岸田首相が9日未明、欧米5カ国訪問の外遊に飛び立った。(・・)
『岸田首相は9日未明、欧州3か国とカナダ、米国を歴訪するため、政府専用機で羽田空港を出発した。5月に広島市で開く先進7か国首脳会議(G7サミット)に向け、各首脳と個別に会談し、事前調整を行う狙いがある。』
岸田首相はG7サミットの議長として、ウクライナ侵攻や中国の覇権主義な言動などへの対応を決めるに当たって、リーダシップをとることが求められるのだが。
少し心配なのは、強気の姿勢を示さんとして、安保軍事に関して、日本としては、あまりにも踏み込んだ提案をしてしまうことだ。(-_-;)
<「核なき世界」作りでリーダーシップをとって欲しいんだけどな~。(・・)>
また、一番心配なのは、米国のバイデン大統領との会談だ。
米国は、日本の防衛費増額、軍事強化に大きな期待を寄せているのだが。岸田首相が、その期待に応えようとして、つい勇ましい発言や密約をしてしまうのではないかと、ハラハラしている。_(。。)_
『首相は8日夜、出発前に首相公邸で取材に応じ、ロシアによるウクライナ侵略をはじめとする厳しい安全保障環境や世界経済が悪化するリスクの問題を指摘し、「現下の情勢について共通認識を持った上でG7議長国としての考え方を示し、連携を確認していきたい」と語った。
13日にはバイデン米大統領と首脳会談を行い、日米同盟の強化を確認したい考えだ。首相にとって就任以来初のワシントン訪問となる。安全保障関連3文書を改定して敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を明記したことなどを説明する予定で、日米同盟の役割分担をどう見直すかが焦点となる。(朝日新聞22年1月9日)』
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昨年末の安保3文書の改定で、最も問題視されているのが、「反撃能力」(敵基地攻撃能力」の保有を容認したことだ。(**)
これは、一つ間違えると、日本が戦後守り続けた憲法9条の「専守防衛」の概念に反するものだと思うし。個人的には、今からでも、この「反撃能力」ちお「集団的自衛権の行使」の容認は、撤回して欲しいと思っている。(++)
自民党で最もハト派のひとりである河野洋平元衆院議長(85)も、7日のTBS系「報道特集」で、その点を強く懸念していた。(-"-)
<河野洋平は93年、宮沢内閣の官房長官だった時代に、慰安婦問題に関する「河野談話」を発表し、中韓との関係改善、平和外交に務めた人。しかし、安倍晋三&仲間たちは「河野談話」を否定。安倍はわざわざ戦後70年の節目に「安倍談話」を発表して、「河野談話」を上書きしようとした。>
ちなみに、河野太郎デジタル担当大臣は、河野洋平の長男。もし父親の平和志向の政治理念を、せめて3分の1でも継承してくれていればいいのだが。そこまでのものはなく・・・。<脱原発の主張も消えちゃったしな~。(ノ_-。)>
この河野洋平元衆院議長の話を3回ぐらい読んで、お勉強して欲しいと思う!(・・)
では、河野洋平元総裁の「報道特集」ないでの発言を・・・。(少し長いけど、詳しい発言内容を載せているものを選んだ。)
河野は「決してあの過ちは繰り返しませんと何十年も言い続けて、その結果がこの政策転換というのはあり得ない」と主張し、「安倍政治というものに非常に大きな問題があった」と批判している。
特に最後に述べた「日本には、日本の歴史的な事情、反省に基づいて、やれる範囲、やるべきこと、やってはいけないことをもう少しはっきりさせるべきではないか」「戦わないために何をするかということを、深刻に考えるべきだ」という考えには、心から共感した。(++)
『■自民党の重鎮が語る“安保政策の大転換”「あり得ない」 起点は「安倍内閣」
元自民党総裁で衆議院議長も務めた、河野洋平氏。岸田総理の出身派閥、宏池会に所属していた自民党の重鎮だ。
防衛費倍増と敵基地攻撃能力の保有という、安保政策の大転換について話を聞いた。
河野洋平 元衆院議長 「70数年前に日本は決心したじゃないかと。尊い命を犠牲にして、我々今ここに繁栄を得ているのです。決して忘れません、決してあの過ちは繰り返しません。何十年も言い続けて、その結果がこの政策転換というのは、私はあり得ないと、そう思っているのです」
政策転換の起点は、安倍内閣だという。
河野洋平 元衆院議長 と思います。全体の流れを先に作ってしまうというこの手法は、議会制民主主義の手法としては、ちょっとやっぱり違うのではないかと私は思います。安倍内閣、そして菅内閣、岸田内閣と内閣が3つ変わって、岸田さんがバトンを受け取ったときには、かなりもう勢いがついていて。この勢いを簡単に変えるとか止めるとかいうことは、なかなか難しい状況であったことは想像できます」
「しかし、そうであっても、変化をさせようとするなら、もっとやるべきことがたくさんあったのではないか。少なくとも国会で議論をする、あるいはもっと言えば、これをテーマに解散して総選挙で国民の意思を問うというぐらい重要な問題だと、私は思いますね。戦後最大と言ってもいいかもわからない、国の性格を変えるという意味で。それをやるだけの信念というか、それだけの深い考えがあったんでしょうかね」
軍事増強を加速させる中国について、安保関連3文書では「深刻な懸念事項」と明記している。
河野洋平 元衆院議長 「中国が自分の言い分を正当化して押しかけてきている。それなら、やっぱり話し合う必要がありますね。その努力をどのくらいしたのか。外交関係でこの問題をテーブルにのせて、真剣に議論したことはあるか。私はそういう情報を聞いておりません。現状の倍の国防力負担を国民にさせようという状況なら、どれだけその前に外交的努力が行われたのかを問わなければいけないと思います」(つづく)
アメリカ製のトマホークの購入には、2100億円あまりをあてるというが…
河野洋平 元衆院議長 「米中関係というものが今や最大の課題だと思っているアメリカにとってみれば、最も中国に近い最前線の日本を自分の味方に完全に取り込んで。その証拠を示すために、あれだけの金額を日本が使えますということを、これだけあからさまにしたというのは、やはりアメリカは大喜びでしょう」
ロシアのウクライナ侵攻で世界的に軍拡の動きが広がる中、日本のあるべき姿とは?
河野洋平 元衆院議長 「反撃能力というのは威嚇ですよね。明らかに武力による威嚇。武力を予算化しようとしている。どう説明をなさるのか、私にはわかりません。政治や外交の努力を抜きにして、ただ壁だけ立てていく。壁ならまだいいけれども、壁の隙間から向こうに鉄砲を向けて狙うというのは本当の安全だと思わないです」
「日本には、日本の歴史的な事情、反省に基づいて、あるいは日本の置かれている立場を考えて、やれる範囲、やるべきこと、やってはいけないことをもう少しはっきりさせるべきではないでしょうか。戦わないために何をするかということを、深刻に考えるべきだと思います」(TBS23年1月7日)』
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自民党には、以前はウヨクから中道左派に近い議員までいたので、平和志向が強い議員も少なからずいた。<むしろ石原慎太郎などのウヨ・タカ派は疎んじられていた時もあったりして。^^;>
河野洋平も素晴らしい政治家だと思っているし。河野が総裁になる少し前、海部俊樹首相(89~91年)は、91年、米国から湾岸戦争に自衛隊を派遣して欲しいと要請を受けた時に、「憲法9条や集団的自衛権の行使禁止の解釈に反する」と拒んだことは、今でも高く評価しているしね。(・・)
そういう平和志向の議員や勢力が、党内で政府や一部の議員ががアブナイ方向に暴走しないように、歯止めをかけて来たし。それがギリギリのところで、日本の平和(永遠の戦後)の維持につながっていたんだけどな~。(-"-)
mewは自民党支持者ではないけど。安倍-菅政権時代に、極端な超保守タカ派&新自由主義の方向に傾いてしまった自民党をもとに戻す必要があると思っているのだ。
そして、おそらく、今、自民党でそれができるとすれば、それこそ岸田首相やその仲間たち(宏池会系の岸田派や谷垣Gなど)だと思うんだけどな~。^^;
日本が戦争に参加する国になるかならないか、大きな岐路を迎えている中、最後の抵抗として、何とか「どうすれば、戦わないで済むのか」、懸命に考えて行きたい&訴えて行きたいと思うmewなのである。(@_@。
THANKS