統一地方選や衆参院補選が終わったら、憲法改正をはじめ様々な分野のニュースを取り上げようと思っていたのだけど。<もうすぐ憲法記念日だしね。(・・)>
このニュースはすぐに取り上げないわけには行くまい。(@@)
昨日の衆院憲法審査会で、ついに公明党が、自民党の9条改正案(自衛隊明記)に反対する意見を述べたのである。(**)
『公明党の北側一雄副代表は20日の衆院憲法審査会で、自民党の4項目の憲法改正条文案(たたき台)のうち、自衛隊を明記する9条改正案に「賛成できない」と述べた。公明が自民の条文案に明確に反対したのは初めて。今後の憲法審での議論に影響を与えそうだ。(毎日新聞23年4月20日)』
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もともと公明党は、憲法改正自体に慎重な立場。特に9条改正には絶対反対の立場だった。<池田大作氏も9条改正は強く反対していた。>
ただ、公明党は自民党との連立を維持するために「憲法改正自体に反対ではない」「改憲ではなく、加憲の立場だ」「国民にとって必要な新たな人権や制度の創設などの議論には応じる」などと言って、何となくのらりくらりとごまかしながら、ここまで改憲論議に付き合って来た感じがある。^^;
しかし、12年末に、何より憲法改正実現を悲願として来た安倍晋三元首相が率いる自民党が政権を奪還してから、改憲論議が進むことに。
自民党は12年に自党の改憲案(全文)を発表していたのだが。改憲を実現するためには、条文を絞らなければならないと考え、9条改正(自衛隊明記)、緊急事態条項、参院の合区解消、教育の充実の4つの条項を改正することを提言した。(・・)
それでも、実際のところ、数年前までは、もし公明党を除けば、改憲推進派は衆参の2/3の議席を有しておらず。なかなか本格的な議論が行なわれていなかったのだが。この数年、改憲賛成の国民党に加え、改憲に強い意欲を示す維新の会が議員数を増やしたことから、彼らが主導する形で憲法審査会の議論が強引に進められることに。
公明党は、かなり追い詰め荒れた状態に置かれていた。(~_~;)
先月31日に『憲法審査会の暴走、蛮行に注意~中山方式が軽視される。元秘書・馬場は慎重派排除を提案』にも書いたのだが・・・。
衆院の憲法審査会は、国民が知らないうちに、どんどんと話が進んでいて。何と早くも、憲法9条の改正条文案を作ろうというところまで来ているのだ。(゚Д゚)
<安倍晋三氏らの自民党改憲派は、自民、維新、国民+αの改憲賛成派で衆参2/3以上の議席を確保できたら、公明党との連立を解消してでも、改憲発議をしたいと考えていた様子。(+αで立民党の改憲賛成の議員を切り崩すことを考えていた議員もいたようだ。)(-_-;)>
そんな中、ついに公明党が初めて、自民党の9条改憲案に正面から反対する意思を示したのである。<このままズルズルと9条改正の方向に流されてはいけない、と思ったのだろう。(**)>
<尚、公明党は、自衛隊を明記するなら9条ではなく、内閣の章の72条にと提案している。何か無理やり、そういう案を作った感じがする。>
『自民は9条1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)をそのまま残し、「9条の2」を新設して自衛隊を明記する条文案をまとめている。「9条の2」に、9条の規定に関して「必要な自衛の措置をとることを妨げず」と記述している。
北側氏はこれについて「(自民側は)『妨げず』はあくまでも(戦力不保持の)9条2項の範囲内にあると述べているが、『妨げず』を例外規定として使用する法律は数多くある。9条2項の例外規定と読まれる余地を残すことになり、賛成できない」と主張した。公明は自民の条文案では、自衛隊の活動が際限なく拡大しかねないと警戒している。【加藤明子、畠山嵩】(毎日新聞23年4月21日)』
『与党筆頭幹事の自民の新藤義孝氏は「本来であれば国防規定とその担い手である自衛隊を定めた上で、実力行使のあり方を規定するのが最高法規としてのあるべき姿ではないか」と主張した。「憲法が国の土台となるべき国防規定とその担い手に関する規定を置いていないのは、占領下という独立と主権を失い、武装解除により国防を担う実力組織を持っていない状態で制定されたという特殊な経緯があったからに他ならない」とも強調した。
日本維新の会の小野泰輔氏も「自衛のための実力組織という特殊性、独自性に鑑み、平和の維持を定めた9条に自衛隊を書き加えることが適切だ」と足並みをそろえた。
これに対し、公明の北側一雄氏は「自衛措置の限界は堅持した上で、国防規定とその担い手である自衛隊を明記し、シビリアンコントロール(文民統制)を明確化するのであれば、内閣の章の72条、73条の内閣総理大臣や内閣の職務に追加規定を設けた方が目的に合致する」と訴えた。
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実は9条改正の議論は、13日から始まっていたのだが。この時に立民や共産党は、9状に自衛隊を明記することに反対。公明党も72、3条に記す案を出していた。
『衆院憲法審で9条議論 自民と維新、自衛隊明記を主張
衆院憲法審査会は13日、自由討議を行い、自民党と日本維新の会が自衛隊を明記する9条改正を訴えたが、立憲民主党と共産党はこれに反対した。公明党と国民民主党は、9条以外に自衛隊を明記する改憲案を提起した。
自民、維新は9条1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持)を残しつつ、自衛隊を明記する独自の憲法改正条文案をそれぞれまとめている。自民の新藤義孝与党筆頭幹事は条文案を説明した上で「自民が提案している国防規定と、自衛隊を明記する9条改正案は占領下で制定された憲法の欠落を補うものだ」と述べた。維新の岩谷良平氏も「自衛隊違憲論を解消すべきだ」と訴えた。
公明の浜地雅一氏は「自衛隊違憲論を払拭(ふっしょく)するために憲法上明記するという議論ではなく、民主的統制の観点から憲法上に書き込むべきだ」と述べ、首相や内閣の職務を規定した72条や73条に自衛隊への民主的統制を書き加える案を示した。
国民民主の玉木雄一郎代表も自民や維新の改憲案について「憲法改正しても違憲論に終止符を打つことが達成できず、労多くして益少なしの改正になってしまう」と述べ、内閣について規定する5章の条文のいずれかに自衛隊を明記する案を提案した。
これに対し、立憲の中川正春野党筆頭幹事は「自衛隊の明記は必要ないのではないか」と主張し、共産の赤嶺政賢氏も「共産は9条を断固として守り抜くという立場には変わりがない」として反対した。【加藤明子】(毎日新聞23年4月13日)』
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『衆院憲法審 立民「自衛隊明記は不要」与野党が9条議論
与野党は13日の衆院憲法審査会で、9条を中心に議論した。自民党は「9条の2」を新設して自衛隊を明記すべきだとする党の改憲4項目「たたき台素案」に沿った主張を展開し、日本維新の会も同調した。これに対し、立憲民主党は明記は「不要」だと訴えた。
与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝元総務相は「現行憲法には平和主義の規定はあっても主権国家が有する固有の自然権である自衛権に基づく国防規定がない」と指摘。その上で「国防を担う実力組織として自衛隊を明記することは、憲法を頂点とした法体系を完成させることを意味する」と述べた。
維新の岩谷良平氏も「憲法学者の間では自衛隊は違憲とする考えが通説的な地位を占めている。現実的に必要な存在である自衛隊を苦しい解釈によるのではなく、憲法に明確に位置づけて合憲の存在とすべきだ」と歩調を合わせた。
また、公明党の浜地雅一氏は「わが国最大の実力組織に対する民主的統制の観点から書き込んでいく、民主主義・国民主義という観点から憲法価値を高めていく意味でふさわしい書きぶりを求めていくべきだ」と述べた。
一方、野党筆頭幹事を担う立民の中川正春氏は「自衛隊明記は必要ない。現状で自衛隊は合憲であり、役割と必要性については国民に十分に理解されている」と主張した。「政府・自民は憲法解釈を安保政策の見直しに合わせる形で変更していくか、9条そのものを書き換えることを考えているとしか思えない。これには強く反対をしていきたい」とも語った。(毎日新聞23年4月13日)』
いや~。公明党、頑張って欲しいな~。<統一地方選も意識したのかな~?^^;>
衆参院補選はもちろん、できれば地方議会選でも、憲法改正のことも意識して投票してくれるといいな~と願っているmewなのだった。(@_@。
THANKS