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先週、12日、政府が提出した入管難民法の改正案が参議院で審議入りした。
今回の改正では、難民認定手続き中は強制送還を停止する規定に例外を設け、申請が3回目以降なら送還を可能とすることが柱になっているのだが。
立民党、共産党は難民認定を行う第三者機関設置を盛り込んだ対案を参院に共同提出している。)
<こういう記事が出るとす、またバXな保守派が「立憲共産党」とかディスって喜ぶかと思うと腹が立つんだけど。でも、どの政党であれ、正しいこと、言うべきことはしっかり主張しないといけないもんね。(・・)>
日本への難民申請が徐々に増えている。中には、政府や保守派が懸念するように、不法滞在者が帰国を逃れるために申請を行なっているケースも少なからずあるとは思うのだが。本国に帰ると生命や生活の危険が待っている人もいるのも事実で。その点はきちんと配慮、対応すべきだし。何より人権重視の観点から、収容者の健康管理には十分に気を付けるべきだろう。(++)
反対派は、21年に名古屋出入国管理局に収容されて体調が悪化、治療要請に応じてもらえず病死したウィシュマ・サンダマリさん(33)の事例を出して、いかに日本の入国管理局ひいては政府が、収容者の要望や主張、人権を軽視して来たか訴えている。
ところが、維新の梅村みずほ氏が、参院審議の初日に、本会議場でこんな主張を行なったのだ。<最初、何が言いたいのか、意味がわからなかった。>
「ウィシュマさんの映像を総合的に見ていきますと、よかれと思った支援者の一言が、皮肉にもウィシュマさんに“病気になれば仮釈放してもらえる”という淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況へつながったおそれも否定できません」
梅村氏は、21年、収監中に十分な治療を受けられず亡くなったウシュマさんの例を取り上げ、支援者に問題があったことを臭わせるような発言を行なった。そして、それを根拠のようにして長期収容を避けるため、難民申請中の送還を可能とする改正案の必要性を訴えたのである。(゚Д゚)
『日本維新の会の梅村みずほ参院議員は12日、難民申請中の送還を可能とする入管難民法改正案の審議で、入管施設に収容された外国人の支援について「支援者の助言は、かえって収容者にとって見なければよかった夢、すがってはいけない『わら』になる可能性もある」と述べた。発言を問題視する声が上がり、議場は一時騒然となった。
入管法改正案はこの日、参院本会議で審議入り。梅村氏は党を代表した質問で、2021年に名古屋出入国在留管理局で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の事例を取り上げ、長期収容を避けるため、難民申請中の送還を可能とする改正案の必要性を訴えた。
その中で、梅村氏は「資料と映像を総合的に見ると、よかれと思った支援者の一言が、ウィシュマさんに『病気になれば仮釈放してもらえる』という淡い期待を抱かせ、医師から詐病の可能性を指摘される状況へつながったおそれも否定できない」と主張。面識のない収容者に次々と面会する支援者がいることなどに否定的な見解を示した。
議場からは「とんでもない発言だ」と抗議する声が上がった。(朝日新聞23年5月12日)』
* * *
ここにウシュマさんを診察した精神科の医師の初診サマリーがあるのだが。梅村氏は、この記述を鵜呑みにした可能性がある。https://asset.bengo4.com/topics/22776.jpeg (文字起こししてみた。原文ママ)
『ご紹介していただいた患者ですが、どのように考えたものか難しいで す。 本日の診療では、下記のように考えました。
★ 精神科 初診時サマリー
33歳、女性。 スリランカ出身。 名古屋入国管理局に拘留中。 この1ヶ月ぐらい食事摂取が低下、嘔気、嘔吐、不眠、意欲低下、などを生じた。 血液検査ではとくに異常なく、 中京病院の消化器内科ではとくに異常なしと言われた。 支援者から「病気になれば、仮釈放してもらえる」 と言われた頃から、心身の不調を生じており詐病の可能性もある。(つづく)
診察時、 患者はぐったりしているが、話は何とかできていた。 手足の筋は弛緩気味。 病的反射はみられず。 自分で動かず、移動に介助が必要となっているよう。念のため、頭部CTをしたが、とくに異常なし。
確定はできないが、病気になることで仮釈放してもらいたい。 という動機から、身体障害(いわゆるヒステリー)を生じたということも考えうる。 さしあたり、幻聴、不眠、嘔気に効果のかる薬を出して様子見とすする。(略)
2週間後に再診とした。 その後の様子を見て対応を考えることにした
患者が仮釈放を望んで、心身の不調を呈しているなら、仮釈放してあければ良くなることが期待できる。患者のためを思えば、それが一番良いのだろうが、どうしたものであろうか?』
この初診サマリーを見ても、ウィシュマさんが、かなり衰弱していたのは事実だ。<公開された映像を見てもそれはわかる。>
しかし、名古屋入管は、簡単な検査しか受けさせなかったにもかかわらず、身体的に異常はなく、精神的な問題だと判断したようで、精神科医の診察を受けさせた。
ただ、ウィシュマさんの容体は回復せず。その2日後に死亡してしまったのだ。(ーー)
医師がウィシュマさんの遺族や弁護士らに語ったところによれば、ウィシュマさんを病院に連れてきた入管職員に「支援者から『病気になれば仮放免してもらえる』と言われた頃から心身の不調を生じている」と言われたために、そう受け取ったということ。
しかし、ウィシュマさんの支援団体は「病気になれば仮釈放になる」とは言っていないと語っている。(-"-)
* * *
梅村氏は、入管施設に収容された外国人の支援のあり方に問題があることを指摘したかったのかも知れない。「支援者の助言は、かえって収容者にとって見なければよかった夢、すがってはいけない『わら』になる可能性もある」という言葉からもしれがうかがえる。(-"-)
<ちなみに、ネトウヨ界では、サヨク活動家が不法入国、滞在をしている収容者に余計な入れ知恵をして、帰国を阻止しているなどという意見が出回っているようなのだが。その延長上の話なのだろうか?>
もしかしたら、入管職員が勝手に「支援団体がそう言った」「それでウィシュマさんが詐病を使い始めた」と思い込んだため、体調不良に十分に対応していなかった可能性も十分にあるわけだが。<職員の中には、支援者の存在をうざったく思っている人もいるかも知れない。>
梅村氏も「支援者に問題あり」と思い込んだのかも知れないが。突然、参院本会議場で、支援者に責任があるかのような発言をした上で、それを根拠に入管法改正法を肯定するというのはいかがなものなのか。梅村氏はこの日、維新の会の代表者として討論したわけ、維新の会自体も、同様に考えて、この改正法に賛成するのか。
維新は政府与党でないため、国会質疑で追及できない。その分、心あるメディアにその辺りをしっかり追及して欲しいと思うmewなのだった。(@_@。
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