2月24日、ロシアのウクライナ侵攻開始から丸1年経った日、今年のサミット議長国である岸田首相がG7のオンライン会合を開催。ウクライナのゼレンスキー大統領も参加した。合意した。(・・)
会合ではウクライナへの揺るぎない支持を再確認し、G7首脳の名でロシアに対しウクライナ全土からの撤退を要求する声明を出した。(++)
一方、この日、驚いたことに、何と中国がロシアとウクライナに対し、協議の上で停戦合意することを提案。停戦に向けて12の事項を記した文書を発表した。(・o・)
この中国の停戦の発表に関して、米国などからは「だまされるな」「ロシアを利するだけだ」と批判や警戒する意見が出ているのだが。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、中国の提案に関心を示しており、中国の首脳と会談してもいいと言い出している。(~_~;)
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先に自分の意見を言うなら、私は中国も参加して停戦協議を行なうことには賛成だ。<確か、昨年に侵攻が始まってから間もなく、中立(ロシア寄り)とされる中国も参加して停戦協議をすべきだとこのブログに書いたと思う。>
何故って・・・ともかく1日も早く停戦して、これ以上、死傷者が出ないように、建物や町が破壊されないようにすべきだと考えているからだ。(**)
この1年でロシアの兵士は約20万人、ウクライナの兵士は約10万人死亡したと、またウクライナの民間人が少なくとも2万人は死亡したと言われている。(民間人の死者の一部は埋められたり焼かれたりしたため、確かな数字がわからないという。(-"-)>
映像を見てもわかるように、多数の住居(マンションを含む)、学校、医療施設、道路が破壊され、発電所や原発なども攻撃を受けている。これ以上、破壊されたら、人々の生活はますます大変になるし、復興にもさらなる費用と労力と時間がかかることになる。
現状を見る限り、もしここで停戦協議を行なわなければ、ウクライナ、ロシアに他国から武器が供与され、どんどんと戦闘が長引き、泥沼化することになりかねない。<東西大国が関わった朝鮮戦争は5年、ベトナム戦争は15年も続いたことを思い出すべし。>
中国が乗り出した今が、停戦協議を始める大チャンスなのだ。(++)
正直なところ、ゼレンスキー大統領もできれば早く戦闘状態を止めたいと考えていると思うし。プーチン大統領も、下手に泥沼化させたくはないと考えているはずだ。<もしかして中国に仲介役をこっそり頼んだかも?^^;>
もちろん中国が主導する形で協議を行なうの形避けなければならない。G7側からも代表が出て、何カ国かで協議をするべきだろう。
とりあえず1か月でいいから休戦をして、協議を行なってみて欲しいな~。(・・)
『中国外務省は24日、ウクライナ危機の政治解決に向けた「中国の立場」を示す文書を発表した。ロシアとウクライナの直接対話の再開を求め、建設的な役割を果たすと主張したが、具体策は示さなかった。12項目の提案は従来の主張の枠にとどまった。
中国は文書で、ウクライナ情勢が悪化し、制御不能になる事態を避けなければならないとし、「対話と交渉がウクライナ危機を解決する唯一の道だ」と強調した。各当事者がロシアとウクライナの速やかな直接対話の再開を支援すべきだとし、「中国は建設的な役割を果たしたい」とも記した。(読売新聞23年2月24日)』
中国が提示して来た12の項目は、以下の通りだ。
『1)国家の主権を尊重:一般に認められている国際法と国連憲章は「厳密に」遵守されなければならない。
2)冷戦の考え方を放棄、自国の安全のために他国を犠牲にしてはならない。
3)敵対行為をやめる:全ての当事者は「合理性を保ち、自制を保ち」、紛争を煽ってはならない。
4)和平交渉の再開:対話と交渉がウクライナ危機に対する唯一の実行可能な解決策だ。
5)人道危機の解決:人道危機の緩和に貢献する全ての行動は「奨励され、支援されなければならない」
6)民間人と戦争捕虜の保護:全ての紛争当事者は、国際法を遵守し、民間人や民間インフラへの攻撃を回避する必要がある。
7)原子力発電所の安全確保:原子力発電所への武力攻撃を拒否する。
8)戦略的リスクの軽減:核兵器は使用されるべきではなく、核戦争は行われるべきではない。
9)穀物輸出の促進:全ての当事者は黒海穀物協定を実施する必要がある。
10)一方的な制裁を止める:一方的な制裁と圧力は問題を解決できず、新しい問題を生み出すだけだ。
11)サプライチェーンの安定化:全ての関係者は、既存の世界貿易システムを維持し、世界経済を政治目的の武器に使用してはならない。
12)復興計画:国際社会は、影響を受けた地域で紛争後の復興を実施するための措置を講じるべきだ。(https://vpoint.jp/world/rosia/223099.html)』
この中国の提案に対して、早速、米国等から批判の声が出ている。
『バイデン大統領はABCテレビのインタビューで、中国が発表したウクライナでの早期の停戦を呼びかける文書について、「ロシア以外に利益をもたらすものは何もない」と指摘。「中国が停戦交渉を行うのは理にかなっていない」と批判しました。TBS23年2月25日)』
『ロシアのネベンジャ国連大使は「中国の提案のような真の努力を歓迎する」と応じた。
他方、米国のブリンケン国務長官は「一時的、無条件での停戦の呼びかけにだまされてはいけない。ロシアに次の攻撃に備える時間を与える恐れがある」と警戒を呼びかけた。ブリンケン氏はまた、「いかなる国も侵攻を支援しながら平和を呼びかけるべきではない」とも訴えた。
早期停戦の呼びかけに対し、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は「平和が訪れるなら、どんな和平でもよいわけではない」と強調し、「141カ国が賛成した23日の国連総会決議に基づき和平を築く必要がある」と訴えた。(産経新聞23年2月25日)』
確かに侵攻したのはロシアなのだが。ロシアが現時点で、自分たちが全て悪かったと言い出すはずもないし。また、ロシアにしてみれば、ウクライナに武器を供与している国だけを相手に協議をする気になれないと思われ・・・。
ウクライナの大統領や国民が拒否しないのであれば、多少はロシア側の顔も立てつつ、協議を開始することが必要だろう。(・・)
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ゼレンスキー大統領は、中国の提案に関心がある様子。全面的に拒否をする姿勢はとらず、中国と連携でき部分があるとして、習主席と会談する意向を示した。(@@)
『ゼレンスキー大統領は記者会見で、領土保全を巡り国際法を尊重しているのであれば、「この点に関し、中国と連携できるだろう」と語った。同時に、中国が提示したのは複数の「見解」で、具体的な計画ではないとしたほか、「中国がロシアに兵器を供給しないと信じたい。これは私にとり非常に重要なことだ」とけん制した。
ロシアの同盟国である中国が和平の仲介を検討していることは有望としつつも、ロシア軍の完全撤退を含まない計画は受け入れがたいと強調した。
また、明確な時期は示さなかったものの、「中国の習近平国家主席と会談することを計画している」とし、「わが国や世界の安全保障にとり有益と確信している」と述べた。(ロイター23年2月25日)』
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個人的には、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平主席が、帝国主義、覇権主義的になっていることを好ましく思っていないのだが。<21世紀にはいって、世界の平和を壊そうとするのかと、腹が立っている部分もある。>
ただ、このウクライナでの戦闘状態を長期化させないためにも、まかり間違って、核兵器の使用とか第三次世界対戦とかにつながるのを防ぐためにも、この停戦協議のチャンスを活かすべきではないかと思うmewなのである。(@_@。
THANKS