【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
坂本龍一氏の他界を受け、多くのネット記事やニュース&ワイドショーで、坂本氏が非戦、脱原発、震災復興や自然保護の活動を行なっていたことが取り上げられた。
mew周辺には、それらをきっかけに、初めて坂本氏の音楽だけでなく、社会的な活動を行なっていたことを知った人も少なからずいたようだ。(~_~;)
坂本氏が亡くなったことは本当に悲しいけど。同氏が好んだという「Ars longa, Vita brevis.(芸術は長く、人生は短し)」という言葉があらわすように、YMOが発表した曲や坂本氏が作った曲、音楽は、芸術として今後も長く世に残るに違いない。(**)
坂本氏の他界を受けて、同氏を敬愛していた者の中には、非戦、脱原発、震災復興、自然保護の活動を引き継いで行こうと強く誓った人もいたと思うし。坂本氏が、自らの他界のニュースを通じて、ある意味で、今まで諸問題の所在を知らなかった人に、それらを知らしめてくれたのではないかとも思われ・・・。
様々な活動が今後も続いて行くための新たな起点になったのではないかと感じたりもしている。(・・)
* * *
この記事では、坂本氏が最期まで心残りだったであろう「神宮外苑の再開発について取り上げたい。(++)
実はこの明治神宮外苑の再開発の件は、もう10年以上前から(たぶん石原慎太郎氏がまだ都知事で、東京五輪誘致に力を入れていた頃)から、ちょこちょこと出ていた話だった。<mewが当初きいていたのは、隣にある国立競技場も含め、ラグビー場や神宮球場(+外苑ハウス、岸記念会館)が老朽化しているので、建て直す必要があるという話だったように思う。>
ここで、五輪とかラグビー場とかきいて、ピーンと来た人もいると思うが。そうなのだ。この計画の背後には、元五輪組織委員長、元ラグビー協会会長の森喜朗元首相がいたのである。(>_<)<後述するように萩生田光一氏も絡んでいるようだ。^^;>
ただ、13年に東京五輪招致が決まってから、隣にある国立競技場の建て直しが優先されることに。しかも、この計画がデザイン、予算などの件でアレコレもめることになり、神宮外苑の再開発の話はあまりオモテに出なくなってしまったのだが。
21年に東京五輪、パラが終了した後、改めてこの神宮外苑の再開発の計画が注目されるようになった。
一般都民が知らないうちに、再開発の計画は着々と進められており・・・。そして、ふと気づいた時には、トンデモない計画が出来上がっていたのだ。
計画では、神宮野球場と秩父宮ラグビー場の位置を入れ替えて新築した上で、さらに高さ約190メートルの高層ビルを2棟建てることに。
この再開発に伴い、約1000本の(実際は3000本という説も)樹木の伐採および衰退が懸念されており、その中には神宮外苑のシンボルであるいちょう並木も含まれていることがわかった。(゚Д゚)
この計画がわかってから、地元の住民や都民の団体、自然保護団体が次々と計画に反対する活動を開始。<昨年6月の段階で、8万人以上の署名が集まっていた。>
そして、坂本龍一氏も、そのことを知って、反対運動に加わったという。(・・)
坂本氏は、2014年に判明した中咽頭がんは完寛したものの、2020年には大腸がん(S4、肝肺転移)が判明したことから6カ所もの手術を受け、21年以降も治療しながら少しずつ音楽活動や社会活動を行なっていた。
そして今にして思えば、もう今年にはいって、かなり体調が悪くなっていたと察するのだが。坂本氏は、3月上旬に小池都知事、永岡桂子文科相、都倉俊一文化庁長官、吉住健一新宿区長、武井雅昭港区長の5氏に手紙を書いて、郵送したのである。
このような手紙だったという。
『がん闘病中の坂本さんは書面で本紙のインタビューに応じ、反対運動に全面的に参加する体力は残っていないとしながら「あの美しい場所を守るために何もしなかったのでは禍根を残すと思った。後悔しないように手紙を出すことにした」と意図を明らかにした。
反対理由について、外苑の自然環境が破壊されることを懸念。「樹々は差別なく万人に恩恵をもたらすが、開発は一部の既得権者と富裕層だけに恩恵をもたらす」と問題提起した。その上で、都市の中で自然環境を守ることは可能だとして、パリやローマを例に「都市がそれぞれの歴史とともに長い年月をかけて獲得する風景を維持する」ことを求めた。
坂本さんは東京出身。新宿高校、東京芸大で学んだ。「生まれ育った東京が美しく魅力的な場所であってほしい」とも述べた。(東京新聞23年3月18日)』
* * * * *
しかし、小池知事は坂本氏の手紙をとりあわなかった。
『外苑再開発は、三井不動産など民間事業者が中心で、小池氏は従来「明治神宮の私有地をめぐる開発の話」(3月3日の会見)と民間開発であることを強調してきた。17日の会見でもこうした姿勢を踏襲したとみられ、「事業者の明治神宮にも手紙を送られた方がいいんじゃないでしょうか」とも述べた』という。(同上)
小池氏は都知事として、この再開発事業を承認しており、この計画に責任のある立場だ。
それにもかかわらず、何故、このように他人事のような発言をしているのかと言えば、この再開発の計画は小池氏が都知事になる前から、森喜朗氏や関連団体、建設会社などなどがつるんで進めて来た事業であり、自分はほとんど計画に関与していないからだろう。(~_~;)
エコノミスト・オンライン(2020年4月29,30日)に『「上級国民」たちがコロナ対策そっちのけで「東京オリンピック」にこだわっていたワケ(前後編):新国立競技場の「利権話」に「萩生田文科相」が果たした役割=後藤逸郎』という記事が載っているのだが。
後編に、神宮外苑再開発がらみの話も書かれている。(-"-)
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200427/se1/00m/020/006000d
『森元首相以外にも、新国立競技場と神宮外苑の再開発に関与した政治家の応接録が存在する。
森元首相に連なる文教族で、安倍晋三首相の側近である萩生田光一文科相だ。
当時浪人中だった萩生田が2012(平成24)年2月28日、安井技監に示した「国立霞ヶ丘競技場周辺整備イメージ図」だ。(略)
このイメージ図は都が作成したものではなく、萩生田が安井技監に渡したものだ。イメージ図の右上には「萩生田氏より」と手書きで書き込まれている。
建築設計会社の日建設計が作ったものとして萩生田は安井技監に説明したが、日建はイメージ図の作成を否定している。
森元首相が岸記念体育会館の神宮外苑移転を促す発言をした半年近く前に、イメージ図が存在することは、一帯の再開発が周到に計画されてきたことを補強する。』
『2012(平成24)年2月15日の定例理事会は、理事8人のほか、前節で名前の挙がった日建設計など2つの建築設計会社幹部が出席して開かれたとある。
建て替えの状況が報告され、「持てる300%の容積率を使うためには近隣地権者との共同開発を考えざるを得ない。そして、最も有力な近隣地権者は霞ヶ丘都営住宅、つまり東京都であり、共同開発の許認可権も東京都が握っています。しかもその東京都がオリンピックの招致、ラグビー世界選手権開催を通じて外苑地区の環境整備に乗り出しているのです。キーワードはまさに東京都なのです」との説明が記されている。』
『「新しく選任された新理事の一人が『知人が前衆院議員で石原知事と太いパイプがあるから、知事と直接会ってお願いしましょう。』と言い出したのです」と、驚くべき記述がある。さらに、「この前衆院議員は文科省政務官時代に2016年オリンピック招致のための環境整備に関わった方で、霞ヶ丘の国立競技場周辺の整備計画にも明るい方でした」と続く。
当時、この条件を満たしたのは、都議から衆院議員に転身し、落選して浪人中の萩生田だ。萩生田が都の安井技監に神宮外苑再開発イメージ図を示したのは、外苑ハウス理事会で名前が挙がった約半年後にあたる。』
『森元首相と萩生田文科相の応接メモ、副知事への説明記録は、神宮外苑再開発に政治家が関与し、都が入念に調整したことを示している。
2012(平成24)年5月15日付けの「神宮外苑地区の再整備に係る報告について」と題した別の応接メモは、その証拠のひとつだ。面談時間は午後5時から20分間。先に述べた森元首相との面談後にあたる。』
『都が2016(平成28)年5月12日に決裁した内部文書「東京都市計画地区計画の変更に係る原案に対する意見書について」によると、外苑ハウスの建替に伴い不適切な政治家の働きかけがあるとする外苑ハウス居住者からの意見書が提出された。
添付資料には、萩生田の政治資金収支報告書と、萩生田が外苑ハウス建て替えに紹介した不動産業者が、萩生田の選挙区内の業者であり、個人献金をしているという事実が記載されていた。』
かなり字数をとってしまったので、とりあえず、今回はこれで終わりにしたいが。
先日の記事にも書いたように、森元首相は安倍派の新会長に萩生田光一氏を推しているとのこと。神宮外苑の再開発も含め、両者が様々な利権に関与をしているのではないかと、ついうかがった見方をしてしまいたくなるmewなのだった。(@_@。
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