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【これはあくまでもmew(&周辺)の個人の感想、意見です。ツッコミ、疑問、批判の声は遠慮いたします。m(__)m】
5月25日の『維新の会について思うこと(その1)維新の会のイメージ+小泉政権発足時を思い出す』のつづきを・・・。
前回、維新を見ていると、2001年小泉純一郎が自民党の総裁選を勝ち、小泉政権の運営を行なっていた頃に似ているという話を書いたのだけど。
何故、小泉のことを長々と書くかというと、維新の会の創設者である橋下徹の言動、手法が、小泉のそれらと通じる部分が大きいように思うからだ。また、今の維新がそれを継いでいる部分もあると思う。(・・)
<ちなみに、小泉は、毎日、官邸でぶら下がり会見を開き、政治だけでなく芸能、スポーツに関する質問にも対応。翌日のワイドショー、ニュースで取り上げられ、国民に親しみを与えた。
国会では、年金未納について「人生いろいろ」、イラク攻撃に関しても「フセインが見つかっていないから、イラクにフセイン大統領が存在しなかったということを言えない」(大量兵器も存在しないとは言えない)などとおちゃらけ詭弁の答弁を。またイラクの自衛隊派遣について「どこが非戦闘地域か、私に聞かれたってわかるわけがない」、郵政民営化法案について問われても「細かいことは竹中に」と、「難しいことはわからない」という感じの対応をしたことが、一部の国民からは無責任だと批判されたが、一部には好意的に受け止める人も少なからずいた。後述するように、これを「小泉ポピュリズム」の様態の一つだと見る人もいる。>
そして、小泉と言えば、もう一つ、忘れてはならないのだが。2005年のの郵政解散&総選挙だろう。
また、後に話題になったのが、この時に小泉陣営が事前の調査に基づいて、「B層をターゲット」に選挙を進めたことだ。(**)
こちらに『郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)』 有限会社スリード (PDF) という資料があるのだが。
http://tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf
小泉陣営は、スリードなる会社(元広告会社の社員が中心?)に郵政民営化に関しての国民の調査、分析をさせて、国民をA、B,C+αに分類。郵政民営化を成功させるために、B層をターゲットにすることを考えたのだ。
<先に言えば、ここではIQが低いとなっているが、このIQはいわゆる「知能」というより、政治的な関心、意識、知識のことを指すと考えた方がいいかも。mew周辺にはIQや学歴が高く、高い地位or経営者として仕事ができる女性が、何故か、小泉ファンだったというケースが少なからずあった。>
ざっと言えば、A層はIQが比較的高く、構造改革に肯定的。構成者は財界勝ち組企業、大学教授、マスメディア(テレビ)、都市部ホワイトカラーなど。
B層は、マスコミ報道に流されやすくIQが比較的低い、構造改革に中立的ないし肯定的。主婦層、こども、シルバー層など。具体的なことは分からないが小泉総理のキャラクター・内閣閣僚を支持する層
C層は、構造改革抵抗守旧派。IQが比較的高く、構造改革に否定的。
また、層の名は明記されていないが、IQが比較的低く、構造改革に否定的。構成者は既に失業などの痛みにより、構造改革に恐怖を覚えている層がいて、この2つは郵政民営化に賛成しそうにないと考えた様子。
「B層に徹底フォーカス、愛用しやすい媒体に徹底フォーカス、波状的かつ累積的にラーニングを行なう」と。「A層はB層に強い影響力を持つ」として、A層向けに数万人規模のイベントを開催し、間接的にB層にも影響を与えるように」などの戦略が提言された。(ーー)
<2004~5年は、まだ今ほどネットが普及しておらず。個人的には、TVの影響が大きかったように思う。<スリードは、主婦層やシルバー層を対象に、フライヤー(チラシ)を使うことを提案していた。>
また、A層を利用してB層に影響を与えるために、B層も知っている有名人と竹中平蔵の対談イベントを行なったりしたことも。<ホリエモン(堀江貴文)を選挙に担いだのも、その一環かも。>
小泉は01年に郵政民営化を公約に掲げて総理総裁になったものの、自民党内では郵政民営化に反対の人が多かったため、党内の協力が得られず、なかなか話が進まなかった。
当時は、総裁任期は最長6年だったため、小泉はこのままでは間に合わないと考え、04年、それまで民間人として経済関係の閣僚に起用していた竹中平蔵を比例代表で参院議員にすると共に、郵政民営化担当大臣に任命し、法案を作らせた。05年、怒号が飛び交う中、自民党内の部会等を強引に通して国会に提出し、「反対された場合、解散する」「反対議員は処分する」かのような脅しをかけた。
衆院は当初、反対者の方が多かったものの、ギリギリで賛成多数で可決。(衆院は解散された場合、公認されないとマズイので、最後の2~3日で切り崩された。>しかし、参院では否決されることに。衆院再可決の2/3の賛成を得ることは困難だったこともあり、小泉は解散を断行した。(ーー)
<参院で否決されたのに、衆院を解散することは暴挙だと批判が集まった。しかも、当時、国民は郵政民営化に関心がなく、賛成が少なかったため、メディアや識者の大部分は「自民党は2/3の議席はとれない」「下手すれば負ける可能性がある」と言っていた。mewもそう思ってた。^^;>
小泉はB層を意識してか、小難しいことは言わず「郵政民営化に賛成か、反対か」の選挙だとして争点を単一化し、また抵抗勢力との戦いをオモテに出して、選挙戦を進めた。
また、B層の関心を引く目的もあってか、衆院議決で反対し、翻意しなかった人には自民党の公認を出さず、各選挙区に若いor女性の刺客を送るという「劇場型選挙」を行ない、TVメディアが毎日、それを追いかけた。(~_~;)
この選挙戦略が見事にハマり、選挙戦の途中から、小泉自民党が優勢だという調査結果が増えて来た。<それを見て「日本がアブナイ!」「何とかしなくちゃ」と、慌ててこのブログを立てたのよね。^^;>
選挙当日は、小泉支援の無党派層も参加したためか、前回より投票率が7%以上も上がって、67.51%もあった。で、結果は、自民党が前回より60以上も議席を増やし、296人と衆院の2/3以上の議席を獲得。秋の国会で、早速、郵政民営化法案を再可決されることになった。(>_<)
<橋下維新の話は次に書くけど、橋下が府知事選に出て、維新を拡大して行った時のやり方とか、何か小泉の言動を彷彿させるところがあるし。地方議会では反対の方が多かった大阪都構想の実現させるため、住民投票で小泉のような逆転勝利をすることを狙っていたのではないかと察する。^^;>
* * *
この小泉の01年総裁選や郵政解散総選挙の戦い方、政権運営の仕方を見て、多くの識者は、日本の国政にポピュリズムが完全にはいり込んだと言い始めた。
『ポピュリズム(英: populism)とは、有権者を「エリート」と「大衆」に分けた上で、2つを対立する集団と位置づけ、「大衆」の権利こそ尊重されるべきだと主張する政治思想をいう。日本では、「大衆迎合」「衆愚政治」「扇動政治」「反知性主義」などの意味で使われることが多い』(wikipediaより)
できるだけ多くの一般国民に政治に関心をもってもらい、理解してもらい、参加してもらうことは決して悪いことではないし。頭でっかちの「エリート」や、利権欲にまみれた「政治屋」に支配されるのではなく、一般大衆の生活や権利を尊重した政治が行われるべきことはいうまでもない。(**)
ただ、これがよからぬ方向に進むと、国民が考えることを忘れ、批判精神も失い、支配者にコントロールされる可能性がある。
そして、かつてのナチス・ドイツや戦前の日本のナショナリズム(国家主義)やファシズム(帝国主義)に結びつくおそれも大きいわけで・・・。
それもあって、維新の会の急激な拡大を憂慮する人が少なからずいるのではないかと思うmewなのである。(@_@。
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