一昨日、フジTV系の「めざまし8」で、MCの谷原章介氏がいいことを言ってくれた。
安倍元首相を「神格化」することに懸念を示したのだ。(・・)
『谷原章介 安倍元首相死去「衝撃的事件ですが安倍さんを神格化するのではなく客観的に見つめ直すべき」
俳優の谷原章介(50)が13日、MCを務めるフジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。参院選の街頭演説中に銃撃され、67歳で死去した安倍晋三元首相の葬儀が12日、東京・芝公園の増上寺で営まれたことについてコメントした。(略)
谷原は「本当に衝撃的な事件でした。ですが、今回の事件だからといって安倍さんを神格化するのではなく客観的に安倍晋三さんという方を見つめ直すべきだとも思いますし、それがなんか安倍さんをきちんと悼んで送ることなのかなあと思います。あらためて安倍晋三元総理、お悔やみ申し上げます」と悼んだ。(スポニチ22年7月13日)』
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安倍元首相の銃撃事件が起きてから間もなく、ネットで「アベガー」批判が始まった。それと同時に、安倍信奉者による「アベサマガー」の哀悼、賞賛、神格化がどんどん拡大して行ったからだ。^^;
ちなみに、私が最初に目にした「アベガー」投稿は、ホリエモンのものだった。
『堀江貴文(Takafumi Horie)@takapon_jp 7月8日
反省すべきはネット上に無数にいたアベカー達だよな。そいつらに犯人は洗脳されてたようなもんだ。 』
<ホリエモンは、時に、注目を浴びたくて、敢えて妙なことを書くそうなのだが。もし本当にこう思っていたとしたら、アブナイ人になりつつあるかも。>
これにすぐ、『ホント、それです。マスゴミも何年も森友煽っても何の犯罪性も出て来ないのに、アベ憎しでずっとやり続け、バカが踊らされ続けて来た。その延長線上に放たれた凶弾。』というツイートがついていたのだが。
アベサマガーと唱える安倍ファンの間では、「アベガーが安倍批判を繰り返して、いくらでも安倍攻撃をしてもいいような風潮を作ったことが、今回の犯行につながった」「アベガーが安倍元首相を銃撃したようなものだ」などのアベガー批判が続出したのである。(~_~;)
もともと安倍晋三氏には、首相時代から「アベサマ~」とひれ伏さんばかりに、または万歳(マンX~?)しかねないばかりに、安倍氏の政策や言動を賞賛、ヨイショをして大きな期待を寄せるシンパ、ファン(議員も含む)が多くて。<同時に、ひらすらアベガー批判、パヨク叩きを行っているのふだが。>何だかあの北の国みたいで、気味が悪く感じることがあった。(^^;
確かに、安倍元首相は06~7年、12~20年と通算8年8か月にわたって首相を務め、総理大臣として憲政史上最長の在職期間を誇っているので、数字を見れば評価すべきものかも知れないし。長い在任期間の間には、何かしらの功績もあったかも知れないけど。
でも、安倍氏には、それと同じぐらい(実は何倍も?)失敗や問題があったわけで。客観的に見ても、とてもそこまで賞賛すべき対象ではないのだ。(・・)
ただ、日本には「死者を鞭打ってはいけない」という風潮があることから、アンチ安倍は、なかなか批判はできず。その間に、「アベサマガー」の言動がメディアやネットに広がっていた。^^;
・・・というか、そもそも銃撃事件のあった日は、東京では、Eテレとテレ東を除いて、午後から何時間も、安倍氏に関する報道番組が流されたのも異常なことだと思うし。
安倍氏が運び込まれた病院や、安倍氏の警備を担当した奈良県警にクレームの電話がはいったという話もあったりして。それも異常なことだろう。(-_-;)
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しかも、安倍側近の下村博文氏をはじめ、安倍氏に近い人たちが次々と「国葬にすべき」だと言い始めたのには、驚いた。(・o・)
『自民党保守派からは、安倍氏の「功績」や遊説中に凶弾に倒れた「特異性」に鑑み、国葬を営むべきだとの声が上がっている。下村博文前政調会長は11日のテレビ番組で「安倍氏は国葬に匹敵するだけの歴史的足跡を歩んできた」と強調した。
インターネット上では賛否が交錯している。政府筋は「国民感情も見ながらの判断になる」と指摘。「少し落ち着いてから議論すべきだ」と語った。自民党内では論争を巻き起こすのは好ましくないとして、「最後は内閣・自民党合同葬に落ち着く」(関係者)との見方も出ている。(朝日新聞22年7月13日)』
『松野博一官房長官は12日の記者会見で、政府が関わる安倍氏の葬儀について「多大な功績を残した元首相であり、敬意を表して対応を検討すべきだ」としつつ、「現時点で決定していることはない。過去の例や遺族の意向も踏まえ、今後検討していきたい」と述べるにとどめた。(同上)』<松野氏も安倍派の幹部。>
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mewは、正直なところ、ここで安倍元首相を特別扱いして、国葬を行うべきではないと考えていた。(・・)
日本は戦後、吉田茂氏以外、元首相が亡くなっても、国葬を行ったことはないという。<既に国葬に関する法律も廃止されている。^^;>
安倍氏に次いで長期政権を担い、ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作氏も(安倍氏の大叔父)でさえ、国民葬だったし。直近では、世界的には評価されていた中曽根康弘氏もそうだったが、1980年に死去した大平正芳氏以降は「内閣・自民党合同葬」が慣例化しているからだ。(++)
<ちなみに、中曽根氏の葬儀費用の半額9600万円は国庫から出されたのだが。その額には、かなりの驚きや批判が出ていた。もし国葬となれば(しかも、他国の要人も参列するとなれば)、何億orそれ以上の国費がかかるらしい。(-"-)>
一昨日だったか、岸田首相と麻生副総裁、茂木幹事長、松野官房長官が会合をしていたのだが。もしかしたら、その時に、今後の国政運営や人事のことと共に、安倍氏の葬儀のことを話したのではないかと察する。(++)
岸田氏はオモテ向きは、「国葬にするかどうかはm今後、検討する」と慎重な姿勢を見せていたのだが。
岸田氏自身、安倍氏の同期の友人で、党青年部から安倍内閣まで長く一緒に仕事をして来たし。麻生副総裁は、告別式で弔辞を要請されたほど、国政のパートーナー&本当に仲のいい友人だったし。安倍派の松野氏を含め、アベサマガーからの要望、圧力はかなり大きいものがあったと思われる。(~_~;)
それでも、もう少し国民や周囲の意見に耳を傾けて、検討する余地はあったのではないかと思うのだけど。
<橋下徹氏は「僕は個人的には国葬してもらいたいと思いますが、やっぱり法治国家である以上は、こういうことがあったから後付けで制度をつくるっていうのは反対です」と言っていたけど。安倍氏と懇意であったとしても、それがまっとうな考え方だろう。
また、ツイッターでは「#アベの国葬に反対です」がトレンド入りしていたらしい。>
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岸田首相は、これ以上、党内が混乱するのは避けたかったのかも知れず。昨日14日の会見で、突然、安倍元首相の国葬を行うことを発表したのだ。(゚Д゚)
『岸田文雄首相は14日の記者会見で、参院選の応援演説中の今月8日に銃撃され、死亡した自民党の安倍晋三元首相の政府主導の葬儀について「この秋に『国葬儀』という形式で安倍氏の葬儀を行うこととする」と述べ、今秋に「国葬」として実施5すると表明した。
首相経験者の国葬は、昭和42年の吉田茂元首相以来。最近は、令和2年の中曽根康弘元首相など内閣と自民による「合同葬」が主流だった。
岸田首相は国葬を決めた理由として①(第1次政権、第2次政権あわせ)憲政史上最長の8年8カ月にわたり、卓越したリーダーシップと実行力をもって厳しい内外情勢に直面するわが国のために首相の重責を担った②東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開など大きな実績をさまざまな分野で残した③外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価を受けている④民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去されたものであり、国の内外から、幅広い哀悼・追悼の意が寄せられている─の4点を挙げた。
その上で、岸田首相は「国葬儀を取り行うことで、安倍元首相を追悼するとともに、わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固と守り抜くという決意を示していく。あわせて、活力にあふれた日本を受け継ぎ、未来を切り開いていくという気持ちを世界に示していきたい」と強調した。(産経新聞22年7月14日)』
何か、こんなとってつけたような理由を並べてしまうところに、虚しささえ覚えるのだが。(ノ_-。)
安倍シンパは、この「アベサマガー」or「安倍さまのご遺志が~」の威光を効果的に使って、憲法改正や軍事強化、アベノミクス的経済政策の継続など、安倍首相が提唱する悪政を実行に移そうとしているのは見え見えなわけで。
負けずに「アベガー」で応酬したいと考えているアンチ安倍派のmewなのだった。(@_@。
THANKS