【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】
6月25日に発表された読売新聞の最新の世論調査で、自民党に対抗する野党として、どちらが主導権を握るべきという質問に対する回答は、維新が40%、立民党が26%だった。
また、次の衆院選での比例選の投票先を聞くと、自民38%、維新13%、立民9%などの順だった。(-"-)
まず、維新は「自民党に対抗する野党」ではない。その点を多くの国民が誤解していることを問題に思う。
この辺りは、改めて詳しく書きたいと思うが。維新の会は、もともと自民党から派生した政党である上、今も時に自民党と連携する「よ党」として活動。次の衆院選では、「野党第一党の立民党をぶっ潰す」と言っている政党なのだ。(~_~;)
<初代代表の橋下徹氏は自民党推薦で府知事に、次の代表の松井一郎氏や現代表の馬場伸幸氏は元自民党県議。安倍首相ー菅官房長官と定期的に会食するなど、蜜月状態だったし・・・。(-_-)>
ただ、国民の中に(特に無党派層の中に)、立民党より維新の方が魅力的に感じる人がかなり多いのは事実だろう。
* * *
mewは、その大きな理由の一つは、維新の親しみやすさ、身近さにあると思っている。維新の方が、立民党よりも、国民に身近な立場で、国民に寄り添っている、国民の視線で政治活動を行なっていると感じさせるものがあるのではないかと思うのだ。(・・)
民主党は07年の参院選、09年の衆院選に勝って政権交代を果たしたのだが、その時のスローガンは「国民生活が第一」だった。
当時、自民党政権では安倍晋三首相(06~7年)が「美しい国づくり」を掲げて国家主義的な政策を進めようとしたり、麻生太郎首相(08~9年)が上から目線の「オレさま」的な言動や国政を行なっていた。
それに対して、民主党は、小泉政権から始まった新自由主義政策によって国民の経済格差、労働格差、生活格差が広がったことをアピールし、労働体制の見直し、生活や子育て・教育支援などの政策を次々と主張。また「消えた年金」問題や消費税増税の問題など、国民の関心がある諸問題をどんどん追及して行ったのもよかった。この頃の民主党は「市民感覚」を持ち、「生活者の味方」の政党だという印象を抱かれていたのだ。
<06~9年に民主党代表だった小沢一郎氏は、政権交代の実現に燃えていたのでが。このアピールの仕方、自民党との戦い方は、本当にうまかったと思う。(・・)>
今にして思えば、まだ鳩山由紀夫氏や菅直人氏、岡田克也氏や辻元清美氏や蓮舫氏なども今より若くて勢いが感じられただろうし。何か親しみやすさや身近な感じもあったしね。(07~9年は自民党政権の首相が福田康夫氏、麻生太郎氏だったしね。)小沢一郎氏も(懸命に?)笑顔を浮かべて、国民の前に出て行っていたし。
このような姿勢が無党派層の国民の心をつかむことにつながったように思える。(++)
立民党も、新自由主義政策を問題視し、生活者を第一に考えるリベラルな政党なのだが。そもそも「立憲」という党名がちょっと厳めしい感じだし。<憲法を論じる小難しい政党だ、というイメージを持っている人がいる。^^;>ベテランや固いor生マジメな感じの議員がオモテにいるせいか、小難しいことを言うツマラナイ政党という雰囲気もあって、親しみやすさや身近さを覚える人は少ないのではないかと察する。(-"-)
5月24日に『維新にあって、自民・立憲にないもの・・・庶民の心を掴んで放さない決定的な理由』という現代ビジネスの記事をアップしたのだが。
この記事を書いた御田寺圭氏の指摘に、mewは「なるほど~」と思わされることが多かった。
維新の支持率が上昇したが最大の要因は、大阪府知事を務めていた吉村洋文氏(現・共同代表)が、新型コロナウィルス対策の会見を行なう映像が、全国のTVニュースで流れる機会が増えたことにある。(・・)
45歳と若く、それなりにイケメンで、府知事になってまだ2年めだった吉村氏が、懸命にコロナ対策を考え(大阪モデルなどを作り)、県民に訴える。やや偏った予測データに頼ったり、イソジンを持ち出したりして、色々と問題視されることもあったのだが、大阪府民や関西圏の住民の中には「頑張る吉村」を応援しようという気持ちが強くなった人が多かったと思うし。そんな吉村氏の存在は全国に知られて、注目されるようになった。(@@)
* * *
『大阪では「吉村さんは一生懸命に頑張っているのに、東京(政府)やメディアが吉村さんの足を引っ張ってばかりで気の毒だ」という認識がひろく共有され、吉村氏のコロナ対策や彼を支持する人の割合は7~8割にものぼっていたのだ。(略)
『「市民感覚をもって頑張ってくれている人(維新)に対して、その頑張りに答えないばかりか冷笑する政府や東京のエリートたち」というストーリーが強調されることで、維新は市民から「私たちの声を聞かないあんな奴らに負けないで!」と大きな支持を拡大していった。(略)
かつては「素朴な生活者/市民感覚の味方」を標榜していたはずのリベラル派・左派は、いつのまにか都市部在住エスタブリッシュメントの先鋭的思想を地方に“啓蒙”するエリート主義を鮮明にして、むしろそうした維新的な市民感覚を「バカw」「ネトウヨw」「壺w」と嘲笑するようになった。』
『ここできわめて重要なのは「市民感覚を大切にする維新 vs. 市民感覚を馬鹿にする上から目線のリベラル派・左派」という物語は、もはや大阪や近畿だけでなく、いまや全国各地においても当てはまり、意識される構図が生まれていることだ。(略)
現在の維新は「市民感覚」をまるで省みない「政治的エリート(自民党)」と、それを冷笑する「知的文化的エリート(立憲民主党・共産党)」に対して不満を持つ名もなき人びとの受け皿とみなされているのである。』
この御田寺圭氏の文章にも、なかなか小難しい表現が多いのであるが。でも、的を射ている部分があるような気がしません?(・・)
この記事を読んで20~21年頃、知人女性が「枝野さんが東日本大震災の時に官房長官として頑張っている姿を見て応援したくなったし。民進党が解体された時に、残りのメンバーと立憲民主党を作って必死で戦っている姿を見た時も応援したくなったけど。最近は、ちょっと上から目線で威張って難しいことや批判ばかり言っている感じがする」みたいなことを言っていたのを思い出したのだ。(~_~;)
もちろん、政治理念や政策云々も重要なのだが。東日本大震災の時の「枝野、寝ろ!」、立民党結党時の「枝野、立て!」という言葉がSNSで広がって共感を呼んだように、小理屈抜きに得られる共感、身近さ、親しみやすさは、政治家や政党にとってもっと重要なものなのかも知れず。<それが小泉的B層、ポピュリズムにつながる危険性も大ではあるのだが。^^;>
もし立民党が、もう一度、民主党時代のように国民の支持や共感を得たいなら、改めて国民の生活に寄り添う身近な存在に思えるような政党作り、政治アピールの仕方を考えなければなるまい。
個人的には、泉健太氏よりも、国民が注目してくれるような&発信力のある人、または国民の期待や信頼を得られるような人を代表にして、早めに建て直しをはかって欲しいのだが。
もし代表交代が間に合わないとしても、もっと政治にあまり関心のない若い人や女性にもわかりやすく、力強くアピールする力を持った人たちを前面に立てて、立民党こそが国民の生活を考えている政党であることを、しっかりと訴えて欲しい。(**)
* * *
実は、次の衆院選の結果は憲法改正の手続きに結び付く危険性があるので、本当はそのことももっと訴えて欲しいし。
維新が自民党の派生・衛星政党であり、9条改憲や軍事強化、国民切り捨ての新自由主義の政党だということも、国民に気づいてもらえるといいな~とは思うけど・・・。
でも、まずはかつての「国民の生活が第一」のようなわかりやすいスローガンと訴えが必要だろう。<今の「生活安全保障」はダメダメ。そこに固い顔の泉代表の顔じゃ、尚更、心が惹かれず。(-"-)>
今で言えば、国民が不安を抱いているマイナカード、特にマイナ保険証の諸問題をメインで取り上げて、岸田内閣を追及すると共に、国民にマイナ保険証を含むマイナカード推進計画の延期策、改善策を提言するのも、いい戦略かも知れない。(++)
<維新はマイナにあまり批判的ではない。国民党もしかり。>
しつこく書くが、もし維新が野党のふりして、表向きは野党の(本当は単に非自公勢力の)第一党になってしまったら、日本に保守二大政党制が築かれ、改憲や軍事(戦争込み)などに関して、いざという時は与野党一体化(大政翼賛会化)して)、アブナイ方向に突き進む危険性があるわけで・・・。
ここは何とか次の衆院選で、立民党が維新に勝って野党第一党を確保して欲しいと、切に切に願っているmewなのである。(@_@。
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