安倍元首相の国葬に関しては、各都道府県、市町村の自治体によって対応が分かれている。(・・)
まあ、もともと都道府県や自治体の首長には、自民党系、保守系の人が多いし。下手に政府に逆らえば、予算や行政面などで不利益を受けるかも知れないという懸念もある。
それゆえ、とりあえず「お上」と周囲に従えという感じで、国葬には出席する、自治体として半旗を掲げるなど弔意をあらわすというところが多いようにも思える。(~_~;)
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逆に、こういう時に、周囲に流されることなく、国葬の欠席を表明する首長や国葬に反対する決議を行なう地方議会が存在することには、敬意を表したい。
これこそ自由&民主主義の国の地方自治体&議会のあり方だと思うので、ここに記して、しっかりチェックしておきたい!(・・)
ちなみに、県知事レベルで言えば、欠席すると明らかになっているのは4人だけだ。
沖縄の玉城デニー知事は「7月に安倍氏が他界した際に、既に県として弔意をあらわし、半旗も掲げた」として、国葬には出席しない意向を表明している。
静岡の川勝平太記事も、「7月に奈良市で開かれた全国知事会議に出席した際、他の知事と銃撃現場に赴き「哀悼の誠をささげてきた」「既に弔意を表しており、改めて参列はしないこととする」として、国葬には欠席するとのこと。
長野の阿部守一知事は、当日に御嶽山噴火の犠牲者(58人死亡)の追悼式が地元の王滝村で開かれる予定ゆえ、そちらに出席するために国葬は欠席するという。
また、先週になって宮崎県の河野俊嗣知事も、台風14号の被害への対応をするため、国葬に欠席すると表明した。
尚、自治体の首長が国葬に参列する時に、それを公務ととらえ、公費で出張するかどうかも問題になっている。
大半の首長は、公費を使うと答えているようだが。公費を使った場合、違憲の国葬への出張は違憲で不当な公務だとして、住民監査請求などが出される可能性がある。<既に公費支出の差止め要求などが出されている自治体もある。>
先週の段階で、国葬に反対する決議を行なっていた地方議会の記事も載せておこう!(++)
『安倍氏国葬中止・撤回を 地方議会の意見書相次ぐ「将来に禍根」
27日に実施される安倍晋三元首相の国葬を巡り、中止や撤回を求める意見書などを可決する地方議会が相次いでいる。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来だが、岸田文雄首相は安倍氏が亡くなったわずか6日後、国会審議を経ないまま国葬とする方針を表明した。国民の間では今なお賛否が割れており、地方からも疑義が噴出している形だ。
「国葬の実施は国会で決められるべきだ」「国民の賛否が拮抗(きっこう)し、将来に禍根を残しかねない」――。高知県大月町議会(定数10)は15日、安倍氏の国葬中止を求める意見書を全会一致(欠席1人と議長を除く8人)で可決した。町議会事務局によると、8人の党派別は自民3人、公明1人、共産1人、無所属3人。意見書は岸田首相や衆参両議長らに郵送した。
意見書案を共同提出した浦木秀雄町議(72)=共産=は取材に、「森友学園、加計学園、桜を見る会などの疑惑や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治の関係が解明されていない」と国葬に反対する姿勢を示した上で「法的根拠が不明確なまま国葬が実施されると、時の政権の一方的な判断が通ることになってしまう」と危機感をあらわにした。
鳥取県日南町議会(定数10)も8日、国葬中止を求める決議を全会一致(議長を除く9人)で可決。「明確な法的根拠がなく国民の賛否も二分されており、歴代首相の葬儀の実情を鑑みれば国葬を中止すべきだ」とする内容だ。
決議案を提出した古都(ふるいち)勝人町議(70)=無所属=は「町議たちから『国葬せんでもええ』という声が上がった。安倍元首相が選挙中に倒れたのは痛ましいが、皆に評価されることをやってきたわけではない」と批判する。総額16億6000万円程度とされる概算費用についても「日本はそういう状況ではないはず。田舎で水や山、田畑を守り、日本を支えてきた高齢者が2、3万円の出費に困っているのに」と疑問を投げかけた。
◇少なくとも12市町村議会が反対
毎日新聞の集計では、大月町や日南町を含め、東京都国立市、神奈川県鎌倉市、長野県大鹿村など少なくとも12市町村の議会が国葬中止や撤回を求める意見書や決議を可決している。
その他、国葬の根拠となる法整備を求める意見書(長野県伊那市議会)や国会での徹底審議や弔意を強要しないことを求める意見書(北海道日高町議会)なども可決されている。【野口由紀、宮川佐知子】(毎日新聞22年9月21日)』
上にも出て来た鎌倉市議会に関する記事を・・・。
『国葬撤回を求める意見書可決 鎌倉市議会「国家が評価強いることに」
神奈川県の鎌倉市議会は12日、安倍晋三元首相の国葬実施の撤回を求める意見書を賛成多数で可決した。意見書は、岸田文雄首相、衆参両院議長に宛てて郵送する。
意見書は竹田ゆかり議員(鎌倉かわせみクラブ)ら5人が提出。「国葬に明確な法的根拠がない以上、国葬を行うのであれば、国会で議論が尽くされるべきだ」と指摘し、「政府が安倍元首相の業績を一方的に高く評価したたえる儀式として国葬を国費で行うことは、国家が一方的な評価、価値観を国民に強いることになる」としている。
採決では前川綾子議長を除く25人のうち、夢みらい鎌倉、鎌倉のヴィジョンを考える会など計8人が退席。共産党、神奈川ネットワーク運動・鎌倉、鎌倉かわせみクラブなど計12人が賛成し、公明党、自民党の5人が反対した。竹田議員は「市議会として意見書を可決できてよかった。市民からも相談があり、一緒にここまでたどり着けたと思う」と話した。
国葬をめぐっては県内の自治体で、葉山町議会が6日、反対の意見書を可決している。(芳垣文子)(朝日新聞22年9月13日)』
<う~ん。鎌倉は、別に史跡や寺院が多い高級住宅地、別荘地だからというわけじゃないだろうけど。政治的な意識、民度がハイソだ。移住しちゃおうかな。(・・)>
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尚、時事通信の調査によれば、今のところ、少なくとも全国45都道府県が庁舎での半旗や弔旗の掲揚を行う予定であるとのこと。
職員らへの黙とうの呼び掛けを「予定している」と回答した都道府県はなく、学校での半旗掲揚を予定しているのは安倍氏の地元山口のみだという。(時事通信22年9月24日の記事から)
どの自治体がどのような弔意をあらわしたのか、実質的な強制があったのかどうかは、国葬が行われた後に、明白になると思うのだが・・・。
日本全体が、このような機会に国家主義的にならないことを、心から願っているmewなのである。(@_@。
THANKS