9日、統一地方選・第一弾の投開票が行われた。
先に、注目されていた地域の選挙結果を書いておくならば・・。
大阪知事選は、維新の吉村洋文氏が2選。大阪市長選も、松井一郎前市長の後継候補となった維新の横山 氏がしっかり当選した。これで維新は、4回連続でダブル選挙に勝利したことになる。
また、維新は、大阪市議選でも、初めて過半数の議席をとったという。(~_~;)
奈良県知事選も、自民党の分裂選挙の漁夫の利を得る形で、維新の山下真氏が当選。維新候補が大阪以外の都道府県で知事選に当選するのは初めてのことだ。(・・)
<自民党の奈良県連会長の高市早苗氏は、窮地に陥るかも。^^;>
尚、自民党系3人の分裂選挙となった徳島県知事選は、後藤田正純氏(元副総理&警察長官だった後藤田正春氏の孫)が、現職知事や元知事の息子を破って初当選を果たした。
あと、突然、立民党から自民党に移籍して注目された今井瑠々氏は、岐阜県議選(多治見地区)にオモテ向きは無所属で出馬して当選した。しかし、今井氏の出馬により、当初から出馬予定だった自民党公認の候補は敗れてしまった。(~_~;)
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今回は 主に奈良知事選の話を。
奈良県では、県連会長の高市早苗氏が、既に4選して78歳と高齢の荒井正吾知事に退任してもらい、自分が総務大臣時代に秘書官を務めていた平木省氏(元総務省官僚)を出馬させることを計画。
奈良県連はとりあえず、平木氏を推薦することに決めたのだが。自民党本部はこれを了解せず。しかも、高市氏のやり方を快く思わない党内の有力議員(二階氏?)が、荒井氏の擁立を強行したため、自民党から2人の候補が立つことに。その結果、県内の自民党支持者の票が割れ、これが山下氏の当選につながった。(・・)
<山下真 266,404(44.4%)、平木省 196,729(32.8%、荒井正吾 97,033(16.2%)他3名。投票率 54.82%・・・自民の2人(平木、荒井氏)の票を足すと、山下氏の票数を上回る。
あと面白いことに、平木氏は立民党県連が推薦、荒井氏は国民党が支持していた。>
山下氏は東大文卒→朝日新聞→京大法編入→司法試験合格→弁護士を経て、06年に(奈良県の)生駒市長になり3選。で、今回、維新公認候補として、奈良県知事選に出馬したのだが・・・。
維新の後任候補が、大阪以外の自治体の知事選で当選するのは初めてのことだ。(・・)
ただ、今年2月、維新OBの橋下徹氏が自身のツイッターに、山下氏のことを「都構想を全否定し、維新スピリッツのかけらもない」、「維新政治をやるわけがない」などと批判するような書き込みをしていたのには、驚いた。(・o・)
<昨日、初めて知った。もっと早く知って、ここに書きたかったかな~。>
『橋下徹 @hashimoto_lo 2月1日
維新政治、都構想を全否定し、維新スピリッツのかけらもない山下氏を、維新や吉村さんがどのように応援するのだろうか。自分たちを全否定する者でも、勝てば良いという思考。勢力を大阪以外に広げ政権をとるには、確かにこれくらいのことをやらなければいけないのかもしれない。』
『当選するためにはどこの党にでも行くという立憲の米氏と同じ。維新が最も嫌う政治家像。山下氏が奈良県知事になっても維新政治をやるわけがない。大阪において自民党と共産党がタッグを組んだことを維新は強烈に批判した。今度は奈良で維新が同じことをやろうとしている。』
『日本維新の会もとりあえず知事選で勝てばいいという腹なのか。山下氏の政治的な考えは維新と真逆。辻元清美さんと同じような考え方。その山下氏を日本維新の会が公認するとは。山下氏も当選すればどこの党でも良いという思考。知事になりたいだけ。』
<尚、山下氏は同日、『私が7年余り前に雑誌に投稿した記事に関してこの度橋下徹さんからTwitter上でコメントをいただいております。その記事を改めて読み返すと、維新の政策や都構想に対する誤解があったと反省しています。今後は党の公認候補として維新の政策に関して十分に勉強し、発信していく必要があると感じています。』とツイートしていた。^^;>
山下氏は、市長時代は、維新の会とはあまり接点がなかったようなのだけど。うまく連携がとれるのかは「???」だ。(-_-)
一方、自民党にとっては、現職の荒井知事が同党公認だっただけに、ここで維新候補に負けたのはかなり痛いところ。
自民党の森山裕選対委員長は9日夜、「最初の候補者調整というところで少し反省しなければならない」と語っていたという。
要は、県連会長の高市早苗氏が、きちんと党内調整(or根回し)しないまま、強引に平木氏を擁立したことが、自民党の分裂選挙を招いてしまったわけで。その責任を問う声が出そうだ。(~_~;)
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高市氏は、選挙結果を受けて、こんなコメントを発表した。
『自民党奈良県連の会長を務める高市経済安全保障担当大臣は、奈良県知事選挙で自民党奈良県連が推薦した平木省氏が落選し、県議会議員選挙でも議席を減らすことになった今回の選挙結果についてコメントを発表し、「自民党公認候補者および推薦候補者全員がしっかりと政策を訴え、正々堂々と戦い抜いたことを誇らしく思い、候補者および支援者の皆さまの懸命の努力に心より敬意を表する。奈良県の有権者の審判を真摯(しんし)に受け止め、選挙期間に各候補者が県内各地で伺った声を今後の政策構築に生かすことに努めていく」としています。
また、実は高市氏は、選挙戦が始まってからずっと地元入りをしておらず(本人いわく、国会対応や高熱のため)、投票直前の7日になって、初めて応援にはいったのだが。その応援の仕方にも疑問の声が出ている。
また、9日も国会対応のために、選挙結果が出るのを待たず、帰京してしまったという。(-_-;)
『平木氏の事務所に、県連会長の高市早苗氏は姿を見せず、以下のコメントが代読されました。「今夜は平木さんやお集まりの皆さんとともに開票状況を見守りたかったのですが、明日、月曜日の決算委員会で答弁が入りましたので、東京にいなくてはならず、ご一緒できないことをご容赦くださいませ。自民党奈良県連会長でありながら、張り付きで応援することがかないませんでした。深くお詫び申し上げます。奈良県の未来を拓く、素晴らしいビジョンをお持ちの平木省さんの益々のご活躍と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。」(MBS23年4月9日)』
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高市氏としては、奈良県連会長であり、党内でも幹部クラスの自分が擁立する候補を決めれば、党本部も県連全体も自分の意向に従うはずだと勘違いしたのかも知れないが・・・。
もうバックで支えてくれていた安倍元首相がいないし。安倍派にも戻れない今、高市氏にはそこまでの力がないということを認識すべきだろう。<わかっていないのか。そう思いたくはないのか。^^;>
しかも、高市氏は、礒崎関連文書の「捏造」発言で、党内でも問題視されていたばかり。
ただ、立民党の小西洋之氏の痛恨のエラー(サル発言)で、ちょっと救われたところがあったし。ここで奈良知事選にも勝っていれば、もう少し党内での立場を維持できたかも知れないのだけど。
この奈良知事選の敗戦は、そう簡単にリカバーできない気がする。(-"-)
そして、奈良&大阪の結果で維新が図に乗るのはイヤだけど。安倍元首相の後継者として首相を目指そうとしていた高市氏の立場が低下して脱アベ路線が進むなら、それはそれでよかったかも、と思ったりするmewななのだった。(@_@。
THANKS