【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
【将棋・・・昨日、棋王戦第2局が行われ、藤井聡太五冠が渡辺明棋王(名人との二冠)に132手で勝利。三番勝負で2連勝して、リーチをかけた。もし藤井五冠が棋王のタイトルもとると、羽生善治九段が94年に史上上初の6冠に輝いた24歳2カ月を3年以上更新する最年少記録を更新することになる。<藤井は後手の成績がイマイチだったけど、角換わりも制して、自信がアップしたかも。>
渡辺は競馬ファン&馬主だったことも手伝い、ずっと前からブログを読んでいた&応援して来たので、ここは粘りを見せて欲しいところ。羽生も含めベテラン勢の経験と意地に期待する部分も大きい。o(^-^)o
プロ野球・・・パドレスのダルビッシュ有投手が、6年で140億円の大型契約を結んだというニュースには、めっちゃ驚いた&嬉しかったのだけど。そのダルが早くからMBS日本代表のキャンプに参加したことから(してくれたって感じも)、宮崎市は野球ファンで大賑わい。佐々木郎希ら、日本で一千級の後輩投手たちがブルペンの後ろで、少年野球の子どものように目を輝かせながら、ダルの投球を見ている姿がかわいかった。(^^)最近、mew地元では少子化に加えて、サッカー同様、本格的にやる子はクラブチームに行くのが王道になりつつあるため、区立中学で野球部が成り立たず。他の2~3校と合同チームを作って試合に出るしかないとのこと。大谷も加わっての豪華な日本代表&MLBを見て、野球少年が増えるといいな~と思う。(・・)】
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ところで、広島原爆後の生活を描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治・作)は、広島県を中心に平和教育の教材に用いられて来た。
しかし、2012年頃から、(ウヨ系から?)内容がサヨク的だ、残酷だという批判が相次ぎ、図書館に置くのを中止する学校が出現することに。
そして、何と来年度からは、学校で用いる教材から姿を消すというニュースが出て、ちょっとショックを受けた。世間でも疑問の声が呈されているようだ。(-"-)
「はだしのゲン」は、広島に投下された原爆で父や姉、弟を亡くした少年・中岡元が、たくましく生き抜く姿を描く長編漫画。故中沢啓治さんが、自らの被爆体験をもとに描いたもので、1973年から87年にかけ、「週刊少年ジャンプ」などで連載された。総発行部数は、1000万部を超えるという。
世界24カ国で翻訳版が出版されているほか、国内ではアニメだけでなく実写版の映画、TVドラマなども制作されていたので、20世紀世代は何らかの形で目にした人が少なからずいるのではないかと察する。(・・)
そして、かつては広島県だけでなく、全国でこの漫画を図書館に置く学校が見られたし。特に広島市では様々な形で、平和教育や日本の歴史、社会を学ぶ教材として利用されていたのだが。
今は小学校3年生の平和教育の教材に載っているだけで、それもなくしてしまうことが決まったのだという。(-_-;)
『広島市教育委員会は、市立小中高校の平和教育に使っている教材を来年度に改訂し、漫画「はだしのゲン」を別の絵本などに差し替えることを決めた。現代とは時代背景が異なり、一部を掲載するだけでは漫画の描写が誤解を生む恐れがあると判断したという。
市教委は、平和教育用教材として2013年度から学年ごとに作っている「ひろしま平和ノート」のうち、高1と小3の教材で漫画の一部を引用。小3の教材では、ゲンたちが浪曲を披露して日銭を稼いだり、栄養不足で体調を崩した母親のために他人の家の庭でコイを釣ったりする場面が掲載されている。
(読売新聞23年2月17日)』
正直なところ、真っ先に思ったのは、ついに超保守派の圧力に屈したのかということだった。(・・)
このブログでも過去に何回か取り上げたことがあるのだが。<関連記事・2013年8月23日『「はだしのゲン」排除に動く超保守の思惑+集団的自衛権容認の前に改憲を+イチロー』など>
興味のある方は、wikipediaなどをご覧いただきたいのだが。2012~3年にかけて、急にアチコチの地域で「性描写や残酷なシーンがあり、不適切」「歴史的に歪曲された事実が載っているので、不適切」などのクレームが出て、図書館で閲覧制限したり、図書館に置くのをやめる学校が相次ぐことになった。
2012~13年と言えば、超保守勢力が民主党政権による日本の左傾化を憂慮し、安倍元首相を担いで、保守政権奪還のために懸命になっていた頃なのだが。
彼らが特に問題視していたのは、天皇に関して「戦争責任をとらずにふんぞりかえっとる天皇」「最高の殺人者」などのセリフが記されていることや、日本軍が中国で行なったとされる残虐行為がを描かれていることだった。<超保守派は、南京事件を含め、日本軍による残虐行為はなかったと主張している。>
12年8月には、高知県在住の在日特権を許さない市民の会のメンバーが図書館からの撤去を要求。
『産経新聞』はコラム「産経抄」(2013年8月24日付)で、「ジャンプで連載が打ち切られると、ゲンは、日本共産党系雑誌に、そこも打ち切られると日教組系雑誌に掲載された。根拠のない日本軍の“蛮行”や昭和天皇への呪詛(じゅそ)がてんこ盛りになったのもこのころである」と指摘』していたという。(wikipediaより)
また、13年には超保守系雑誌「正論」でも、「『はだしのゲン』許すまじ!問題シーンを一挙公開」なんていう特集が組まれ、日本会議広島が今もこれを公開している。^^;
ちなみに日本会議系超保守派&安倍盟友ででお馴染みの下村博文文科大臣(当時)は『松江市の閉架措置について、子供の発達段階に応じた教育的配慮は必要として、「学校図書の取り扱いについて学校に指示するのは、教育委員会の通常の権限の範囲内」として問題が無いことを述べている』(wikipediaより)
ただ、多くの自治体や図書館のでは、この風潮に抵抗する動きもあったという話もきいていた。(・・)
『「はだしのゲン」は13年ごろ、反戦色が濃く戦争や被爆の模写がきついなど「間違った歴史認識を植え付ける」という声が上がり、全国の図書館から撤去する動きが高まった。児童が読めないように閉架扱いにしろとか、貸し出し禁止にせよ、有害図書に指定せよといったものだ。これらは結果、多くの自治体の議会で否決されたり、図書館が図書の自由を守るために戦い、大筋で事なきを得た。(日刊スポーツ・【政界地獄耳】広島の学校教材から消える「はだしのゲン」2.18より)』
それから約10年。急に広島市の学校教材から「はだしのゲン」が消えるというニュースが出て、驚いたのであるが。<しかも、地元の広島の原爆被害を重視し、核廃絶を世界に訴えている岸田首相の政権下なのに。^^;>
『市教委は2013年度に始めた市立小中学、高校の平和教育プログラムのために独自教材を開発し、小学3年用にゲンの場面を使用。(1)貧しい家計を支えるために路上で浪曲を歌って小銭を稼ぐ(2)身重の母親に食べさせようと池のコイを盗む(3)原爆の火の手が迫る中、家の下敷きになった父親がゲンに逃げるよう叫ぶ―などで、「ゲンの気持ち」を考えさせ、家族の絆を学ぶ内容になっている。(中国新聞23年2月17日)』
『市教委が校長や大学教授らを交えて教材改訂の必要性を議論する中で、「浪曲は児童になじみがなく、コイを盗んでもいいという誤解を与える」「時代背景の説明が必要で、学習目的を達成するまで時間と手間がかかる」といった指摘が出たという。
新しい小3の教材では、16歳の時に原爆で両親と妹3人を亡くした被爆者を描いた絵本などを採用する。高1では、12年に亡くなった「はだしのゲン」の作者の中沢啓治さんの体験談などを残し、漫画の場面を削除するという。(読売新聞23年2月18日)』
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そもそも何故、小3の教材に載せるのに「浪曲を歌う」「コイを盗む」場面を選んだのかが疑問。時代背景も違うし、この例が説明しにくいのは当然だろう。昭和後期でも、もう説明しにくいかも。
<しかも、家族の絆を学ぶことを主眼に置いたからなのか、TVで見た授業の映像では、この漫画を見た後、小3生に「あなたは家族のために何かしたことがあるか」と質問していて。ちょっと平和教育とはスレがあるような感じも受けたりして。^^;>
『ゲンを巡っては、松江市教委が12年に「一部の過激な描写が子どもの発達上好ましくない」との判断で学校図書館での閲覧制限を決め、後に撤回した。こうした経緯がある上、今回の広島市教委の削除理由が分かりにくく、反響が広がった面は否めない。
サイトに投稿した同志社大大学院の三牧聖子准教授(平和研究)はゲンが世界の24言語に翻訳された点に触れ「ここまで広がったのは漫画だから伝えられるメッセージがあったからだろう」と分析。市教委の削除判断について、「戦争と核の恐れが消えない今の世界で、ゲンの継承についても検討を続けてほしい」と指摘する。(中国新聞23年2月18日)』
今朝、NHKで他の漫画家の人の絵(何人もの被爆者がやけどを負って倒れている絵)を用いて平和教育を行なう映像を流していたのだけど。写真や映像は酷だけど、漫画だからこそ子供たちにも見せられるもの、伝えられることがあると思われ・・・。
何で教材から消そうとするのか、何の組織も絡んでいないのか、やはり納得いかない部分があるし。近時、日本に原爆が投下されたことも知らない子供たち、若者が増えていることを考えると、尚更に「これでいいのかな~」とため息まじりで考えてしまうmewなのだった。_(。。)_
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