙の特番に先んじて安倍氏の特集番組を流していたし。たぶん今日も朝から、安倍氏のことをすっとやりそうな感じだし。
<政府が、ほぼ放置しているコロナの感染拡大や各地の豪雨被害など重要なニュースが色々あるのに。>
期日前の投票率は少し上がったらしいのだけど。果たして、今日の投票率が上がってくれるのかどうかも心配だし。<せめえ50%は欲しいな~。>
何とか改憲4党の自公維国が2/3の議席を獲得のを阻止できないかな~と。<あと比例で立民が野党TOP、京都で福山哲郎氏が当選、社民党の存続もね。>
何かもう祈るような気持ちで、参院選当日を迎えつつあるmewなのである。(-人ー)
THANKS